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生活保護の生活扶助とは?計算方法・特例加算・受給の流れを解説

公開日:2025/1/8 更新日:2026/6/11
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物価の高騰が続く中、生活保護の制度に2つの大きな動きがありました。2025年10月から生活扶助の特例加算が月1,500円に引き上げられたのに続き、2026年10月からはさらに1,000円上乗せされて月2,500円に増額される方針が、2025年12月の閣僚折衝で正式に決定しました。加えて、2025年6月の最高裁判決を受けて、過去の基準引き下げ分の追加給付も2026年3月から各自治体で順次実施されています。

厚生労働省の被保護者調査によれば、生活保護受給者の実人員数は緩やかな減少傾向が続いており、2026年2月時点で約198万人(1,977,156人、前年同月比1.1%減)と報告されています。

本記事では、2025年10月からの特例加算増額(月1,500円)、2026年10月から予定されている再増額(月2,500円)、最高裁判決を踏まえた追加給付、そして生活扶助の計算方法までを、最新情報をもとにわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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2026年10月から特例加算が月1,500円→2,500円にさらに増額

2026年度の生活保護費に関して、2026年10月から特例加算がさらに1,000円引き上げられ、世帯人員1人当たり月額2,500円となる方針が決まっています。これは2025年12月24日に上野賢一郎厚生労働大臣と片山さつき財務大臣による2026年度予算案の閣僚折衝で決定された内容で、長引く物価高騰への対応として、2023年度から実施されている特例加算をさらに拡大する措置です。

生活保護は8種類の扶助で構成されており、特に多くの方が受給しているのが「生活扶助」です。生活扶助では、食費や水道光熱費など日常生活を送るために必要な費用を支給します。

特例加算の経緯(3段階の引き上げ/世帯人員1人当たり):
・2023年度・2024年度:1人当たり月額1,000円の特例加算を実施
・2025年10月〜2026年9月:500円上乗せで1人当たり月額1,500円
2026年10月〜:さらに1,000円上乗せで1人当たり月額2,500円に増額予定
※入院患者・介護施設入所者は現行の月額1,000円のまま据え置き
※2027年度以降の取扱いは、社会経済情勢を踏まえて改めて検討

今回の特例加算は、令和7年度・令和8年度の2年間の臨時的・特例的措置として始まりました。さらに2026年10月からの1,000円増額は、2026年10月から1年間(令和8年度後半)の措置となります。なお、特例加算しても従前の基準額を下回る世帯については、引き続き旧基準額が保障されるため、生活扶助基準額が下がる世帯は発生しない仕組みです。

2026年10月以降の特例加算が適用される条件

新しい1人当たり月額2,500円の特例加算は、現金支給の生活扶助を受けている人、つまり自宅で生活している生活保護受給者が対象です。一方、病院に入院している人や介護施設に入所している方など、食事や光熱費が現物給付されているケースでは、特例加算は現行の1人当たり月1,000円のまま据え置かれます。

なお、2023年度の生活保護事業費は約3兆6,000億円規模であり、今回の1,000円上乗せ分も全額を国と地方の公費で賄います。

最高裁判決を踏まえた追加給付(2026年3月適用開始)

特例加算の増額とは別に、過去の基準引き下げに関する追加給付も2026年3月1日から告示が適用され、各自治体で順次手続きが進められています。2025年6月27日の最高裁判決を踏まえた措置で、現在受給中の方だけでなく、過去に受給していた世帯も対象となる重要な給付です。なお、厚生労働省の追加給付相談センターは2026年3月30日に開設されました。

追加給付の経緯と概要

2013年(平成25年)から2015年(平成27年)にかけて、生活保護費のうち生活扶助費(生活費分)に対して平均約6.5%の引き下げが行われました。この引き下げの違法性を問う集団訴訟「いのちのとりで裁判」が全国で起こされ、2025年6月27日の最高裁判決で「デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があった」と判示されました。

この判決を受け、国は新たな基準を設定し、裁判の原告かどうかにかかわらず、当時の基準との差額分を支給する方針を決定。2026年3月から各自治体での対応が開始されています。

追加給付の対象者

追加給付の対象者
原則対象平成25年8月〜平成30年9月に生活保護を受給したことがある全ての世帯
追加対象平成30年10月〜令和8年3月に、入院患者日用品費・障害者加算・期末一時扶助等が算定されていた世帯
対象範囲現在保護停止中の世帯や保護廃止済みの世帯も対象
注意点亡くなられた本人分は対象外。ただし、当時の世帯員が存命であれば、その方の分は対象になり得る

