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育休手当(育児休業給付金)でもらえるお金はいくら?計算ツールの使い方や申請方法を解説!

育児休業を取得する際、収入の減少に悩む人も多いはず。「育休手当」(育児休業給付金)は、そんな、働けない時期の収入を支える大切な制度です。 2025年4月から、育休手当の拡充が行われます。今回の制度変更では、休業前賃金の実質10割が支給となることも注目されました。 本記事では、育休手当の支給条件や支給日、さらに計算方法や計算ツールの使い方についてまとめました。 育休手当(育児休業給付金)とは?支給条件と支給日について いわゆる「育休手当」とは、「育児休業給付金」のことです。原則として1歳未満の子を養育するための育児休業を取得した場合、一定の要件を満たすと支給を受けられます。休業は2回まで分割して取得が可能です。 なお出生後8週間の期間内に、合計4週間分(28日)を限度として産後パパ育休を取得した場合、要件を満たすと「出生時育児休業給付金」の支給を受けることができます。これら2つの制度をあわせて「育児休業給付」と呼んでいます。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/ECuMWeuGK79rMJN5dld1d70hp9Mm9c6UfpKDblGU.png) 出典:厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続 育休手当の支給条件 育休手当の対象となるのは、主に以下の要件を満たした場合です。 ■1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得したこと ■被保険者の申出に基づき、事業主が取得を認めた育児休業であること なお、産後休業(出生日の翌日から8週間)は育児休業給付金の対象外です。また、労働時間等に関しては、以下の要件を満たす必要があります。 ■休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)月が、12か月以上あること ■一支給単位期間中の就業日数が10日以下、80時間以下であること ■養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、労働契約期間満了しないこと 要件を満たしていれば、パートなど、正社員でない場合も支給の対象となります。 育休手当の対象とならないケース 育休手当の対象となるのは、2回の育児休業(分割)までです。育児休業を複数に取得した場合、3回以降の育児休業では、原則給付金を受けられません。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/FrryiuEa07v9yTVZtV28FPCMCOViIQMQzOiabwfL.png) 出典:育児休業給付の内容と支給申請手続 3回目以降の育児休業は、原則給付金を受けられませんが、以下の事由に該当する場合は、この回数制限から除外となります。 ■別の子の産前産後休業、育児休業、別の家族の介護休業が始まったことで育児休業が終了したが、その対象となった家族の死亡等で新たな休業が終了した場合 ■対象の子の養育を行う配偶者が、死亡・負傷、婚姻の解消等でその子と同居しないこととなった場合 ■対象の子が、負傷、疾病等で2週間以上の世話を必要とする状態になった場合 ■保育所等での保育利用を希望し、申込みを行っているが、当面それが実施されない場合 また、育児休業の延長事由があり、かつ、夫婦交替で育児休業を取得する場合(延長交替)や夫婦同時に育児休業を取得する場合などに該当する場合、1歳~1歳6か月と1歳6か月~2歳の各期間中、夫婦それぞれ1回に限り育児休業給付金の対象となります。 振込のタイミングは? 育休手当は、原則として2か月分がまとめて支給される仕組みです。初回の支給は、育児休業が始まってから約3か月後が目安です。支給が決まると、ハローワークから支給決定通知書が送られ、その後1週間程度で指定した口座に振り込まれます。 育休手当10割はいつから? 2025年4月から、出生後休業支援給付が創設されます。これは要件を満たすと、育児手当に休業前賃金の13%分が上乗せされる制度です。給付率は総計で、現行の67%から80%へと引き上げられます。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/ANLNaSWvnmgXn9FJ03JH85zU8KhSW9yAAUG6KUbA.png) 出典:子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律が公布され、雇用保険制度が変わります 給付は非課税・育児休業中は社会保険料が免除されるため、80%へ引き上げられると、実質休業前の賃金の10割相当の給付となる計算です。80%引き上げが適用される要件は、以下のとおりです。 ■男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内に育児休業を取得すること ■被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得すること ただし配偶者が専業主婦(夫)の場合やひとり親家庭の場合などには、配偶者の育児休業の取得は求められません。 なお、対象となるのは2025年4月1日以降に要件を満たした場合です。 育休手当の計算方法と計算ツールの使い方 育児手当は、休業前の賃金日額と支給日数から計算します。厚生労働省では育児手当の支給金額を計算するツールも公表されています。 育休手当の計算方法と、計算ツールの使い方を見ていきましょう。 支給額の計算方法 支給額の計算式は、以下のとおりです。 休業開始時賃金日額×支給日数×67% なお、育児休業開始から181日目以降は、給付率が50%となります。出生時育児休業給付金が支給された日数は通算して数えてください。 また、支給金額と上限額(2025年7月31日まで)は以下のとおりです。 ・休業開始時賃金日額 2,869円~15,690円 ・支給日数が30日(給付率67%)の場合には、支給は57,666円~315,369円となります。 ただし、支給下限額は育児休業期間に賃金が支払われなかった場合の額です。育児休業中に支払われた賃金額によっては、この額を下回ることがあります。 月の給与が30万円の場合のモデル例は、以下のとおりです。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/TfUvJhMrGjNGTWHK9Ymhb9dLxAf3iDE5Iku2QTIW.png) 出典:育児休業給付等について 支給金額は約19万円となります。これは、休業前賃金の8割程度に相当する額です。 厚生労働省の計算ツール 厚生労働省が公表している計算ツールでは、出産予定日などを打ち込むだけで、受け取れる交付金や金額がわかるようになっています。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/5Uz6FvcKCaRiDc0seYBl6b7V1yob1CLUOjBrxWuR.png) 出典:働く女性の心と体の応援サイト 2025年12月1日に出産予定で、休業前賃金が額面30万円(交通費含む)だった場合、ツールでの計算結果は以下のようになります。 産休・育休を取得した場合の給付額(概算) ■出産育児一時金(概算)50万円 ■出産手当金(概算)65万3,333円 ■育児休業給付金(概算)182万6,000円 ツールを使うと「産前休業期間」や「産後休業期間」、「育児休業期間」「育児休業の申出期間」も確認できます。 育休手当の申請方法 育児休業給付金の支給を受けるためには、被保険者を雇用している事業主が、受給資格確認手続を行う必要があります。 事業者は、以下の書類をハローワークに提出してください。 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書 育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払状況を証明できるもの 育児の事実、出産予定日及び出生日を確認することができるもの なお、受給資格の確認の申請と初回の育児休業給付金の支給申請を同時に行うことも可能です。 まとめ 育休手当は、1歳未満の子を養育するための育児休業を取得した際に受けられる給付金制度です。給付金の支給は2か月ごとで、休業前賃金を基準に計算されます。 申請は、事業主を通じてハローワークに行います。支給金は支給決定から約1週間で指定の口座に振り込まれる仕組みです。 子育て世代が安心して働ける環境を整えることは、社会全体にとっても大きな利益をもたらします。制度を上手に活用し、若者と子どもの未来を支えていきましょう。

2024.11.20

非課税世帯へ3万円給付!新たな経済対策の内容は?【2024年11月閣議決定予定】

2024年11月にまとめられる経済対策では、物価の高騰に対応し、非課税世帯への経済支援を強化する動きが進んでいます。この記事では、非課税世帯が受け取れる給付金の概要や、経済対策の内容について紹介します。 ▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼ メルマガ会員登録する 住民税非課税世帯に対する3万円の給付金とは? 政府は、物価高が続く中で、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円の給付金を支給する方針です。この措置は、特に経済的に厳しい状況にある家庭の生活を支援することを目的としています。 参考:NHK News Web 新経済対策原案 物価高への対応として給付金など盛り込まれる 子育て世帯向けの追加給付も さらに、子育て世帯には子どもの人数に応じた加算措置も含まれており、子ども1人あたり2万円を加算する方向で検討しています。 【住民税非課税世帯とは?】 住民税非課税世帯とは、所得が一定以下のため住民税が課されない世帯のことです。住民税は前年の所得をもとに計算され、主に「所得割」と「均等割」の2つで構成されています。非課税になる基準は、自治体ごとに異なります。 非課税世帯3万円給付の申請方法や時期について 現時点で、詳しい情報はまだ発表されていませんが、対象の世帯には、自治体からの通知等で案内されると考えられます。申請や受給に関する内容は、今後の正式な発表を確認しましょう。 総合経済対策の内容は? そのほか、経済対策にはどのような内容が盛り込まれるのでしょうか。 新しい資本主義実行本部が11月12日に財務大臣に要望した決議によると、新しい資本主義の実現に向け、物価上昇を超える賃上げの持続に重点を置き、企業が賃上げを実現しやすくするための生産性向上支援や、価格転嫁を徹底する対策などを掲げています。デフレからの脱却と高付加価値型経済への転換を促すため、以下のような政策が提案されています。 参考:自由民主党新しい資本主義実行本部新しい資本主義の加速に向けた決議 【価格転嫁と生産性向上】 中堅・中小・小規模企業の賃上げ実現に向け、価格転嫁や生産性向上の投資、成長支援を充実させます。具体的には、デジタルトランスフォーメーション(DX)や省力化に資する投資を、各業界の実情に合わせて迅速かつきめ細かに支援・促進する方針です。特に、カタログ式の省力化投資補助金をより使いやすく改善し、中小企業が生産性向上に取り組みやすい環境を整えます。また、省力化に役立つ多様なロボット技術の開発を促進するための支援も進め、現場での省力化に貢献する仕組みを整備します。 そのほか、地域経済を支える中堅・中小企業の成長力を高めるため、これまでの支援に加えて、大規模な設備や工場等への投資や新事業への挑戦を進めていきます。 【スタートアップと成長産業への投資】 成長産業を支えるスタートアップの育成にも注力し、設備投資支援や資金調達環境の整備を図ります。特にAI・半導体分野では、地方の活性化や経済成長の推進役として期待されており、長期的な支援策が検討されています。 【資産運用の強化】 勤労所得の拡大に加えて、金融資産所得を増やしていくため、資産運用立国の実現のための取組を推進します。老後の資産形成の支援体制を強化するため、NISAやiDeCoなどの普及と利便性の向上を追求し、わかりやすい制度の整備を進めていきます。 【農業・観光の持続可能な成長】 国内の農業生産基盤を守り、地方の収入源として育てていくため、農林水産業の高付加価値化・成長産業化を進めていきますまた、観光においても、オーバーツーリズムの未然防止・抑制に取り組みながら、持続可能で魅力ある観光地づくりや観光産業の再生などに取り組みます。 まとめ 2024年11月にまとめられる経済対策では、非課税世帯への3万円の給付金をはじめとした物価高騰への支援が盛り込まれます。また、賃上げの持続やスタートアップ支援、DX推進といった政策も強化される見通しです。 ※11月21日更新 自民、公明、国民民主の3党は「年収103万円の壁」の引き上げやガソリン減税を含む経済対策で合意しました。(22日に経済対策を閣議決定する方針) 「103万円の壁」の引き上げについては、税制改正で具体的な引き上げ幅を議論するとしています。

