2026年10月1日から、生活保護の生活扶助に上乗せされる特例加算が世帯人員1人当たり月1,500円から月2,500円に引き上げられます。物価高への対応として、2026年10月から1年間実施される臨時的な措置です。
一方で、「10月から保護費が上がると聞いたのに、うちは変わらない」という声も出ています。特例加算が増えても、以前の基準額を保障する「従前額保障」が適用されている世帯では、支給額が据え置かれるケースがあるためです。
さらに、2013年からの生活扶助基準引き下げを違法とした最高裁判決を受け、過去分の追加給付も進んでいます。現在生活保護を受けていない世帯の申出受付は2026年8月1日〜2027年7月31日です。
厚生労働省の被保護者調査(2026年6月分概数)によると、生活保護を受けている人は196万9,502人(前年同月比1.0%減)、世帯数は164万2,778世帯です。この記事では、世帯別の生活保護の金額、生活扶助の計算方法、特例加算が増えない理由、追加給付の計算方法と申出手続きまで、厚生労働省の資料をもとに解説します。
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この記事の目次
生活保護の金額はいくら?2026年10月からの世帯別生活扶助基準額
生活保護の生活扶助基準額(食費・光熱費などの生活費分)は、2026年10月以降、東京23区などの1級地-1で高齢単身世帯(65歳)が月7万6,880円、夫婦と子1人の世帯が月15万6,060円です。家賃分の住宅扶助や医療費の医療扶助は、これとは別に支給されます。
以下は、厚生労働省が第55回社会保障審議会生活保護基準部会(2026年2月27日)で示した生活扶助基準額の例です。
| 世帯類型 | 1級地-1(2025年10月〜) | 1級地-1(2026年10月〜) | 2級地-1(2026年10月〜) | 3級地-2(2026年10月〜) |
|---|---|---|---|---|
| 高齢単身世帯(65歳) | 76,880円 | 76,880円 | 73,490円 | 68,850円 |
| 高齢単身世帯(75歳) | 71,900円 | 71,900円 | 67,390円 | 63,400円 |
| 若年単身世帯(50代) | 77,240円 | 77,240円 | 73,930円 | 69,240円 |
| 高齢夫婦世帯(65歳夫婦) | 121,900円 | 123,900円 | 118,230円 | 110,160円 |
| 高齢夫婦世帯(75歳夫婦) | 112,390円 | 112,470円 | 107,620円 | 100,680円 |
| 母子世帯(30代親・小学生1人) | 122,700円 | 124,310円 | 118,610円 | 110,500円 |
| 母子世帯(40代親・中学生と小学生) | 156,260円 | 159,230円 | 151,730円 | 141,040円 |
| 夫婦子1人世帯(30代夫婦・3〜5歳児) | 153,400円 | 156,060円 | 148,790円 | 138,410円 |
| 夫婦子2人世帯(40代夫婦・中学生と小学生) | 181,760円 | 184,760円 | 175,260円 | 162,760円 |
・金額は生活扶助のみ。家賃(住宅扶助)、医療費(医療扶助)、教育扶助などは別に支給される
・母子加算・児童養育加算・障害者加算・冬季加算は含まれていない
・年金や給与などの収入がある場合は、最低生活費から収入を差し引いた額が支給額になる
・1級地-1の単身世帯は、2026年10月以降も金額が変わらない(従前額保障が適用されるため)
たとえば東京23区で暮らす65歳の単身者なら、生活扶助7万6,880円に住宅扶助(家賃の実費、上限5万3,700円)が加わります。医療費は医療扶助で賄われるため、原則として自己負担はありません。
2026年10月から生活保護はどう変わる?特例加算は1人月2,500円に
2026年10月から、生活扶助の特例加算が1,000円引き上げられ、世帯人員1人当たり月額2,500円になります。特例加算は、物価高で生活費が上がっていることへの対応として、生活扶助基準額に上乗せされる臨時の加算です。厚生労働省の「令和8年度生活扶助基準の見直しについて」では、主な見直し内容として次の2点が示されています。
・特例加算を1,000円引き上げ、1人当たり月額2,500円とする(2026年10月から1年間)
・入院患者・介護施設入所者は月額1,000円を維持
・特例加算を足しても従前の基準額より下がる世帯には、従前の基準額を保障する
・2027年度以降の取扱いは、2027年度予算の編成過程で検討
・5年に1度の生活保護基準の定期検証は、1年前倒しで実施予定
特例加算はこれまでいくら引き上げられてきた?