差額の算定基準は、平成25年に引き下げられた水準(▲4.78%)と国が新たに定めた水準(▲2.49%)との差額分です。

追加給付額の目安

厚生労働省が示している給付額の目安は以下のとおりです。

追加給付額の目安(厚生労働省提示例)
世帯類型8か月受給1年間受給3年間受給
60代単身(加算なし)約4,000円約12,000円約65,000円
70代夫婦(加算なし)約7,000円約21,000円約111,000円
40代単身(令和2年8月から)約300円約300円約1,000円

※あくまで目安であり、実際の給付額と異なる可能性があります。

追加給付の申請方法

追加給付の手続きは、申請者の状況によって異なります。

追加給付の手続き区分
現在受給中の世帯(同じ自治体で当時から継続)原則申出不要。受給中の自治体が当時の記録に基づき職権で決定・支給
過去に別自治体で受給していた期間がある方その期間分については、当時の自治体への申出が必要
現在は生活保護を受けていない世帯(過去に受給)申出が必要。受付は2026年夏頃から開始予定

不明点があれば、厚生労働省が2026年3月30日に開設した「最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付相談センター」(フリーダイヤル0120-179-445/平日9〜17時)にお問い合わせください。

生活保護制度とは

生活保護は、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、自立を支援するための制度です。厚生労働省の被保護者調査によると、2026年2月時点の生活保護の被保護実人員数は1,977,156人(前年同月比1.1%減)、被保護実世帯数は1,641,614世帯(同0.3%減)となっています。

生活保護は誰でも受けられるわけではなく、以下のような状態の方が対象となります。

活用できる資産がない人不動産や預貯金、自動車など、生活のためにすぐに活用できる資産を持っていない
十分な収入がない人働けない場合、または働いていても必要な生活費を十分に得られない
社会保障制度を活用しても生活が困難な人年金や手当など、他の社会保障制度を利用しても、なお生活費が不足している

ただし、上記の状態であっても、特別な事情があれば資産保有が認められる場合もあります。生活保護の受給を検討している場合は、まずは地域を管轄する福祉事務所に相談してみることが大切です。

生活保護の条件

生活保護は、条件を満たす世帯を支援する制度です。世帯内のすべての資産や収入、労働能力などを最低限度の生活を維持するために活用することが前提となります。また、親族など扶養義務者から援助や他の手当を受けられる場合は、生活保護よりもそちらを優先しなければなりません。

1.活用できるものをすべて利用することが前提

資産の活用預貯金や、使われていない土地や家屋がある場合、それらを売却して生活費に充てることが求められます。
能力の活用働ける方は、その能力に応じて働き、収入を得る努力が必要です。
他制度の活用年金や手当など、他の制度で受けられる給付は優先的に活用してください。
扶養義務者からの援助親族などから援助が受けられる場合は、まずその支援を受ける必要があります。なお、2021年の改正により、10年以上音信不通の場合やDV・虐待を受けていた場合など、扶養照会が省略されるケースが明確化されました。

2.そのうえで、保護の適用基準と照らし合わせる

世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。

このように、生活保護は資産や能力、他の支援を最大限活用したうえで、なお生活が難しい場合に適用される「最後のセーフティネット」です。申請前に、これらの条件を確認することが重要です。

生活保護の種類や内容

生活保護は、8種類の扶助で構成されています。

生活を営む上で生じる費用扶助の種類支給内容
日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費等)生活扶助基準額は、(1)食費等の個人的費用、(2)光熱水費等の世帯共通費用を合算して算出。特定の世帯には加算があります(母子加算等)
アパート等の家賃住宅扶助定められた範囲内で実費を支給
義務教育を受けるために必要な学用品費教育扶助定められた基準額を支給
医療サービスの費用医療扶助費用は直接医療機関へ支払(本人負担なし)
介護サービスの費用介護扶助費用は直接介護事業者へ支払(本人負担なし)
出産費用出産扶助定められた範囲内で実費を支給
就労に必要な技能の修得等にかかる費用生業扶助定められた範囲内で実費を支給
葬祭費用葬祭扶助定められた範囲内で実費を支給