2024.11.21

チャイルドシートの補助金を活用しよう!子どもの命を守るための支援制度まとめ

車での移動時に欠かせないチャイルドシート。子どもの命を守るため、チャイルドシートの正しい使用は法律で義務付けられています。しかし、購入には費用がかかるため、負担を感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、チャイルドシート購入を支援する自治体の補助制度を紹介します。こうした制度を上手に活用して、家族みんなが安心してお出かけできる環境を整えましょう! チャイルドシートの着用義務は何歳まで? 6歳未満の子供にはチャイルドシートの使用が法律で義務付けられていることをご存知でしょうか?これは、道路交通法第71条の3第3項によって定められています。運転者は、チャイルドシートを使用しない状態で6歳未満の幼児を車に乗せて運転することが禁止されており、違反すると「幼児用補助装置使用義務違反」として1点の違反点数が加算されます。 なぜ6歳未満にはチャイルドシートが必要なのか? 幼児は体が小さく、通常のシートベルトを正しく使える体格に達していないため、チャイルドシートでしっかりと固定する必要があります。大人用に設計されたシートベルトでは幼児の体に合わず、事故時にシートベルトが原因で受傷する可能性もあります。子どもの体格に合ったチャイルドシートを使用することで、事故の衝撃を抑え、安全性を高めることができます。 交通事故はいつ起こるかわかりません。日頃からチャイルドシートを正しく利用し、子どもの安全を守ることが何より大切です。 チャイルドシート補助金を実施している自治体の例 ここからは、自治体が行っているチャイルドシートの購入等を支援する制度について紹介します。 北海道 長万部町チャイルドシート購入費補助金 長万部町では、交通事故から子どもの尊い命を守るため、チャイルドシートを新規に購入する方に対して購入費の一部を補助しています。 対象者 長万部町に住所を有し、チャイルドシートを購入した満6歳未満の子供を養育している保護者 補助金額 【町内業者から購入】 補助率:1/2以内、上限額:1万5千円 【町外業者から購入】 補助率:1/3以内、上限額:5千円 【申請に必要なもの】 チャイルドシート購入費の補助金申請には、以下の書類が必要です。 チャイルドシート購入費補助金交付申請書 購入に関する領収書 保証書 養育関係を示す書類(例:健康保険証など) 金融機関の口座番号が確認できるもの など 申請は、長万部町役場2階の総務課防災交通係で行います。 参考:チャイルドシート購入費補助金 茨城県 石岡市チャイルドシート購入補助金 石岡市では、6歳未満の乳幼児1人もしくは母子手帳1冊につき、チャイルドシート1台の補助申請ができます。 補助対象 令和6年4月~令和7年3月に購入予定のもの 補助金額 補助率:1/2以内、上限額:5千円 申請期間 令和6年4月~令和7年3月 【補助条件】 補助金の対象は、申請日に6歳未満の乳幼児を養育している、もしくは母子手帳の交付を受けている親権者で、乳幼児とともに石岡市内に住所があり、国土交通省の安全基準を満たすチャイルドシートを購入予定の方 【申請に必要なもの】 石岡市チャイルドシート購入補助金交付申請書 母子健康手帳 表紙コピー(出産前申請の場合) 購入予定のチャイルドシート金額 申請は、石岡市役所本庁舎1階のコミュニティ推進課、または八郷総合支所1階の総務課で行います。 【注意点】 チャイルドシートは「購入前」に申請が必要です。購入後の申請は無効となりますのでご注意ください。申請から交付決定までは約2週間かかるため、余裕をもって手続きを行いましょう。 参考:石岡市チャイルドシート購入補助金 佐賀県 有田町 チャイルドシート等購入費補助事業 有田町では、子育て支援の一環として、6歳未満の幼児を自動車に乗車させる場合に使用するチャイルドシート等の購入費を補助しています。 補助対象 町内に住所を持ち居住している方で、申請時に6歳未満の幼児を養育している保護者 補助金額 補助率:1/2以内、上限額:1万円 ※補助金の交付は一世帯につき一度のみ 申請期間 出産後かつチャイルドシート等購入日より6か月以内 【申請に必要なもの】 領収書 チャイルドシート等の取り扱い説明書 保護者名義の通帳 印鑑(認印可) 申請は、有田町役場健康福祉課(有田町福祉保健センター)で行います。 参考:チャイルドシート等購入費補助事業 東京都 檜原村 チャイルドシート購入費補助金交付事業 檜原村では、チャイルドシートの普及を促進するため、チャイルドシートを購入した方に対して補助金を交付しています。 補助対象 チャイルドシートを購入した方で、檜原村に3か月以上住所を有し、6歳未満の乳幼児と生計を共にする方 補助金額 上限額:3万円 ※購入額が3万円未満の場合、補助金額は100円未満を切り捨てた額となります。また、補助金の交付は対象児1人につき1台限りです。 【申請に必要なもの】 領収書 取扱説明書及び品質保証書の写し 印鑑 申請者の口座番号が確認できるもの(通帳等) 不明点は、檜原村福祉けんこう課 子育て支援係まで、お問い合わせください。 参考:檜原村チャイルドシート購入費補助金交付事業 自分に合った補助制度を選ぶためのポイント まず、お住まいの自治体でチャイルドシートに関する補助制度があるかどうか確認しましょう。購入補助のほか、レンタルをあっせんしている地域もあり、あっせん業者のレンタル利用料が割引になる場合もあります。 「チャイルドシート」と総称していますが、生まれてすぐから1歳頃まで使用する「新生児・乳児用ベビーシート」、1~4歳頃までの「幼児用チャイルドシート」、複数年齢に対応できる兼用タイプなどさまざまな種類があります。新生児向けのものは成長に応じて数年後に買い替えが必要になります。そのため、初めてのチャイルドシートはレンタルを検討するのも一つの方法です。 また、補助制度には「購入前に申請が必要なもの」と「購入後に申請できるもの」があります。購入後申請が可能な制度であれば問題ありませんが、購入前に申請が必要な場合、手続きをせずに購入すると補助の対象外になるため注意が必要です。必ずご自身の自治体の制度を確認し、条件に合った方法で補助を受けましょう。 まとめ チャイルドシートは、子どもの命を守るために欠かせないものであり、法律で6歳未満の着用が義務付けられています。ただし、購入には費用がかかるため、自治体の補助金制度やレンタル支援があれば、上手に活用しましょう。 各自治体で補助の内容が異なるので、まずはお住まいの地域の制度を確認することが大切です。適切な補助制度を利用して、家族みんなが安心してお出かけできる環境を整えましょう。

2024.11.21

令和7年度【中小企業庁】概算要求まとめ(2025年度)

令和7年度の経済産業省の概算要求では、中小企業対策費として1300億円が計上されました。これは、令和6年度の当初予算から218億円の増額となります。 今回は、中小企業庁の「令和7年度 中小企業・小規模事業者・地域経済関係 概算要求等ポイント」から、来年度の中小企業や小規模事業者、地域経済の活性化に向けた支援についてみていきます。 ▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼ メルマガ会員登録する 令和7年度予算 中小企業対策関連予算の方向性 今回の予算は、中小企業や小規模事業者が直面する物価高や人手不足といった厳しい状況に対応し、賃上げや省力化投資を支援するために組まれました。成長を促進し、地域経済を活性化させるため、予算や税制などの政策手段を総動員します。あわせて、事業承継、社会課題解決等を通じて、地域経済の活性化を図ります。 そのために、大きく分けて、以下の5つに取り組みます。 (1)物価高、人手不足等の厳しい経営環境への対応 (2)環境変化に挑戦する中小企業・小規模事業者等の成長支援 (3)小規模事業者支援、社会課題解決をはじめとした地域における取り組みへの支援等 (4)事業承継、再編等を通じた変革の推進 (5)経営支援、伴走支援の推進 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/c6cILmI7VWWoVZSl0l5Ma7eyELPtrLMddsSwd9fJ.png) 出典:中小企業庁 令和7年度 中小企業・小規模事業者・地域経済関係 概算要求等ポイント ひとつずつみていきます。 物価高、人手不足等の厳しい経営環境への対応 物価高や人手不足に対応するため、中小企業の価格転嫁や資金繰りを支援し、省力化投資を推進します。また、賃上げに向けた環境整備を行い、事業の継続を支援します。 ※【】は予算額。()内は令和6年度当初予算 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/Xizp7r6Yn6K4BVKUbTPrWHaDccJXSfebPwKihB1t.png) 価格交渉促進と価格転嫁支援 ・中小企業取引対策事業【36億円(28億円)】など 中小企業が価格交渉を適切に行えるよう「価格交渉促進月間」を実施し、下請法の厳正な執行や相談窓口の強化を行います。また、官公需における労務費の価格転嫁も徹底します。 資金繰り支援 ・日本政策金融公庫補給金【155億円(147億円)】 ・中小企業信用補完制度関連補助事業【44億円(14億円)】 など 日本政策金融公庫からの融資における金利を引下げるための利子補給や、信用保証制度等を通じた資金繰り支援などを行います。 ※融資制度(国民生活事業)について⇒日本政策金融公庫 省力化対策・賃上げ対策 ・中堅・中小大規模成長投資補助金【20億円】 ※<令和5年度補正>中小企業省力化投資補助制度(1000億円)(既存基金の活用等含め総額5000億円規模。事業再構築補助事業を再編) ※<令和5年度補正>中堅・中小大規模成長投資補助金(1000億円) ※国庫債務負担含め3000億円 ▼人手不足に対応するため、省力化のための設備投資を支援します。たとえば「中堅・中小大規模成長投資補助金」は、工場・倉庫・販売拠点の拡張、最新機械・設備の導入、情報システムの構築などに活用できる補助金です。地域の中堅・中小企業が人手不足などの課題に対応して成長するための大規模投資を支援するもので、地方での安定した賃上げを実現することを目的としています。 【ポイント】 補助額:最大50億円 補助率:1/3以内 投資規模10億以上が対象 【一般枠の要件】 ①投資額10億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分) ②賃上げ要件(補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上) 【特別枠の要件】 上記①、②に加えて、以下の要件を満たすこと。 ③令和6年度中(令和7年3月末まで)に補助事業が完了見込み 【令和6年度の公募期間】 1次公募:令和6年3月6日~4月30(終了) 2次公募:令和6年6月26日~8月9日(終了) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/iJv1OTj8hzcfjQ2sGgz9iPcPi9VG4txKpDZcAOYI.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:一般会計) 環境変化に挑戦する中小企業・小規模事業者等の成長支援 中小企業・小規模事業者等による生産性向上・事業再構築等に向けた設備投資を支援します。そのほか、新規輸出に挑戦する中小企業を支援するとともに、「成長志向の中小企業」に対しては、重点的に支援を行います。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/T3c3GKLCuc2StroetNPIdiAx6AMicHDwfYHUWpRM.png) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/hAb7ZtM3kFrfFozhBkZvxGlenlKlBUjoW8jzcrAE.png) 設備投資支援 ※<令和5年度補正>中小企業生産性革命推進事業(2000億円) ※事業再構築補助金<既存基金の内数> 研究開発支援 ・成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)【142億円 (128億円)】 ▼Go-Tech事業は、中小企業が大学や公的研究機関と協力して研究開発や試作品の開発、販路の拡大に取り組む事業です。最大3年間、研究や開発にかかる経費の2/3まで補助金が支給され、補助額は年間最大4500万円、3年間で9750万円までとなります。申請には大学などとの共同体を組む必要があり、企業単独では応募できません。この事業を通じて、新たなネットワークを作り、より高度な研究開発が可能になります。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/iVY04hFFNB0kVmeDpfk494VlRAsXpCkbXt8YC7dM.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:一般会計) 海外展開支援 ・中小機構による海外展開支援(中小企業海外展開総合支援事業等)【中小機構交付金の内数】 新たに輸出に挑戦する中小企業・小規模事業者等を支援します。越境ECやブランディングの強化を通じて、海外市場での競争力を高めます。 成長志向の中小企業支援 ・中小機構による成長志向の中小企業支援【中小機構交付金の内数】 売上高100億円以上への成長を目指す中小企業を含め、成長志向の中小企業へのハンズオン支援、経営者ネットワーク構築支援等に取り組みます。 小規模事業者支援、社会課題解決をはじめとした地域における取り組みへの支援等 多様な経営課題を抱える小規模事業者や、地域の社会課題に取り組む事業を支援し、地域の持続可能な発展を目指します。災害復旧など、地域に密着した支援も行います。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/OEvJscy1cPuSiDdcXrGIEM1eex3Q4IWBn259E4tI.png) 小規模事業者への巡回指導・窓口相談 ・小規模事業対策推進等事業【62億円(54億円)】など 中小企業支援機関を通じて、小規模事業者に対する巡回指導や窓口相談を行い、事業運営の支援を強化します。 水需要への対応 ・工業用水道事業費補助金 【40億円(20億円)】 激甚化する災害等への対応のための強靱化や、重要な産業の立地に伴う水需要への対応のための新設等を進めます。 災害復旧支援 ※なりわい補助金(令和6年能登半島地震、令和2年7月豪雨)、グループ補助金(令和元年台風第19号等、令和3・4年福島県沖地震)等【43億円(令和5年度補正)、205億円(令和5年度予備費)等】 災害により被害を受けた地域の事業者に対して、復旧・復興支援を提供します。能登半島地震や過去の台風などによる被災地域への支援を継続します。 事業承継、再編等を通じた変革の推進 事業承継を円滑に進めるための支援を行います。また、事業承継や再編を契機に変革に挑戦する企業の生産性向上等を支援します。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/ayg2o3yaSdlDlr36YPKkx2i7X7ZP0MRWeR2JFKVd.png) 後継者支援ネットワーク事業 ・後継者支援ネットワーク事業【6.3億円(4.4億円)】など 後継者同士が切磋琢磨できる場を提供し、経営資源を活かした新規事業のアイデアを競うイベントを開催します。 事業承継・M&A支援 ※<令和5年度補正>中小企業生産性革命推進事業(2000億円)※事業承継・引継ぎ補助金等 事業承継・M&A後の設備投資、販路開拓等の新たな取り組み、M&A時の専門家活用の取り組み等を支援し、企業の変革と成長を後押しします。 経営支援、伴走支援の推進 中小企業や小規模事業者が直面する多様な経営課題に対して、専門的なサポートを提供します。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/LjHKRvVNoUIh4WprMkfsXhKUesVp7hYRmgBmMiYY.png) ワンストップ総合支援事業 ・中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業【57億円(35億円)】など 各都道府県に「よろず支援拠点」を整備し、中小企業や小規模事業者が抱える経営課題に対応するための支援体制を整備します。 中小企業の実態調査 ・「100億企業」創出加速に向けた調査・分析【1.0億円(新規)】など 売上高100億円以上への成長を目指す企業の経営者ネットワーク構築や成長に向けた機運醸成を促進するための調査を実施します。 ものづくり補助金や持続化補助金、IT導入補助金はどうなる? ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4つの補助金を行う「生産性革命推進事業」について、令和7年度予算としての計上はありませんでした。これらに関しては、令和6年度の補正予算にて追加される可能性があるため、今後の動きが注目されます。 ▼11月7日更新 令和6年10月30日の「新しい資本主義実現会議」で、政府は重点施策を取りまとめ、その一環として中小企業生産性革命推進事業のさらなる充実が掲げられました。これにより、更なる生産性向上やデジタル化(DX)、販路開拓や円滑な事業承継を進めていく方針です。 事業再構築補助金はどうなる? 事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナの変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することを目的として造成された「中小企業等事業再構築促進基金」で実施されている事業です。 基金事業は通常の予算措置とは異なりますが、事業再構築補助金の抜本的な見直しが行われていることなどから、今後も同様の形で事業が継続するのかは不透明です。 新しい情報が入ってきましたらこちらの記事も更新いたします。

