外国人旅行客向け環境整備でもらえる補助金「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」とは?

外国人旅行客の環境整備でもらえる補助金とは?

日本に訪れる外国人旅行者を今後さらに増やしていくための環境整備が進められており、外国人旅行者がもつ不満を解消し、より快適にすごしてもらうための設備導入に対して補助金がもらえます。
外国人旅行者の不満で多いのが、wifiスポットが少ない、多言語の看板やパンフレットが充実してない、施設スタッフとのコミュニケーションがとれない(英語が話せない)などです。
また、観光先でのトイレ事情(和式トイレ)にも不満を感じている人もいます。
外国人旅行者に、より観光を楽しんでもらい、リピーターにつなげるためにも、補助金を活用しながら環境を整えていきましょう。

どんな補助金で何の経費が補助対象になるの??

観光庁の補助金で、正式名称は「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」といい、外国人旅行者が日本での観光を快適に過ごしてもらうための設備導入や、施設改良に対して補助金がでます。
参考:訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の募集

補助対象になるの具体的な事業は下の①~③の3パターンに分かれます。

①外国人観光案内所
○外国人観光案内所の整備・改良に要する経費
○無料公衆無線LAN環境の整備に要する経費
○案内標識、デジタルサイネージ、タブレットに要する経費
○スタッフ研修、ホームページの多言語表記等及び案内放送の多言語化に要する経費等

②観光拠点情報・交流施設
○基幹事業(情報発信機能向上事業)
・掲示物等の多言語化、案内標識、デジタルサイネージ、無料公衆無線LAN環境の整備に要する経費
○効果促進事業
※基幹事業実施の場合に限り、効果促進事業も補助対象となります。
・観光拠点情報・交流施設の整備・改良に要する経費
・ホームページの多言語表記等及び案内放送の多言語化に要する経費
・コンテンツ作成、タブレット、洋式トイレの整備等に要する経費

③公衆トイレの洋式化等
※ 訪日外国人旅行者が毎年一定数訪れている(と推定される)観光施設等(観光スポット)周辺等の公衆トイレを対象とします。
○基本整備項目
・和式トイレの洋式化
・洋式トイレの増設
・洋式トイレの旧式から新式への交換(温水洗浄便座を設置するものに限る。)
○追加整備項目
※基本整備項目実施の場合に限り、追加整備項目も補助対象となります。
・機能向上に資する設備の整備(温水洗浄便座等)

補助率や上限、応募期間や具体的な流れなど詳細

補助率と上限

補助対象経費の3分の1以内
補助金の上限・下限ともになし。

応募期間

平成29年4月3日(月)~10月31日(火)17時(必着)
応募は毎月締め切られます。応募月の翌月末をメドに交付決定されます。
なお、この補助金は上限金額が決められていないことも魅力ですが、予算がなくなり次第
応募終了になるので、早めの応募するのが良さそうです。

それぞれの事業ごとに、申請方法や、注事項などは異なります。それではパターンごとに具体的な申請の流れや補助項目などを詳細を見ていきましょう。

①外国人観光案内所


この補助金は、外国人観光案内所の開設・機能向上への支援です。
補助金対象となる案内所は、日本政府観光局(JNTO)で下図のカテゴリ2以上の認定案内所、または認定される見込みのある案内所である必要があります。
それ以外の案内所は補助対象にならないので気をつけてください。

参考:外国人観光案内所事業概要

補助対象経費

この補助金が対象となる経費は、次のAからCの条件すべてを満たす必要があります。
A.使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
B.補助金交付決定後に、契約・発注により発生した経費
C.証拠書類・見積書等によって契約・支払金額が確認できる経費

具体的に補助される経費

(1)外国人観光案内所の整備・改良
補助対象経費:外国人観光案内所の開設、又は機能向上を図るための改修等に必要な工事。
対象外経費:土地購入費、補償費

(2)案内標識
補助対象経費:観光案内所又は観光案内所周辺に設置するもの、旅行者が観光案内所へ訪れるための合理的なルート上に設置する案内標識
・建物等に固定化するための取付工事が発生する案内標識

(3)無料公衆無線LAN環境の整備
補助対象経費:「機器購入費」(無料公衆無線LAN機器の購入に係る費用)及び「ソフトウェア購入費(セキュリティー対策含む)」
対象外経費:通信費等の無料公衆無線LAN環境の維持に関する経費

(4)デジタルサイネージ
補助対象経費:観光案内所又は観光案内所周辺に設置するもので、「観光案内情報」「交通情報」「災害情報」のいずれかの情報を多言語(最低限英語)で発信するデジタルサイネージ

