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保育園が使えるICT補助金「保育所等におけるICT化推進等事業とは」

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保育の現場では、人手不足が深刻です。日本の保育士配置基準は75年間変わらず、保育環境の改善が急がれています。「こどもまんなか社会」の実現を目指して設置されたこども家庭庁では、令和5年度の補正予算において、保育所の環境改善に関する取組が盛り込まれました。今回はそのうちのひとつ、「保育所等におけるICT化推進等事業(ICT補助金)」をご紹介します。

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この記事の目次

保育所等におけるICT化推進等事業(ICT補助金)とは

令和5年度補正予算では、「保育対策総合支援事業費補助金」として、29億円が計上されました。これは保育所等におけるICT化推進等事業(ICT補助金)の財源となります。

まずは保育所等におけるICT化推進等事業の概要について、見ていきましょう。

ICT化推進等事業の目的

保育所等におけるICT化推進等事業は、保育所等におけるデジタル化を推進するものです。、保育士の業務負担の軽減を図るとともに、保護者にとって必要な情報等を把握しやすくします。

児童の福祉の向上が目的です。

補助対象事業

補助の対象となる事業は、以下の①~⑧です。

①保育士の業務負担軽減のための、以下の業務のICT化
■保育に関する計画・記録
■保護者との連絡
■子どもの登降園管理等の業務
■実費徴収等のキャッシュレス決済の導入
■外国人の子どもの保護者とのやりとりに関わる通訳や、翻訳
②認可外保育施設における、保育従事者の業務負担軽減につながる機器の導入
➂病児保育事業等における、空き状況の見える化や予約・キャンセル等のICT化
④都道府県等が実施する研修を在宅等で受講できるよう、オンラインで行うために必要なシステム整備等
⑤保育士資格の登録申請の届出等に関し、自治体等の保有する各種情報との連携を可能とするために必要なシステム改修
⑥児童館における、以下の取組
■入退館や子どもの記録管理、研修のオンライン化などの職員の業務負担軽減につながる機器の導入
■利用者同士の交流、相談支援のオンライン化など
⑦医療的ケア児を受入れる保育所について、ICT機器を使用した医療的ケア児とのコミュニケーション
⑧今後の施策の検討に向けた基礎的なデータを把握するため、保育施設等におけるICT導入状況等に関する調査研究事業

補助金額

補助金額や補助率は、実施する事業によって異なります。それぞれの補助基準額や補助率は、以下の通りです。

①業務のICT化等を行うためのシステム導入 ■1機能の場合
20万円(併せて端末購入等を行う場合は70万円)

■2機能の場合
40万円(併せて端末購入等を行う場合90万円)

■3機能の場合
1施設当たり60万円(併せて端末購入等を行う場合110万円)

■4機能の場合
1施設当たり80万円(併せて端末購入等を行う場合130万円)
②翻訳機等の購入 15万円
➂認可外保育施設における機器の導入 20万円
④病児保育事業等の業務のICT化を行うためのシステム導入 ■1自治体あたり
500万円

■1施設当たり
100万円
⑤研修のオンライン化事業 400万円
⑥保育士資格取得に係るシステム改修 総額9,964万円のうち、令和3年度の各都道府県の受験者数の割合に応じて設定
⑦児童館のICT化を行うためのシステム導入 50万円
⑧医療的ケア児を受入れる保育所におけるICT機器導入 20万円

補助率

自治体・ICT関連事業者・保育事業者などで構成される協議会を設置し、システムの導入にかかる費用の補助以外の取組を行っている場合には、補助率が嵩上げされます。

各事業の補助率は、以下のとおりです。


補助率
①業務のICT化等を行うためのシステム導入 ■国:2分の1
■市区町村:4分の1
■事業者:4分の1

【嵩上げがある場合】
■国:3分の2
■市区町村:12分の1
■事業者:4分の1
②認可外保育施設における機器の導入 ■国:2分の1
■都道府県・市区町村:4分の1
■事業者:4分の1