2024.11.12

令和7年度【経済産業省】概算要求まとめ(2025年度)

8月30日、経済産業省の概算要求が公表されました。今回は予算概算要求の主要なテーマと方針を紹介します。経済産業省の新しい取り組みや、重点的に推進される分野についての理解を深めましょう。 ▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼ メルマガ会員登録する 経済産業省 令和7年度予算概算要求額 経済産業省関連の要求総額は、2兆3596億円(前年度比24%増)、そのうち、金額が大きいのはGX推進対策費の9818億円で、これは前年度の6429億円から52%増加しています。 また、一般会計は4415億円で、中小企業対策費として1300億円を計上しています。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/Xui7U3XGDjLaNFp0bltibX3uWgrmQnCNFxbmC5n6.png) 出典:令和7年度 経済産業省関係 概算要求等概要 なお以下の項目は、金額を示さない「事項要求」とし、予算編成過程で検討します。 産業競争力強化・経済成長及び排出削減の効果が高い GX(グリーントランスフォーメーション)の促進 AI・半導体分野における量産投資や研究開発支援等の重点的投資支援 物価高騰等の中で生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等の成長の下支え 大阪・関西万博の会場整備に関する施策 重要経済安保情報保護活用法の施行に向けた対応 福島復興の着実な実施 経済産業省の7つのテーマ 令和7年度は、以下7つに向けた取り組みを行います。 (1)国内投資拡大の継続・対日投資の拡大:1兆6335億円(令和6年度当初予算 1兆2892億円) 国内での新しい事業や設備への投資を積極的に行い、経済を活性化させます。同時に、海外からの投資を呼び込み、日本の産業をさらに発展させていきます。 (2)イノベーション・新陳代謝の加速:3135億円(令和6年度 2673億円)※(1)のうち 1460億円(1181億円)含む AIなどこれからの社会を支える新しい技術やサービスの事業環境の整備を行います。 (3)国民の所得向上:1394億円(令和6年度 1112億円)※(1),(2)のうち358億円(265億円)含む 地域の中堅・中小企業・小規模事業者の支援や、ロボット等活用による人手不足等対策、デジタル人材育成などを行います。 (4)GXの実現とエネルギー安定供給の確保 ※(1),(2)で記載 エネルギー自給率向上にかかわる脱炭素エネルギーの供給を拡大するための事業環境整備や、新たな脱炭素技術の社会実装・サプライチェーン構築等を推進します。 (5)経済安全保障の確保:78億円(令和6年度 62億円) サイバーセキュリティ対策を強化し、脅威やリスク分析の体制を構築します。また、新たな貿易管理の枠組みを含む技術管理を強化し、技術優位性を得るための投資を支援します。 (6)大阪・関西万博:312億円(令和6年度 24億円) 大阪・関西万博の成功に向けて、会場建設や安全確保、各国の参加準備を万全に進めます。 (7)経済社会の基盤を支える最重要課題:856億円(令和6年度 648億円)※(2),(3)のうち 84億円(67億円)含む ALPS処理水の安全確保と風評対策を行い、日本産食品の輸入規制撤廃に努めます。また、帰還困難区域の復興を進め、新産業の創出や交流人口の拡大などに取り組みます。 これらの7つのテーマは、互いに関連し合いながら、経済成長を支える重要な要素となります。 以下は、主な項目の施策名と要求額です。重点的に推進される分野で、どのような補助事業が計画されているかを把握しましょう。※令和7年度概算要求額の後に、( )で令和6年度当初予算額を記載しています。 GX・省エネ投資の推進 ■省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費【1743 億円】(GX) ■省エネルギー設備への更新を促進するための補助金【350 億円(110 億円)】(エネ特) ■高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金【580 億円】(GX) ■中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【32 億円(10 億円)】(エネ特) 原子力など、脱炭素エネルギーの供給拡大 ■GXサプライチェーン構築支援事業【777 億円(548 億円)】(GX) ■需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業【113 億円(100 億円)】(エネ特) ■再生可能エネルギー導入拡大に向けた分散型エネルギーリソース導入支援事業【101 億円(15 億円)】(エネ特) ■再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業【310 億円(85 億円)】(GX) ■エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金【79 億円(72 億円)】(エネ特) など 電動車普及に向けた車両購入・インフラ整備や、蓄電池の製造基盤の確立 ■クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金【205 億円(100 億円)】(エネ特) ■クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【1000 億円】(GX)  ■蓄電池の製造サプライチェーン強靱化支援事業【1778 億円(2300 億円)】(GX) など 地域の中小企業の発展と良質な雇用創出を目指す取り組み ■中小企業資金繰り支援事業【230 億円(192 億円)】 ■中小企業活性化・事業承継総合支援事業【216 億円(146 億円)】 ■成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech 事業)【142 億円(128 億円)】 など ロボット等、最先端の機械や省力化できる設備の活用で人手不足に対応する取り組み ■中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【20 億円(新規)】 ■デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業 【6.0 億円(新規)】 (※ 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【1000 億円(R5 補正)】) (※ 中小企業省力化投資補助事業(カタログ事業)【1,000 億円(R5 補正)】) 経済安全保障の確保 ■産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業【57 億円(44 億円)】 など 福島復興・能登半島復興・レジリエンス ■自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金【110 億円(122億円)】(復興特) ■福島イノベーション・コースト構想推進施設整備等補助金(地域復興実用化開発等促進事業)【45億円(45億円)】(復興特) など 省エネ補助金の概要※9月17日更新 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/5ReQ77t77YlvTsKP7p2pqo8421nR57VxvmCQLAnr.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:GX推進対策費) ▼省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費【1743 億円】(GX) この事業は、工場や事業所で省エネ効果の高い設備に更新する取り組みを支援するものです。(sii 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金の (Ⅰ)工場・事業場型 (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型 (Ⅳ)エネルギー需要最適化型に該当) 【Ⅰ工場・事業場型】 工場や事業場全体で、目的や用途に合わせた設備や最新の設備を導入する。 補助率:中小企業1/2以内、大企業1/3以内(一定の要件を満たす場合には中小企業2/3以内、大企業1/2以内等)、上限額:15億円(非化石転換設備の場合は20億円等) 【Ⅱ電化・脱炭素燃転型】 化石燃料から電気や低炭素な燃料に切り替えるための設備導入を行う。 補助率:1/2以内、上限額:3億円(電化の場合は5億円) 【Ⅳエネルギー需要最適化型】 エネルギー管理業者と一緒に作成した計画に基づき、エネルギーマネジメントシステム(EMS)や高効率な設備を導入する。 補助率:中小企業1/2以内、大企業1/3以内、上限額:1億円 ・補助率等は今年度から変更なしの見込み ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/vwVB7bTHpTwft5SoAnv6CXSXioQYa83ueNPy1A2w.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:エネルギー対策特別会計) ▼省エネルギー設備への更新を促進するための補助金【350 億円(110 億円)】(エネ特) この事業では、工場や事業所で省エネ性能が高い設備や機器に取り替える費用を支援します。sii 省エネルギー投資促進支援事業費補助金の(Ⅲ)設備単位型、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型に該当します。このほか、先進的省エネルギー投資促進支援事業の過去に採択した複数年度の設備更新案件の実施分も含みます。 【Ⅲ 設備単位型】 SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、補助対象設備として登録及び公表した指定設備へ更新する事業 (補助率:1/3以内、上限額:1億円) <指定設備の導入> ■ユーリティリティ設備:高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション、低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、制御機能付きLED照明器具 ■生産設備:工作機械、プレス機械、ダイカストマシン、プラスチック加工機械、印刷機械 【Ⅳ エネルギー需要最適化型】 SIIに登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、SIIに登録されたEMSを用いて、より効果的に省エネルギー化及びエネルギー需要最適化を図る事業 (補助率:中小企業1/2以内、大企業1/3以内、上限額:1億円) <具体的には…> 申請単位において、「EMSの制御効果」と「省エネ診断等の運用改善効果」で省エネ率2%以上の要件を満たす事業が対象 ・補助率等は今年度から変更なしの見込み 給湯省エネ事業の概要 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/8DTGFrpjiBjz1SfTPJzgGiodx5v1TO1BITZF9kWh.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:GX推進対策費) 家庭で使うエネルギーを減らすために、高効率な給湯器(ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池)の導入費用を補助します。特に、昼間の余った再生可能エネルギーを活用できるタイプには、補助金を増額します。また、寒冷地で高額な電気代の原因となっている蓄熱暖房機などを取り除く場合、補助金を加算します。 需要家主導型太陽光発電、再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援の概要 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/fjO8xAnJW7A4StRHN6LCJPAVFzlQkkCUbNHV9CXX.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:エネルギー対策特別会計) (1)需要家主導型太陽光発電導入支援事業 再エネ利用を希望する需要家が、発電事業者や自らで太陽光発電設備を設置し、FITやFIP制度を使わずに、長期間再生エネルギーを使う契約をする場合、太陽光発電設備の導入を支援します。 (2) 再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業 再生可能エネルギーの電力供給を安定させるため、一定規模以上の蓄電池を併設する場合に支援を行います。 再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業の概要 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/712VNZrpenwNIVg0YwYiuhfhVGNobL3WixEBdlEG.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:GX推進対策費) 再生可能エネルギーの普及を早めるために、調整力等として活用可能な系統用蓄電池や水電解装置等の電力貯蔵システムの導入費用を補助します。 クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の概要 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/WHQWmLSgkjJPTGCfymEhNFapcZB2qFqAArqu04Qh.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:GX推進対策費) ▼クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【1000 億円】(GX) 電気自動車や燃料電池自動車の購入費用を一部補助し、初期需要を増やして、量産による価格引き下げを進めます。また、需要の増加を見越して、企業の生産設備や研究開発への投資を後押しします。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/JDdDlmAMR45ja03zXY2VxBN2Qxxdp6lIHrUPKc1H.png) 出典:経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:エネルギー対策特別会計) ▼クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金【205 億円(100 億円)】(エネ特) (1) 充電インフラ整備事業 電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電設備や、V2H充放電設備、外部給電器の購入費などを補助します。 (2) 水素充てんインフラ整備事業 燃料電池自動車等の普及に必要な水素ステーションの整備費や運営費を補助します。 まとめ 経済産業省の令和7年度概算要求には、GXの推進やAI・半導体分野への投資、中小企業支援などが盛り込まれています。特に、省エネや脱炭素エネルギーの普及に向けた取り組みが強化され、予算も大きく増えています。これからますます重要な分野として力を入れていくことが考えられますので、この動きに注目していきましょう。 ▼中小企業庁 「中小企業対策」予算の内容はこちら! 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2024.11.12

令和7年度概算要求いつ?2025年度の予算はいつ決まる?

