上限300万円!宿泊・飲食施設が外国人旅行者の受入整備でもらえる「分煙環境整備補助金」とは

外国人旅行者の取り込みを強化するために、メニュー等の多言語化・無線LAN環境の整備・トイレの洋式化などを実施する事業主を補助する「インバウンド対応力強化支援補助金」。
東京五輪・パラリンピックを控えた東京都において、飲食店をはじめとするサービス施設が外国人旅行客に対して利用しやすい環境を整えることは、集客拡大の一つでもあります。
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「インバウンド対応力強化支援補助金」

外国人旅行者の取り込みに向けて、分煙環境の対策も進められていることはご存知ですか?
「週刊ホテルレストラン」が外国人旅行者に対して行った日本の喫煙環境の印象調査によると、
非喫煙者の喫煙環境改善点については「飲食店・宿泊施設の禁煙」「飲食店・宿泊施設での分煙・喫煙の表示の充実」が上位を占める結果が出ています。喫煙者は「屋外の喫煙所の案内」「喫煙場所の充実」とあわせて、「飲食店・宿泊施設の案内の充実」が続き、非喫煙者・喫煙者ともに「案内表示」の充実を求めていることが分かっています。
≪参考≫
週刊ホテルレストラン(2015.1.16) 外国人観光客の日本に対する喫煙環境意識調査結果報告書

分煙対策を進めることは、外国人旅行者の「満足度」「消費向上」を目指すだけでなく、日本人客についても同様の効果を期待することができますよね。
今回ご紹介するのは、快適な分煙環境づくりを進めるためにもぜひ知っておいてもらいたい補助金です。

1.どんな補助金?

この補助事業は、外国人観光客の来日満足度をあげるために、外国人観光客の受入に前向きな都内宿泊・飲食施設に向けて最大300万円の分煙環境整備にかかる費用の補助を行う制度です。
また、技術的なアドバイザーとして日本たばこ産業㈱の分煙コンサルタント無料派遣を公式に採用するなど、補助金の交付先がより効率的、かつ効果的な整備が可能となる取組のサポートを行う点も魅力の一つです。

参考:東京都産業労働局 宿泊・飲食施設の分煙化を支援します!外国人旅行者の受入れに向けた宿泊・飲食施設の分煙環境整備補助金

2.補助対象者

(1)東京都内で宿泊施設を営む者


東京都内において、旅行業法(昭和23年法律代138号)第3条第1項の許可を受けて営業を行う宿泊施設。ただし、客室は含みません。ロビー等、不特定多数の宿泊客が利用できる施設に限ります。

(2)東京都内で飲食施設を営む中小企業


東京都内において中小企業に該当する者であり、食品衛生法の許可を受けて、飲食店営業又は喫茶店営業を行う飲食施設。

※飲食業における中小企業者の定義
次の資本金の額、または常用従業員数いずれかの条件を満たすことが必要です。
・資本金の額 ≫5,000万円以下
・常用従業員数≫50人以下

3.補助要件


「分煙環境整備補助金」を申請するためには、次の補助要件を満たし、分煙対策である
(2)対象となる取組 のうち、いずれかの分煙措置を行う必要があります。

要件①

外国人旅行者受入のための多言語対応に取り組んでいる、または取り組もうとしていること
(取組例)ホームページ、メニュー、室内設備利用案内、施設周辺案内等の外国語表記等

※メニューの外国語表記について
東京都が実施する「EAT東京」(多言語メニュー作成支援ウェブサイト)の利用が可能です。
参考:東京都 多言語メニュー作成支援ウェブサイト

