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事業承継が急がれる理由とは?事業承継補助金について調べてみた

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今日本の中小企業における経営者におおい年齢はいくつぐらいかご存知でしょうか。2015年の段階で年齢のピークは65~69歳でした。つまり2019年における4年前ということになりますので、このピークは必然的に70~74歳へと移行していることに他なりません。

生涯現役という経営者が多くいらっしゃいますが、会社の将来を考えるためには、まず「会社のいま」を見つめ直すところからはじまります。
経営の「見える化」や会社の「磨き上げ」、そして「事業承継」により魅力あふれ、長く継続する会社や事業を組み立てていくことができます。

今回は、事業承継について、そして事業承継やM&Aなどをきっかけとした中小企業の新しいチャレンジを応援する制度としての事業承継補助金について、見ていきたいと思います。

この記事の目次

事業承継の対策は今のうちからしなくてはいけない理由


冒頭でも触れましたが、今日本の中小企業の経営者は60代後半から70代であるといえます。つまり、あと10年経つと必然的に80代経営者ばかりになってしまうということです。これは、高齢化社会である日本特有の問題でもあり、今まさに後継者不足による休廃業や解散などが今後も増え続けることが予想されます。

事実、2017年の東京商工リサーチによる休廃業・解散企業の経営者年齢構成比率を確認すると2017年度における半数が、70代以上で休廃業や解散している企業となっています。


この数値が例年通りであった場合には、あと5年ないし10年には現在20万人ほどいる経営者が経営する企業が休廃業・解散企業となる可能性が高まり、日本経済の衰退へとつながる可能性が出てまいります。

しかし、帝国データバンクの調べによると60歳以上の後継者不在の企業は調査対象の約半数近い、48.7%になっているようです。そのため、企業を持続させる手段の一つとしてM&Aが活用されはじめているようです。
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事業承継までの流れと具体的な方法

事業承継がすすまない理由には、さまざまですが事業承継を行ううえで中小企業庁が推奨してい流れと具体的な方法についてみていきたいと思います。

事業承継までのステップ1:経営の「見える化」

長く事業経営を行ってきている事業経営者にとって、現状把握は経験則によるものが非常に強く職人などを抱えているような製造業などでは「感」が大切にされてきています。しかし、これからの時代において「感・経験」といったものでは後継者には伝わらない場合がほとんどです。

まずは、事業・経営における「見える化」を行います。メリットしては以下の3つが大きく上げられます

  • 現状課題の把握
  • 現状・課題の把握による後継者の不安の解消
  • 銀行や取引先からの信用度上昇

などがあげられます。事業における将来の分析や現状の経営状態の分析を見える化することにより、会社の強みや弱みなどを洗い出すことが可能となります。その結果次の世代でとりくまなければいけない企業の成長にむけた取組が明確化されます。

やることが明確化されるということは後継者にとっても、先の見えない不安から明確な目標ビジョンが見えてくることになります。さらに、見える化を行い際の副産物的要素として財務状況が明確化されるので銀行や取引先などからの信用度も上昇することが予想されます。

では中小企業庁が進める「見える化」にむけた具体的な行動としてSWOT分析などを含む6つのアクションがあります。

  1. 自社の強みと弱みの把握
  2. 経営分析ツールの活用
  3. 会社資産と個人資産の明確化
  4. 自社株式の保有状況と評価額の把握
  5. 適正な財務諸表の作成
  6. 知的資産の価値の確認

以上があげられます。これらのアクションを起こすうえではかなりのマンパワーが必要になってきますが、長期経営などの体制の場合1~6の部分が不明瞭である場合がほとんどです。特に中小企業においてファミリービジネスのような小さい規模、年商30億円ほどの企業であると会社と個人の資産があいまいである場合や、財務諸表などがおざなりになっている場合がありますので注意が必要です。

事業承継までのステップ2:会社の「磨き上げ」

SWOT分析や上記の推奨アクションにて会社の見える化ができた次のステップとして、会社の「磨き上げ」ブラッシュアップが重要になってきます。

磨き上げとは、具体的には会社の強みを強化し弱みの部分を補うなどの行動をさします。これらの行動をすることにより企業において競争力が身に付き、さらには磨く過程において経営陣と従業員の間で状況共有されることにより生産体制が強化されたり、売上向上につながったり、従業員満足度が向上する効果が期待できます。