8月も終わりに近づき、今年も概算要求の時季がやってきました。概算要求は、各省庁が翌年度の予算として必要とする費用をまとめて財務省に提出する要求書のことで、補助金にも大きく関わるものです。 本記事では、国の予算の仕組みを理解しポイントを押さえたいという方へ、概算要求とはどういうものかを解説します。また、予算成立のスケジュールや、今年度の補正予算について推測します。 【あわせて読みたい】 [blogcard url="yosan_summary_r7"] ▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼ メルマガ会員登録する 概算要求とは 予算編成では、国が税金などの収入をもとに、各分野への支出をどのように割り当てるかを決めていきます。そのために必要なのが、予算を査定する財務省に対して次年度に必要な経費を要求する「概算要求」です。各省庁は、8月末までにこの要求を提出します。 概算要求の目安「概算要求基準」 概算要求では、基本的な方針が定められています。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/jH2qh84Wow467BzgJ41D8wYKyn0YhNgpqmzDxWue.png) 出典:財務省 令和7年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(イメージ) 上の図にあるように、「地方交付税交付金等」「年金・医療等」「防衛力整備計画対象経費」「裁量的経費」「義務的経費」の項目別に上限が決まっています。 重要政策については、特別な枠(重要政策推進枠)で別途要望が可能です。 必要に応じて、物価高騰対策や賃上げ促進等の重要政策は、「重要政策推進枠」や金額を後から見積もる「事項要求」などで要求を行い、予算の編成過程で詳細に検討します。 令和7年度概算要求はいつ頃? 令和7年度の概算要求は、8月下旬に各省庁が提出するため、まもなく内容が明らかになります。 提出された概算要求をもとに、9月から12月にかけて予算編成作業が行われます。年末までに政府が予算案の調整を行い閣議決定し、年明けから始まる通常国会で、予算案を審議します。 その後、国会の可決を経て予算が成立し、翌年4月から政策の実施が行われるという流れになります。 予算成立のスケジュール 参考として、令和6(2024)年度の予算成立の流れを確認しましょう。 ■政府案閣議決定(令和5年12月22日)・概算の変更の閣議決定(令和6年1月16日) ■国会提出、審議開始(令和6年1月26日) ■予算成立(令和6年3月28日 ) 政府は、令和5年12月22日に令和6年度予算案を閣議決定しました。その後1月1日に発生した能登半島地震を受け、政府は予備費を増額するために、予算案の変更を1月16日に閣議決定しています。 予算案は1月26日に国会に提出されて、審議が始まり、それからおよそ2か月後の3月28日に予算成立となりました。 なお、令和5年度予算は令和5年3月28日、令和4年度予算は令和4年3月22日に成立しています。大きな変更がなければ、令和7年度も3月下旬に予算成立するでしょう。8月下旬から、およそ7か月かけて次年度の予算が決まっていくのです。 令和6年度補正予算(案)はいつ成立? 予算に関連して、「補正予算」についても簡単に紹介します。 補正予算は、年度の途中で組み直した予算のことです。 令和6年度は、岸田総理が自民党総裁選に不出馬を表明し、新たな総理大臣が誕生することから、新しい総理のもとで補正予算が組まれる可能性が高いといわれています。 昨年は、デフレ脱却を目的とした経済対策の裏付けとして補正予算が策定され、令和5年度の補正予算は11月29日に成立しました。一方、令和4年度では2回の補正予算があり、それぞれ5月と12月に成立しています。近年の補正予算は、11月から12月にかけて成立することが多いといえます。 中小企業や小規模事業者向けの補助金事業も、この補正予算によって多く実施されるため、本予算だけでなく、補正予算の内容も確認する必要があります。 まとめ ~概算要求は政府の方針を知る重要な手がかり~ 今回は、令和7年度概算要求まとめというタイトルで、主に概算要求について解説しました。 概算要求の中で、新規の予算が組まれる部分、金額が増加している部分は、政府が今後力を入れていく分野やテーマです。たとえば、令和6年の概算要求では環境問題の解決を目指す「GX」に大きな予算が割り当てられていて、その後のエネルギー関連の施策の実施を読み取ることができました。 また、政府の重要課題は、概算要求でポイントとして明記されることが多いので、どのような施策で拡充があるのかなど、いち早く情報を得ることができます。 補助金の公募は、早いと2月から3月頃から始まります。概算要求を通じて早めに情報を収集することは、効果的な準備に繋がります。次年度にどのような支援やビジネスチャンスを得られるかを探るためにも、概算要求を確認するようにしましょう。 補助金ポータルでは、毎年、概算要求のまとめ記事を公開しています。各省庁の令和7年度の概算要求が公表されましたら、本サイトでも記事を公開してまいります。

