母子家庭の母(父)を雇用することでもらえる助成金とは?事業主が活用できる助成金3選!

1.仕事と子育ての両立は難しい

子育てには、たくさんお金がかかりますよね。
母子家庭の母(父)などの「ひとり親」は、子育てと生計を支えながら働く必要があるため、労働環境など雇用の分野をはじめとして、仕事と子育ての両立の難しさなど厳しい状況に直面することも少なくありません。

2012年の厚生労働省の調べによると、二人親世帯の貧困率が12.2%に対し、ひとり親貧困率は54.6%と世界の先進国と比べても高い数値結果がでています。子育てをしながら収入面・雇用条件等でより良い就業につき、経済的に自立することが子供の成長においても重要です。

国としても、「一億総活躍社会」実現に向けて、ひとり親を雇う企業への資金補助を増やし、雇用と収入基盤を固めたい考えです。
今回ご紹介するのは、ひとり親を雇用する事業主が活用できる助成金です。
「ひとり親」の受入体制を整えて、長期雇用を目指した働き方を応援してみませんか?

参考:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「ひとり親家庭等の在宅就業支援事業」

2.ひとり親雇用促進で活用できる助成金3選!

ひとり親を雇用する事業主が活用できる助成金は、大きくわけて3つあります。
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①トライアル雇用助成金
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html
②特定就職者雇用開発助成金
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html
③キャリアアップ助成金(正規雇用等転換コース、短時間正社員コース)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
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それでは、簡単にそれぞれのコースをご紹介します!

1 . トライアル雇用奨励金

トライアル雇用奨励金は、「ひとり親」の世帯について、

“子育てとの両立のため求職活動が制限されてしまう・・・。”
“未就業期間が長いため就労能力に不安がある・・・。”

といった、就職がとくに困難な状況にある母子家庭の母(父)を支援する助成金です。

この制度は、母子家庭の母(父)の適正や、業務遂行の能力にふさわしい環境で働けるように
原則3か月間の試用期間を行い、早期雇用促進のきっかけとしてもらうことを目的としています。

試用期間を設けることで仕事内容や就業環境を知ることが可能なため、労働内容に適しているかどうかを労働者自身が判断できる期間があることは、雇用の際のミスマッチ防止にも役立ちます
また、妊娠や出産により離職し、トライアル雇用開始前までの1年以上安定した職業に就いていない方も対象です。

母子家庭の母(父)の場合の支給額は、ハローワーク・職業紹介事業者などから対象者を雇用し、
原則3カ月の有期雇用で雇入れるなど一定要件を満たしたとき、 月額最大5万円最長3カ月間に渡り支給されます。

①対象となる事業主
1.雇用保険適用事業所の事業主であること
2.トライアル雇用対象労働者をハローワークの紹介により雇い入れること
3.原則3か月のトライアル雇用を行うこと、ただし1か月や2か月でも対象になります
(1か月の場合は、最低31日以上の雇用期間が必要)
4.1週間の所定労働時間が原則30時間を下回らないこと
5.トライアル雇用開始日の前日から過去3年間、トライアル雇用に当てはまる対象者に
職場適応訓練(短期訓練を除く)を行っていない事業主
であること

※このほかにも細かい要件が定められていますので、詳しくは支給対象事業主要件からご確認ください。

②注意点
1.派遣求人は今回の助成対象外です
2.ハローワークに求人を出すのと同時期に申請行うこと(人を雇ってからではないため、注意)
3.トライアル雇用対象者の選考は、書類ではなく面接で行うことが必要です

③申請の流れ
下表の流れに沿って、次のStep1~Step6の手順で申請を行います。

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Step1.ハローワーク・職業紹介事業者等に求人を出す
Step2.支給対象となる従業員を雇用する
Step3.トライアル期間開始から2週間以内にトライアル雇用実施計画書提出
Step4.トライアル雇用(原則3カ月間)が終了した後、常用雇用移行2カ月以内に申請書提出
Step5.申請内容の調査と確認、申請
Step6.助成金の支給・不支給決定
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トライアル雇用助成金については、合わせてこちらもご確認ください。

お試し雇用して採用ミスマッチを防ぎませんか?「トライアル雇用助成金」とは?
https://hojyokin-portal.jp/trial/

2.特定就職者雇用開発助成金

この助成金は、母子家庭の母(父)の就職困難者の雇用機会を増やすため、ハローワーク等の紹介により継続雇用する労働者として雇入る事業主に対し、賃金の一部を助成する制度です。

中小企業が対象者を雇用した場合、一人当たり60万円の助成金が支給されます。


※短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者です。

また、支給にあたり助成金の金額は企業規模により異なります。
中小企業の範囲については以下の通りです。

平成25年の厚生労働省調査では、ひとり親を雇用した助成金支給件数が、平成20年から5年間で
1万件増の35,271件、支給額は5年間で61億円から129億円という2倍を超える支給実績を出しています。この調査結果からも、日本企業が積極的に助成金を活用して、ひとり親の雇用に取り組んでいるのがわかりますよね。
参考:厚生労働省(就業支援に関する施策等)

