デジタル田園都市国家構想交付金(デジ田交付金・デジ電交付金)は、令和6年度をもって終了し、令和7年度に「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」へ、さらに令和7年度補正予算で「地域未来交付金」へと、わずか2年で2度の再編が行われました。
動きはさらに続いています。令和8年8月に公表された内閣府の令和9年度予算概算要求では、地域未来交付金等に2,000億円+事項要求が計上され、令和8年度当初の1,600億円から大幅な増額要求となりました。直近では、令和8年9月10日から11日にかけて第78回地域再生計画の認定申請が予定されています。
「旧デジ田交付金は今どの制度にあたるのか」「第2世代交付金と地域未来交付金は何が違うのか」「個人や企業にも回ってくるお金はあるのか」――こうした疑問を持つ自治体担当者や事業者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、名称変更の経緯から4類型の補助率、採択実績、移住支援金など個人が受け取れる内数事業、そして令和9年度の見通しまでを、公式資料に基づいて整理します。
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この記事の目次
デジタル田園都市国家構想交付金は今どうなった?「地域未来交付金」への2段階の名称変更
デジタル田園都市国家構想交付金は、2段階の再編を経て、現在は「地域未来交付金」となっています。令和6年度で旧制度が終了し、令和7年度に「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」へ移行、令和7年度補正予算で改めて「地域未来交付金」が創設されました。
制度の骨格である「地方公共団体が申請し、地域独自の取組を計画から実施まで支援する」という考え方は引き継がれています。一方で、令和8年度からは産業クラスターの形成を前面に打ち出す方向へ、支援の重心が移りました。
| 時期 | 交付金の名称 | 予算規模 |
|---|---|---|
| 〜令和6年度 | デジタル田園都市国家構想交付金(デジ田交付金・デジ電交付金) | 令和6年度当初1,000億円 |
| 令和7年度 | 新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金・新地創交付金) | 令和7年度当初2,000億円 |
| 令和7年度補正〜 | 地域未来交付金 | 令和7年度補正1,000億円/令和8年度当初1,600億円 |
| 令和9年度(要求段階) | 地域未来交付金 | 概算要求2,000億円+事項要求 |
「デジ田交付金」「新地創交付金」「第2世代交付金」はどれも同じ制度?
これらはいずれも同じ系譜の交付金を指す呼び名ですが、それぞれ対応する年度が異なります。検索でよく使われる略称と正式名称の対応は次のとおりです。
- デジ田交付金・デジ電交付金:デジタル田園都市国家構想交付金の略称。令和6年度で終了
- 地方創生推進交付金:旧制度の「地方創生推進タイプ」の通称。第2世代交付金へ再編後、現在は地域未来推進型に継承
- 地方創生拠点整備交付金:旧制度の「地方創生拠点整備タイプ」の通称。現在は地域未来推進型の拠点整備事業に継承
- 第2世代交付金・新地創交付金:新しい地方経済・生活環境創生交付金(令和7年度)の略称
- 地域未来交付金:令和7年度補正予算で創設された現行制度の正式名称
なお、令和7年度時点では「地域未来交付金」がデジタル実装型の通称として使われていた時期がありました。現在は交付金全体の名称に格上げされ、デジタル実装型はその中の一類型という位置づけです。混同しやすいポイントなので注意してください。
地方創生2.0は廃止された?「地域未来戦略」への移行
令和8年7月21日、政府は新たに「地域未来戦略」を閣議決定しました。これにより、令和7年6月13日に閣議決定された「地方創生2.0基本構想」を土台としつつ、地方政策の全体戦略は地域未来戦略へと引き継がれています。計画期間は2030年度までです。