2024.08.23

観光庁・観光事業者向け補助金まとめ【2024年・令和6年】

日本の観光業界は新たな展開を迎えています。令和5年度補正予算では訪日外国人旅行者の消費目標5兆円達成のため689億円が投じられ、地方誘客や観光品質向上に注力します。一方、令和6年度予算案では観光庁が670億4700万円を計上し、一般会計は前年度比2.2倍の241億1200万円、国際観光旅客税を使った施策には前年度比2.13倍の420億円が配分される予定です。これらの資金は持続可能な観光地域づくり、地方インバウンド誘客、国内交流拡大のために使われることが期待されています。本記事では、昨年度から増額している箇所など、これらの予算が振り分けられている施策をご紹介します。 ▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼ メルマガ会員登録する 現在募集中の観光事業者向け補助金一覧<2024年11月5日現在> 現在、観光庁より観光事業者向けに出ている補助事業は以下の通りです。 ・持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業:2024年7月19日〜2次募集開始 ・コンベンションビューロの受入体制整備事業:2024年8月26日〜2次募集開始 ・MICE施設の受入環境設備:2024年8月26日〜2次募集開始 観光業における受入環境整備や人手不足対策事業 (1)地域における受入環境整備促進事業【令和6年度要求額 18億9600万円】 旅行環境は、旅行者と地域住民双方にとって快適かつ安全である必要があり、これを実現するための受入環境の整備やオーバーツーリズムの防止等に予算を要求しています。(対前年度比:1.15) 【事業内容】 ■持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備促進 ・補助対象事業者:地方公共団体、DMO、民間事業者 等 ・補助率:1/2、1/3等(オーバーツーリズムの未然防止に資する受入環境整備は補助率2/3) ■インバウンド先進車両導入支援事業 ・補助対象事業者:地方公共団体 等 ・補助率:1/2 ■インバウンド安全・安心対策推進事業 ・補助対象事業者:民間事業者、地方公共団体、DMO 等 ・補助率:1/2 ※一部上限500万円のものあり ■宿泊施設の受入環境整備 ・補助対象事業者:宿泊事業者 ・補助率 1/2 (上限500万円) 等 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/U5nEtUzEpMoisl5g30WqAk5tkR1iWaaJrpDKf0Yt.png) 持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業とは 本事業は、オーバーツーリズムを防止し、地域の自然環境や文化資源を保全・活用しながら、地域旅行者と地域住民の両方がメリットを享受できる持続可能な観光を促進を支援するものです。さらに、持続可能な観光を推進する国際認証を受けた地域において、設備導入や施設改修などの支援も行います。対象事業には、「①一般型」、「②国際認証・表彰取得型」の2つの類型があります。 それぞれの整備計画策定者は以下のとおりです。 ①一般型 地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、その他の持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業を実施する者(民間事業者等) ②国際認証・表彰取得型 整備計画提出時に持続可能な観光に関連した国際認証・表彰制度であるGreen Destinations(GD)、Best Tourism Villages(BTV)等の認証・表彰を受けている地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO) なお、補助対象事業者は、整備計画に記載された事業を実施する者となります。 持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業はいくらもらえる 補助率は、どちらの事業も補助対象経費の1/2で、上限額は定められていません。 持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業の対象事業 ①一般型の場合、オーバーツーリズムの未然防止や自然環境、文化等の地域資源の保全・活用の観点による補助メニューが対象になります。 ①一般型の補助対象メニュー (1)トイレの有料化に係る整備 (2)入域料・協力金徴収のためのオンライン等による徴収システムとその徴収に必要な整備 (3)自然保護のための保護柵、遊歩道等の整備 (4)景観に配慮した工作物の整備 (5)光害防止のための照明の整備 (6)バイオトイレ等の整備 (7)ペットボトル削減のための給水機等の整備 (8)パークアンドライドのための駐車場の整備 (9)マナー啓発のためのコンテンツ制作、設備整備 (10)混雑平準化・解消のための予約システムの整備 (11)混雑平準化・解消のための混雑状況の可視化に資するシステムの整備 ②国際認証・表彰取得型では、持続可能な観光地域形成に向けた受入環境整備・施設改修が対象になります。 持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業はいつまで 二次公募:令和6年7月19日(金)~令和6年11月8日(金) ※予算がなくなり次第終了 インバウンド安全・安心対策推進事業の対象事業とは この事業は、気候変動により増加する自然災害のリスクに対処し、訪日外国人旅行者が安全かつ安心して日本を訪れることができるようにすることを目的としています。特に、災害時の観光施設や医療機関の対応能力の強化に重点を置き、訪日旅行者の滞在時間の延長や消費拡大を促進することを目指しています。 インバウンド安全・安心対策推進事業はいくらもらえる インバウンド安全・安心対策推進事業には、以下4つの補助メニューがあります。 補助メニュー 補助率 (1)災害時の観光施設等における避難所機能の強化 1/2 (2)災害時の観光施設等における多言語対応機能の強化 1/2 (3)訪日外国人患者受入機能の強化 1/2 (4)災害時等における観光危機管理の強化 1/2 ※上限額500万円 補助率はすべてのメニューで1/2、補助上限は(4)のみ500万円と定められています。 インバウンド安全・安心対策推進事業の対象経費 本事業では民間事業者、地方公共団体、DMO 等が対象となります。メニュー(4)に関しては地方公共団体のみ対象となります。それぞれ対象事業者と対象経費の区分をまとめました。 補助メニュー 対象事業者 対象経費の区分 (1)災害時の観光施設等における避難所機能の強化 観光案内所・観光施設等を設置し、もしくは管理する者、または観光地における店舗・事業所等を運営する者 避難所機能の強化のための整備に要する経費 (2)災害時の観光施設等における多言語対応機能の強化 観光案内所・観光施設等を設置し、もしくは管理する者、または観光地における店舗・事業所等を運営する者 多言語対応機能強化のための整備に要する経費 (3)訪日外国人患者受入機能の強化 病院・診療所等を設置し、または管理する者 訪日外国人患者受入機能強化のための整備に要する経費 (4)災害時等における観光危機管理の強化 地方公共団体 災害時等における観光危機管理の強化のために要する経費 【補助対象経費】 補助対象経費は、災害時や平時における設備の整備や改良に必要な費用が対象です。具体的には、以下のような経費が含まれます。 1.トイレの整備に関する経費 ・洋式便器の新設や増設、和式から洋式への変更、洋式便器の機能向上や交換(温水洗浄便座の新設を含む) ・清潔機能向上整備(光触媒等を用いた抗菌素材の活用、清掃しやすい仕様への変更) ・洗面器や小便器の自動水栓化 ・室内空調設備 ・多言語やピクトグラムを使用した案内標識や表示の設置 2.災害用トイレ ・訪日外国人旅行者が災害時に使用するトイレ整備に要する経費 3.非常用電源装置 ・災害時に外部電源や燃料供給が途絶えた状態で、必要な電池容量や燃料タンク容量を確保するための非常用電源装置(蓄電池システム、発電機等)の整備に関する経費 4.情報端末への電源供給機器 ・災害時に訪日外国人旅行者の携帯電話等の情報端末を充電するための機器の整備に必要な経費 5.避難所機能に係る施設整備・改良 ・訪日外国人旅行者の避難に必要な備蓄倉庫や避難スペース等の避難所機能に関する施設整備や改良に要する経費 6.案内標識 ・多言語やピクトグラム等を使用して、施設やその場所を示す案内標識の設置に関する経費 7.案内表示 ・施設に関する情報や使用方法を説明する多言語表示の設置に関する経費 8.その他 ・避難所機能強化に伴う附随する経費 一方、補助対象外となる経費には、和式便器の単純な整備、案内標識以外のトイレ周囲の整備(舗装、アプローチのバリアフリー化等)、躯体の新設工事、発電設備、ポンプ等の機械設備、仮設トイレの設置などがあります。 インバウンド安全・安心対策推進事業はいつまで 公募期間:令和6年6月3日(月) ~ 令和6年9月27日(金)17時まで ※応募の締切は毎月末です。審査結果は原則、応募月の翌月末に通知されます。 (2)観光地・観光産業における人材不足対策事業【令和6年度要求額 4億円】 宿泊業の人手不足解消は急務となっています。短期・中長期の対策として採用活動支援やDX化推進、外国人材の活用などが必要とされているため、あらゆるフェーズの人手不足対策を総合的に実施するための予算を要求しています。(対前年度比:2.67) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/DBu1rdmC2HPyWA7rk1fhjpp4TDByeGQjM4gXjiDc.png) 観光地・観光産業における人材不足対策(設備投資支援)の対象事業とは 「人材活用の高度化に向けた設備投資支援」事業では、労働集約的な業務から人材を解放し、サービス品質の向上や賃金上昇を実現するための備投資が補助の対象となります。具体的には、スマートチェックイン・アウトシステム、配膳・清掃を行うロボット、顧客対応を効率化するチャットボット、予約管理システム(PMS)などの導入に対して補助が提供されます。これらの設備投資によって、従業員の業務負担を軽減し、より価値の高い業務に集中させることを目指します。 観光地・観光産業における人材不足対策(設備投資支援)はいくらもらえる 補助率:1/2 上限額:1施設あたり500万円(1事業者あたり3施設を上限) 観光地・観光産業における人材不足対策(設備投資支援)の対象経費 宿泊事業者が実施する省人化、業務効率化に必要となる設備、機器等の導入に要する経費が対象です。 | 対象経費 | |---| | スマートチェックイン・アウトシステム、チャットボット、宿泊施設管理システム(PMS)等の各種システムの購入、導入及び設置 | | 配膳・清掃ロボット等の設備 | | 人手不足の解消に必要なその他の設備・備品 | | 月額・年額で使用料金が定められている製品の最大2年分の費用(前払いで精算時までに支払いが完了するものに限る) | 観光地・観光産業における人材不足対策(設備投資支援)はいつまで 四次公募受付:令和6年10月15日 ~ 令和6年10月31日 (17時締切) 参加申込みの締切は10月28日(月)17時、計画申請の締切は10月31日(木)17時です。四次公募に申請を行うためには、四次公募期間内に参加申込と計画申請の両方を完了している必要があります。 (3)持続可能な観光推進モデル事業【令和6年度要求額 2億1700万円】 持続可能な観光推進は国際的な課題であり、日本版ガイドラインを基に自然や地域資源の保全・活用を進め、持続可能な観光計画の策定を支援する方針が示されています。(対前年度比:1.45) 【事業内容】 ■地域における持続可能な観光計画の策定支援 ・補助対象事業者:地方公共団体、DMO 等 ・補助率 1/2、上限500万円 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/ACVhfKgw4Vv4neiojwhptJjP3LV7dPQxcT0utfia.png) 地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組 (1)戦略的な訪日プロモーションの実施【令和6年度要求額 55億1800万円】 インバウンドは回復しているものの、コロナ前の水準未到達であり、2025年の大阪・関西万博を機に持続的な観光や地方誘客のプロモーション強化が必要です。そのため効果的なプロモーションのために55億1800万円を計上しています。(対前年度比:1.05) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/9ztmkqKJhHKKt9fovZy2J6vpgQ6fMdMiguJHfk8N.png) (2)MICE誘致の促進【令和6年度要求額 2億1000万円】 MICE需要を呼び込むため、ニーズに合わせた情報発信と連携強化が必要です。日本がポストコロナの観光をリードできるように観光分野における日本の取組や魅力を世界に発信していけるように2億1000万円を要求しています。(対前年度比:1.17) (3)双方向交流拡大に向けた各国政府観光局等との連携促進事業【令和6年度要求額 7000万円】 アウトバウンドはインバウンドに比べて回復が遅れているため、イン・アウトの両輪で双方向交流拡大に向けた実効性のある取組が必要だとして、連携体制の強化のための予算を要求しています。ほかに若年層を対象とした海外教育旅行のプログラム普及のための予算も要求しています。(対前年度比:3.50) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/Zcnt5z8w2FEq7YmitE4XSXPZJLErBZuqP8IrvZMk.png) 国内交流拡大のための施策とは (1)新たな交流市場・観光資源の創出事業【令和6年度要求額 8億5400万円】 国内旅行市場の拡大のためには新しい交流市場の構築が求められます。そのため「第2のふるさとづくり」を通じて、繰り返し訪れる旅のスタイルの奨励や、テレワークの増加や多様な働き方を基盤とした「ワーケーション」の浸透などを図ります。(対前年度比:1.31) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/peaNSTSBtxmV1yTCV14lyYk9dtVugqqQ3aSRW7Mm.png) (2)ユニバーサルツーリズム促進事業【令和6年度要求額 5000万円】 「心のバリアフリー」の認知度を50%に高めるため、「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の拡大と啓発活動に取り組みます。これによりユニバーサルツーリズム(UT)の普及を推進するとしています。(対前年度比:1.67) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/Jx3PCelLf4nqvSQJAlQM1fULbNBhaV8ZkWrGNDlI.png) ブルーツーリズム推進支援事業とは ブルーツーリズム推進支援事業【令和6年度要求額 4億3500万円】 ALPS処理水の海洋放出の風評対策として、海洋レジャーを中心とするブルーツーリズムを推進し、観光客の増加と定着を目指します。ほかに、津波で損壊した海水浴場の設備の新設も進めていきます。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/jrvHm4BUFAQEFRzHhMNiUqYZJYGF1SpytFJIs4aa.png) ブルーツーリズム推進支援事業の補助対象者は? 令和6年(2024年)1月11日から、本事業の公募が始まりました。補助の対象者は、岩手県、宮城県、福島県および茨城県における市町村、観光協会及び観光地域づくり法人(DMO)登録制度において登録された者です。 【補助対象事業】 観光庁が認めたブルーツーリズム推進計画において記載された以下の取組に対する支援を行います。 補助対象事業 1.海水浴場等の受入環境整備 2.海の魅力を体験できるコンテンツの充実 3.海にフォーカスしたプロモーション 4.ブルーフラッグ認証の取得に向けた取組 ※海の魅力を高める取り組みにおいて、複数の市町村にまたがる活動も対象となりますが、それぞれの地方公共団体との連携を確保することが必要です。 ブルーツーリズム推進支援事業の補助額・上限額 補助率 8/10 上限額 一般的な取組の場合、3,000万円を目安とします。ただし、海水浴場等の受入環境整備に関連する施設・設備の改修を含む場合は、5,000万円を上限の目安とします。 ブルーツーリズム推進支援事業の対象経費 1.