(5)ホームページ
補助対象経費:
・観光案内所の設置主体又は運営主体が運営しているホームページ
・既存のホームページを多言語化(最低限英語)するために行う改修又は新規に多言語
化(最低限英語)したホームページの作成に必要な経費。
・ホームページの翻訳費。
・改修又は新規に作成するホームページは、「観光案内情報」「交通情報」「災害情報」のいずれかの情報を多言語(最低限英語)で発信する必要がある。

(6)案内放送の多言語化
補助対象経費:
観光案内所から直接、観光情報や災害情報を案内放送する場合の、放送内容の多言語化(最低限英語)に必要な翻訳費。

対象経費:観光案内所以外の場所から放送するもの(観光案内所職員が、観光案内所外の別の放
送施設から発信する場合等)

(7)コンテンツ作成
補助対象経費:デジタルサイネージやDVD、パンフレット(印刷費用は含まない)などで、観光案内所から直接、多言語(最低限英語)で情報発信するもの。
・既存のコンテンツを多言語化(最低限英語)するために行う改修、又は新規に多言語化(最低限英語)したコンテンツ作成に必要な費用。
・コンテンツの翻訳費。
・改修又は新規に作成するコンテンツは、「観光案内情報」「交通情報」「災害情報」のいずれかの情報を多言語(最低限英語)で発信する必要がある。

(8)タブレット
補助対象経費:
観光案内業務において、観光案内所スタッフが説明時に、補助的に使用することを目的としたインターネット接続タブレット
※観光案内所において、常時対応している職員数を超えない台数が上限
・タブレット端末本体及びカバー等付属品に必要な費用

(9)スタッフ研修
補助対象経費:
観光案内所職員を対象に多言語研修、接遇研修、視察研修、災害対応訓練研修のうちの、講師謝金、会場借上料、テキスト作成費、研修参加費、研修委託料

(10)その他
・外国人観光案内所の接遇機能向上や、案内業務機能向上を目的とするものであり、下記のア)又はイ)に該当する設備等。
ア)案内業務向上のための設備
例)カウンター、スタッフ用の事務机、事務椅子、キャビネット、冷蔵庫等
イ)接遇向上のための設備
例)案内所の休憩スペース等に設置するテーブル、ソファー

提出書類

・要望書
・補助対象経費の算出根拠となる書類
・地図、写真
・その他要望に必要な書類

参考:外国人観光案内所応募要項

②観光拠点情報・交流施設

来日した外国人旅行者が観光名所の情報や、交流機会(体験・学習等)を得ることができる観光拠点情報・交流施設の取組を支援するため、施設の整備・改良、設備の設置等に要する経費の一部について支援されます。

補助金対象の必要条件(=要件)は、機能面での要件と、立地面での要件がありますが、少し細かくなるので詳細は、以下URLの3ページ目3.補助対象要件を確認してください。
参考:観光拠点情報・交流施設応募要項

補助対象経費

この補助金が対象となる経費は、次のAからCの条件すべてを満たす必要があります。
A.使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
B.補助金交付決定後に、契約・発注により発生した経費
C.証拠書類・見積書等によって契約・支払金額が確認できる経費

(A)基幹事業(情報発信機能向上事業)

基幹事業は、訪日外国人旅行者を含む不特定多数の観光客への情報を発信する施設の設
備等の設置又は機能向上を目的とした事業とし、以下の①から④に掲げる経費を補助対象とします。

(1)掲示物等の多言語化
補助対象経費:観光拠点の歴史や文化等を多言語(最低限英語)で紹介するための掲示物等について、
掲示物等の設置経費。

(2)案内標識
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設やその周辺に設置するもの。もしくは観光拠点情報・交流施設へ訪れるための合理的なルート上に設置する案内標識。
外国人旅行者に対して、観光拠点情報・交流施設の場所を案内することを目的に設置する看板であること。

(3)デジタルサイネージ
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設やその周辺に設置するもので、下記ア~エのを多言語(最低限英語)で発信するデジタルサイネージ。 ※ア)の観光拠点情報の発信は必須
ア)観光拠点情報
イ)観光情報
ウ)交通機関情報
エ)災害情報

(4)無料公衆無線LAN環境の整備
補助対象経費:無料公衆無線LAN機器の購入に係る費用及び「機器設置工事費用
(機器設置工事費用、ソフトウェア購入費含む)」を対象とします。
対象外:通信費などの環境の維持に関する経費は補助対象外。