特例加算は、2023年10月に1人当たり月1,000円で始まり、2025年10月に月1,500円、2026年10月に月2,500円と3段階で引き上げられてきました。
| 適用時期 | 在宅の受給者(1人当たり月額) | 入院患者・介護施設入所者 |
|---|---|---|
| 2023年10月〜2025年9月 | 1,000円 | 1,000円 |
| 2025年10月〜2026年9月 | 1,500円 | 1,000円 |
| 2026年10月〜(1年間) | 2,500円 | 1,000円 |
特例加算は世帯員1人ごとに算定されます。在宅で暮らす3人世帯なら、2026年10月以降は2,500円×3人=月7,500円が特例加算分です。
特例加算が増えない(されない)世帯があるのはなぜ?
特例加算が増えても保護費が変わらない世帯がある理由は、「従前額保障」で以前の基準額が適用されている世帯では、新しい計算額がその保障額を上回らない限り支給額が上がらないためです。
従前額保障とは、基準の見直しで新しく計算した額が以前の基準額より低くなる場合に、以前の額を支給する仕組みです。実際には、次の2つを比べて高いほうが適用されます。
A:新しい基準で計算した額(第一類・第二類で計算した基準額+特例加算)
B:従前の基準額(従前額保障)
東京23区などの1級地-1で暮らす65歳の単身世帯を例にすると、仕組みがわかりやすくなります。
| 1級地-1・65歳単身世帯 | 金額 |
|---|---|
| 新基準の基準額(第一類46,460円+第二類27,790円) | 74,250円 |
| A:新基準の基準額+特例加算2,500円 | 76,750円 |
| B:従前の基準額 | 76,880円 |
| 2026年10月以降の支給基準 | 76,880円(Bが高いため据え置き) |
75歳の夫婦世帯(1級地-1)では、新基準の計算額が11万2,470円となり、従前の額(11万2,390円)をわずか80円上回るため、増額幅は80円にとどまります。自分の世帯がどちらに当たるかは、保護決定通知書の内訳か担当ケースワーカーに確認しましょう。
特例加算の対象になるのはどんな人?
月2,500円の特例加算の対象は、自宅などで暮らし、現金で生活扶助を受けている生活保護受給者です。特別な申請は必要なく、2026年10月分の保護費から自治体が自動的に反映します。
病院に入院している人や介護施設に入所している人は、食費や光熱費の一部が現物で賄われているため、特例加算は月1,000円のまま据え置かれます。
生活扶助基準額はどう計算する?計算式と具体例
生活扶助基準額は、年齢別の「第一類」を世帯員分合計して逓減率を掛け、世帯人数別の「第二類」と特例加算を足して計算します。住んでいる地域の等級(級地)によって金額が変わります。
生活扶助基準額 =(第一類の合計 × 逓減率)+ 第二類 + 特例加算(1人2,500円 × 世帯人数)
※計算結果が従前の基準額を下回る場合は、従前の基準額を適用(経過的加算・従前額保障)
※該当者がいれば、母子加算・児童養育加算・障害者加算などを加算
地域の等級(級地)とは?
級地とは、地域ごとの物価や生活様式の違いを反映するため、市区町村を1級地-1〜3級地-2の6区分に分けたものです。東京23区や大阪市、横浜市などの大都市が1級地-1で、地方の町村ほど低い級地になります。お住まいの市区町村の級地は、厚生労働省の資料で確認できます。
第一類・第二類・逓減率とは?
第一類は食費や被服費など個人単位でかかる費用、第二類は光熱費や家具什器など世帯単位でかかる費用です。逓減率は、世帯人数が増えても第一類が単純な人数倍にならないよう調整する係数です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第一類 | 食費・被服費など個人的な費用。年齢と級地で金額が決まる |
| 第二類 | 光熱水費・家具什器など世帯共通の費用。世帯人数で金額が決まる |
| 逓減率 | 第一類の合計に掛ける係数。世帯人数が多いほど小さくなる |
生活扶助基準額表(第一類・逓減率・第二類)は?
