あなたの店舗は大丈夫?フロン排出抑制法が2020年4月に改正されます!

一時期はモデルガンなどで弾丸を飛ばすのにも利用されていたフロンガスですが、オゾン層の破壊要因となっている事が分かった1990年ごろからは世界規模で規制の対象となっています。

近年まではオゾン層を破壊しない「代替フロン」という新たに開発されたフロン類が空調や冷蔵庫の冷媒として使用されていましたが、実はこの代替フロンが二酸化炭素の数十倍から10000倍以上も温室効果がある事がわかり、地球温暖化対策上でも排出抑制が喫緊の課題となっています。

来年2020年4月からはフロン類の取り扱いに係る法律「フロン排出抑制法」が改正され、温室効果がより少ない「グリーン冷媒」への転換が進められる方向です。

フロン排出抑制法ってそもそもなに?

フロン排出抑制法はオゾン層の保護と地球温暖化の防止のため、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全般に対して包括的な対策を実施するために平成27年4月に施行された法律です。

フロン類の回収・破壊に対する自治体の努力義務を定めた「フロン回収・破壊法」が改正されたもので、新たに回収業者や使用者などにも厳しい義務と罰則が設けられています。

2020年の改正ではユーザーの違反に対する罰則の強化や、機器の点検に関する記録の保存期間延長、解体工事を行う場合には業者によるフロン類使用機器の有無の確認記録の保存義務の追加などが行われます。

【2020改正のPOINT1】
今後はフロン類を使用している業務用機器をリサイクル業者に引き取ってもらう場合は、フロン類の回収業者が発行する「確認証明書」が必要になります。※無い場合機器の引き取りは出来ません。

【2020改正のPOINT2】
フロン類を回収せずに業務用機器を廃棄した場合、直接罰金が科せられます。(刑罰:最大50万円)
これまでは行政にバレた上で注意・指導に従わなかった場合のみ罰金

【2020改正のPOINT3】
フロン類を業者に回収してもらった場合、その記録は機器を廃棄した後も3年間保存しなければならない。

※環境省パンフレット

フロン排出抑制法で対象となる冷蔵機器は?

家電製品の場合は「家電リサイクル法」、自動車のエアコンは「自動車リサイクル法」の管轄になるため、全てのフロン類がこの法律の適用対象となっているわけではありません。

「冷水器」「業務用エアコン」「製氷機」「業務用冷凍・冷蔵庫」など、事業者になじみの深い設備を中心に「業務用のフロン類使用機器のみ」がフロン排出抑制法の適用対象となっています。

【経産省HPより】

冷蔵機器を購入するために利用できる補助金

省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業補助金

「食品製造工場」「冷凍冷蔵倉庫」「食品小売店舗」がノンフロンショーケースやその他の省エネ型自然冷媒機器の導入を行う場合に補助が行われる環境省の制度です。

省エネ型自然冷媒機器にはプレハブ式冷凍・冷蔵保管庫などが含まれますが、業種に制限があるため、需要が多いであろう飲食店等で利用する事ができないのは残念なところです。

一般社団法人 日本冷媒・環境保全機構
https://www.jreco.or.jp/koubo_env.html

【公募期間】
例年で下記の通りです。
第1次公募5月頃~
第2次公募7月頃~
第3次公募9月頃~
第4次公募11月頃~

【補助対象者】
民間企業
地方公共団体
独立行政法人
一般社団法人 など

【補助対象機器】
ノンフロンショーケース
冷凍・冷蔵倉庫

【対象経費】
補助対象機器の購入費及び工事費

【補助額】
補助率:1/3以内
上限額:5億円

東京都省エネ型ノンフロン機器普及促進事業

東京都では、冷媒にフロン類を使用しない「省エネ型ノンフロンショーケース」の普及を後押しするため、当該機器の導入に対する補助を行っています。

事業に実用化される設備であれば業種に関わらず申請を行う事が可能です。

東京都 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/safety/cfc/nonfron-go.html

【公募期間】
2020年3月6日

【補助対象者】
中小企業者及び個人事業者

【補助対象機器】
省エネ型ノンフロン冷凍冷蔵ショーケース

【対象経費】
補助対象機器の購入費及び工事費

【補助額】
補助率:1/3以内
上限額:最大1500万円(一台あたり500万円)

経産省 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(設備単位)

省エネ設備の導入に活用できる経産省の省エネ補助金で、冷凍・冷蔵庫や高効率空調、産業ヒートポンプなどフロン類を使用する製品も対象製品となっています。

既存設備の更新・改修などによる省エネ化が目的の事業であるため、事業所に新たにノンフロン冷蔵冷凍機器を導入する場合には補助の対象となりませんが、事業所でフロン類を使用する設備が現役で稼働している場合には非常に使い勝手の良い補助金制度です。

LED照明や高効率空調の改修工事などの際にも活用をご検討ください。

SII環境共創イニシアチブ
https://sii.or.jp/cutback31/

【公募期間】
例年で5月頃~

【補助対象者】
民間企業
地方公共団体
独立行政法人
一般社団法人 など

【補助対象機器】
①高効率照明
②産業ヒートポンプ
③高性能ボイラ
④高効率コージェネレーション
⑤低炭素工業炉
⑥冷凍冷蔵設備
⑦高効率空調
⑧業務用給湯器
⑨変圧器
⑩産業用モータ

【対象経費】
補助対象機器の購入費

【補助額】
補助率:1/3以内
上限額:最大3000万円

まとめ

これまでもフロン類に対する取り締まりは徐々に強化されてきていましたが、代替フロンの温室効果が分かったのはつい最近のことで、温暖化対策に追われる環境省にとっては正に寝耳に水の出来事となりました。

政府はフロン類の排出抑制に対し「喫緊の課題」という表現を使用していますので、今後は環境汚染物質なみにフロン類の取り扱いや廃棄方法に厳格な規定が設けられていくのかもしれません。

いずれにせよフロン類を使用した旧式の機種を使用しつづけることで、余分な電力消費や煩わしい書類の管理などが増えてしまう事になりますので、補助金などが活用できるうちに早めの交換をご検討ください。