ホテルや旅館などの宿泊施設のバリアフリー化で貰える補助金「宿泊施設バリアフリー化支援補助金」とは?

2000年代に政府の公共施設のバリアフリー化推進が本格的に始まり、2019年現在では乗降者数の多い駅などではエレベーターの普及率も90%まで向上し、国立公園や国定公園、自然公園等でも次々にバリアフリーへの適合が進められています。

こういった取り組みの中で車椅子の利用環境は年々改善が進んでおり、近年は旅行会社各社が「車椅子旅行ツアー」を開催するなど、車椅子利用者のバリアフリー旅行などがちょっとしたブームにもなっています。

しかし、そこで問題となっているのがバリアフリー対応の宿泊施設の不足です。

国内では2006年に施行されたバリアフリー新法によって公共施設などを中心にバリアフリー化が進められているものの、民間の古い宿泊施設などではコストの問題もあり中々対応が進んでいないというのが現状です。

来年度オリンピック・パラリンピックの開催が決定している東京都では、宿泊施設等のバリアフリー化を推進するため、ホテルや旅館のバリアフリー化を支援する「バリアフリー化支援補助金」を実施しています。

今回の記事で取り上げるのは、東京都の「バリアフリー化支援補助金」です。

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バリアフリー化が集客に繋がるってほんと?

日本はアジア圏の国としては特にバリアフリー化が進んだ国の一つで、海外からの車椅子旅行者にも人気も高い国であることは御存じでしょうか?

日本で「バリアフリーの概念」が生まれたのは今から50年以上も前のことで、1964年に東京で行われたパラリンピック(オリンピック)直前に、車椅子旅行者が大量に都心に押し寄せることを想定できていなかった政府が、自衛隊を動員して市中の段差を破壊してまわったのが、政府が初めて行ったバリアフリー整備と言われています。

バリアフリーという言葉が世界中に浸透したのは、その10年後となる1974年に国際連合が「Barrier Free Design」を発表してからのことですが、日本では先述の理由により1960年代の高度成長の過程で、既に都市計画にバリアフリーの概念を組み込むことが出来た為、アジア圏随一のバリアフリー化が実現しています。

来年には再び東京でオリンピック・パラリンピックが開催される事が決定しているため、今後は海外からの車椅子旅行者の数もますます増えていくことが予想されていますが、そこで問題になっているのがバリアフリーの宿泊施設が不足している事です。

なぜ宿泊施設だけバリアフリー化が進んでいないのか?

欧米などは土地が広いため平屋造りが多く浸水防止の為の家屋の段差も屋外に設けられており、それに加え室内まで土足で入る家庭が多いため、バリアフリー化に必要なのは外部のスロープ設置のみです。

日本はというと、浸水防止のための段差は靴を脱ぎやすくするために玄関に設けられているため原則として屋内は非バリアフリーであり、さらに家屋の敷居を踏む事が家主の頭を踏みつける事と同義とされる文化も古くから存在する為、車椅子の屋内利用を前提としたバリアフリー化は積極的に進めらることがありませんでした。

こういったことから、海外の旅行者などは日本の車椅子旅行では、明確にバリアフリーを掲げている宿泊施設以外には泊まってはいけないという認識が広まっている為、一部のバリアフリー対応の宿泊施設に予約が殺到してしまっているため、バリアフリーの宿泊施設が不足しています。

日本では少子高齢化によって高齢の車椅子旅行者なども増えている為、今後はバリアフリー対応の宿泊施設の需要はますます増加する事が予想されます。

これからの宿泊事業経営においては「高齢者」「インバウンド」の取り込みは重要な課題となっていますので、旅館やホテル等の宿泊施設はバリアフリー化による内外への訴求にも積極的に取り組んでいく必要があります。

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