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「くるみん」と「えるぼし認定」の違いを理解しよう
「くるみん」と「えるぼし認定」は、労働環境の改善を目指す企業に対して、それぞれ厚生労働省から認定される制度です。この2つの制度には、それぞれ目的や対象となる企業が異なります。今回は、その違いを理解しましょう。
「くるみん認定」の概要と特徴
「くるみん認定」は、厚生労働省が次世代育成支援対策の取り組みが適切に行われ、仕事と家庭の両立がしやすい環境を整えている企業に対して、次世代認定マーク「くるみん」を付与する制度です。対象は、中小企業や一般企業で、次世代育成支援対策を策定し、公表している企業です。
この認定を受けることで、企業の労働環境改善への取り組みが評価されるだけでなく、取得企業向けに法定外の優遇措置が受けられます。さらに、従業員が子育てと仕事の両立が可能であることから働きやすい環境が整っているというアピールポイントにもなります。
「えるぼし認定」の概要と特徴
一方、「えるぼし認定」は、厚生労働省が女性の活躍推進に取り組む企業に対して、「女性活躍推進企業」として、認定マーク「えるぼし」を授与する制度です。対象となる企業は、大企業や中小企業問わず、女性の活躍推進法に基づく行動計画を策定し、公表している企業です。
えるぼし認定は、女性のキャリア形成や管理職登用、働き方改革の実施など、女性の活躍を実現する取り組みが評価されます。これにより、働く女性にとって魅力的な企業になり、多様な人材を確保することが可能になります。
くるみんとえるぼし認定の共通点と相違点
まず共通点として、両方の制度は厚生労働省が認定を行い、労働環境の改善に取り組む企業に対してステータスが付与されることです。また、認定を受けると企業のイメージ向上や人材確保に役立ちます。
相違点は、対象となる企業と目的が異なることです。「くるみん」は、主に次世代の育成支援策と家庭と仕事の両立を実現することを目的としています。一方、「えるぼし」は、働く女性の活躍をサポートし、女性が活躍できる環境を整えることを目的としています。
また、認定の基準や評価項目も異なります。「くるみん」では、子育て支援策や子どもの健康を実現する取り組みが評価されます。一方、「えるぼし」では、女性のキャリア形成や働き方改革など、女性が活躍できる環境整備が評価されます。
補助金加点を狙うために必要な取り組みを知ろう
補助金加点を狙うには、事業主が従業員の働きやすい環境を整備し、次世代を担う労働力の育成に取り組むことが不可欠です。そのため、企業は厚生労働省が策定した「くるみん認定」や「えるぼし認定」の基準に沿った取り組みを行い、認定を受けることが重要となります。
例えば、女性の活躍推進や子育て支援に取り組む「くるみん認定」では、企業が子育てと仕事の両立をサポートする制度やサービスを提供することが求められます。一方、「えるぼし認定」は、会社が労働者の働きやすい環境を整備し、働く女性に対して適切な支援を行うことが必須とされています。
また、これらの認定を受けることで、企業の評価が向上し、厚生労働省が公表しているデータベースに掲載されることもあります。このようにして、認定制度を活用しながら、企業は助成金や補助金の加点を狙えるのです。
「くるみん認定」に必要な取り組み事例
「くるみん認定」を受けるには、次のような取り組みが期待されます。
・労働者が子育てと仕事の両立が可能な環境の整備
・企業内での男女共同参画の推進
・育児休業の積極的な取得促進や子育て支援制度の改善
・働く女性や子育て中の従業員のキャリアアップ支援
具体的には、育児休業中の従業員への連絡や情報提供を通じたフォローアップが挙げられます。また、職場での子育て情報交換会の開催や、子育て支援策の周知活動を行うことも重要です。
「くるみん認定」を取得することで、助成金や補助金の加点を受けるだけでなく、社会に対して働きやすい企業であることをアピールすることができます。
「えるぼし認定」に必要な取り組み事例
「えるぼし認定」を受けるためには、以下のような取り組みが求められます。
・女性の意見やニーズを反映させた職場環境の整備
・女性の活躍を支援する制度や取り組みの導入
・賃金差の是正や昇進・役職における男女比の均衡化
・女性のリーダー育成や管理職登用の促進