特に「生活扶助」は多くの方が受給しますが、計算方法が複雑です。今回の特例加算も含めて、確認してみましょう。

生活扶助の計算に用いる内容

生活扶助は複雑な方法で算出されます。まずは生活扶助基準額を算出し、該当する加算額を追加します。そのため、人によって計算に用いる内容が異なる点を理解しておきましょう。

生活扶助の計算で根本になるのは生活扶助基準額です。具体的な計算に用いるのは、「地域の等級」と「基準額(第一類・第二類)」、「逓減率」の3要素です。

地域の等級とは

生活扶助は、該当する地域の等級を用いて計算されます。地域によって最低限必要な金額が異なるためです。地域の等級は全6等級で、東京などの都心部になるほど等級が高く、地方になるほど低くなります。

参考:「お住まいの地域の級地を確認」

基準額と逓減率

生活扶助には、第一類と第二類の基準額があります。地域等級によって分類された第一類の基準額は、逓減率を適用して算出します。

第一類:食費や被服費年齢によって金額が変動
第二類:光熱費世帯人数によって金額が変動
逓減率(ていげんりつ)次第に減る割合。世帯人数に応じて単純に金額が増えないようにするため第一類に適用

逓減率は、たとえば3人家族の場合に「単身者3人分の合計」で計算されることのないよう、1人あたりの金額を調整するための要素です。

生活扶助の計算方法

生活扶助は、地域の等級と基準額、逓減率を用いて計算されます。

生活扶助基準 =(生活扶助基準額(第一類)×逓減率)+ 生活扶助基準額(第二類)+ 特例加算(世帯人員1人当たり)+ 経過的加算

大切なのは、第一類と第二類を正しく用いて算出し、さらに特例加算・経過的加算を加算することです。特例加算は世帯人員1人当たりの金額であり、たとえば3人世帯であれば1人当たり月2,500円×3人=月7,500円が加算される計算となります(2026年10月以降の在宅受給者の場合)。

具体的な基準額の計算

生活扶助基準額(第一類)と逓減率、生活扶助基準額(第二類)は以下のとおりです(厚生労働省資料の令和7年4月時点の数値)。令和7年10月以降は、これらの基準額に世帯人員1人当たり月1,500円の特例加算が上乗せされ、さらに令和8年(2026年)10月以降は1人当たり月2,500円の特例加算が上乗せされる予定です。

【生活扶助基準額(第一類)】

年齢基準額 1級地-1基準額 1級地-2基準額 2級地-1基準額 2級地-2基準額 3級地-1基準額 3級地-2
0-244,58043,24041,46039,68039,23037,000
3-544,58043,24041,46039,68039,23037,000
6-1146,46045,06043,20041,35040,88038,560
12-1749,27047,79045,82043,85043,36040,900
18-1946,93045,52043,64041,76041,29038,950
20-4046,93045,52043,64041,76041,29038,950
41-5946,93045,52043,64041,76041,29038,950
60-6446,93045,52043,64041,76041,29038,950
65-6946,46045,06043,20041,35040,88038,560
70-7446,46045,06043,20041,35040,88038,560
75-39,89038,69037,10035,50035,10033,110

【逓減率】

世帯人数1人2人3人4人5人6人
1.000.870.750.660.590.58

【生活扶助基準額(第二類)】

人員基準額 1級地-1基準額 1級地-2基準額 2級地-1基準額 2級地-2基準額 3級地-1基準額 3級地-2
1人27,79027,79027,79027,79027,79027,790
2人38,06038,06038,06038,06038,06038,060
3人44,73044,73044,73044,73044,73044,730
4人48,90048,90048,90048,90048,90048,900
5人49,18049,18049,18049,18049,18049,180

※冬期は冬期加算を追加計上

第一類の生活扶助基準では、各居宅世帯員分を合計し、世帯人員に応じた逓減率を乗じます。さらに算出した生活扶助基準に、今回ご紹介した特例加算(2025年10月〜2026年9月:1人当たり月1,500円/2026年10月〜:1人当たり月2,500円)や経過的加算を追加します。

なお、特例加算と同時に経過的加算も変更になっているため、世帯によっては差し引き後の増額分が500円未満になるケースもあります(入院患者・介護施設入所者は現行の月1,000円のままで変わりません)。