海水浴場等の受入環境整備 海水浴場やその他施設の改修・整備、キャッシュレス決済環境の整備、情報掲示板の設置、安全管理対策、人材育成に関する経費など 2.海の魅力を体験できるコンテンツの充実 体験型・滞在型コンテンツの企画開発、旅行商品造成、旅行商品の販売に関する経費、ガイド育成に関する経費など 3.海にフォーカスしたプロモーション 旅行博等イベント出展、広告・宣伝、プロモーション資材作成に関する経費 4.ブルーフラッグ認証取得 施設・設備のバリアフリー化、水質調査に関する経費 5.その他 上記以外の事業で、ブルーツーリズム推進のために必要な事業に関する経費 ブルーツーリズム推進支援事業の申請方法 募集期間 令和6年1月11日から3月8日までが申請書類の提出期間です。 提出書類 必要な書類には「ブルーツーリズム推進計画」「費用積算書」「業務実施スケジュール」「事業概要」が含まれます。 提出方法 書類はメールで送付し、提出後に電話で提出の確認を行います。詳細な提出先は観光庁ホームページに記載されています。 【事業の流れ】 3月8日に公募締切、5月初旬に採択された地域への内定通知、5月中旬に交付決定および公表が予定されています。交付決定後である5月中旬より事業を開始し、令和7年(2025年)3月21日までに事業を完了します。 参考:令和6年度「ブルーツーリズム推進支援事業」の公募を開始します 観光庁 令和5年度補正予算 具体的な取り組み・事業 令和5年度の補正予算では、訪日外国人旅行者の消費額の拡大と観光地の再生に向けて、以下のように各事業への予算が配分されています。 1.地方誘客促進によるインバウンド拡大: 約184億円 2.地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化: 約200億円 3.オーバーツーリズムの未然防止・抑制・受入環境整備による持続可能な観光推進: 約305億円 これらの予算配分は、インバウンド消費の拡大だけでなく、持続可能な観光産業と地域経済の活性化を目指すためのものです。オーバーツーリズムの防止や人材不足への対応といった喫緊の課題にも対応しており、多角的な観点から観光業界の強化が図られています。以下のような事業に予算が割り当てられ、観光振興と地方誘客の強化が図られています。 1.インバウンド消費の拡大・質向上推進事業 - 早朝夜間や未公開・非混雑エリアの特別な体験提供でインバウンド消費拡大を図る。 - 国・地方型(直轄事業):最高8000万円(最低事業費:3000万円) - 民間企業型(補助事業):1500万円定額から6000万円まで補助率1/2(最低事業費:2500万円) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/lD4hyF5HY8KxTuvE8HckkHEr09Xd4VLlsjEoUgYk.png) 出典:令和5年度観光庁関係補正予算 2.地域観光新発見事業 - 地域の観光資源を活用したコンテンツの造成と誘客促進。 - 補助上限:400万円定額、それ以上は補助率1/2(補助上限:1250万円、最低事業費:600万円) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/ULcCR8WiMsx3OSj8zuPwv8daHplK45ldCHIH53fh.png) 出典:令和5年度観光庁関係補正予算 3.海外ビジネス客の訪日促進事業 - ビジネス分野の誘客として、ミーティング・インセンティブ旅行向けコンテンツ開発。 - 直轄事業:上限4000万円、上限1200万円 4.持続可能な観光推進事業 - オーバーツーリズムの防止、受入環境の整備、需要の分散・平準化を支援。 - 間接補助事業:補助上限8000万円(補助率2/3)、補助上限5000万円(補助率1/2) ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/IA9mEBqqHuqky4pcN8hZzmVIu4btxenL1T1Uigdc.png) 出典:令和5年度観光庁関係補正予算 5.観光地・観光産業における人材不足対策事業 - 採用活動支援、設備投資支援、外国人材活用等、人手不足問題に対する包括的な対策の実施。 - 直轄事業と間接補助事業の併用:補助上限500万円、補助率1/2 6.宿泊施設サステナビリティ強化支援事業 - サステナブルな旅行の需要増加に応えるため、宿泊施設の省エネ設備導入を支援。 - 間接補助事業:上限1000万円、補助率1/2。 7.インバウンド安全・安心対策推進事業 - 観光施設や医療機関での外国人対応能力向上を支援し、災害時の観光危機管理を強化。 - 直接補助事業:補助率1/2、一部事業は補助上限500万円。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/Ksk90M6TstvlqYXXrjuEhcIf4KUl7xKmWHvH7Z1m.png) 出典:令和5年度観光庁関係補正予算 8. 地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化 - 宿泊施設を核に観光地の面的な再生と高付加価値化を目指す。 - 間接補助事業:補助対象に民間事業者、都道府県、市町村、DMO等を含む これらの予算配分と取り組みにより、観光地の質の向上、インバウンド消費の拡大、および観光地の持続可能な発展が目指されています。各事業の補助率や補助上限を踏まえ、効率的かつ効果的な事業運営が求められています。 地域観光新発見事業とは 地域観光新発見事業は、観光需要回復中に都市部への宿泊偏在を解消し、地方部の競争力強化と地方誘客を目的としています。 地方の観光資源を活用した多様なコンテンツ造成、販路開拓、情報発信を通じて、インバウンドおよび国内観光客の地方への継続的な来訪を促進します。 【公募期間】 二次公募 令和6年(2024年)5月31日(金)~6月24日(月) 【補助対象】 地方公共団体、DMO、民間事業者等 地域観光新発見事業の補助額 400万円まで定額、 400万円を超える部分については補助率 1/2 補助上限: 1250万円、 最低事業費 600 万円 地域観光新発見事業の類型の特徴 地域観光新発見事業には二つの類型があります。 新たに観光コンテンツを造成し、本事業終了後に販売開始することを見据えた取り組みは「類型1 新創出型」にあたります。造成した観光コンテンツを本事業実施期間内に販売することを前提にした取り組みは「類型2 販売型」になります。 類型1 新創出型 類型2 販売型 類型に応じた要件 観光コンテンツの販売を想定した運営体制を本事業実施期間内に構築すること ・観光コンテンツ販売のための運営体制が既に構築されている ・事業期間内にSNS、自社ホームページ、OTA等を用いて情報発信し、販売導線を構築する ・事業期間内の販売が必須で、販売実績報告書の作成が求められる 主な要件(共通) ・地域密着型観光コンテンツ造成と産業連携による観光消費拡大の取り組みであること ・観光コンテンツの販売及び継続的に事業を実施することを前提とした取り組みであること ・事業期間内に、観光コンテンツについて、観光コンテンツタリフを作成し提出すること 補助対象経費 観光コンテンツ造成費、設備導入費、プロモーション費 地域観光新発見事業の申請方法 地域観光新発見事業サイトでマイページ登録し、マイページ経由で書類を提出します。 【提出書類】 申請には以下の書類が必要です。 事業計画書 費用積算書 事業実施スケジュール 事業概要 市区町村の同意書 ※実施主体が地方公共団体である場合は不要 連携先の同意書 参考:地域観光"新発見"事業 インバウンド対策の補助事業とは 観光庁は、インバウンド消費の拡大と質の向上を目的として、特別な体験コンテンツやイベントの創出を支援する事業の公募を行います。本事業には「国・地方公共団体等所管事業」と「民間企業等支援事業」の2種類があり、重複申請が可能です。 インバウンド消費の拡大・質向上推進事業【特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業】はいつまで 二次公募: 令和6年(2024年)3月27日(水)~4月26日(金) 国・地方公共団体等所管事業 この事業は、地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者などが実施するもので、日本が誇る観光資源(自然、文化、食、スポーツなど)を活用して、未公開エリアや非混雑エリアでの特別な体験を提供することを目指しています。これにより、これまでにないインバウンド需要を創出し、インバウンド消費額5兆円超、一人当たりの消費額25万円の達成や地方への波及効果を調査・検証することが目的です。 採択事業者の要件 ①国や地方公共団体、独立行政法人 ②民間事業者で、以下の条件を満たす場合 -国・地方公共団体、独立行政法人が所有・管理する施設、公園、物品を従来とは異なる方法で活用する場合。 -国・地方公共団体が所有し、登録DMOや公益財団法人などが運営管理を行う施設、公園、物品を新しい方法で活用する場合。 ※これらの活用に関しては、所有・管理する団体の同意が必要です 事業の要件 日本の観光資源を利用した未公開・非混雑エリアでの特別体験提供、かつインバウンド向けに、以下のいずれかの項目を満たす計画であること。 ①インバウンド規模3,000名以上事業: 訪日外国人向けの大規模な特別体験・イベント ②高付加価値化事業: 通常単価の3倍以上で提供される高品質体験コンテンツ ③地方で実施されるコンテンツについては地方プレミアム体験コンテンツ(地域の自然や文化を活かした、地域経済に貢献する資源を集約した特別体験)認定審査を希望することが可能 補助対象経費 体験コンテンツ・イベント等の造成に係る経費(人件費・旅費含む)、備品の購入・設備導入、プロモーション経費、効果測定に必要な調査経費 上限額 8,000万円(最低事業費 3,000万円) 民間企業等支援事業 この事業は、地方公共団体、DMO、民間事業者に対し、体験コンテンツの造成から販路開拓まで一貫した支援を行うものです。民間企業等支援事業には以下の2つの類型があります。 ①インバウンド規模 3,000名以上の体験コンテンツ・イベント等支援事業 ②高付加価値化支援事業 類型特有の要件 インバウンド規模 3,000 名以上の体験コンテンツ・イベント等であること 一般的なものと比較して、単価が3倍以上となる高付加価値化の取組を行うものであること 共通の要件 ①日本の観光資源を活用し、未開発・閑静エリアで新たなインバウンド需要を生み出す特別体験を提供する ②地方で実施されるコンテンツについては、「地方プレミアム体験コンテンツ」認定審査を希望することができる ※「地方プレミアム体験コンテンツ」認定事業は、観光庁のプレスリリース紹介、優先的プロモーション、早期事業支援を受けることができる 補助対象経費 体験コンテンツ・イベント等の造成に係る経費(人件費・旅費を含む)、備品の購入・設備の導入に係る経費、プロモーションに係る経費、効果測定に必要な調査に係る経費 補助率 1,500万円までを定額、1,500万円を超え6,000万円までの部分は1/2 1,000万円までを定額、1,000万円を超え3,000万円までの部分は1/2 補助上限額 3,750万円 2,000万円 最低事業費 2,500万円 (最低自己負担額 500万円) 1,500万円 (最低自己負担額 250万円) 対象事業の例(共通) 特別なコンテンツ等の具体例として、以下のようなものがあります。 世界遺産や自然遺産などの国際的に知られた場所で開催される体験 消費単価が高いインバウンド観光客向けの体験 非公開文化財の特別公開や、宿泊・飲食体験 人間国宝や著名な職人、有名シェフ等との交流を含む体験 人気スポットでの専用空間提供や優先体験 通常は飲食禁止の場所で特別な飲食体験を提供 通常入手困難な商品を販売する臨時免税店の設置 空港や港湾などのインフラを新しい形で活用するもの インバウンド消費の拡大・質向上推進事業の申請方法 申請は、予備申請フォームに事業概要と申請者情報を登録し、受け取ったメールに含まれるリンクから申請書類をアップロードして行います。 以下に申請の流れをまとめました。 「特別体験事業」の予備申請フォームにアクセスし、事業概要と申請者情報(事業者名、メールアドレスなど)を登録する 予備申請の情報を基に、登録したメールアドレス宛に受付番号と申請書類を投稿するためのサイトのリンクが含まれたメールが自動で送信される メールに記載されたリンクをクリックしてサイトにアクセスし、必要な書類(様式1~3,5のExcelファイルと様式4のPowerPointファイル)をアップロードする 書類を「box」に投稿し、「ファイルを送信しました」という表示を確認したら、申請は完了となる 参考:特別な体験等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業 オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業とは オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業は、多くの観光客による混雑やマナー違反の問題が発生している、または今後発生する可能性がある地域を対象としています。 目的は、地域住民を含む関係者が協力し、オーバーツーリズムの問題を未然に防ぐための計画を策定し、実施するための包括的な支援を提供することです。この取り組みにより、観光地が直面する過剰な観光客の問題を効果的に管理し、持続可能な観光を推進することを目指します。 【公募期間(3次公募)】 令和6年(2024年)7月19日(金)~8月8日(木)12:00 オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業 類型の特徴 本事業には二つの類型があります。3次公募では、一般型のみ公募されます。2次公募までに実施していた「先駆モデル地域型」の公募はありません。 ①先駆モデル地域型 対象 地方公共団体と地域関係者が協議し、現状分析に基づく計画を策定し、その計画に沿った取組を実施する地域 対象となる取組 交通やインフラの整備、適切な需要管理、観光客の分散化、マナー違反の抑制など(原則として複数の課題に対処するための取組) 申請主体 地方公共団体 ※ただし実際の取組については、地方公共団体の同意を得て、観光地域づくり法人(DMO)や民間事業者が実施するものも対象になる ②一般型 対象 地域の観光関係者が連携し、地域で生じているまたは発生が想定される課題の未然防止・抑制を図るため、具体的な取組を実施するもの 対象となる取組 受入環境の整備・増強、需要の適切な管理、需要の平準・分散化、マナー違反行為の防止・抑制等、観光地において生じることが想定される様々な課題のうち、一つまたは複数のタイプに係る対策を講じる取組 申請主体 地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者等 ※ただし申請主体が地方公共団体以外の場合は、関係する地方公共団体との連携が必要 オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業の補助額・対象経費 ①先駆モデル地域型の補助上限は 8,000万円(補助率2/3)、②一般型の補助上限は 5,000万円(補助率1/2)です。 【対象経費】 人流把握・予測のための調査分析費 住民の意見を反映するためのアンケート実施に係る経費 ポイ捨て防止のためのICTを活用したごみ箱設置費 渋滞緩和のためのパークアンドライド駐車場整備費 観光客の過度な集中を抑制するための予約システム導入費 外国人観光客へのマナー啓発のための多言語化対応費 観光施設と住民間の交流プログラムの造成費 等 オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業の申請方法 観光庁ホームページで案内される特設WEBサイトの申請フォームより申請を行います。事業申請書を提出し、事業採択となった場合、事業実施に係る費⽤の交付申請を⾏います。交付決定通知を受けてから事業実施し、完了実績報告書および⽀出内容がわかる関係書類等の提出を含め、2025年2⽉28⽇までに事業を完了させる必要があります 参考:オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業 まとめ 観光庁の令和6年度予算要求と令和5年度補正予算は、観光業界の成長と地域経済活性化を促進することを目的としています。令和6年度の予算は、持続可能な観光地域づくりや双方向交流の拡大に重点を置き、新たな事業機会を提供する方針です。令和5年度の補正予算は、地方の魅力を広める活動や観光品質の向上などに資金を配分し、観光業界全体の発展を支援しています。これらの予算により、事業者は地域経済と持続可能な観光産業の発展を目指し、新たな取り組みに挑戦できる機会が広がっています。 参考・出典:令和6年度 観光庁関係 予算概算要求概要 参考・出典:令和5年度 観光庁関係 補正予算