2026年10月以降も、第一類・第二類の基準額表は2023年10月改定のものを使い、そこに特例加算を上乗せします。見直されたのは特例加算の額で、基準額表そのものは変わっていません。
【生活扶助基準額(第一類)】(単位:円)
| 年齢 | 1級地-1 | 1級地-2 | 2級地-1 | 2級地-2 | 3級地-1 | 3級地-2 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0〜2歳 | 44,580 | 43,240 | 41,460 | 39,680 | 39,230 | 37,000 |
| 3〜5歳 | 44,580 | 43,240 | 41,460 | 39,680 | 39,230 | 37,000 |
| 6〜11歳 | 46,460 | 45,060 | 43,200 | 41,350 | 40,880 | 38,560 |
| 12〜17歳 | 49,270 | 47,790 | 45,820 | 43,850 | 43,360 | 40,900 |
| 18〜19歳 | 46,930 | 45,520 | 43,640 | 41,760 | 41,290 | 38,950 |
| 20〜40歳 | 46,930 | 45,520 | 43,640 | 41,760 | 41,290 | 38,950 |
| 41〜59歳 | 46,930 | 45,520 | 43,640 | 41,760 | 41,290 | 38,950 |
| 60〜64歳 | 46,930 | 45,520 | 43,640 | 41,760 | 41,290 | 38,950 |
| 65〜69歳 | 46,460 | 45,060 | 43,200 | 41,350 | 40,880 | 38,560 |
| 70〜74歳 | 46,460 | 45,060 | 43,200 | 41,350 | 40,880 | 38,560 |
| 75歳以上 | 39,890 | 38,690 | 37,100 | 35,500 | 35,100 | 33,110 |
【逓減率】
| 世帯人数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 逓減率 | 1.00 | 0.87 | 0.75 | 0.66 | 0.59 |
【生活扶助基準額(第二類)】(全級地共通・単位:円)
| 世帯人数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 基準額 | 27,790 | 38,060 | 44,730 | 48,900 | 49,180 |
冬の期間(11月〜3月など地域により異なる)は、暖房費として冬季加算が別に計上されます。
生活扶助の計算例は?夫婦と子1人・高齢夫婦の場合
実際に計算式に当てはめると、厚生労働省が示す基準額の例と同じ金額になります。
・第一類の合計:46,930円+46,930円+44,580円=138,440円
・逓減率を掛ける:138,440円×0.75=103,830円
・第二類(3人)を足す:103,830円+44,730円=148,560円
・特例加算を足す:148,560円+2,500円×3人=156,060円
・第一類の合計:39,890円×2人=79,780円
・逓減率を掛ける:79,780円×0.87=69,409円
・第二類(2人)を足す:69,409円+38,060円=約107,470円
・特例加算を足す:107,470円+2,500円×2人=112,470円
※従前の基準額112,390円を上回るため、112,470円が適用
この金額に、該当する加算と住宅扶助を足したものが最低生活費です。最低生活費から年金や給与などの収入を差し引いた額が、毎月の保護費として支給されます。
生活保護の加算にはどんな種類がある?
生活扶助には、世帯の事情に応じて上乗せされる加算があります。代表的なものは次のとおりです。
- 母子加算:ひとり親世帯が対象。1級地の場合、児童1人で月18,800円、2人で月23,600円
- 児童養育加算:高校生年代までの児童1人につき月10,190円(全国一律)
- 障害者加算:障害の程度や級地に応じて加算
- 冬季加算:冬季の暖房費として地域・世帯人数に応じて加算
- その他:妊産婦加算、在宅患者加算、介護保険料加算など
最高裁判決を踏まえた生活保護の追加給付とは?
追加給付とは、2013年8月から始まった生活扶助基準の引き下げを最高裁が違法と判断したことを受け、国が過去に受給していた世帯へ差額を支給する措置です。対象は全国で約300万世帯と見込まれ、現在は生活保護を受けていない人も申出によって受け取れます。
追加給付が決まった経緯は?