要件②

分煙環境整備後に、東京都が行うアンケート調査や視察受入、事業PRなどに協力すること

4.対象となる取組

(1)喫煙室の設置


ロビーや宴会フロアに個室タイプの喫煙室を設ける方法。

補助要件

ア)他の部屋から空間的に分離されており、喫煙の為に利用される部屋であること
Point①喫煙室には屋外排気のための設備を設け、空気の流れを確保する

イ)喫煙室の入口で、喫煙室内に向かう風速が0.2m/s以上であること
Point②扉を設ける際は、気流を乱さない引き戸を採用する

ウ)たばこの煙を屋外に排出できること
Point③適切な排気風量を確保し、室内に煙やニオイがこもらず、壁紙等の汚れを減らすことができること

(2)エリア分煙


客席を喫煙区域と禁煙区域に分ける方法。

補助要件

ア)壁や間仕切り等で仕切られていて、たばこの煙が禁煙区域に流れないように工夫すること
Point①喫煙区内と禁煙区内を仕切るため、垂壁や袖壁等を設けること

イ)喫煙区域の粉じん濃度が0.15mg/㎥以下、または喫煙区域における1時間あたりの必要換気量が喫煙席数n×70.3㎥/h以上になること

ウ)たばこの煙を屋外に排出できること


(3)フロア分煙


喫煙区域と禁煙区域をフロアで分ける方法。

補助要件

ア)喫煙することができる階を喫煙階より上に設けること。難しい場合は、喫煙階に通じる昇降口に扉を設けること等により、たばこの煙が禁煙階に流れないように工夫すること
Point①煙は上昇するため、喫煙フロアを禁煙フロアより上階に設定する

イ)喫煙階の粉じん濃度が0.15/㎥以下、または必要換気量が喫煙席数×70.3㎥/h以上

ウ)たばこの煙を屋外に排出することができること

5.対象経費


喫煙室等の設置に必要な経費のうち、次の①~⑤までの条件が補助対象経費です。
導入設備は新品のみが補助対象のため、リース・レンタルによる設置は対象外です。

①建築工事費等(間仕切り・壁、ガラス設置等)
②給排気設備費(換気扇・ダクト等設置、スプリンクラー移設・増設等)
③電気工事費等(照明機器、非常照明機器等)
④機器・備品類(空気清浄機、灰皿、イス等)
⑤その他(分煙環境である旨を表示する案内等)

その他の詳細な経費については、募集要項をご確認ください。

6.補助額

(1)補助率

補助対象経費の5分の4以内

(2)補助限度額

1施設につき300万円

7.無料分煙コンサルタントを利用しよう!


今回の補助事業では、日本たばこ産業㈱の協力のもと、分煙に対する様々な技術的なアドバイスを無償で行っています。「どのように分煙すればいいのか分からない」「喫煙スペースからのニオイや煙の漏れを防止する方法を教えて欲しい」など、効率のよい分煙方法(喫煙室新設や改善)をはじめ、分煙コンサルタントが直接訪問を行い、提案を受けることができます。また、補助金の申請をしない場合でも、分煙コンサルタントの相談は可能です。

【分煙コンサルタント派遣に関するお問い合わせ】
日本たばこ産業㈱お客様相談センター が窓口です。
電話:0120-198-504

8.手続きの流れ


※分煙コンサルタント派遣については、補助申請において必須ではありません。

申請書類の指定様式は、東京都産業労働局HPよりダウンロードしてください。

9.申請先

東京都産業労働局観光部受入環境課(環境整備推進担当)  が受付窓口です。
書類の提出方法については、窓口への持参のみです。
また、持参する際には、事前申込制のため事前連絡を忘れないようにしましょう。

東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東京都庁第一本庁舎24階中央
電話:03-5320-4627
受付時間:平日9時~17時

10.まとめ


いかがでしたか?
分煙環境対策については、外国人旅行者向けに限らず、タバコを吸う人・吸わない人それぞれが快適に過ごせる空間づくりをすすめていくことが大切です。そのためには、客層や立地、利用客のニーズや分析を行った上で、ルールを決めていくことが求められます。
今回の補助事業では、分煙に関するさまざまな質問や相談について、分煙コンサルタント派遣を無償で活用できるため、分煙対策を考えている方は、一度相談してみるのもいいかもしれません。
東京五輪・オリンピックを向けて、外国人旅行者は今後も増加すると考えられています。
そんな中で、今回の補助金制度の活用は国内の飲食業界のグローバル化の手助けにもなり、事業主の方にとっては心強い制度と言えるのではないでしょうか。
この補助事業は、既に分煙対策は行っているものの、要件を満たしていない店舗が対策を見直すことで補助金対象となることも可能です。外国人旅行者の獲得だけでなく、日本人客の「快適な環境整備」「満足度向上」を目指すためには分煙対策は避けて通れない道です。
分煙環境が未整備の飲食店にとっては、補助金が活用できるチャンスである今、3年度の東京五輪・パラリンピックを見据えた対策を検討してみてはいかがでしょうか。

≪参考≫
東京都産業労働局 宿泊・飲食施設の分煙化を支援します!外国人旅行者の受入れに向けた宿泊・飲食施設の分煙環境整備補助金