※今回の補助金を利用する場合は、共通シンボルマーク「Japan.Free Wi-Fi」の掲出に関しての登録申請をすること
※利用者の利便性及び不正利用防止の観点から、以下のア)による認証方式、又はイ)及びウ)の認証方式併用を導入することが条件
ア)SMS(ショートメッセージ)・電話番号を利用した認証方式
イ)SNS アカウントを利用した認証方式
ウ)利用していることの確認を含めたメール認証方式

(B)効果促進事業

効果促進事業は、(A)に附随して行う事業であって、外国人旅行者を含む不特定多数の観光客への情報発信機能、交流機会提供機能又は利便性の向上を目的とした事業が対象。

(1)観光拠点情報・交流施設の整備・改良
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設の開設、又は機能向上を図るための改修等に必要な工事で以下のア)からウ)の経費。
対象外:土地購入費、補償費。

ア)本工事費
観光拠点情報・交流施設を新規に開設することを目的に行う工事、又は既設の観光拠点情報・交流施設において行う改修や設備の取付けに要する費用。
イ)附帯工事費
観光拠点情報・交流施設の整備に直接要した費用で、本工事を実施するための仮設工事の費用を含む。
ウ)事務費
工事等に要する設計費及び工事管理費。ただし、基本設計に係るものを除く。

(2)ホームページ
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設の設置主体又は運営主体が運営するホームページで観光拠点又は観光拠点情報・交流施設の情報発信を目的としたホームページで
既存のホームページを多言語化するために行う改修か、新規に多言語化したホームページの作成。
※多言語化は最低英語以上
※ホームページの翻訳費も補助対象

改修又は新規に作成するホームページは、以下のいずれかの情報を多言語(最低限英語)での発信が必要。
ア)観光拠点情報
イ)観光情報
ウ)交通機関情報
エ)災害情報

(3)案内放送の多言語化
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設内で案内放送する場合の、放送内容の多言語化(最
低限英語)に必要な翻訳費。
対象外:観光拠点情報・交流施設以外の場所から放送するもの。

(4)コンテンツ作成
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設の設置主体又は運営主体が作成するコンテンツであり、デジタルサイネージ、DVD、パンフレット(印刷費用は含まない)等により、観光拠点情報・交流施設から直接、多言語で発信するもので
・既存のコンテンツを多言語化するために行う改修、又は新規に多言語化したコンテンツ作成に必要な費用。
※多言語化は最低英語以上
※ホームページの翻訳費も補助対象

改修又は新規に作成するコンテンツは、以下のいずれかの情報を多言語(最低限英語))での発信が必要。
ア)観光拠点情報
イ)観光情報
ウ)交通機関情報
エ)災害情報

(5)タブレット
補助対象経費:観光拠点情報や観光案内情報などを提供するタブレット
※職員が案内業務で使用する場合、又は建物等に固定化して使用する場合に限る。
※タブレット端末本体及びカバー等付属品に必要な費用が補助対象

(6)洋式トイレの整備
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設内で利用者用のトイレの機能向上のための以下のア)からウ)の費用。
ア) 和式トイレの洋式化
イ) 洋式トイレの増設
ウ) 洋式トイレの旧式(温水洗浄便座が設置できない洋式トイレ)から新式への交換

(7)その他
補助対象経費:観光拠点情報・交流施設の外国人旅行者を含む不特定多数の観光客への情報提供、交流機会提供又は利便性向上を目的に導入する設備費用。
ア)観光拠点に関する情報提供のための設備
例)テレビ、プロジェクター、録画再生器、展示ケース 等
イ)交流機会(学習・体験等)を提供するための設備
例)学習用机、椅子、本棚 等
ウ)利便性向上のための設備
例)テーブル、ソファー、椅子、パーテーション 等
エ)その他
例)カウンター、事務職員用机、椅子、ホワイトボード 等

補助対象外:展示物そのもの(例:伝統工芸品、美術品等)や、観光体験や学習に使用するため
の備品(例:茶道体験に用いる茶釜や、書籍購入等)。

提出書類

・ 要望書
・事業のイメージ
・設計図、図面等
・観光拠点と観光拠点情報・交流施設の場所がわかる地図等
・補助対象経費の算出基礎となる見積書などの資料
・地方公共団体等の補助(予定)額等を確認できる資料等
・その他計画を審査する上で参考となる書類
・上記①~⑦の電子データ
参考:観光拠点情報・交流施設応募要項

③公衆トイレの洋式化等

訪日外国人旅行者が利用しやすい観光地の公衆トイレ整備の経費等の一部について補助金がでます。訪日外国人の訪れる観光スポット内、駐車場等を含む観光スポット周囲、ゲートウェイとなる最寄駅・バスターミナル・港湾ターミナル等から観光スポットまでの経路上にある公衆トイレが対象です。
また公衆トイレとは無料で自由に利用できるもの限定です。