2013年8月〜2015年にかけて、生活扶助の基準額は平均約6.5%引き下げられました。このうち物価下落を理由とした「デフレ調整」について、2025年6月27日の最高裁判決は「厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があった」として、引き下げを違法と判断しました。
これを受けて国は、デフレ調整(▲4.78%)に代わる新たな改定率(▲2.49%)を定め、その差額分を追加給付として支給することを決めました。裁判の原告かどうかは関係ありません。
追加給付の対象になるのはどんな世帯?
追加給付の対象は、2013年(平成25年)8月〜2018年(平成30年)9月に生活保護を受けたことがあるすべての世帯です。
| 追加給付の対象 | |
|---|---|
| 原則の対象 | 平成25年8月〜平成30年9月に生活保護を受給したことがある全ての世帯 |
| 追加の対象 | 平成30年10月〜令和8年3月に、入院患者日用品費・障害者加算・期末一時扶助などが算定されていた世帯 |
| 現在受給していない世帯 | 保護が廃止・停止された世帯も対象(申出が必要) |
| 対象外 | 亡くなった人の分は対象外。ただし当時の世帯員が存命なら、その人の分は対象になり得る |
追加給付はいくら?計算方法と金額の例
追加給付の金額は、当時受けていた生活扶助(基準生活費・加算等)の額×追加給付率で、受給していた期間の分を合計して計算します。
・平成25年(2013年)8月〜平成26年(2014年)3月:+0.8%
・平成26年(2014年)4月〜平成27年(2015年)3月:+1.6%
・平成27年(2015年)4月以降:+2.4%
厚生労働省の追加給付相談センターは、2013年8月から2026年3月まで継続して受給していた世帯の金額例を次のように示しています。
| 世帯類型(継続して受給していた場合) | 都市部(1級地-1) | 地方部(3級地-2) |
|---|---|---|
| 60歳代の単身世帯 | 約10.5万円 | 約8.5万円 |
| 30歳代夫婦と幼児の3人世帯 | 約20.4万円 | 約16.1万円 |
受給期間が短い世帯や加算の少ない世帯では金額が小さくなります。横浜市は「1世帯あたり数百円の方もいれば、10〜20万円の方もいる」と案内しています。
追加給付を自分で計算するには?計算ツールはある?
追加給付のおおよその額は、受給していた期間を3つの区分に分け、それぞれの月の生活扶助額に追加給付率を掛けて合計すると試算できます。2026年9月時点で、厚生労働省が一般向けの自動計算ツールを公開しているという情報は確認できません。
1.受給していた期間を「平成25年8月〜26年3月」「平成26年4月〜27年3月」「平成27年4月以降」に分ける
2.各期間の生活扶助の月額(家賃分の住宅扶助は含めない)を確認する
3.月額×追加給付率×月数を期間ごとに計算し、合計する
(例)生活扶助が月7万円で、平成27年4月から2年間受給していた場合:7万円×2.4%×24か月=約4万320円
上の例はあくまで試算です。実際の支給額は、自治体が保管している当時の受給記録をもとに個別に算定されます。正確な額を知りたい場合は、当時受給していた自治体か、追加給付相談センター(0120-179-445)に問い合わせましょう。
追加給付はいつ振り込まれる?
支給時期は受給状況によって異なります。現在も同じ自治体で受給している世帯は申出不要で、2026年3月以降に自治体ごとに順次支給されています(横浜市は2026年7月以降に順次支給)。
現在受給していない世帯は、申出を受けた自治体が当時の記録を確認してから支給します。支給時期は自治体の準備状況によって異なるため、申出先の自治体の案内で確認してください。
追加給付の申出方法と必要書類は?