また、世帯に該当者がいる場合は、必要に応じた加算額(母子家庭世帯や児童を養育する場合の加算額など)も加算します。主な加算は以下のとおりです。

  • 母子加算:1級地で児童1人あたり月18,800円、2人なら23,600円など(地域・人数で変動)
  • 児童養育加算:18歳未満の児童1人につき全国一律で月10,190円
  • その他、妊産婦加算・障害者加算・在宅患者加算等
生活扶助基準額(東京23区の場合の参考例)
・3人世帯(33歳・29歳・4歳):約16万4,860円
・高齢者単身世帯(68歳):約7万7,980円
・高齢者夫婦世帯(68歳・65歳):約12万2,460円
・母子世帯(30歳・4歳・2歳):約19万6,220円
(※いずれも2023年10月1日時点の基準額。児童養育加算等を含む。令和7年10月以降は世帯人員1人当たり月1,500円の特例加算が上乗せ、令和8年10月以降はさらに1,000円上乗せで合計1人当たり月2,500円の特例加算が上乗せ予定)

なお、生活保護費は、収入と最低生活費を比較した上で、収入が最低生活費に満たない場合に差額分を保護費として支給します。年金や児童扶養手当などの収入がある場合は、最低生活費からその収入を差し引いた額が支給額となります。

生活保護を受給する流れ

生活保護を受給するまでの流れは、以下のとおりです。

1.事前相談 → 2.保護の申請 → 3.保護費の受給

1.事前相談

まずは生活保護について、地域を管轄する福祉事務所の担当課に相談しましょう。生活保護を受給するか迷っている方や、受給対象になるかわからない場合も相談できます。申請を強制されることはなく、まず気軽に相談することが大切です。

2.保護の申請

生活保護の申請を行います。福祉事務所に「申請書」を提出します。

申請書に記載する主な内容
氏名・住所または居所・保護を受けようとする理由・資産及び収入の状況・その他保護の要否、種類、程度および方法を決定するために必要な事項等(世帯の収入・資産等の状況がわかる資料を提出する場合もある)

申請書を提出できない特別な事情があれば、申請書がなくても申請することは可能です。

生活保護を申請したら、保護決定までに担当者側が以下の内容を調査します。

  • 生活状況等の把握
  • 資産調査
  • 扶養義務者による扶養可否の調査
  • 収入などの調査
  • 就労可能性の調査

生活保護の受給にあたっては、申請書の提出だけでなく、さまざまな点が調査されます。申請から保護開始の決定まで、原則として14日以内(特別な事情がある場合は30日以内)に通知されます。

3.保護費の受給

生活保護支給が決定した場合は、保護費が支給されます。生活保護の期間中は、収入状況を毎月申告します。また、福祉事務所のケースワーカーによる年数回の訪問調査、就労の可能性がある方には助言や指導が行われます。

生活保護・生活扶助に関するよくある質問

2026年10月から特例加算はいくらになる?

2026年10月から、特例加算が現行の世帯人員1人当たり月額1,500円からさらに1,000円引き上げられ、1人当たり月額2,500円となる方針が決定しています。これは2025年12月24日の閣僚折衝で決まった2026年度予算案の内容です。対象は自宅で生活している生活保護受給者(現金支給の生活扶助を受けている人)で、入院患者や介護施設入所者は現行の1人当たり月1,000円のまま据え置かれます。なお、特例加算は世帯員1人につき算定されるため、たとえば3人世帯では1人当たり月2,500円×3人で世帯合計月7,500円の加算となります。

最高裁判決を踏まえた追加給付とは何?対象者は?

2013年から実施された生活扶助基準の引き下げに関する2025年6月27日の最高裁判決を受け、国が新たな基準を設定し、当時の基準との差額分を支給する措置です。告示は2026年3月1日から適用され、厚生労働省の追加給付相談センターは2026年3月30日に開設されました。対象は、原則として平成25年8月〜平成30年9月に生活保護を受給したことがある全ての世帯です。加えて、平成30年10月〜令和8年3月に入院患者日用品費・障害者加算・期末一時扶助等が算定されていた世帯も対象になります。現在保護停止中・保護廃止済みの世帯も対象です。亡くなられた本人分は対象外ですが、当時の世帯員が存命であれば、その方の分は対象になり得ます。

追加給付の金額はどのくらい?申請は必要?