推進体制も変わりました。令和6年10月に設置された「新しい地方経済・生活環境創生本部」に代わり、令和7年11月11日に「地域未来戦略本部」が内閣に設置され、交付金の所管も内閣官房地域未来戦略本部事務局・内閣府地方創生推進事務局へと整理されています。
| 政策目標 | 主な内容 | 施策数 |
|---|---|---|
| 強い地域経済の構築 | 戦略産業クラスター計画・地域産業クラスター計画・地場産業成長プランの3類型で産業を育成 | 121施策 |
| 豊かな生活環境の実現 | 公共交通・買物環境・インフラの維持、災害対応の強化、子育て・医療・介護の充実 | 170施策 |
| 選ばれる地方の実現 | 男女共同参画・教育環境整備・地方への移住推進・都市と地方の共生 | 63施策 |
地域未来交付金とは?予算1,600億円・4つの類型をわかりやすく解説
地域未来交付金は、令和8年度当初予算1,600億円が計上された、地方公共団体向けの地方創生交付金です。地方の伸び代と地域特性を活かし、地場産業の付加価値向上などを通じて「強い経済」を構築することを目的としています。制度は4つの類型で構成されており、ソフト事業からインフラ整備、防災資機材の整備まで幅広い取組が対象です。
| 類型 | 支援内容 | 主な補助率 |
|---|---|---|
| 地域未来推進型 | 地場産業の付加価値向上など、自治体の地域独自の取組を計画から実施まで支援 | 1/2 |
| デジタル実装型 | デジタル技術を活用した地域の課題解決や魅力向上に資する取組を支援 | 1/2〜3/4 |
| 地域防災緊急整備型 | 避難生活環境を抜本的に改善する先進的な防災の取組を支援 | 1/2 |
| 地域産業構造転換インフラ整備推進型 | 半導体等の戦略分野の産業拠点整備に必要な関連インフラの整備を支援 | 3/10〜5.5/10等 |
地域未来推進型(旧・第2世代交付金)の補助率と交付上限額は?
地域未来推進型の補助率は原則1/2で、ソフト事業・拠点整備事業は都道府県・中枢中核都市が年度あたり国費15億円、市区町村が年度あたり国費10億円が上限です。旧制度の「地方創生推進タイプ」「地方創生拠点整備タイプ」を引き継ぐ、地域未来交付金の中核となる支援枠といえます。
| 事業区分 | 交付上限額(国費) | 補助率 | 事業計画期間 |
|---|---|---|---|
| ソフト事業 | 都道府県・中枢中核15億円/年度、市区町村10億円/年度 | 1/2 | 原則3か年度以内(最長5か年度) |
| 拠点整備事業 | 都道府県・中枢中核15億円/年度、市区町村10億円/年度 | 1/2 | 原則3か年度以内(最長5か年度) |
| インフラ整備事業 | 計画期間中の総国費で都道府県50億円、中枢中核20億円、市区町村10億円 | 1/2等(各省庁の交付要綱による) | 原則5か年度以内(最長7か年度) |
申請にあたっては、新規事業の申請上限件数が自治体の規模を問わず原則10件とされています。またインフラ整備事業は、ソフト事業または拠点整備事業との組み合わせが要件です。評価はS〜Dの5段階で行われ、目指す将来像及び課題の設定、KPI設定の適切性、自立性、地域の多様な主体の参画が評価軸となります。
複数自治体で申請する「広域リージョン」の上限はいくら?
広域リージョンとして複数自治体で実施する事業は、通常の申請件数・交付上限額とは切り分けて取り扱われます。1リージョンあたり申請できるのは最大5事業、交付上限額は国費で最大10億円/年度です。
複数の広域リージョンに参画すること自体は可能ですが、1つの自治体が広域リージョンとして申請できる事業数は、それぞれ最大3事業までに制限されています。単独申請の原則10件枠を使い切っている自治体でも、近隣自治体と連携すれば別枠で事業を組み立てられる仕組みです。観光周遊ルートの整備や広域的な産業支援など、市区町村の境界をまたぐ取組を検討している場合は、この枠の活用を早めに関係自治体と協議しておくとよいでしょう。
デジタル実装型のTYPEA・TYPEV・TYPESの違いは?