現在生活保護を受けていない世帯は、2026年8月1日〜2027年7月31日の間に、当時生活保護を受けていた自治体へ申出が必要です。厚生労働省が2026年7月17日に受付期間を公表しました。
| 追加給付の申出手続き(現在受給していない世帯) | |
|---|---|
| 受付期間 | 2026年(令和8年)8月1日〜2027年(令和9年)7月31日 |
| 申出先 | 当時生活保護を受けていた自治体 |
| 申出する人 | 当時の世帯主 |
| 申出方法 | 郵送・電子申出・窓口(方法は自治体により異なる) |
| 主な必要書類 | 本人確認書類の写し、全世帯員の戸籍謄本の写し(発行3か月以内)、口座が確認できる通帳やキャッシュカードの写し、調査の同意書など |
手続きの区分は、今の受給状況によって次の3パターンに分かれます。
| 現在の状況 | 必要な手続き |
|---|---|
| 当時と同じ自治体で今も受給している | 原則申出不要。自治体が記録をもとに支給 |
| 今は受給中だが、過去に別の自治体で受給していた | 別の自治体で受給していた期間分は、その自治体への申出が必要 |
| 今は生活保護を受けていない | 当時の自治体への申出が必要(2027年7月31日まで) |
追加給付は収入認定される?問い合わせ先は?
現在生活保護を受けている世帯が追加給付を受け取っても、収入認定の対象にはならないため、毎月の保護費は減りません。
制度の内容や申出方法がわからない場合は、厚生労働省が設置している相談センターに問い合わせできます。
・電話(フリーダイヤル):0120-179-445
・受付時間:平日9:00〜17:00(2026年8〜10月は土日祝日も受付)
・ウェブサイト:https://tsuikakyufu-sodancenter.mhlw.go.jp/
生活保護を受けながら働ける?収入認定と勤労控除の仕組み
生活保護を受けながら働くことはできます。給与収入からは「勤労控除」が差し引かれるため、働いた分がすべて保護費から減らされるわけではなく、手元に残るお金が増える仕組みです。
収入認定とは?どんな収入が対象?
収入認定とは、世帯の収入を月額で把握し、最低生活費から差し引く額を決める手続きです。主に次の収入が対象になります。
- 給与・工賃・事業収入などの就労収入
- 年金・恩給・児童扶養手当などの各種手当
- 親族からの仕送り
- 保険金などの一時的な収入
受給中は毎月の収入を福祉事務所に申告する必要があります。申告しなかった収入が後でわかると、保護費の返還を求められることがあります。
勤労控除の基礎控除はいくら?
基礎控除は、月15,200円までの就労収入は全額控除され、それを超えると収入4,000円ごとに控除額が400円ずつ増える仕組みです(2013年改定以降、級地による上限はありません)。
| 月の就労収入 | 基礎控除額の目安 | 収入認定される額の目安 |
|---|---|---|
| 15,000円 | 15,000円(全額控除) | 0円 |
| 30,000円 | 約16,400円 | 約13,600円 |
| 50,000円 | 約18,400円 | 約31,600円 |
| 80,000円 | 約21,600円 | 約58,400円 |
| 100,000円 | 約23,600円 | 約76,400円 |
基礎控除のほか、新たに就職した人の「新規就労控除」(月11,700円・6か月間)、20歳未満で働く人の「未成年者控除」(月11,600円)もあります。社会保険料や通勤費など、働くために必要な実費も収入から差し引かれます。正確な控除額は担当ケースワーカーに確認しましょう。
生活保護を受けられるのはどんな人?受給の条件
生活保護は、世帯の収入が国の定める最低生活費に満たず、資産や働く力、ほかの制度を活用してもなお生活が苦しい人が受けられる制度です。
生活保護を受ける前提として、次の4つを活用することが求められます。
| 活用するもの | 内容 |
|---|---|
| 資産 | すぐに使わない土地・家屋や預貯金は、生活費に充てる |
| 能力 | 働ける人は、能力に応じて働く |
| ほかの制度 | 年金や手当など、ほかの制度で受けられる給付を先に使う |
| 扶養義務者の援助 | 親族から援助を受けられる場合は優先する(10年程度音信不通、DV・虐待がある場合などは扶養照会を省略できる) |