【嵩上げがある場合】
■国:3分の2
■都道府県・市区町村:12分の1
■事業者:4分の1
➂病児保育事業等の業務のICT化を行うためのシステム導入 【1自治体あたり】
■国:2分の1
■市区町村:2分の1

・管内の病児保育施設の70%に予約システムを導入した自治体の場合
■国:3分の2
■市区町村:3分の1

【1施設あたり】
■国:2分の1
■市区町村:4分の1
■事業者:4分の1
④研修のオンライン化事業 ■国:2分の1
■都道府県・市区町村:2分の1
⑤保育士資格取得に係るシステム改修 ■国:2分の1
■都道府県:2分の1
⑥児童館のICT化を行うためのシステム導入 ■国:2分の1
■都道府県・市区町村:2分の1
⑦医療的ケア児を受入れる保育所におけるICT機器導入 ■国:2分の1
■市区町村:2分の1
⑧保育施設等におけるICT導入状況等に関する調査研究 定額

なお①~➂については、地方自治体が運営する施設を対象にする場合は、国と自治体それぞれ2分の1ずつなどとなります。(①と②については、財政力指数が1.0未満の地方自治体が対象です)

保育所等におけるICT化推進等事業(ICT補助金)はどこが公募する?

保育所等におけるICT化推進等事業は、都道府県または市町村等が実施主体です。申請方法や事業期間などは、実施主体となる都道府県等の発表を確認してください。

公募時期はいつ?

保育所等におけるICT化推進等事業の公募は、年度ごとに行われます。公募時期は実施主体によって異なります。令和5年は管轄厚生労働省からこども家庭庁へ移ったことで、手続きの開始時期が遅れることも予想されます。都道府県等の公式サイトを確認してください。

なお、東京都では、4月ころからの公募開始が予想されます。

また、事業の実施期間も実施主体によって異なります。

例えば東京都は、令和4年度は3月までに導入・支払いを済ませた機材等の費用が対象でした。横浜市は、令和5年4月1日から令和5年12月31日までの間に導入・支払いを完了している事業が対象です。

こちらも各実施主体の要綱等をよく確認し、間違いのないようにしてください。

保育所のデジタル化が社会にもたらす影響

子どもを安心して産み、育てるには、保育環境の整備が不可欠です。現在、保育士の配置基準では、0歳児では3人につき1人、3歳児では20人につき1人の保育士を置くことが定められています。しかしこの人数では、一人ひとりに対するきめ細かな対応は望めません。

いっぽうで、保育現場の労働環境には改善が求められています。令和2年に厚生労働省が公表したデータでは、保育士として勤務する際に求める条件や重視する点として、「仕事量が適正」であることを希望した回答者は63.3%ともっとも多くなりました。

出典:保育士の現状と主な取組

退職の理由としては、全体で「職場の人間関係」が33.5%でもっとも多く、次いで「給与が安い」が29.2%、「仕事量が多い」が27.7%、さらに「労働時間が長い」が24.9と、給与や仕事量に課題があることが示されました。

出典:保育士の現状と主な取組

こうした問題の解決に、デジタルツールを活用した業務改善に期待が寄せられています。デジタル機器の導入によって業務量が減った分を子どもや保護者への対応にあてることで、保育士としてのやりがいにもつながります。

保育所の環境がよりよいものになれば、親世代は働きやすくなります。収入が増え、消費意欲が高まることで、経済も活発化します。そして生活が豊かになったと実感できるようになれば、子どもの数も増えるはずです。

保育所の環境整備は、社会全体にとって、大きなメリットをもたらすのです。

まとめ

子どもの保育に必要な数の保育士確保が難しい現状では、デジタル機器を活用した業務負担の軽減も大きな役割を果たします。

保育所等におけるICT化推進等事業を活用し、予算的な負担を減らしながら、保育所の環境改善を目指しましょう。

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