デジタル実装型は令和7年度補正予算から区分が改められ、従来のTYPE1がTYPEAへ移行しました。現在はTYPEA・TYPEV・TYPESの3区分で運用されています。
| 区分 | 対象となる取組 | 補助率 | 交付上限額(国費) |
|---|---|---|---|
| TYPEA(地域住民等利用推進型) | 地域住民等がデジタルサービスを利用し、その効果をより実感できる取組 | 1/2 | 1事業あたり1億円 |
| TYPEV(先進的デジタル公共財活用型) | デジタル公共財・新興型デジタル公共財を複数自治体で共同調達・共同利用する取組 | 2/3 | 1事業あたり4億円 |
| TYPES(デジタル行財政改革特化型) | 国や地方の統一的・標準的なデジタル基盤への横展開が見込まれる先行モデル的な取組 | 3/4 | 1事業あたり2.25億円 |
共通要件は、デジタルを活用して地域の課題解決や魅力向上に取り組むこと、コンソーシアムを形成するなど地域内外の関係者と連携した推進体制を確立していることの2点です。交付対象事業費は100万円超であることが求められ、実装計画期間は交付決定日から令和9年3月31日までとされています。書かない窓口、地域アプリ、オンライン診療などが典型的な導入例です。
注意したいのは対象外の扱いです。地方公共団体の業務効率化が主目的とみられる事業は交付対象になりません。文字起こしシステムやAI-OCR、AIチャットボットなど、自動化・効率化にとどまる簡易的なAI活用も対象外とされています。
申請上限数は、TYPEAとTYPEVを合算して同一都道府県で最大9事業、同一市区町村で最大5事業です。TYPESはこのカウントに含まれません。
地域防災緊急整備型は何が対象になる?
地域防災緊急整備型は、避難生活環境の抜本的な改善を目的とした資機材の整備を支援する類型です。補助率は1/2、交付上限額は都道府県6,000万円、指定都市・中核市・中枢中核都市5,000万円、市区町村4,000万円となっています。
| 整備分野 | 主な資機材の例 |
|---|---|
| 暑さ・寒さ対策 | スポットクーラー、暖房器具など |
| 快適なトイレ環境 | トイレカー、トイレトレーラー、簡易トイレなど |
| 温かい食事や多様なメニュー | キッチンカー、キッチンコンテナ、炊き出し用資機材など |
| プライバシー確保・ベッド | テント式のパーティション、屋内用インスタントハウス、簡易ベッドなど |
| 入浴環境 | シャワーカー、水循環型シャワー、仮設入浴設備など |
平時の利活用も含めて検討することが求められており、災害時連携協定を結ぶ地元業者から防災資機材を導入し、地域経済活性化と被災者支援を両立させる取組なども想定されています。「令和6年能登半島地震を踏まえた有効な新技術〜自治体等活用促進カタログ〜」で取り上げられた新技術の活用も対象です。
地域産業構造転換インフラ整備推進型とは?
地域産業構造転換インフラ整備推進型は、半導体などの大規模な産業拠点整備に必要となる関連インフラを支援する類型です。TSMC熊本工場やラピダス北海道といった大規模プロジェクトが典型例として挙げられています。
対象となるのは工業用水、下水道、道路の整備事業で、交付割合は工業用水3/10等、下水道1/2等、道路5.5/10等と設定されています。都道府県等が実施計画を策定し、内閣府が配分計画を作成したうえで、関係行政機関に予算を移し替えて執行する仕組みです。大規模産業拠点整備プロジェクトに加え、産業構造転換に不可欠な大規模脱炭素エネルギー供給プロジェクトも選定の対象に位置づけられています。
地域未来交付金の対象事業はどう変わった?3つの事業分野カテゴリー
令和8年度の新規事業は、地域未来戦略の3つのカテゴリーを踏まえた事業分野で募集されます。従来の「強い経済」「豊かな生活環境」「選ばれる地方」という区分は、令和8年度の継続事業にのみ適用される整理です。
| 事業分野(大項目) | 対象となる取組 |
|---|---|
| 戦略産業クラスター関連事業 | 17の戦略分野に関する検討が主導し、企業の大規模投資を中心に形成されるクラスターを目指す取組及び周辺的な取組 |
| 地域産業クラスター関連事業 | 地域主導で計画され、複数自治体の連携促進や中堅企業支援など政府施策の戦略的活用によって形成・拡大を目指すクラスターに関する取組 |
| 地場産業支援関連事業 | 地場産業の付加価値向上や販路開拓等を支援し、地域経済の維持・拡大を目指す取組、及び国民の暮らしと安全を守ることに資する取組 |
熊本のTSMCや北海道のラピダスを支えるクラスターが「戦略産業クラスター」の代表例です。一方で、地場産業支援関連事業には暮らしと安全に資する取組も含まれるため、産業振興以外のテーマが排除されるわけではありません。申請の効率化を図る観点から、ハードとソフトが一体となった事業も1本の申請で受け付けられます。
地域未来交付金と第2世代交付金の違いは何?