給付額は受給期間や世帯類型によって異なります。厚生労働省の提示例では、60代単身(加算なし)で1年間受給していた場合は約12,000円、3年間受給で約65,000円、70代夫婦の3年間受給で約111,000円が目安です。手続きは状況により異なります。①現在受給中の世帯で同じ自治体から継続して受給している方は、原則申出不要で、受給中の自治体が職権で決定・支給します。②過去に別自治体で受給していた期間がある方は、その期間分について当時の自治体への申出が必要です。③現在は生活保護を受けていない過去受給者は申出が必要となり、受付は2026年夏頃から開始予定です。不明点は厚生労働省の追加給付相談センター(フリーダイヤル0120-179-445、平日9〜17時)に確認できます。

2025年10月からの特例加算1,500円は2026年10月以降どうなる?

2025年10月から2026年9月までは世帯人員1人当たり月額1,500円の特例加算が継続されます。2026年10月からは、これがさらに1,000円上乗せされて1人当たり月額2,500円となる予定です。なお、2027年度(令和9年度)以降の取扱いについては、社会経済情勢の動向を踏まえて国が改めて検討するとされており、恒久的な制度ではありません。物価上昇が続く場合は再度加算が継続される可能性もあります。

生活保護の受給者数はどのくらい?

厚生労働省の被保護者調査によると、2026年2月時点の生活保護の被保護実人員数は1,977,156人(前年同月比1.1%減)、被保護実世帯数は1,641,614世帯(同0.3%減)です。受給者数は緩やかな減少傾向が続いていますが、高齢者世帯が約90万世帯と最も多く、受給者全体の過半数を占めています。

生活保護を申請できる条件は?

主な条件は、①活用できる資産がない(土地・預貯金等を生活費に充てた後)、②十分な収入がない(働けない、または収入が最低生活費を下回る)、③他の社会保障(年金・手当等)を利用してもなお生活費が不足している、の3点です。これらをすべて満たしたうえで、世帯の収入が最低生活費を下回る場合に保護が適用されます。

貯金があると生活保護は受けられない?

一般的に、生活費に充てられる預貯金があれば先にそちらを使うことが求められます。ただし、多少の貯金があっても申請を拒否されるわけではなく、保護費との差額調整で対応される場合もあります。「貯金があるから申請できない」と思い込まずに、まずは福祉事務所に相談することをおすすめします。

持ち家があっても生活保護は受けられる?

必ずしも持ち家を手放さなければならないわけではありません。築年数が古く資産価値が低い場合(数百万円以下が目安)で住宅ローンを完済しているケースでは、持ち家に住みながら受給できる場合があります。「住み続けてもらった方が住宅扶助を出す必要がない」という行政上の判断もあります。個別の状況については福祉事務所にご相談ください。

扶養照会(家族への連絡)は必ずされる?

扶養照会は必須ではありません。2021年の厚生労働省の改正により、10年以上音信不通の場合・DV・虐待を受けていた場合・申請者が照会を強く拒否する場合などは、扶養照会を省略できることが明確化されました。「家族に知られたくない」という不安がある場合は、福祉事務所の担当者に事情を伝えて相談してみましょう。

医療費はどうなる?生活保護を受けると保険証はなくなる?

生活保護の受給が始まると、国民健康保険からは脱退する形になります。ただし、医療費は「医療扶助」として福祉事務所が指定する医療機関での診療費が全額負担されます(窓口での自己負担ゼロ)。介護サービスも「介護扶助」として自己負担なしで利用できます。なお、受診の際は医療券(または調剤券)が必要なため、事前に福祉事務所への連絡が必要です。


まとめ

生活保護制度は、生活に困窮する方々の最低限度の生活を保障し、自立を支援する重要な制度です。長引く物価高騰への対応として、特例加算は2023年度の世帯人員1人当たり月1,000円から始まり、2025年10月には1人当たり月1,500円、そして2026年10月にはさらに1人当たり月2,500円へと、3段階で引き上げられる見通しとなっています。

加えて、2025年6月の最高裁判決を踏まえた追加給付も、2026年3月1日適用開始の告示を経て、各自治体で順次手続きが進められており、過去に生活保護を受給していた世帯にも一定の差額分が支給される見込みです。現在受給中の方は原則申出不要ですが、現在は受給していない過去受給者は申出が必要となります(2026年夏頃から受付開始予定)。

一方、特例加算と同時に経過的加算も変更されているため、世帯の構成によっては実質的な増額幅が額面通りにならないケースもあります。自身の世帯の保護費の変化については、担当ケースワーカーに確認することをおすすめします。

生活に困窮している方は「申請できないかもしれない」と思い込まずに、まずは地域の福祉事務所に相談してみることが大切です。

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