お試し雇用して採用ミスマッチを防ぎませんか?「トライアル雇用助成金」とは?

採用面接の限られた時間の中で、人を選ぶことは難しいものですよね。

“せっかく採用しても、社員がすぐに辞めてしまう”
“面接時と違って会社に馴染めておらず、就業意欲も低い”

こんな経験のある人事担当者や上司の方、いるのではないでしょうか?
せっかく入社が決まった社員ですから、一人一人に対して活躍を期待したいですね。
上記のような企業と求職者のミスマッチを防ぐためにも、今回は「トライアル雇用」という制度をご紹介したいと思います。

1.トライアル雇用助成金とは?


トライアル雇用とは、企業がハローワークや職業紹介事業者等の紹介で求職者を短期間の試用期間(トライアル雇用)を設けて雇用し、試用試験終了後に企業側と求職者側の両者が合意すれば本採用が決まる制度のことを言います。

「トライアル雇用助成金」は、原則3か月間の試用雇用を行うことにより、対象労働者の適正や業務遂行の可能性などを実際に見極めた上で本採用を決めることができます。
3か月間という短期間ですが、実際に仕事をしてもらうことで、履歴書や面接時だけでは見えてこない仕事への取り組み方や素質、社風とのマッチングなどを見抜くことが可能です。
トライアル雇用をした企業は、対象者1人あたり月額4万円(出勤率が75%以上の場合)を最大3か月にわたり助成金として支給されます。

参考:厚生労働省 トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

2.対象事業主の要件

大まかな事業主要件は、以下①~⑤です。

①雇用保険適用事業所の事業主であること
②トライアル雇用対象労働者をハローワークの紹介により雇い入れること
原則3か月のトライアル雇用を行うこと、ただし1か月や2か月でも対象になります
(1か月の場合は、最低31日以上の雇用期間が必要)
④1週間の所定労働時間が原則30時間を下回らないこと
⑤トライアル雇用開始日の前日から過去3年間、トライアル雇用に当てはまる対象者に
職場適応訓練(短期訓練を除く)を行っていない事業主
であること

このほかの事業主詳細要件については、厚生労働省のリーフレットをご確認ください。

3.「トライアル雇用」対象者とは?

(1)受給要件


次の①~⑤いずれかの要件を満たした上で、紹介時に本人がトライアル雇用を希望した場合に対象になります。

①これまで就労経験のない職業に就くことを希望する方
②学校卒業後3年以内で、卒業後安定した職業に就いていない方
③紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えていること
④妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が
1年を超えていること
⑤生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、季節労働者、日雇労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者のうちいずれかに該当する方

(2)対象外の要件とは?

次の①~⑧に当てはまる場合は、トライアル雇用対象外です。

①安定した職業に就いている方
②派遣求人の場合
③トライアル雇用対象者選考を面接でなく、書類で行った場合
④他の事業所でトライアル雇用期間中の人
⑤自ら事業を営んでいる人、又は役員に就いている人で1週間当たりの実働時間が30時間以上の人
⑥学校に在職中で卒業していない方
※卒業年度の1月1日以降も卒業後の就職内定が無い方は対象です
⑦ハローワークに求人を出すのと同時期に雇用を行っていない場合
※人を雇ってからではないため、注意が必要です
⑧トライアル雇用を開始日以前6カ月から、トライアル雇用終了日までの間に、助成金の対象労働者以外について会社都合による解雇がある場合

4.支給額

支給対象期間・・・トライアル雇用に係る雇い入れの日から1カ月単位で最長3か月間
支給額 ・・・対象者1人あたり月額4万円(最大3か月、12万円)

対象者が母子家庭の母・父子家庭の父の場合、または若年雇用促進法に基づく認定事業主が、
35歳未満の対象者に対して「トライアル雇用」を実施する場合は、以下金額が支給されます。
支給額 ・・・対象者1人あたり月額5万円(最大3か月、15万円)


「キャリアアップ助成金」のほかにも、ひとり親雇用促進で活用できる助成金まとめ記事を
紹介しています。ぜひご確認ください。

母子家庭の母(父)を雇用することでもらえる助成金とは?事業主が活用できる助成金3選!