最大の違いは、交付金全体の名称と、支援の重心の置き方です。第2世代交付金(新しい地方経済・生活環境創生交付金)が令和7年度当初予算までの名称であるのに対し、地域未来交付金は令和7年度補正予算で創設された現行制度を指します。
| 比較項目 | 第2世代交付金(令和7年度) | 地域未来交付金(令和7年度補正〜) |
|---|---|---|
| 正式名称 | 新しい地方経済・生活環境創生交付金 | 地域未来交付金 |
| 中核となる類型 | 第2世代交付金(ソフト・拠点整備・インフラ整備) | 地域未来推進型(ソフト・拠点整備・インフラ整備) |
| デジタル実装型の区分 | TYPE1・TYPEV・TYPES | TYPEA・TYPEV・TYPES |
| 上位戦略 | 地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定) | 地域未来戦略(令和8年7月21日閣議決定) |
| 所管本部 | 新しい地方経済・生活環境創生本部 | 地域未来戦略本部(令和7年11月11日設置) |
| 事業分野の考え方 | 強い経済・豊かな生活環境・選ばれる地方 | 戦略産業クラスター関連・地域産業クラスター関連・地場産業支援関連 |
制度としては連続しているため、過去に第2世代交付金で採択された事業が無効になるわけではありません。継続事業は従来の事業分野の区分のまま管理され、新規事業から新しいカテゴリーが適用されます。
地域未来交付金の採択結果は?令和8年1月募集で5,496件・2,841億円
令和8年4月に公表された採択結果によると、令和8年1月募集の実績は合計5,496件・採択額(国費)2,841億円でした。交付対象事業費ベースでは5,633億円にのぼります。
| 類型 | 団体数 | 件数 | 交付対象事業費 | 採択額(国費) |
|---|---|---|---|---|
| 地域未来推進型 | 1,127団体 | 3,099件 | 4,824億円 | 2,436億円 |
| デジタル実装型 | TYPEA 974団体/TYPEV 52団体 | TYPEA 1,637件/TYPEV 8件 | 352億円 | 179億円 |
| 地域防災緊急整備型 | 747団体 | 747件 | 210億円 | 105億円 |
| 地域産業構造転換インフラ整備推進型 | 11団体 | 5件 | 248億円 | 122億円 |
| 合計 | ー | 5,496件 | 5,633億円 | 2,841億円 |
地域未来推進型が件数・金額ともに大半を占めていることが分かります。また地域防災緊急整備型は747団体が747件と、1団体あたり1件の申請が中心です。なお地域産業構造転換インフラ整備推進型については、令和8年2月10日に配分済みとされています。
採択結果や交付対象事業の概要は、内閣府の地域未来交付金ページで類型ごとに公開されています。自治体の担当者が過去の採択事業を確認したい場合は、地方創生データ分析評価プラットフォーム「RAIDA」でデジタル実装型の事例が可視化されているほか、「地方創生交付金 採択事例集」も公開されています。
個人や一般企業も地域未来交付金をもらえる?移住支援金100万円という例外
地域未来交付金の申請主体は地方公共団体に限られます。個人や一般企業が国に直接申請して交付を受けることはできません。ただし、市町村を経由して個人に届く「内数事業」が存在します。
移住支援金・起業支援金は個人が受け取れる?
地域未来推進型の内数として実施されている「移住・起業・就業事業」では、市町村が個人に対して移住支援金 最大100万円・起業支援金 最大200万円を支給する場合に、その経費の1/2を国が支援します。つまり、原資の一部は地域未来交付金から出ています。
対象となるのは、UIJターンによって地方で起業・就業する方や、テレワークによる転職なき移住をする方などです。支給要件や上乗せ額は市町村ごとに設定されているため、金額だけを見て判断せず、移住先の候補となる自治体の窓口で個別に確認する必要があります。
このほか、都道府県が官民連携プラットフォームを形成して実施する「多世代型新規就業等支援事業」も内数事業のひとつです。現在職に就いていない若者・女性・高齢者等の新規就業を促進する取組が対象で、こちらも個人が直接申請するものではなく、都道府県の事業を通じて支援が届く形になります。
民間企業や大学が地域未来交付金の事業に関わるには?