2024.11.05

産後パパ育休(育児休業給付金)とは?実質賃金の100%をカバーする給付金

「産後パパ育休制度」とは、育児・介護休業法の中で新設された制度です。既存の育児休業とは別に育児休業を取得できるため、男性の育児参加促進が期待されます。夫婦が力を合わせて仕事を育児を両立できるよう、これから本格的な子育てが始まる予定の方は積極的に活用しましょう。 今回の記事では、産後パパ育休制度の概要や創設の背景、従来の育休との違いなどについて解説します。育休を検討中のパパや、「パパに育休取ってほしいけど給与はどうなる?」とお金のことも気になるママはぜひ参考にしてみてください。 ▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼ メルマガ会員登録する 産後パパ育休とは 「産後パパ育休制度」とは、2022年(令和4年)年10月1日から育児・介護休業法の中で新設された制度のことです。「産後パパ育休」は、子どもが生まれた直後の大変な時期に、柔軟に育児休業が取得できるようにとのねらいで創設されました。 これにより、育児の負担を母親だけでなく父親も共有し、両親が子育てを通じて互いに支え合う家庭環境を促進することが目的とされています。 そもそも育休をとれるのはどのような人? 育休は、原則として1歳までの子を持つ男女従業員が対象です。これには正社員だけでなく、条件を満たすパート、派遣、契約社員も含まれます。 女性は出産直後の8週間を「産後休業」として休み、この期間終了後に育児休業が始まります。男性は、育児休業とは別に「産後パパ育休」を利用できます。 産後パパ育休はいくら支給される? 休業すると、給与がもらえなくなるのでは?と不安に思う方もいるでしょう。産後パパ育休を取得すると、育児休業給付金を得ることができます。産後パパ育休の給付金は、休業開始時の賃金日額(原則として、育児休業開始前6か月間の賃金を180で割った額)に支給日数をかけたものの67%として計算されます。 産後パパ育休はいつから10割・100%になる? 産後パパ育休の給付金が実質100%になる改正は、2025年度からの実施を目指して検討されています。この改正により、産後パパ育休を取得する父親は、出生時育児休業給付金の給付率が現行の67%から引き上げられ、社会保険料の免除も含めると手取りで実質10割、つまり全額相当の支給が受けられるようになります。 産後パパ育休は2回取得できる? 産後パパ育休では、子の出生後8週間以内に、4週間(28日)を限度として2回に分けて育児休業を取得できます。既存の「1歳までの育児休業」とは別で取得可能で、従来の育休も分割して2回取得できるため、産後パパ育休~育児休業で最大4回の育休を取得できます。たとえば、長期休業を取るのが難しいという方でも、分割することで休みが取りやすくなります。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/jh3zEG7z3xsPGouD8jQTVlqbJ89L7KszkSLE91RD.png) 産後パパ育休と育休の違い※10月8日更新 下表は産後パパ育休と、現行の育児休業制度の内容を比べたものです。 【新設:令和4年10月1日〜】産後パパ育休 【改正後:令和4年10月1日〜】育休(育児休業制度) 【改正前:〜令和4年9月30日】育休(育児休業制度) 対象期間および取得可能日数 子どもの出生後8週間以内に4週間まで取得可能 原則として子どもが1歳(最長2歳)になるまで 原則として子どもが1歳(最長2歳)になるまで 申出期間 原則として休業の2週間前まで(※1) 原則として1か月前まで 原則として1か月前まで 分割取得 分割して2回取得可能 *最初にまとめて申し出る必要がある 分割して2回取得可能 *取得の際にそれぞれ申し出る 原則として分割取得不可 休業中の就業 労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲(※2)で休業中に就業可能 原則として就業不可 原則として就業不可 1歳以降の延長 ー 開始日を柔軟化 開始日は1歳、1歳半の時点に限定 1歳以降の再取得 ー 特別な事情がある場合に限り再取得可能(※3) 再取得不可 備考 育休とは別に取得可能 ー ー (※1)雇用環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられた内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は「1か月前まで」とすることができます。 (※2)休業中の就業について、具体的な手続きの流れは以下の通りです。 労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申し出る 事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日と時間を提示する。候補日等がない場合はその旨を伝える 事業主の提示した条件を労働者が確認して同意する 事業主が通知する なお、就業可能日等には定められた上限があります。 休業期間中の所定労働日および所定労働時間の半分 休業開始および終了予定日を就業日とする場合は、当該日の所定労働時間数未満 (※3)1歳以降の育児休業が、他の子どもの産前・産後休業、産後パパ育休、介護休業または新たな育児休業の開始により育児休業が終了した場合で、産休等の対象だった子ども等が死亡等したときは、再度育児休業を取得できます。 【ポイント】 産後パパ育休は子の出生後8週間以内に限定されているのに対し、育児休業は子が1歳になるまで(最長2歳まで延長可能)取得することができます。産後パパ育休と、育児休業を組み合わせて分割取得することで夫婦が育休を交代で利用することも可能になり、育児の負担を軽減できます。 産後パパ育休制度の具体的な内容と条件 ここからは、産後パパ育休の対象者などをみていきましょう。 産後パパ育休制度の対象労働者は? 対象労働者 (1) 産後休業をしていない労働者。ただし、日々雇用を除く。主に男性対象だが、養子等の場合は女性も対象となる。配偶者が専業主婦(夫)でも取得可能 (2) 有期雇用労働者は、申出時点で「子どもの出生日」あるいは「出産予定日」のいずれか遅いほうから起算して、8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、労働契約期間が満了し更新されないことが明らかでない者に限る (3) 労使協定の締結により対象外となる以下の労働者 ・入社1年未満の労働者 ・申出の日から8週間以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者 ・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者 産後パパ育休の支給額 産後パパ育休制度を取得し受給資格を満たしていれば、原則として「休業開始時の賃金の67%」の育児休業給付を受けられます。受給資格は以下のとおりです。 ・育児休業開始日前の2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上ある(原則として「賃金の支払いの基礎となった日数が月に11日以上ある場合」に1か月と計算する) 産後パパ育休を取得して、要件を満たした場合に支給される「出生時育児休業給付金」の対象者は、原則男性です。基本的には女性が出生時育児休業給付金を受給できるのは、養子の場合に限られます。 産後パパ育休 給付金の計算方法 給付金額は、以下の計算式で求めます。 休業開始時賃金日額×支給日数×67% 例えば、休業開始時の額面(総支給額)が30万円/月、取得日数が14日であれば、休業開始時賃金日額は1万円となり支給額は93,800円となります。 育児休業中の社会保険料の免除とは? 以下の要件を満たしていれば、産後パパ育休制度における各月の月給や賞与に係る社会保険料が、被保険者本人負担分および事業主負担分ともに免除されます。 その月の末日が育児休業期間中である 上記に加えて、同一月内で育児休業を取得(開始・終了)し、その日数が14日以上の場合、新たに保険料免除の対象とする 賞与に係る保険料については「連続して1か月を超える育児休業を取得した場合」に限り免除される 休業中に就業する場合の注意点は? 労使協定と個別同意があれば、産後パパ育休中に一部就業することも可能です。その場合の注意点は以下のとおりです。 (1) 出生時育児休業給付金に関して この給付金は、出生時育児休業期間中の就業日数が一定の水準以内の場合にのみ対象となります。(就業日数:最大28日間の休業で10日または80時間。これより短い場合は、それに比例した日数または時間数)休業期間中に得た賃金と休業給付金の合計が「休業前賃金日額×休業日数の80%」を超える場合、超過分は給付金から減額されます。 (2) 育児休業期間中の社会保険料免除について 「14日以上」の日数に、事前に事業主と労働者間で調整した上で就業した日数は含まれません。 産後パパ育休取得のメリット 産後パパ育休制度は、労働者・企業の双方にメリットがあります。 労働者側のメリット (1) 父親が育児に積極的に参加することで母親の育児負担を軽減し、家庭の安定を図れる (2) 父親が育児に参加することで、子どもとの絆を深めることができる (3) 父親が育児休業中に仕事を離れることで、仕事とプライベートのバランスを取ることができる 従来の「男性は仕事・女性は育児」という分けた考え方では、片方に負担を強いる形になってしまいます。中には「仕事で頭角を現す女性」「育児も得意な男性」というケースもあるでしょう。そうした個人の希望や力量を踏まえずに、どちらかに負担を偏らせるのはもったいないことです。 また、母親に育児の負担が偏れば、必然的に子どもと父親が接する時間は少なくなり、親子間の絆に影響を与えかねません。 産後パパ育休制度を活用し父親が育児へ積極的に参加することで、子育てに対する意識が男女ともに高まり、子育てに前向きな気持ちを持つ人が増えると期待できます。 企業側のメリット (1) 労働者へのサポートが手厚い企業であると外部にアピールできる (2) 優秀な人材が職場に定着する (3) 労働者の仕事へのモチベーションを高められるため、生産性の向上が期待できる 産後パパ育休のような支援制度をきちんと運用できれば、外部に「労働者のワークライフバランスを考えている職場である」とアピールできます。労働者へのサポートが手厚い企業は求職者にとって魅力的であるため、すでに働いている人材の定着はもちろん、優秀な人物を外部から採用しやすくなるでしょう。少子高齢化によって人材不足が加速する中において、優秀な人材を囲い込めるのは企業として魅力的です。 また、仕事と育児の両立をサポートし労働者の負担を解消することで、ストレスが軽減されて仕事へのモチベーションも高まり、最終的な生産性向上も期待できます。 ただし、今でも「男性は仕事・女性は育児」という考え方が残っているのも事実です。その中で、産後パパ育休制度を活用した労働者が不当な扱いを受けないよう、企業にはハラスメントへの対策が強く求められます。 産後パパ育休の計画と準備 産後パパ育休を成功させるためには、計画的な準備が不可欠です。このセクションでは、産後パパ育休の取得に向けた具体的な準備ステップを詳細に説明します。 1. 育休期間の計画 産後パパ育休を取る前に、どのくらいの期間休むかを計画しましょう。休業期間は子の出生後8週間以内に限られていますが、この中で最適なタイミングと期間を選ぶ必要があります。パートナーと協議し、家庭内での役割分担や、その他のサポートが可能な時期を考慮に入れることが重要です。 2. 収入について確認 育休中は収入が変動するため、経済的な準備も必要です。育児休業給付金が支給されますが、受け取る給付金の額を事前に計算し、必要に応じて貯金や予算調整を行います。これにより、休業中の金銭的なストレスを軽減できます。 3. 職場での引き継ぎ準備 休業をスムーズに進めるためには、職場での引き継ぎが重要です。休業の数週間前から、関連するプロジェクトやタスクの引き継ぎを計画的に行いましょう。また、復帰後の業務再開をスムーズに行えるよう、引き継ぎ文書を整備することも大切です。 4. 育休後の職場復帰計画 育休後の職場復帰は、新たなチャレンジとなる場合が多いです。復帰計画を立て、復帰初日のスケジュール、業務の優先順位、必要なサポートなどを事前に検討しましょう。また、職場に復帰する前に、上司や人事部と面談を設定し、復帰後の業務やキャリアプランについて話し合うことも効果的です。 これらの準備を行うことで、産後パパ育休を有意義に過ごし、家庭と職場の両方での責任を果たしながら、仕事と育児のバランスを取ることが可能になるでしょう。 産後パパ育休(出生時育児休業)が創設された背景とは? 従来の日本には、「育児・家事は女性がするもの」「男性が育児休業を取得するなんてありえない」という考え方が根付いていました。しかし、女性の社会進出や働き方改革などが当たり前になった現代では、どちらかに育児(あるいは仕事)の負担を傾けるのではなく、「夫婦で協力して育児と仕事を両立させる」という価値観が主流になっています。 とくに女性は出産後の退職率が高い傾向にあり、少子高齢化によって労働人口が減少する日本において、貴重な戦力である女性労働者が出産を機に仕事から離れてしまうのは企業としても痛手です。 また、男性労働者の中には「育児に参加したいが育児休業を取得できなかった」という方がまだまだいます。実際、男性の育児休業取得率は年々上昇していますが、2021年(令和3年)度時点で「13.97%」であり、女性の「85.1%」と比べると大きな差があるのも事実です。 こうした現状を打破し、夫婦で育児を行いつつ誰もが働きやすい職場環境を実現するために、この産後パパ育休制度が設けられたといえるでしょう。 もし夫婦で協力して育児ができる体制を整備できれば、子どもは両親と接する機会が増えるため幅広い価値観を得るチャンスができ、考え方やメンタル面などに良い影響をもたらすと予想できます。 まとめ 産後パパ育休制度は、夫婦のどちらかに負担を偏らせることなく、仕事と育児を両立させたい方々にぴったりの制度です。一定の要件を満たせば、育児休業給付金の支給や社会保険料の免除が受けられるため、休業による収入減少を心配する方も、少しは安心できるでしょう。 さらに、2025年度からは両親が出産後の8週間以内に「産後パパ育休」を含む育児休業を14日以上取得した場合、給付金が引き上げられる予定です。これにより、最大28日間の休業に対して、休業前の手取り額相当まで給付率が80%に増額され、社会保険料の免除もあって実質的に給与の100%がカバーされるようになります。子どもの成長に関わる大切な時期に夫婦で協力して子育てできるよう、こういった制度をぜひ極的に活用してみてください。