補助対象経費

(1)基本整備項目
・和式トイレの洋式化
・洋式トイレの増設
・洋式トイレの旧式から新式への交換(温水洗浄便座を設置するものに限る。)

【対象範囲工事】
・撤去工事(給排水管等の撤去・運搬及びその産廃処分費用、工事で発生した粉塵や養生物の
処分費用)
・補修工事(養生、タイルの貼替)
・衛生設備工事(洋式便器の設置、給排水管の接続)※洋式トイレ等の購入費用含む
・内装工事(手すり、紙巻き器)
・建具工事(個室建具の設置)
・電気設備工事(便座用電源、分電盤工事)
・工事等に要する設計費及び工事管理費。ただし、上記工事を伴う場合に限る。
※ 旧式とは温水洗浄便座が設置できない洋式トイレ。
※ 電源コンセント・照明器具は原則として既存設備を活用すること。和式トイレの洋式化等に伴い個室内への新設が必要となる場合は補助対象。
※ 既設配管の老朽化による腐食が激しい場合は、個室内へ引き込む配管の交換も対象。

(2)追加整備項目
・温水洗浄便座の設置(多目的トイレへの設置も含む)
・ハンドドライヤーの設置
・洗面器の設置・交換・自動水栓化
・化粧鏡の設置・交換
・小便器の設置・交換(旧式→新式)
・室内外照明LED化
・室内冷暖房の設置
・内壁・外壁の改修(躯体工事は除く)
・窓の交換
・入口ドアの設置・交換
・ピクトサインの設置や英語表記
・その他

※対象外経費
土地の取得に要する費用
公衆トイレの新築、周囲の改修(周 囲の舗装、アプローチのバリアフリー化、観光案内看板の設置・交換、浄化槽の設置)、建替や増改築等の躯体工事、多目的トイレ自体の設置等。

提出書類

・要望書
・設計図、図面等
・公衆トイレと観光スポットの位置関係がわかる地図等
・補助対象経費の算出基礎となる見積書などの資料
・地方公共団体等の補助(予定)額等を確認できる資料等
・2ヶ月分の利用水量がわかる書類。ただし、直近1年以内のものに限る。
・上記①~⑥の電子データ
参考:公衆トイレの洋式化及び機能向上応募要項

受給までの流れ

①応募書類を最寄りの地方運輸局等に提出

②審査の結果は、国土交通省より地方運輸局等を通じて通知

③審査結果通知後、補助金交付申請書の提出等、補助金の交付に係る必要な手続き

④補助金の交付

※補助金の交付は補助事業の完了実績報告書を提出後、2~3ヶ月程度。
完了実績報告は、補助事業の完了後1か月を経過した日か、補助事業完了年度の翌年度の4月10日のいずれか早い日までに提出。

注意点

①~③の注意点として国の補助金などの給付をすでに受けているか、受給が確定している、もしくは交付対象になる可能性がある場合は、原則的に補助金の対象にはなりません。
明確な観光案内機能の向上が目的の経費については補助対象ですが、故障や老朽化など明確な向上が共わなわない修理修繕や代替更新に要する経費は補助対象外です。ランニングコストや、レンタル・リース契約も補助対象外です。

また、②観光拠点情報・交流施設と③公衆トイレの洋式化等は、対象の地域も限定されるので気をつけてください。
・カテゴリーII以上のJNTO認定外国人観光案内所が立地する地域
・広域観光周遊ルート形成計画の広域観光拠点地区
・観光圏整備実施計画認定地域
・観光地魅力創造事業の認定地域
・「文化財総合活用・観光振興戦略プラン」に基づき文化財を中核とする観光拠点の整備に取組む地域
・「国立公園満喫プロジェクト」の先導的モデルとして選定され、「国立公園ステップアッププログラム2020」の策定に取組む地域
・観光立国ショーケース選定都市
・東京オリンピック・パラリンピック競技会場立地都市
・ラグビーワールドカップ競技会場立地都市
・その他観光ビジョン推進地方ブロック戦略会議が訪日外国人旅行者の受入環境整備を実施すべき地域として認めるもの

まとめ


今回の補助金の魅力は、金額の上限がないところです。
とはいえ、どこの自治体でも申請できるものではなく、注意点にもあるように申請できる地域も限定される場合があるのでご注意ください。
日本へ訪れる外国人旅行者の数は2016年には過去最高の2,400万人超えになり、今後さらに増やしていくためにも、日本により魅力を感じてもらえるような環境作りが必要です。国も力を入れている事業になるので、ぜひ補助金を活用しながら取り組んでみてはいかがでしょうか。