民間企業や大学、NPOが関わる余地は小さくありません。地域未来交付金では、コンソーシアムを形成するなど地域内外の関係者と連携した推進体制の確立が要件とされており、事業の受託者・サービス提供者として参画する形が一般的です。特にデジタル実装型では、スタートアップの活用が加点項目として明確に位置づけられています。
自社の製品やサービスを地域未来交付金の事業に活かしたい場合は、自治体の企画部門やデジタル推進部門と早い段階から情報交換を行い、実施計画の検討段階から関与することが現実的な進め方です。地域未来戦略でも、中堅・中小企業向け設備投資補助金や人材育成支援策に「地域未来枠」を設ける検討が明記されており、民間事業者が直接使える支援メニューの拡充も見込まれています。
また、地域企業の経営幹部やデジタル人材のマッチングを支援する「プロフェッショナル人材事業」も、地域未来交付金の内数で実施されています。副業・兼業人材の活用促進も含まれるため、地方企業の人材確保を検討している場合は各都道府県のプロフェッショナル人材戦略拠点が窓口となります。
令和8年度の申請スケジュールは?第78回地域再生計画の認定申請
地域未来交付金のうち、地域未来推進型を活用するには地域再生計画の認定が必要です。令和8年8月4日、内閣府地方創生推進事務局から第78回地域再生計画の認定申請スケジュールが公表されました。
| 【第78回】地域再生計画の認定申請 | |
|---|---|
| 事前相談 | 令和8年8月4日(火)から令和8年8月25日(火)まで |
| 認定申請 | 令和8年9月10日(木)から令和8年9月11日(金)まで |
| 認定 | 令和8年11月下旬を予定 |
注意点として、地域未来交付金(地域未来推進型)を活用する地域再生計画の認定申請については、別途発出される事務連絡で案内され、事前相談は行われません。第78回の通知本文にその旨が明記されていますので、担当部署は最新の事務連絡を必ず確認してください。
地域再生計画の認定申請は、地域再生基本方針の規定により毎年度5月、9月、1月を目途に実施することが原則とされています。ちなみに第77回は事前相談が令和8年4月24日から5月15日まで、認定申請が5月27日から28日まででした。次の機会は令和9年1月頃が目安となります。
地方創生交付金申請支援システムとは?
地方創生交付金申請支援システムは、地方公共団体が交付金の申請書類の作成・提出を電子的に行うためのシステムです。内閣府の地域未来交付金(地域未来推進型)のページから「申請支援(地方公共団体向け)」としてアクセスできます。
紙や個別のメール送付による手続きと比べ、様式の取り違えや提出漏れを防ぎやすい点がメリットです。あわせてデジタル実装型では、地域課題の把握からデジタル実装の計画策定までを専門家が伴走支援する「デジタル実装定着支援事業」も実施されています。初めて交付金に取り組む自治体や、庁内にデジタル人材が少ない自治体は、こうした支援メニューを申請準備の初期段階から使うことを検討してみてください。
令和9年度の地域未来交付金はどうなる?概算要求2,000億円と優先採択の仕組み
内閣府が令和8年8月に公表した令和9年度予算概算要求では、地域未来交付金等(3類型の計画推進等のための経費)として2,000億円+事項要求が計上されました。令和8年度当初予算の1,600億円から400億円の増額要求で、事項要求分は「強く豊かな日本」投資枠として予算編成過程で検討されます。
| 項目 | 令和8年度予算額 | 令和9年度要求額等 |
|---|---|---|
| 地域未来戦略の推進(全体) | 1,638.6億円 | 2,161.9億円 |
| 地域未来交付金等(3類型の計画推進等) | 1,600億円 | 2,000億円+事項要求 |
| 地域未来推進費 | ー | 事項要求(新規) |
| プロフェッショナル人材事業 | 0.93億円 | 0.95億円 |
注目したいのが、補助金の自己点検を受けた見直し方針です。地域未来戦略に資する取組をより重点的に支援するため、「地域産業クラスター計画」や「地場産業成長プラン」に掲載された事業を優先採択する仕組みを整えるとされました。令和9年度以降に申請を考えている自治体は、まず計画への位置づけを固めることが採択への近道になりそうです。
新たに事項要求として立てられた「地域未来推進費」は、地域未来交付金等を補完し、伴走支援や海外展開など多様な地域課題へ迅速・柔軟に対応するための経費と説明されています。交付金では拾いきれない課題に国が一歩前に出て対応する枠組みで、具体的な内容は予算編成過程で固まる見通しです。
【参考】旧デジタル田園都市国家構想交付金の4タイプ