  1. 商品力強化と市場開拓
  2. 人材強化
  3. 役員・従業員の役割区分
  4. 権限委譲によるリスク分散
  5. 経営のスリム化

以上のいずれかのポイントでアクションを起こすことによって、会社をより魅力のある競争力のある企業に成長させることができてくるはずです。またこの磨き上げのアクションにおいてはすべて行う必要はなく、あくまでもステップ1のときに行った見える化で見えた課題を解決するために行うアクションとなります。

ちなみにこのような経営改善の相談に対応しているのがよろず支援拠点となりますので事業承継を検討している企業さまは一度相談してみてはいかがでしょうか。

https://yorozu.smrj.go.jp/

 

事業承継までのステップ3:「事業承継」

そして最終的なステップとして事業承継となります。後継者に承継するものは大きく分類すると3つあります。

  • 資産
  • 知的財産

以上の三つです。事業承継というと単純に企業、会社を承継するのですが、具体的にはこの3つの要素を承継することとなります。人は従業員であり経営権です。後継者の育成には5~10年かかることもあります。そして、実際の株式などがある場合は株式や土地、設備、運転資金、借金などもあれば承継することとなります。そして最後は目に見えない財産です。

特に技術系の企業や歴史ある企業などであれば経営文化などもその知的財産などに含まれます。さらに取引先などの人脈や特殊技術・技巧なども承継されなければなりません。

そしてもっとも重要なポイントは誰に承継させるのかという点でもあります。3つの代表的な承継のカタチとして

  • 親族への承継
  • 役員・従業員への承継
  • 社外への引継ぎ(M&A)

などです。ファミリービジネスなどであれば親族への承継などはスムーズかとおもいますが兄弟がいる場合など複雑化する場合がありますので早めの決定や現経営者と後継者での事業計画などの取組を行うことをおすすめします。

役員や従業員への承継する場合としてはある程度企業規模が大きい場合が想定されますが、後継者を能力や実力などで判断することができ事業内容自体も引継ぎする時間も短くすみます。
以上いろいろな事業の承継の方法がありますが、この承継を進めるうえで活用できる補助金でさらにスムーズな承継の取組を行えればと思います。

事業承継補助金とは?

事業承継補助金は、冒頭でも触れたとおり事業経営者の高齢化にともない事業継続が困難になる中小企業経営者のために、事業承継やM&Aなどをの中小企業の新しいチャレンジを応援する制度です。

Ⅰ型とⅡ型に分かれており、Ⅰ型は経営者交代タイプ(後継者承継支援型)、Ⅱ型はM&Aタイプ(事業再編・事業統合支援型)となっています。

https://www.shokei-hojo.jp/

※今年度はすでに申請受付は終了しております

申請受付期間

二次募集:2019年7月5日(金)~2019年7月26日(金)19:00
一次募集:2019年4月12日(金)~2019年5月31日(金)19:00

昨年度も5月8日~6月2日とGWなどの長期休暇を挟んでの募集期間となりますので、実質1か月程度の募集期間となっているので事前の準備が必要となってきますのご注意ください。

事業承継補助金のⅠ型とⅡ型について

Ⅰ型は経営者交代タイプ(後継者承継支援型)、Ⅱ型はM&Aタイプ(事業再編・事業統合支援型)となります。それぞれの違いは継承するか他社に事業譲渡をするかとい点でタイプが分かれています。

事業承継補助金の補助対象者について

補助金の対象者は、以下の7つの要件をみたし、かつ「事業承継の要件」を満たす中小企業・個人事業主、特定非営利活動法人となります。

  1. 日本国内に拠点もしくは居住地があり日本で事業を営むもの
  2. 地域の雇用維持に後継している企業
  3. 対象者またはその法人の役員が暴力団等の反社会的勢力でないこと
  4. 法令順守上の問題をかかえていないこと
  5. 経済産業省から補助金指定停止措置もしくは指名停止措置がとられていないこと
  6. 匿名性を確保しつつ公表される場合があることに同意すること
  7. 事務局がもとめる調査やアンケートに協力できること