そのうえで、世帯の収入が最低生活費を下回る場合に、差額が保護費として支給されます。持ち家や自動車があっても、状況によって保有が認められる場合があるため、まずは福祉事務所に相談することが大切です。
生活保護の8種類の扶助とは?支給内容の一覧
生活保護は、生活費・家賃・医療費など、生活に必要な費用を8種類の扶助で支給する制度です。生活扶助は、その中で日常の生活費に当たる扶助です。
| 扶助の種類 | 対象となる費用 | 支給内容 |
|---|---|---|
| 生活扶助 | 食費・被服費・光熱費など日常生活の費用 | 第一類・第二類の基準額に特例加算や各種加算を合算して支給 |
| 住宅扶助 | アパートなどの家賃 | 地域ごとの上限額の範囲内で実費を支給 |
| 教育扶助 | 義務教育の学用品費など | 定められた基準額を支給 |
| 医療扶助 | 医療サービスの費用 | 医療機関へ直接支払い(本人負担なし) |
| 介護扶助 | 介護サービスの費用 | 介護事業者へ直接支払い(本人負担なし) |
| 出産扶助 | 出産費用 | 定められた範囲内で実費を支給 |
| 生業扶助 | 就労に必要な技能の習得費用など | 定められた範囲内で実費を支給 |
| 葬祭扶助 | 葬祭費用 | 定められた範囲内で実費を支給 |
生活保護を申請するには?受給までの3ステップ
生活保護は、福祉事務所への相談・申請・調査を経て、原則として申請から14日以内(特別な理由がある場合は30日以内)に結果が通知されます。
1.福祉事務所に相談する
まずは、住んでいる地域を管轄する福祉事務所の生活保護担当に相談します。受給できるかわからない段階でも相談でき、相談したからといって申請を強制されることはありません。
2.保護の申請をして調査を受ける
福祉事務所に申請書を提出します。申請書には、氏名・住所、保護を受けたい理由、資産や収入の状況などを記入します。申請書を書けない特別な事情がある場合は、口頭での申請も認められます。
申請後は、福祉事務所が次のような調査を行います。
- 家庭訪問などによる生活状況の確認
- 預貯金・保険・不動産などの資産調査
- 扶養義務者による援助の可否の確認
- 年金などの収入や就労の可能性の確認
3.保護費を受け取り、毎月収入を申告する
保護が決まると、毎月保護費が支給されます。受給中は収入の状況を毎月申告し、ケースワーカーの訪問を年に数回受けます。働ける人には、就労に向けた助言や支援が行われます。
生活保護・生活扶助に関するよくある質問
生活保護は2026年10月からいくら上がる?
2026年10月から、生活扶助の特例加算が世帯人員1人当たり月1,500円から月2,500円に引き上げられます。在宅の受給者は1人当たり最大で月1,000円の増額です。ただし、従前額保障が適用されている世帯では増額幅が小さくなったり、金額が変わらなかったりします。たとえば1級地-1の75歳夫婦世帯は月80円の増額、1級地-1の65歳単身世帯は月7万6,880円のまま据え置きです。
特例加算が増えない(されない)のはなぜ?
以前の基準額を保障する「従前額保障」が適用されている世帯では、新しい基準額に特例加算を足した額が従前の額を上回らない限り、支給額は変わりません。1級地-1の65歳単身世帯の場合、新基準の7万4,250円に特例加算2,500円を足しても7万6,750円で、従前の7万6,880円に届かないため、7万6,880円のまま据え置かれます。自分の世帯の内訳は、保護決定通知書か担当ケースワーカーで確認できます。
特例加算はいつまで続く?
月2,500円の特例加算は、2026年10月から1年間の臨時措置です。2027年度以降の取扱いは、2027年度予算の編成過程で検討されます。また、5年に1度行われる生活保護基準の定期検証は、1年前倒しで実施される予定です。入院患者と介護施設入所者の特例加算は月1,000円のまま維持されます。
生活保護の単身世帯はいくらもらえる?
2026年10月以降の生活扶助基準額は、65歳の単身世帯で1級地-1(東京23区など)が月7万6,880円、2級地-1が月7万3,490円、3級地-2が月6万8,850円です。これに家賃分の住宅扶助(東京23区の単身世帯は上限5万3,700円)が加わり、医療費は医療扶助で賄われます。年金などの収入がある場合は、その分を差し引いた額が支給されます。
生活扶助の計算方法は?