デジタル田園都市国家構想交付金は、令和6年度まで4つのタイプで運用されていました。過去の採択事業を調べる際の参考として、旧制度の全体像を整理しておきます。
| 旧タイプ | 支援内容 | 現在の対応 |
|---|---|---|
| デジタル実装タイプ | TYPE1・TYPE2・TYPE3・TYPE S・地方創生テレワーク型の5区分でデジタル活用の取組を支援 | デジタル実装型(TYPEA・TYPEV・TYPES) |
| 地方創生推進タイプ | 先駆型・横展開型・Society5.0型で観光・農林水産業の振興等を支援(補助率1/2) | 地域未来推進型(ソフト事業) |
| 地方創生拠点整備タイプ | 地方創生に資する拠点施設の整備を支援(補助率1/2) | 地域未来推進型(拠点整備事業) |
| 地域産業構造転換インフラ整備推進タイプ | 半導体等の大規模生産拠点整備に伴う関連インフラの整備を支援 | 地域産業構造転換インフラ整備推進型 |
旧制度の採択実績や交付要綱は、内閣府のデジタル田園都市国家構想交付金のページに引き続き掲載されています。令和5年度補正予算までのデジタル実装タイプについては、ガイドラインや優良事例も公開されているため、新規事業の企画時に参照する価値があります。
地域未来交付金・デジタル田園都市国家構想交付金に関するよくある質問
デジタル田園都市国家構想交付金はいつまで実施されていましたか?現在はどの制度になりますか?
デジタル田園都市国家構想交付金(デジ田交付金・デジ電交付金)は令和6年度をもって終了しました。令和7年度に「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」へ移行し、令和7年度補正予算で「地域未来交付金」が創設されています。現在申請できるのは地域未来交付金です。
地域未来交付金と第2世代交付金の違いは何ですか?
第2世代交付金(新しい地方経済・生活環境創生交付金)は令和7年度当初予算までの名称で、地域未来交付金は令和7年度補正予算で創設された現行制度の名称です。中核類型は「第2世代交付金」から「地域未来推進型」へ、デジタル実装型の区分は「TYPE1」から「TYPEA」へ変更されました。上位戦略も地方創生2.0基本構想から地域未来戦略(令和8年7月21日閣議決定)に切り替わっています。
地方創生推進交付金や地方創生拠点整備交付金は廃止されたのですか?
いずれもデジタル田園都市国家構想交付金の「地方創生推進タイプ」「地方創生拠点整備タイプ」の通称で、令和6年度で終了しています。ただし支援の枠組みは廃止ではなく継承されており、令和7年度に第2世代交付金へ、令和7年度補正予算からは地域未来交付金の「地域未来推進型」のソフト事業・拠点整備事業へと引き継がれています。観光や農林水産業の振興といった対象事業の考え方も継続しています。
地域未来交付金の令和8年度・令和9年度の予算額はいくらですか?
令和8年度当初予算では1,600億円が計上されています。これに先立つ令和7年度補正予算では1,000億円が措置されました。令和9年度は概算要求段階で2,000億円+事項要求が計上されています。参考として令和7年度当初予算は2,000億円、令和6年度補正予算は1,000億円です。
個人や一般企業が直接申請してお金をもらえますか?
申請主体は都道府県・市区町村・一部事務組合・広域連合等の地方公共団体に限られ、個人や一般企業が国に直接申請することはできません。ただし地域未来推進型の内数事業である「移住・起業・就業事業」では、市町村が個人に移住支援金(最大100万円)や起業支援金(最大200万円)を支給する場合に国が経費の1/2を支援します。個人が受け取る場合の申請窓口は移住先の市町村です。
地域未来交付金の補助率はどのくらいですか?
類型によって異なります。地域未来推進型は原則1/2、デジタル実装型はTYPEAが1/2、TYPEVが2/3、TYPESが3/4です。地域防災緊急整備型は1/2、地域産業構造転換インフラ整備推進型は工業用水3/10等・下水道1/2等・道路5.5/10等となっています。
デジタル実装型のTYPE1はどうなりましたか?
TYPE1は令和7年度補正予算からTYPEA(地域住民等利用推進型)へ移行しました。要件は基本的にTYPE1を踏襲しつつ、地域住民等がデジタルサービスを実際に利用して効果を実感できることがより明確に求められる内容に見直されています。また、単年度実装から「交付決定日から令和9年3月31日まで」の実装計画期間へ変更され、交付対象事業費が100万円を上回ることが新たに要件化されました。
複数の自治体が連携して申請する場合の上限はどうなりますか?