ここで対象となる中小企業・個人事業主とは以下のものをさします。

【対象のとなる中小企業者等】

業種分類定義
製造業その他資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人事業主
卸売業資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人事業主
小売業資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人事業主
サービス業資本金の額又は出資の総額が5千万以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人事業主

ゴム製品製造業(一部を除く)は資本金3億円以下または従業員900人以下となりますのでご注意ください。旅館業は資本金5千万円以下または従業員200人以下、ソフトウェア業・情報処理サービス業は資本金3億円以下または従業員300人以下となります。

【小規模事業者の要件】

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業種分売り定義
製造業その他従業員20人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業従業員20人以下
商業・サービス業従業員5人以下

小規模企業活性化法に従い、宿泊業及び娯楽業を営む従業員 20 人以下の事業者を小規模事業者として規定されています。

事業承継補助金の「事業承継の要件」とは

事業承継補助金において対象となるには、上記で示した企業であること以外に事業承継の要件定義を満たす必要があります。ここではその事業承継の要件についてご説明したいと思います。

事業承継の要件は大きく分けて3つあります。

  1. 対象期間内に事業承継が行われること
  2. 対象の事業承継形態であること
  3. 承継者が以前に代表権を有していない場合の資格要件

以上の3つが要件となります。1に関しては、補助金が公募になった段階で指定される期間となります。ここに関してですが、募集が始まった年であると想定しておけば大丈夫です。その他の2つの要件について以下で説明してまいります。

事業承継補助金の「事業承継の要件」における事業承継形態の区分

補助金の対象になる区分は大きく以下の通りになります。

  • 承継者が個人事業主の場合
  • 承継者が法人かつ被承継者が法人
  • 承継者が法人かつ被承継者が個人事業主

つまり承継する先が個人であるのか法人であるのか、さらに承継する形態がどのような形になるのかによって申請できる補助金の種類が異なってきます。唯一補助金を受け取れない形態としては、下記の表にもありますが、法人から個人事業主に対して事業譲渡が行われてかつ被承継者と個人事業主が同一である場合には申請できないようになっています。言い換えると法人格から個人事業に変えただけになりますので承継とみとめられないという形になります。

事業承継補助金の「事業承継の要件」における承継者の資格要件

つづいて実際に承継の資格要件についてみていきたいと思いますが、次のいずれかを満たす費用がありますのでご確認ください。

  • 経営経験を有している(事業)者
    • 対象企業の役員として3年以上の経験
    • 他企業の役員として3年以上の経験
    • 個人事業主として3年以上の経験
  • 同業種での実務経験をしている(事業)者
    • 対象企業・個人事業に継続して6年以上雇用・業務に従事した経験
    • 対象企業・個人事業と同じ業種において通産6年以上業務に従事した経験
  • 創業・承継に関する下記の研修等を受講した(事業)者
    • 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業を受けた者
    • 地域創業促進支援事業を受けた者
    • 中小企業大学校の実施する経営者・後継者向けの研修等を履修した者

以上となっております。補助金対象の承継資格を得るためには、3年以上の経営経験・6年以上の同業種経験・研修等の受講のいずれかであるということですので、もし仮に有資格のものがいない場合などは3つ目の研修等を受講させることで有資格者を得ることができるのではないでしょうか。

事業承継補助金の対象経費

対象となる経費についてですが、事務局が必要かつ適切であると認められたものであり、また以下の3つの条件をすべて満たす経費である必要がります。

  • 仕様目的がこの補助金事業の遂行に必要なものであると明確に特定できるもの
  • 承継者が交付決定後、提出した期間内に契約・発注を行ったもの
  • 証拠書類等によって金額・支払い等が確認できるもの

以上の3つが重要となります。つまり交付決定前に契約したものや発注した者、支払いが確認できないもの、目的が他にもあるような経費である場合には認められない可能性がありますのでご注意ください。

人件費、店舗等借入等、設備費、原材料費、知的財産権等関連経費、謝金、旅費、マーケティング調査費、会場借料費、外注費、廃業費として(廃業登記費、在庫処分費、解体・処分費、現状回復費、移転・移設費用)