①対象となる事業主

1.雇用保険適用事業所であること
2.事前にトライアル雇用求人をハローワーク・職業紹介事業者等に提出した上で紹介を受けること
3.管轄労働局等の実地検査を受け入れること

②申請の流れ
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Step1.ハローワーク・職業紹介事業者等に求人を出す
Step2.支給対象となる従業員を雇用する
Step3.支給対象末日の翌日から2カ月以内に申請手続きを行う
Step4.申請内容の調査と確認、審査
Step5.助成金の支給・不支給決定
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キャリアアップ助成金については、合わせてこちらもご確認ください。

人を雇用する前に見てほしい!特定求職者雇用開発助成金について調べてみた
https://hojyokin-portal.jp/tokuteikoyoukaihatu/

3.キャリアアップ助成金(正社員雇用等転換コース、短時間正社員コース)

キャリアアップ助成金は、日本国内の「非正規労働者の減少」を目的として、有期労働者やアルバイトなどの「非正規雇用者を正社員にするための制度」を会社が設け、実際に対象者が発生したときに受給できる助成金です。

「正社員化コース」とは、6か月以上雇用実績のある正規雇用労働者が多様な正社員に転換し、さらに6か月継続雇用すると、該当者1人につき助成金が支給されるというものです。
(所属している企業規模が中小企業と大企業とで支給される助成金の金額が変わります。)

中小企業が対象者を有期社員から正規労働者への転換する場合、一人当たり最大84万円の助成金が支給されます。

また、支給にあたり助成金の金額は企業規模により異なります。
中小企業の範囲については以下の通りです。

①対象となる事業主
1.雇用保険適用事業所であること
2.キャリアアップ管理者を置いていること
3.キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けていること
4.キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んでいること

※キャリアアップ管理者とは
事業所ごとの選任が必要で、有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識および経験を有していると認められる人
※キャリアアップ計画とは
有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、⽬標を達成するために事業主が⾏う取り組み)をあらかじめ記載したもの

今回の助成金の対象になる事業主は、派遣労働者を正規雇用労働者、または無期雇用労働者として直接雇用する場合です。上記以外にも15項目の細かい要件が定められていますので、詳しくはキャリアアップ助成金のご案内をご確認ください。

②申請の流れ
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Step1 :キャリアアップ計画書を提出する(転換・直接雇用を実施する日までに提出)
Step2:正社員への転換制度を盛り込んだ就業規則に変更する(就業規則がない場合は新しく作成)
Step3:労働基準監督署への届出
Step4:就業規則に基づき、労働者を転換させる
Step5:転換後6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日から起算し2カ月以内に支給申請を行う
Step6:支給決定
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キャリアアップ助成金については、合わせてこちらもご確認ください。

キャリアアップ助成金の「正社員化コース」について調べてみた。
https://hojyokin-portal.jp/careerupjoseikin_seikikoyoutenkan/

3.助成金併用で支給額増額できる!

平成28年4月より、母子家庭の母(父)などの求職者を「トライアル雇用奨励金」で雇い入れた後の定着について、「特定求職者雇用開発助成金」と併用できる制度に変更されました!

この二つの制度を併用し、母子家庭の母(父)を雇用した場合には次のような計算式で支給額が変更されます。
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①トライアル雇用奨励金(トライアル雇用期間:3ヶ月間(平成28年4.1~平成28年6.30))
月額5万円×3か月間=15万円
②特定求職者雇用開発助成金(助成対象期間:H28.4.1~H29.3.31)
第1期支給対象期 (H28. 4.1~H28.9.30):支給なし※1
第2期支給対象期 (H28.10.1~H29.3.31):30万円   支給額合計(①+②)=45万円
※1トライアル雇用助成金を支給しているため、この期間は受給対象外です
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参考:厚生労働省(「特定求職者雇用開発助成金」の制度を変更します)

併用するためには、以下の要件があります。

<併用する場合の要件>
〇トライアル雇用奨励金と特定求職者雇用開発助成金に共通する対象労働者※1なこと
〇トライアル雇用期間終了後、引続き継続雇用する労働者として雇用※2が確実なこと
〇対象労働者の雇入れ時点において、トライアル雇用奨励金と特定求職者雇用開発助成金それぞれの支給要件を満たしていること※3
※1母子家庭の母等、父子家庭の父及び中国残留邦人等永住帰国者が該当します。
※2対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であることをいいます。
※3特定求職者雇用開発助成金の支給要件のうち、「継続して雇用する労働者として雇用すること」については、トライアル雇用期間終了後の雇用契約の内容で判断します。

併用利用については、以下注意点もありますので、ご確認ください。

①「トライアル雇用奨励金」および「特定求職者雇用開発助成金」それぞれ支給申請を行うこと
②「トライアル雇用奨励金」の支給申請を行っていない場合や、「トライアル雇用奨励金」が不支給となった場合などは、「特定求職者雇用開発助成金」について支給を受けることはできません

4.まとめ


いかがでしたか?
仕事と子育てなど、家庭生活との両立を支援するための助成金制度は、資金補助面の支援だけではなく、積極的に両立支援を推進する企業としてのイメージアップにもなり、社員の定着や優秀な人材の確保など、企業メリットに繋がることが期待できます。
それぞれの受給条件をしっかりと確認して、活用していきましょう!

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