地域未来推進型では、広域リージョンとして複数自治体で実施する事業は通常の申請件数・交付上限額とは切り分けて取り扱われます。1リージョンあたり申請できる事業数は最大5事業、交付上限額は国費で最大10億円/年度です。複数の広域リージョンに参画できますが、1自治体が広域リージョンとして申請できる事業数はそれぞれ最大3事業までとされています。
令和8年度の申請スケジュールはどうなっていますか?
第78回地域再生計画の認定申請は、事前相談が令和8年8月4日から8月25日まで、認定申請が令和8年9月10日から9月11日まで、認定は令和8年11月下旬を予定しています。ただし地域未来交付金(地域未来推進型)を活用する地域再生計画の認定申請は別途発出される事務連絡で案内され、事前相談は行われません。地域再生計画の認定申請は原則として毎年度5月・9月・1月を目途に実施されます。
地域未来交付金の採択結果はどこで確認できますか?
内閣府の地域未来交付金ページで類型別に公開されています。令和8年4月公表の採択結果では、令和8年1月募集の実績として合計5,496件・採択額(国費)2,841億円が示されました。内訳は地域未来推進型3,099件・2,436億円、デジタル実装型1,645件・179億円、地域防災緊急整備型747件・105億円、地域産業構造転換インフラ整備推進型5件・122億円です。
地方創生交付金申請支援システムとは何ですか?
地方公共団体が交付金の申請書類の作成・提出を電子的に行うためのシステムです。内閣府の地域未来交付金・地域未来推進型のページから「申請支援(地方公共団体向け)」としてアクセスできます。あわせてデジタル実装型では、地域課題の把握からデジタル実装の計画策定までを専門家が伴走支援する「デジタル実装定着支援事業」も実施されています。
令和9年度に採択されやすくするにはどうすればよいですか?
令和9年度概算要求の補助金見直し方針では、地域未来戦略に資する取組を重点的に支援するため、「地域産業クラスター計画」や「地場産業成長プラン」に掲載された事業を優先採択する仕組みを整えるとされました。まずは自治体としてこれらの計画に事業を位置づけることが重要です。評価軸としては、目指す将来像及び課題の設定、KPI設定の適切性、自立性、地域の多様な主体の参画がS〜Dの5段階で評価されます。
地方創生2.0は廃止されたのですか?
令和8年7月21日に「地域未来戦略」が閣議決定され、地方政策の全体戦略はこちらに引き継がれました。地域未来戦略は令和7年12月23日閣議決定の「地方創生に関する総合戦略」を変更する形で策定され、地方創生2.0基本構想(令和7年6月13日閣議決定)で示された目指す姿や政策の5本柱の内容も踏まえつつ進めるとされています。計画期間は2030年度までです。
まとめ
デジタル田園都市国家構想交付金は2段階の再編を経て、現在は「地域未来交付金」として実施されています。要点を整理します。
- 名称の変遷:デジタル田園都市国家構想交付金(〜令和6年度)→新しい地方経済・生活環境創生交付金/第2世代交付金(令和7年度)→地域未来交付金(令和7年度補正〜)
- 予算規模:令和8年度当初予算1,600億円、令和9年度概算要求2,000億円+事項要求
- 4つの類型:地域未来推進型・デジタル実装型・地域防災緊急整備型・地域産業構造転換インフラ整備推進型
- 補助率:地域未来推進型1/2、デジタル実装型はTYPEA1/2・TYPEV2/3・TYPES3/4
- 採択実績:令和8年1月募集で合計5,496件・国費2,841億円
- 申請主体:地方公共団体のみ。ただし移住支援金(最大100万円)・起業支援金(最大200万円)は内数事業として個人に届く
- 直近スケジュール:第78回地域再生計画の認定申請は令和8年9月10日〜11日、認定は11月下旬予定
令和8年7月21日に閣議決定された地域未来戦略により、地方創生の重心は産業クラスターの形成へと明確に移りました。令和9年度は地域産業クラスター計画・地場産業成長プランへの位置づけが優先採択につながる方向で検討が進んでいます。自治体の事業に参画する立場からも、今後の制度動向を継続的に確認しておきたいところです。
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