まちの不燃化促進に補助金が出る?神戸市が行う「密集市街地建物除却事業補助金」について調べてみた

1.路地のある街は好きですか?

路地には独特の雰囲気がありますよね。

建物から醸し出される生活感、行き止まりや、知らない小道にでるなど、先を見通せない期待感と発見の楽しさは、冒険をしているかの様なワクワクした気分になりませんか?

しかし、路地などの密集地域では、火災時に延焼が起こりやすく、道路が狭く入り組んでいるため、避難経路や避難場所が十分に確保できないなど、様々な問題が挙げられます。

そうしたことから、路地の独特の魅力と同時に「まちの防災面向上」が、より重視されてきています。今回は神戸市密集地域における、まちの不燃化促進事業をご紹介します。

2.密集市街地ってどんなもの?

「密集市街地」とは、老朽化した木造住宅等の建築物が密集していて、十分な避難道路や避難公園、緑地などの施設がないことから、防災機能が確保されていない市街地のことです。

住民の生活においては、近くに駅や店舗があるなど暮らしやすい街である一方、高齢化の進行に伴い、地域のコミュニティが弱くなり、街の活力が低下する可能性も考えられています。

3.「密集市街地建物除却事業」とは?

神戸市では、広範囲に燃え広がる恐れのある「密集市街地再生優先地区(灘北西部、兵庫北部、長田南部、東垂水)」において、「燃え広がりにくいまちづくり」を推進しています。
「密集市街地建物除却事業」とは、地震時などの火災で広範囲に燃え広がる危険性を解消する目的で、まちの安全性の向上を目指すため、老朽住宅の解体費用一部をの補助します、というものです。

密集市街地再生方針に基づき、広範囲に燃え広がる恐れのある「密集市街地再生優先地区(灘北西部、兵庫北部、長田南部、東垂水)」において、「燃え広がりにくいまち」や「建物が倒壊せず、避難が可能なまち」を目指し、地域特性に応じて多様な施策を組み合わせることにより、相乗効果による密集市街地の再生を図ります。
引用:密集市街地再生方針(平成23年3月策定)

4.対象者

補助事業の対象区域を所有する、老朽住宅※の所有者が対象です。

※老朽住宅とは
昭和56年5月31日以前に着工された、主要構造部が木造の住宅で、非住宅部分の延べ床面積が、2分の1かつ50㎡未満の住宅が対象です。

5.対象要件


①除却住宅は、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅であること
②除却後に建築する場合は、準耐火建築物※以上の耐火性能をもつ建築物とすること
土地所有者全員から誓約が得られていること
建物所有者全員から同意が得られていること
⑤除却後の完了実績報告を平成30年3月31日までに提出すること
⑥補助事業者は、建設リサイクル法第21条の規定に満たす解体除却業者を相手方とすること
⑦補助事業者は、⑥の規定を満たす複数解体除却業者により見積もりをとること

※その他の要件は、募集要項をご確認ください。

耐火・準耐火建築物とは

(1)耐火建築物
「通常の火災が終了するまでの間、火災による建築物の崩壊および延焼を防止する」ことが必要。
また、建物の内外で発生した火災により、建物の崩壊に繋がる範囲を燃えないようにして、火災が鎮火した後も建物が崩壊しないようにしなければならない。
(2)準耐火建築物
「通常の火災による延焼を抑制する」ことが必要。
建物の崩壊につながる範囲が、時間をかけて燃えるようにすることで、建物の内外で発生した火災の想定時間中(45分または60分間)に、部材が座屈することなどにより建物が崩壊することがないようにしなければならない。
参考:国土交通省 防耐火に係る基準

6.対象地区


灘北西部、兵庫北部、長田南部、東垂水
対象詳細区域については、こちらからご確認ください。

7.補助金額

補助金の額は、次の①・②いずれか低い額を限度とします。

①補助金額は、対象経費の3分の2とし、1,000円未満の端数がある場合は切捨とする
②戸建住宅形式の場合は上限128万円、集合住宅形式の場合は上限256万円

(1)対象経費

対象経費は、老朽住宅の解体除却に要する、次の(1)~(5)経費です。

(1)上部構造物の解体除却工事費
(2)特殊基礎(杭、地盤改良など)を除く、基礎の解体除却工事費
(3)解体除却後の埋め戻しおよび整地費
(4)解体除却工事に必要な仮設工事費
(5)その他市長が必要と認める費用

(2)対象外経費

補助事業者が法人の場合、消費税および地方消費税に相当する額は含まれません。

8.密集地解消による取組

神戸市では、地域の特色あるまちなみの保全・空き地や空き家などを活用した新たな魅力づくりなど、地域の価値を高め、密集市街地の整備改善を促しています。

(1)多様な世代が居住しやすい環境づくりの取組

子育て世帯がくらしやすいすまいづくり
(隣地買い増しによる敷地拡大、協同立替、空き家の活用など)

(2)暮らしを支える基盤作りの取組

身近な生活道路の拡幅整備による暮らしやすく建替がしやすい環境づくり
歩きやすい歩道・階段の整備

(3)豊かなコミュニティの育成の取組

空き地や空き家を活用した地域交流の場づくり(子育てや趣味のグループなど)
空き店舗の活用(若手店主への出店支援、地域コミュニティの場としての活用など)

9.申請の方法など

(1)申請窓口

神戸市すまいとまちの安心支援センター(すまいるネット)が担当窓口です。
〒651-0186
神戸市中央区雲井通5-3-1 サンパル4階
電話番号:078-222-0186
問い合せ、申込受付時間:午前10時~午後17時(水曜・日曜・祝日を除く)

(2)申請期間

平成29年4月17日~平成30年2月1日
※予算がなくなり次第、終了します。

(3)必要書類

①補助金交付申請書(様式第1号)
②位置図、現況写真
③建物の配置図、平面図、求積図
④公図、登記事項証明書等、建物の所有者と建築年次が確認できる書類
⑤老朽住宅の除却事業に係る複数業者からの見積もりの写し
⑥誓約書および印鑑登録証明書
⑦同意書

(4)実績報告

事業完了した日から起算して、15日を経過した日までに実績報告書の提出が必要です。

(5)補助金の請求

補助金請求書(様式第10号)を事業完了後、原則30日以内に提出するものとする。

10.まとめ

いかがでしたか?
近年では、店舗における火の不始末による火災や、自然災害による家屋の倒壊などが多発しています。密集市街地における延焼や倒壊の危険性を抑えるためには、防火性能が低い古い木造建物を除却し、周辺の住環境との調和にも配慮しながら、燃えにくい建物への建て替えを促進することが大切です。今後は、空き地や空き家を活用した地域交流の場づくりなど、多様な世代が住みやすい環境づくりの向上が求められています。

また、神戸市の補助金以外にも、東京、神奈川、大阪などでは、建物の不燃化・耐震化、避難経路の確保、老朽建物の除去など、自治体ごとに改善に向けた取組をおこなっています。
安心して住み続け、すみよい街づくりをつくっていくためにも、「住環境の整備」の検討を進めていきませんか?

参考:神戸市 密集市街地建物除却事業
参考:平成23年 神戸市密集市街地再生方針