生活扶助基準額は、年齢別の第一類を世帯員分合計して世帯人数に応じた逓減率を掛け、世帯人数別の第二類と特例加算(1人2,500円×人数)を足して計算します。1級地-1の30代夫婦と4歳児の3人世帯なら、第一類の合計13万8,440円×0.75=10万3,830円、第二類4万4,730円を足して14万8,560円、特例加算7,500円を足して15万6,060円です。計算額が従前の基準額を下回る場合は、従前の額が適用されます。
追加給付の申出はいつからいつまで?
現在生活保護を受けていない世帯の申出受付期間は、2026年8月1日から2027年7月31日までです。申出先は当時生活保護を受けていた自治体で、当時の世帯主が郵送・電子申出・窓口のいずれかで申し出ます。現在も同じ自治体で受給している世帯は、原則として申出は不要です。
追加給付はいくらもらえる?計算方法は?
追加給付は、当時の生活扶助の額に追加給付率(2013年8月〜2014年3月は0.8%、2014年4月〜2015年3月は1.6%、2015年4月以降は2.4%)を掛けて、受給期間分を合計した額です。2013年8月から2026年3月まで継続して受給していた場合、60歳代単身世帯で約10.5万円(1級地-1)〜約8.5万円(3級地-2)、30歳代夫婦と幼児の世帯で約20.4万円〜約16.1万円が目安です。受給期間が短い場合は数百円程度になることもあります。
追加給付の計算ツールはある?
2026年9月時点で、厚生労働省が一般向けの自動計算ツールを公開しているという情報は確認できません。おおよその額は、受給期間ごとの生活扶助の月額×追加給付率×月数で試算できます。たとえば生活扶助が月7万円で2015年4月から2年間受給していた場合、7万円×2.4%×24か月=約4万320円です。正確な額は当時の自治体か追加給付相談センター(0120-179-445)に確認してください。
追加給付を受け取ると保護費は減る?
減りません。厚生労働省の案内では、追加給付は収入認定の対象にならないとされています。そのため、現在生活保護を受けている世帯が追加給付を受け取っても、毎月の保護費は変わりません。
別の市に引っ越した場合、追加給付はどこに申し出る?
申出先は、当時生活保護を受けていた自治体です。たとえば大阪市で受給した後に東京都内へ転居した場合は、大阪市に申し出ます。今も生活保護を受けている人でも、過去に別の自治体で受給していた期間がある場合は、その期間分を当時の自治体に申し出る必要があります。
生活保護を受けながら働くと、いくら手元に残る?
就労収入には勤労控除が適用されます。基礎控除は月15,200円までの収入なら全額控除され、それを超えると収入4,000円ごとに400円ずつ増えます。月8万円の就労収入なら基礎控除は約2万1,600円で、この分が保護費に加えて手元に残る計算です。新たに就職した場合は新規就労控除(月11,700円・6か月間)もあります。
貯金や持ち家があると生活保護は受けられない?
生活費に充てられる預貯金は先に使うことが求められますが、少しでも貯金があると申請できないわけではありません。持ち家も、資産価値が低く住み続けることが適当と判断されれば、住みながら受給できる場合があります。保有が認められるかは個別の判断になるため、まずは福祉事務所に相談しましょう。
まとめ
2026年10月から、生活扶助の特例加算は世帯人員1人当たり月2,500円に引き上げられます。ただし従前額保障が適用されている世帯では、1級地-1の単身世帯のように金額が変わらない場合もあります。自分の世帯がどうなるかは、保護決定通知書か担当ケースワーカーで確認しましょう。
最高裁判決を踏まえた追加給付は、2013年8月〜2018年9月に生活保護を受けたことがある世帯などが対象です。現在受給していない世帯は、2027年7月31日までに当時の自治体へ申出が必要です。引っ越し歴がある人は、申出先の自治体を間違えないよう注意してください。
生活に困っている人は「自分は対象外かもしれない」と決めつけず、まずは地域の福祉事務所に相談してみましょう。
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