などがあげられています。

事業承継補助金の補助金上限額

続いては実際にいくらの補助金、割合で補助されるのかをご説明します。

補助率は、補助金対象経費の2/3または1/2以内となっており、支払い自体は先に支払ったのちの精算後支払いとなります。

タイプ申請の内容補助率補助金額の範囲上乗せ額※1
【Ⅰ型】後継者承継支援型・ 小規模事業者・ 従業員数が小規模事業者と同じ規模の個人事業主2/3 以内100 万円以上~200 万円以内+300万円以内※2(補助上限額の合計は500万円)
小規模事業者以外1/2 以内100 万円以上~150 万円以内+225万円以内※2(補助上限額の合計は375万円)
【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型審査結果上位2/3 以内100 万円以上~600 万円以内+600万円以内※2(補助上限額の合計は1200万円)
審査結果上位以外1/2 以内100 万円以上~450 万円以内+450万円以内※2(補助上限額の合計は900万円)

※1 事業転換*により廃業登記費、在庫処分費、解体・処分費、原状回復費及び移転・移設費(Ⅱ型のみ計上可)がある場合のみ認められる補助金額。なお、上乗せ額の対象となる廃業登記費、在庫処分費、解体・処分費、原状回復費及び移転・移設費(Ⅱ型のみ計上可)のみの交付申請は出来ないので注意すること。

※2 廃業登記費、在庫処分費、解体・処分費、原状回復費及び移転・移設費(Ⅱ型のみ計上可)として計上できる額の上限額。

事業承継補助金(Ⅰ型):経営者交代タイプ(後継者承継支援型)


こちらの補助金は、経営者の交代による承継後に行う取組を支援する補助金となります。前項であげている会社のブラッシュアップ・磨き上げの取り組みなどを行う際に利用できるものになります。

事業承継補助金(Ⅱ型):M&Aタイプ(事業再編・事業統合支援型)


・本補助金の対象事業となる事業再編・事業統合に関わる“すべての被承継者”と“承継者”が、日本国内で事業を営む中小企業・小規模企業者等、個人事業主、特定非営利活動法人(以下、「中小企業者等」という)であること
・地域経済に貢献している中小企業者等であること
・承継者が現在経営を行っていない、又は、事業を営んでいない場合、次のいずれかを満たす者であること
・経営経験がある
・同業種に関する知識などがある
・創業・承継に関する研修等を受講したもの

事業承継補助金の申請・交付までの流れ


まずは認定支援機関へのご相談ください。それにより事業計画などの具体的な承継までの道筋を明確にするフローを行います。これに関しては来年度にてこの補助金を申請しようと考えていらっしゃる方はお早目にご相談ください。

経営革新等支援機関認定一覧

その後、交付申請に必要な書類を集めて申請期間内に提出します。(交付申請書類のチェックをご確認ください)

この申請期間が約1か月程度となりますので今のうちからの準備が必要です。そして交付決定が行われた場合には補助事業の実施を行い実績報告を行ったのに補助金額の確定連絡が事務局より入り、最終的に交付手続きを行い補助金が交付される形になります。

補助金が手元に入るまでには事業実施・完了する必要がでてきますので実質年末に入ると考えていたほうが良いかと思います。また取組を行うにあたり資金が必要な場合には借入もしくは資本が必要となってきますので、このあたりも事前の計画で算出しておく必要があります。

まとめ

事業承継について、経営の「見える化」、会社の「磨き上げ」、「事業承継」のステップと、それに伴う事業承継補助金について見てきました。

長く継続する会社・事業を組みたてるには、「事業」「資産」「財務」の軸で経営を見える化し、商品力や人的資源を強化したり、役割分担の明確化や権限移譲などで会社を磨き上げ、事業承継では後継者を選定し育てることがとても重要になります。

また、事業承継補助金に関しては、Ⅰ型(経営者交代タイプ)とⅡ型(M&Aタイプ)に分かれており、それぞれの補助率・補助上限額の他、新しい取組に加えて事業所や既存事業の廃止等を伴う場合は、補助額の上乗せを行います。

事業承継は国連でも採択されたSDGsや、日本投資戦略にもあるように、これから力を入れていくべき分野になります。そのため、少しでも事業承継をお考えの方は、今のうちから準備を。
あまり考えていらっしゃらない方でも、会社の見える化や磨き上げなどを今のうちからしておくことをおススメします。

その他、補助金ポータルでも、ご相談等受け付けております。
不明点など何でもお気軽にご連絡ください。

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