令和4年度予算案が閣議決定！予算案の全体像をご紹介します

山岸

公開日：2021/12/27 更新日：2022/7/7

▼令和4年5月31日に成立した、令和4年度補正予算についてはこちらからどうぞ！

成立した令和4年度補正予算の中身は？物価高騰対策はどうなる？

2022.7.7

政府は、来年度の予算案を12月24日に閣議決定しました。

20日には令和3年度補正予算案が成立したばかりです。この時期は来年度に向けた政府の発表が相次ぎますので、政策の方向性を知るために、閣議決定された内容を確認しておきましょう。

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令和4年度予算のポイント

令和4年度予算は、令和3年度補正予算と一体となって、新型コロナ対策に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を図るための予算になっています。

◆一般会計総額：107兆5964億円（10年連続で過去最大を更新）

令和4年度予算は、社会保障関係費と防衛費が過去最高となりました。また、新型コロナの感染再拡大に備えて、国会の承認を得ずに使い道を決められる「新型コロナウイルス感染症対策予備費」として、令和3年度に続き5兆円を計上しました。

下の表は3年度予算（当初）と4年度予算を比べたものです。

出典：令和4年度予算フレーム

歳出の表で右端の「増減」のところをみると、団塊の世代が75歳以上に入って医療や介護が増えることから、今年度に比べて社会保障関係費が＋4393億円となっています。また、国債の償還や利払いに充てる「国債費」は＋5808億円となり、その他合わせて令和3年度当初予算を9867億円上回っていることがわかります。

歳入では、経済活動の再開で企業業績が回復傾向にあることなどから、税収は今年と比べて＋7兆7870億円の、65兆2350億円と見積もられています。

各歳出分野の特徴

ここからは、各歳出分野の特徴を簡単にご紹介します。

社会保障

・新型コロナへの対応を引き続き推進しつつ、令和4年から団塊の世代が75歳以上となるなかで、メリハリのある診療報酬改定や効率的な医療提供体制の整備などの改革を進めて、社会保障の質の向上と国民負担の軽減を目指します。

科学技術・教育

・「科学技術立国」の観点から、過去最高の科学技術振興費（1兆3788億円）を確保し、デジタル、グリーン、量子、AI、宇宙、次世代半導体等の研究開発を推進、博士課程学生の処遇向上に向けた支援を充実させます。

・小学校高学年の理科・算数等の教科における「教科担任制」の推進等を図るとともに、外部人材の活用（174億円）等によって教員が授業等に注力できる環境を整備します。

デジタル・地方創生（デジタル田園都市国家構想）

・デジタル庁について、情報システム関係予算の⼀括計上等を進め、デジタル社会形成の司令塔機能を強化します。（4720億円）

・地方創生推進交付金1000億円のデジタル重点化を進め、補正予算で措置したデジタル田園都市国家構想推進交付金等と併せて、自治体のデジタル技術の実装・地域の課題解決を支援します。

経済安全保障

・経済安全保障の確保の観点から、量⼦暗号通信の研究開発、重要技術の管理体制、サイバーセキュリティ対策を強化するとともに、安全・安⼼に関するシンクタンク機能の⽴上げなどを推進します。補正予算においても、先端半導体の国内⽣産拠点確保、経済安保重要技術育成プログラムなどを措置したところです。

公共事業

・公共事業関係費について、安定的に確保(6兆575億円)し、その中で、ドローン点検等を活⽤した⽼朽化対策や⼟地利⽤規制・避難計画等のソフト対策を強化した治⽔・地震対策など、防災・減災、国⼟強靱化への重点化を推進します。

農林水産

・農林⽔産物・⾷品の輸出5兆円⽬標の実現に向け、重点品⽬を中⼼に、品⽬別の輸出促進団体の組織化等への⽀援、輸出産地・事業者の育成、海外の⾷品規制への対応などを総合的に進めます。⽶については、輸出⽤⽶・野菜等の⾼収益な作物への作付転換を含め、令和4年産⽶の需要に応じた⽣産を推進します。

エネルギー・環境

・2050年カーボンニュートラル⽬標等の達成に向けて、太陽光、洋上⾵⼒、地熱等の再⽣可能エネルギーの導⼊、クリーンエネルギー⾃動⾞の導⼊や、⽔素、アンモニア等の実⽤化・普及に向けた研究開発を加速します。（約1000億円）また、脱炭素に意欲的に取り組む⾃治体を継続的・包括的に⽀援するための交付⾦を創設（200億円）します。