5.助成金併用で支給額の増額ができます!

(1)併用できる助成金とは?

試行雇用から常用雇用へつなげる道を広げるため、母子家庭の母(父)などの求職者をトライアル雇用により雇い入れてトライアル雇用期間終了後も引続き、継続雇用労働者として雇用する場合、「特定求職者雇用開発助成金」の一部(第2期支給対象期分)の支給を受けることができます。

(2)併用する場合の要件とは?

①共通する対象労働者であること

トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金に共通する、「母子家庭の母」「父子家庭の父」が該当対象者です

②トライアル雇用期間終了後も引き続き、継続して雇用する労働者として雇用すること

対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が2年以上であること

③共通する要件を満たしていること

対象労働者の雇入時点で、トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金それぞれの要件を
満たしている必要があります

④トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金、それぞれ支給申請を行うこと

⑤不支給になってしまう場合

トライアル雇用奨励金の支給申請を行っていない場合や、トライアル雇用奨励金が不支給になった場合などは、特定求職者雇用開発助成金について支給を受けることはできません。

(3)増額される金額はいくら?


それでは、具体的に下表にて具体的な支給例の流れを見ていきましょう。


参考:平成28年4月1日から「特定求職者雇用開発助成金」の制度を変更します

この二つの制度を併用し、母子家庭の母(父)を雇用する場合には、
次のような計算式で支給額が変更されます。
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①トライアル雇用奨励金(トライアル雇用期間:3ヶ月間(平成28年4.1~平成28年7.1))
月額5万円×3か月間=15万円
②特定求職者雇用開発助成金(助成対象期間:H28.4.1~H29.3.31)
第1期支給対象期 (H28. 4.1~H28.9.30):支給なし※1
第2期支給対象期 (H28.10.1~H29.3.31):30万円
支給額合計(①+②)=45万円
※1トライアル雇用助成金を支給しているため、この期間は受給対象外です
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6.手続きの流れ

(1)申請の流れ

次のStep1~Step6の手順で申請を行います。

Step1.ハローワーク・職業紹介事業者等に求人を出す
対象者は、紹介時に「本人がトライアル雇用を希望している」ことが条件です。

Step2.支給対象となる従業員を雇用する
選考は書類ではなく「面接」で行うことが条件です。

Step3.トライアル期間開始から2週間以内にトライアル雇用実施計画書提出

Step4.トライアル雇用(原則3カ月間)が終了した後、常用雇用移行2カ月以内に申請書提出

Step5.申請内容の調査と確認、申請

Step6.助成金の支給・不支給決定

(2)必要書類

審査にあたって以下の書類を準備しておくことが必要です。

①トライアル雇用実施計画書(職業安定所、または労働局の受理印のあるもの)写し
①対象労働者の出勤日がわかるタイムカード、出勤簿
②対象労働者に支払った給料について、基本給とその他手当が明確に区分・記載された賃金台帳
④対象労働者の雇用契約書もしくは雇入通知書など、トライアル雇用期間中の労働契約を確認できる書類

参考:厚生労働省 結果報告書兼支給申請書

7.まとめ


トライアル雇用は、仕事や企業についても理解を深めることができ、企業側と働く側それぞれにメリットがある制度です。
企業側メリットとしては、書類や面接だけではわからない能力や適性を見極めることでのミスマッチを防ぐことができ、助成金の支給を受けることで人件費を抑えて人を雇うことができます。
働く側のメリットとしては、就労経験のない職業や業務でも応募ができることや、試用期間3カ月間の中で実際に働くイメージや企業への理解を深めることができます。

このように、企業側と働く側それぞれが理解を深めた上で、正社員として働きつづけるかを決めることができる制度が「トライアル雇用」です。
意欲ある方に長く活躍してもらうためにも、助成金を活用して、制度導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:厚生労働省 トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

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