2024.10.08

食洗器設置で2万1000円の補助!2024年の住宅補助金「子育てエコホーム支援事業」とは

長く住む家のことだから、住宅にも省エネの工夫を取り入れて、少しでも節約につなげたいものです。とはいえ、リフォームや住宅購入時に省エネ設備を取り入れるには、費用がかかります。 お得に省エネ住宅の購入やリフォームを行うには、補助金の活用がおすすめです。国土交通省では、2024年(令和6年)「質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(住宅省エネ2024キャンペーン)」を実施しています。本事業では、食洗器の設置をはじめとする、子育て世帯の家事負担軽減設備も補助の対象です。 今回は食洗器設置を中心に、住宅省エネ2024キャンペーンの一つ、子育てエコホーム支援事業について見ていきましょう。 ▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼ メルマガ会員登録する 2024年の住宅補助金「子育てエコホーム支援事業」 住宅の取得やリフォームに使える補助金には、多くの事業が設置されてきました。これまでに設置された補助金の概要と、2024年の住宅補助金について確認しておきましょう。 【これまでの住宅省エネ補助金】 国土交通省では2022年に「こどもみらい住宅支援事業」、2023年には「子育てエコホーム支援事業」が行われました。 また2023年には「住宅省エネ2023キャンペーン」として、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて家庭部門の省エネを推進する施策が打ち出されました。これは住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援するものです。具体的には、「質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(住宅省エネ2024キャンペーン)」の前身である「こどもエコすまい支援事業」のほか、「先進的窓リノベ事業の後継事業」と「給湯省エネ事業」の3つの施策が設置されました。 いずれの施策も人気が高く、当初の予定より締め切りが前倒しとなりました。2022年「こどもみらい住宅支援事業」は11月29日、2023年の「子育てエコホーム支援事業」は9月29日に終了しています。2024年も同様に、各施策は早期に申請が集中することが予想されます。 【予算に対する補助金申請額の割合】※11月19日更新 子育てエコホーム支援事業の公式サイトによると、2024年11月19日時点での予算に対する補助金申請額の割合は以下の通りです。 新築住宅:73% リフォーム:70% これらの情報から、予算の2/3以上が既に申請されていることがわかります。補助金申請額が予算上限(100%)に達し次第、交付申請の受付は終了しますので、申請を検討されている方は早めの手続きをおすすめします。 住宅補助金「子育てエコホーム支援事業」はいつから 子育てエコホーム支援事業の交付申請は、2024年4月2日から開始となっています。対象となる工事は2023年11月2日以降のもので、すでに着工されている工事も、要件を満たせば補助の対象となります。 なお、対象工事は以下のとおりです。 新築 基礎工事より後の工程の工事 リフォーム リフォーム工事 本事業の申請は登録事業者によって行われます。すでに工事に着工している場合は、申請可能かどうか、担当者に確認してみましょう。 住宅補助金「子育てエコホーム支援事業」とは? 前述のとおり、本事業の申請は、注文住宅の新築工事もしくは新築分譲住宅の販売、住宅のリフォーム工事を行う事業者が行います。工事発注者や住宅購入者となる一般消費者は申請者にはなれませんので、注意してください。 また、対象となるのは以下の場合です。 ■子育て世帯または若者夫婦世帯が取得する、長期優良住宅又はZEH住宅についての注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入 ■世帯を問わず対象工事を実施するリフォーム 対象となる子育て世帯 注文住宅の新築および新築分譲住宅の購入については、子育て世帯または若者夫婦世帯が取得する場合に限り、補助の対象となります。具体的には次のような世帯を指します。 子育て世帯とは 「子育て世帯」とは、申請時に18歳未満の子どもを持つ家庭のことです。子どもの年齢は、令和5年4月1日時点で、2005年4月2日以降に生まれた子どもを指します。ただし、令和6年3月末までに工事を開始する場合は、2004年4月2日以降に生まれた子どもが対象となります。 若者夫婦世帯とは 「若者夫婦世帯」とは、申請時に夫婦であり、令和5年4月1日時点でいずれかが39歳以下(1983年4月2日以降生まれ)である家庭を指します。ただし、令和6年3月末までに工事を開始する場合は、令和4年4月1日時点で39歳以下(1982年4月2日以降生まれ)の条件が適用されます。 そのほか、補助対象事業や対象期間などの詳細を見ていきましょう。 補助対象期間と対象住宅の要件 各事業の補助対象期間は、以下のとおりです。 カテゴリー 条件 注文住宅の新築ならびに新築分譲住宅の購入 2023年11月2日以降、基礎工事より後の工程の工事に着手したもの ただし、申請時に工事が一定以上の出来高に達し、別途定める期間内に申請・完了報告が可能なものに限る リフォーム 2023年11月2日以降に工事に着手したもの ただし、別途定める期間内に申請が可能なものに限る また、工事請負契約後に行われる工事であることが必要 【対象住宅の要件】 補助対象となる住宅の条件は、【注文住宅の新築ならびに新築分譲住宅の購入】、【リフォーム】それぞれ以下のとおりです。 新築の注文住宅または分譲住宅の購入に関わる要件 ①以下のいずれかに該当するもの ■長期優良住宅 長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられている住宅で、所管行政庁にて認定を受けたもの ■ZEH住宅 強化外皮基準に適合し、再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量が削減される性能を有するもの ②以下の全てに該当するもの ■住戸の延べ面積が50㎡以上240㎡以下 ■原則として、土砂災害特別警戒区域又は災害危険区域に立地しない ■申請者が、都市再生特別措置法の規定による勧告に従わなかった者でない なお、申請する際には、登録住宅性能評価機関等の第三者機関による証明書等が必要です。 リフォームでは、次の①~⑧に該当する工事等が対象です。ただし、①~③の工事のいずれかが必須です。また、原則として1申請の合計補助額が5万円未満の場合は、申請できません。 リフォームに関わる要件 ①開口部の断熱改修 以下のいずれかに該当する、改修後の開口部の熱貫流率および日射熱取得率が一定の基準値以下となるように行う工事 ■ガラス交換 既存窓を利用して、複層ガラス等に交換するもの ■内窓設置 既存窓の内側に窓を新設するもの、および既存の内窓を取り除き、新たな内窓に交換するもの ■外窓交換 既存窓を取り除き、新たな窓に交換するもの、および新たに窓を設置するもの ■ドア交換 既存のドアを取り除き、新たなドアに交換するもの、および新たにドアを設置するもの ②外壁、屋根・天井または床の断熱改修 改修後の外壁、屋根・天井または床の部位ごとに、一定の使用量以上の断熱材を使用する断熱改修 ③エコ住宅設備の設置 次の住宅設備を設置する工事 ■エコ住宅設備 ・太陽熱利用システム ・節水型トイレ ・高断熱浴槽 ・高効率給湯器 ・節湯水栓 ・蓄電池 ④子育て対応改修 1. 家事負担の軽減に資する設備を設置する工事 ■対象設備 ・ビルトイン食器洗機 ・掃除しやすいレンジフード ・ビルトイン自動調理対応コンロ ・浴室乾燥機 ・宅配ボックス 2. 防犯性の向上に資する開口部の改修工事 3. 生活騒音への配慮に資する開口部の改修工事 4. キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事 ⑤防災性向上改修 防災性の向上に資する開口部の改修工事 ⑥バリアフリー改修 ■対象工事 ・手すりの設置 ・段差解消 ・廊下幅等の拡張 ・衝撃緩和畳の設置 ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入 国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱う、リフォーム瑕疵保険および大規模修繕工事瑕疵保険 なお、申請する際には、対象工事に関する証明書等が必要です。 いくらもらえる?住宅補助金「子育てエコホーム支援事業」の補助額 各事業の主な補助金額は、以下のとおりです。 【注文住宅の新築ならびに新築分譲住宅の購入】 ①長期優良住宅:100万円 ②ZEH住宅:80万円 なお、以下の両方に該当する区域に立地している住宅は、補助額が原則半額になります。 ■市街化調整区域 ■土砂災害警戒区域又は浸水想定区域 【リフォーム】 リフォーム工事の内容に応じて、補助金額が異なります。各該当箇所の面積や窓ガラス等の枚数に補助金額が定められ、その合算で補助金額を算出する仕組みです。 なお、上限額は、以下のとおりです。 ①子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円 ②その他の世帯:上限20万円 子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合は上限60万円、長期優良リフォームを行う場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯が上限45万円、その他の世帯が上限30万円です。 食洗機設置等リフォームは「子育て対応改修」に該当 では、食洗器設置等のリフォームに関わる補助金について、もう少し詳しく見ていきましょう。「子育てエコホーム支援事業」では、リフォーム工事補助事業の中に「子育て対応改修」が含まれます。 そのうち「家事負担の軽減に資する設備を設置する工事」では、食洗器をはじめ、家事軽減を目指すリフォーム工事等が補助の対象です。 子育て対応改修 補助金額 対象となる工事と各補助額は、以下のとおりです。 ■ビルトイン食器洗機 2万1,000円 ■掃除しやすいレンジフード 1万3,000円 ■ビルトイン自動調理対応コンロ 1万4,000円 ■浴室乾燥機 2万3,000円 ■宅配ボックス ・住戸専用の場合1万1,000円 ・共用の場合1万1,000円 1つの宅配ボックスに4つのボックスが設置されている場合、補助額は4万4,000円となります。 子育て対応改修 対象設備 子育て対応改修の対象となる設備には、基準が設けられています。各設備の基準は、以下のとおりです。 ■ビルトイン食器洗機 電気用品安全法に規定する「電気食器洗機」で、組込型であること。 ■掃除しやすいレンジフード 次のすべてを満たすものであること。 ①電気用品安全法に規定する「換気扇」である ②レンジフードのファンの形態が「遠心送風機型」である ➂「整流板」、「グリスフィルター」、「ファン」、「油受け皿」のいずれかの部品を備えている場合、そのすべてが以下の仕様構造になっている ・工具を使用することなく、使用者が着脱可能であることで、洗い掃除を可能としている ・レンジフードの清掃の際、油煙汚れを除去し易くするための「はつ油(性)処理」を施している ■ビルトイン自動調理対応コンロ 「ガスこんろ」または、「電磁誘導加熱式調理器」のうち、以下の機能を有するもの ①こんろ部に、設定した温度に自動で調節する自動温度調節機能がある ②こんろ部またはグリル部に、調理開始から調理終了まで手動で操作を行わずに調理する自動調理機能がある ➂炊飯機能がある ■浴室乾燥機 「電気乾燥機」、「換気扇」または「ファンコイルユニットおよびファン付コンベクター」で、換気運転等と連動し、温風で浴室内や浴室内に干された衣類の乾燥を行うもの。なお、浴室内の天井又は壁に設置されたものに限る。 ■宅配ボックス 次のすべてを満たすもの ①保安性、保管箱の防水性等の機能が確保されている ②保管箱の剛性、錠の施錠強さ等の機械的な抵抗力および安定性が確保されている ➂使用時の安全性及び保安性が確保されている ④表面の抵抗性、部材の耐久性が確保されている リフォームで補助金を受け取るための条件 前述の通り、リフォーム工事で補助の対象となるには、「開口部の断熱改修」、「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修」または「エコ住宅設備の設置」のいずれか施工が必須です。 「子育て対応改修」、「防災性向上改修」、「バリアフリー改修」、「空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」、「リフォーム瑕疵保険等への加入」は単独では申請ができませんので、注意してください。 ただし、環境省が実施する「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」、経済産業省が実施する「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」および「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」において交付決定を受けている場合は、「子育て対応改修」等の単独申請が可能です。 住宅補助金「子育てエコホーム支援事業」申請について それでは、申請について見ていきましょう。書類の提出を含めた申請手続きは、申請者がオンラインで行います。 申請の流れと予約期間 本事業の申請は事業者が行い、交付金は全額住宅取得者等へ還元されます。申請にあたっては還元方法について、予め両者で同意が必要です。また、住宅事業者は、「補助事業者」として事業者登録を受ける必要があります。 全体の申請フローは、以下の図も参照してください。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/j42ljDWlc9yoRkomqhGgZtUR1ljyyJJCGvhPTQXZ.png) 出典:国土交通省 子育てエコホーム支援事業の内容について なお、リフォーム工事の場合の、工事と手続きの流れは以下のとおりです。 申請の流れ 1.申請前 施工業者の基礎的情報を事務局に登録します。この時点で住宅(物件)の特定は必要ありません。施工業者と工事発注者は、工事請負契約と併せて、補助事業の共同実施に関する規約を締結します。なお、工事着手後に補助金の予約申請が可能です。 2.交付申請 施工業者は、すべての工事の完了後に、事務局に交付申請を行います。 3.交付決定 事務局の審査が完了次第、交付が決定されます。その後、所定の請求手続を経て、補助金が交付されます。補助金は施工業者から、工事発注者に還元されます。 ![](https://assets.hojyokin-portal.jp/storage/medias/C6jiNyCpLVDNXWJcRhKBVP9LwPCLereEGhssK3et.png) 出典:子育てエコホーム支援事業について 【予約期間】 以下の期間中は、工事着手後に補助金の交付申請の予約が可能です。予約によって補助金が一定期間確保されます。 2024年3月下旬~予算算上限に達するまで(遅くとも令和6年11月30日まで) ただし予約提出後3ヶ月以内(リフォーム一括申請については9ヶ月以内)、または2024年12月31日のいずれか早い日までに交付申請の提出が無かった場合、その予約は取り消されます。 また予約の完了はあくまでも着工から交付申請までの期間に予算の確保をするためだけのものであり、交付申請可能な期間に交付申請を行って交付決定されない限り、補助金交付は確定されません。 スケジュール 申請のスケジュールは、以下のとおりです。 申請スケジュール 1.対象となる建材・設備の公募 2023年12月下旬~遅くとも2024年11月30日(予定) 2.事業者登録 2024年1月中旬~遅くとも2024年12月31日(予定) 3.予約提出期間 2024年3月下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2024年11月30日まで) 4.交付申請期間 2024年3月中下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで) 5.着工 6.完了報告 注文住宅の新築と新築分譲住宅の購入は、事業者の完了報告が必要です。 住宅省エネ支援事業者の検索方法 住宅省エネ2023キャンペーンに参加していた事業者は、辞退申請をしない限り、自動的に住宅省エネ2024キャンペーンへ継続参加となります。 登録した事業者のうち、希望する事業者は事務局のホームページ上で情報公開が行われます。公表されていない事業者の登録有無については、事業者に直接お問い合わせください。 まとめ 2024年の住宅補助金は、2023年と同様、新築住宅の購入やリフォームが対象です。2023年に着工された工事も対象となることがありますので、対象期限を確認し、事業者に相談してみましょう。 住宅の省エネは、生活費の固定費部分の金額を大きく左右する要素です。補助金を上手に活用し、費用的負担を抑えて住宅の省エネ化を行うことで、将来的に光熱費が大きく抑えられます。 また、食洗器などの家事ラク設備の導入も補助の対象です。この機会に、家の省エネや家事の負担軽減について、見なおしてみてくださいね。 参考:子育てエコホーム支援事業

2024.11.19

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