中小企業の生産性向上を支援する助成金制度、厚労省の「業務改善助成金」を紹介します。

働き改革関連法の施行により益々活発化する安倍内閣の働き方改革ですが、政府はその実施計画の中で「国内の平均加重最低賃金を年率3%程度を目安に1000円まで引き上げる」という目標を掲げています。

今回は中小企業等が、生産性の向上や労働能率の増進を図る投資を行う場合に労働者の最低賃金の引き上げを要件に助成金が交付される、厚労省の「業務改善助成金」という制度について紹介したいと思います。

全国における最低労働賃金の引上げの動き

働き方改革が掲げるいくつかの目標の中でも経営に直接的に負担が掛かる「有給取得率の改善」「労働時間の適正化」「賃上げの実施」などは、多くの中小企業にとって、なかなか積極的には取り組めないネガティブな課題といえます。

今回取り上げている業務改善助成金では「企業内における最低賃金の引き上げ」が助成金の交付要件となっていますが、現在都道府県毎に定められている法定最低賃金はどうなっているでしょうか?厚労省のHPで調べてみたところ、現在最も最低賃金の高い東京は現在985円、最も最低賃金が低い鹿児島は現在761円となっています。

最低賃金が760円台の都道府県が全国で16もある為、全国平均としては政府目標である1000円までやや遠い864円という結果です。

【平成30年度全国地域別最低賃金一覧】※厚労省HPより

最低賃金の引き上げは労働賃金法の改正などによって強引に行うことも出来ますが、その場合は失業を誘発してしまう為、政府としては出来るだけ民間企業の努力によって目標を達成したいと考えています。

2.業務改善助成金とは?

今回紹介している業務改善助成金は、最低賃金の引き上げを行う中小企業を対象とした、生産性の向上を支援する助成金です。

1.助成対象企業

事業場内最低賃金が1000円未満の中小企業・小規模事業者であること
※過去に業務改善助成金を受給したことがあってもOK

2.業務改善助成金における対象事業

1.対象設備
生産性の向上が図れる設備の導入、又はサービスの利用が対象です

・ POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
・ リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
・ 顧客・在庫・帳票管理システムの導入による業務の効率化
・ 専門家による業務フロー見直しによる顧客回転率の向上
・ 人材育成・教育訓練による業務の効率化

2.助成内容

・最低賃金の引き上げをどの程度実施するかによって、助成率や上限額が変わります。

つまり現状の最低賃金ふぁ800円未満である企業全体で常時働いている労働者数が30人以下でかつ生産性要件を満たした場合には、最大で助成率9/10のを受けることが可能となってきます。ちなみに昨年までは、この最大助成率は4/5でしたが今回さらに助成率が引き上げられている状況です。

※ここで言及している生産性要件とは、企業の決算書類より算出した労働者一人当たりの付加価値の伸び率となります。通常はこの生産性の伸び率が6%を超えるものであった場合に対象となります。一部記入機関からの事業性評価を得ている場合には1%以上の伸び率でも該当するようです。

法人における「付加価値(円)」=営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課

生産性(円)=付加価値/雇用保険被保険者人数

生産性の伸び=(直近年度生産性ー直近年度3年前生産性)÷直近年度生産性×100

 

3.交付の流れ・期間

  1. 事業改善計画賃金引上げ計画を記載した申請書を都道府県の労働局に提出
  2. 事業改善計画に基づいて設備・機器の導入などを行い生産性を向上
  3. 賃金引上げ計画に基づいて事業場内の最低賃金の引き上げを実施
  4. 業務改善計画の実施結果と、賃金引上げの状況を記載した事業実績報告書を提出し、助成金額の確定後に助成金が交付されます。

2019年6月17日時点において、受付期間中となっております。申請期限は2020年1月31日までとなっております。

4.問い合わせ先

お問い合わせは下記まで

働き方改革支援センター一:https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000505432.pdf
労働局:https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/
ハローワーク
https://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
申請窓口 :https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/madoguchi.html

3.まとめ

今回は中小企業・小規模事業者が生産性の向上によって、事業場における最低賃金の引き上げを行った場合に助成金の交付が受けられる業務改善助成金について紹介してきました。

継続して費用の負担が増加する企業内の最低賃金引き上げは、多くの中小企業にとって中々手を付けづらい難しい課題ともいえます。

今回紹介した業務改善助成金では生産性の向上を支援することで、無理のない賃金引き上げの推進を行っています。

最低賃金法の改正などにより、いずれは上げざるを得なくなってしまう最低賃金の引き上げですが、助成金等を有効に活用して取り組む事で、企業の成長のきっかけにする事も可能なのではないでしょうか。

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