具体例として、女性の働きやすさを重視した柔軟な働き方の導入や、女性向け研修・セミナーの開催が挙げられます。また、女性が管理職まで昇進しやすい環境作りや、女性従業員の意見を尊重し、運営に反映させることも大切です。
「えるぼし認定」を取得することで、企業は助成金や補助金の加点を狙うだけでなく、女性の活躍を支援する働きがいのある職場として評価されます。
一般事業主行動計画策定・公表のポイント
一般事業主行動計画は、企業が女性の活躍を推進するために策定・公表する計画です。まず、経営陣や従業員が共通の目標を持ち、一定期間内に達成するための具体的な取り組みを明示しましょう。次に、計画の策定や実施に関する責任者を明確にし、サポート体制を整えることが重要です。
また、取り組みの進捗状況を定期的に評価・改善し、さらには労働環境や制度の改革も検討しましょう。例えば、働き方改革や育児・介護と仕事の両立を支援する制度の導入、労働時間の短縮や柔軟な働き方の提案などです。さらに、社内外への情報発信も大切です。自社の取り組みをWebサイトや広報誌などで積極的に発信し、社会への認知度を高めましょう。
このような取り組みを行うことで、企業の経営改善や従業員の生活環境の向上に繋がります。また、厚生労働省が実施している『くるみんマーク』や『プラチナくるみんマーク』の認定を取得することができ、事業受託時の加点が見込めるなど、経営上のメリットも大きいです。
補助金加点の効果を最大限に活用しよう
補助金加点は、企業が取り組む女性活躍推進策や働き方改革などに対して、国や自治体が支援する制度です。この制度を最大限活用するためには、まず適用条件を確認し、自社が対象になるかどうかを把握しましょう。
次に、加点対象となる制度の内容を詳細に調べ、どのような取り組みを行えばポイントが加算されるのか把握しましょう。そして、自社の現状や課題を洗い出し、取り組むべき改善策を検討します。具体的には、女性活躍推進計画の策定・公表、柔軟な働き方の導入、育児休業の取得促進、キャリアアップ支援などが挙げられます。
最後に、補助金・助成金の申請方法を理解し、必要書類の作成や手続きをスムーズに進めましょう。これらの取り組みにより、事業の効率向上や労働環境の改善が期待でき、企業の競争力が向上します。
くるみん・えるぼし認定の取得方法と手続き
くるみん・えるぼし認定は、企業や事業主が働く女性の活躍を支援するために、厚生労働省が実施している制度です。認定を取得することで、労働環境の向上や従業員の働きやすさがアピールでき、優れた人材を採用しやすくなります。
まず、認定を受けるためには、厚生労働省が定める基準を満たす必要があります。これには、女性に対する雇用状況や労働条件、キャリア形成支援などが含まれます。次に、認定を受けるためのアクションプランを策定し、都道府県労働局に申請します。この際、プランの内容や目標達成度を詳しく説明する書類が必要です。
申請後、都道府県労働局が厳正な審査を行い、基準を満たしていると判断された場合に認定が決定されます。認定を受けた企業は、マークの使用が許可され、助成金や補助金などの各種サポートを受けられるようになります。また、認定企業は、データベースに登録され、一般に公表されるため、社会的な評価も得られるでしょう。
認定を維持するためには、定期的に報告書の提出が求められます。これにより、企業が継続的に女性の活躍支援に取り組んでいることが確認されます。認定を更新する際には、新たな目標や取り組みが求められることがありますので、企業としても柔軟な対応が必要となります。
くるみん・えるぼし認定取得への道をまとめてみよう
くるみん・えるぼし認定を取得する流れは以下の通りです。
・厚生労働省が定める基準を確認し、自社の状況を把握
・アクションプランの策定
・書類の準備と都道府県労働局への申請
・審査を受け、認定が決定される
・認定マークの使用と各種サポートの受け取り
・定期的な報告書の提出と認定の更新
認定取得に向けた取り組みは、企業の働きやすさ向上に繋がり、社会的評価も高まるでしょう。また、女性従業員の活躍を促進することで、業績向上や経営の安定にも寄与します。
ぜひ、この機会にくるみん・えるぼし認定について調査し、自社の働きやすさ向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。今すぐ認定の基準を確認し、次のステップへ進みましょう。