長時間労働の見直しに使える助成金!生産性向上のための機械・設備導入も助成対象になる「時間外労働上限設定コース」とは?

2020年4月1日から中小企業に時間外労働の上限規制が導入されます。(大企業等は2019年4月~導入)これにより時間外労働は原則として月45時間、年360時間以上は禁止となります。しかしながら「業務上の無駄な作業の見直しをしたいが何をすればいいかわからない」「機械を導入して生産性の向上を図り時間外労働を削減したいが、使える助成金がわからない」とお困りの中小企業事業主の皆さまもいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなお悩みをお持ちの方に、中小企業による働きやすい職場環境づくりを支援する「時間外労働等改善助成金」をご紹介いたします。これは労働時間等の設定改善を支援する助成金で、目的に応じて以下の5つのコースに分かれています。

①時間外労働上限設定コース
②勤務間インターバル導入コース
③職場意識改善コース
④団体推進コース
⑤テレワークコース

今回はそのうちの一つ、「時間外労働上限設定コース」を取り上げたいと思います。このコースは長時間労働の見直しのため、時間外労働の削減に向けた取り組みを実施した場合、最大で200万円が助成されるというものです。生産性向上のための設備・機器の導入や外部専門家のコンサルティングによる業務内容の見直しのほか、働く時間の削減につながる多様な取り組みが助成対象となっている助成金です。
申請期限は11月29日でしたが、この度2020年1月8日まで延長となりました!厚生労働省のウェブサイトには、コースの解説動画もアップされました。まずはこちらの動画をご覧ください。

動画で基本的な内容をご理解いただいたところで、コースの詳細を確認していきましょう!

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1、時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)の対象事業者とは

このコースの対象となる事業主は以下の要件を満たす必要があります。

●平成29年度または平成30年度において、限度時間(月45時間、年360時間)を超える内容の時間外・休日労働に関する協定(特別条項付き36協定)を締結していること
●その協定の範囲の時間外労働および休日労働を複数月行った労働者(単月に複数名行った場合も可)がいること
●労災保険の適用事業主であること
●中小企業事業主であること

中小企業とは、次の表の資本金の額または常用労働者数のいずれか一方(または両方)に該当するものを指します。

2、時間外労働を減らすために!助成対象となる取り組みをみてみよう

どのような取り組みが助成対象となるのでしょうか?
まず、全ての対象事業場の労働者を対象に、時間外労働の削減に向けた話し合いの機会の整備やこの助成金の事業実施計画の周知などを行います。そして以下の取り組みのうち、いずれか1つ以上を実施します。(複数の実施も可能)

①労務管理担当者に対する研修
②労働者に対する研修、周知・啓発
③外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)
⑤人材確保に向けた取り組み
⑥労務管理用ソフトウェアの導入・更新
⑦労務管理用機器の導入・更新
⑧デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
⑨テレワーク用通信機器の導入・更新
⑩労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

【活用事例】
●生産性向上のために、現在使用する検針器と比較して、約2倍の速度で作業をすすめることができる検針器を新たに導入(上記取り組み⑩)した。

●外部専門家による時間外労働削減に向けたコンサルティングを行う(取り組み③)とともに、働き方改革の必要性や労働時間管理についての研修(取り組み①、②)を実施した。

●労働者の始業・終業時間を記録するクラウド式の勤怠システムの導入(取り組み⑥)を行った。
などがあります。活用事例についてより詳しくご覧になりたい方は下記事例集をご覧ください。

参考:時間外労働上限設定コースの活用事例
https://www.mhlw.go.jp/content/000553376.pdf

3、成果目標の設定とは?36協定の時間外労働を短縮し上限の設定をしよう

前の項目で確認した、助成対象となる取り組みは以下の「成果目標」の達成を目指して実施します。以下の時間外労働のいずれかの上限設定を行い労働基準監督署へ届出を行う必要があります。

成果目標①:時間外労働時間を月45時間以下かつ、年間360時間以下に設定
成果目標②:時間外労働時間を月45時間以上60時間以下かつ、年間720時間以下に設定
成果目標③:時間外労働時間を月60時間以上、時間外労働時間数及び法定休日における労働時間数の合計で月80時間以下かつ、時間外労働時間数で年間720時間以下に設定

事業実施前と比べて36協定の時間外労働時間の上限をどこまで縮減するかにより、目標が3つに分かれています。なお上記の成果目標に加えて、週休2日制の導入に向け、4週当たり5日から8日以上の範囲内で休日を増加させることを加えることができます。

4、時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)の支給額はどのくらい?

成果目標の達成状況に応じて支給対象となる取り組みの実施に要した経費の一部が支給されます。
支給額(以下のいずれかの低い方の額)
①1企業あたりの上限200万円
②上限設定の上限額および休日加算額の合計額
③対象経費の合計額の3/4※
※常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取り組みの⑥~⑧を実施する場合でその所要額が30万円を超える場合は補助率4/5となります。

②の上限設定の上限額については以下の表をご覧ください。

出典:時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)のご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/000559676.pdf

事業実施前の時間外労働の状況と成果目標の組み合わせによって、上限額が異なります。
たとえば、(ア)現在月に80時間を超える設定の事業所が、成果目標①(時間外労働時間を月45時間以下かつ、年間360時間以下に設定)を達成した場合、150万円が支給されます。

休日加算額
上記の成果目標に加えて、増加させた休日の日数に応じて加算される額は以下のとおりです。

出典:時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)のご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/000559676.pdf

4週当たり1日増なら25万円、2日増なら50万円、3日増は75万円、4日以上増なら100万円が加算されます。なお、加算額を加えた場合も上限は合計200万円です。

対象経費
支給対象となる経費にはどのようなものがあるでしょうか。たとえば以下のような経費が対象となります。
●謝金
●旅費
●借損料
※機器・設備類、ソフトウェア等のレンタルやリース等の費用、ICTを利用したサービスの利用料
●会議費
●雑役務費
※研修等受講料、機器・設備類の保守費用
●広告宣伝費
●印刷製本費
●備品費
●機械装置等購入費
●委託費
※調査会社、コンサルタント会社、システム開発会社等への委託費用

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