人を雇用する前に見てほしい!特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)について調べてみた

1. 特定求職者雇用開発助成金とは


企業が障害のある人や、高齢者を雇い入れる際に受給できる助成金です。

「特定求職者雇用開発助成金」には、以下全8コースがあります。
①特定就職困難者コース
生涯現役コース
③被災地雇用開発コース
④発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
三年以内既卒者等採用定着コース
障害者初回雇用コース
⑦長期不安定雇用者雇用開発コース
⑧生活保護受給者等雇用開発コース

今回は、この中の「特定就職困難者コース」について詳しく見ていきます。

特定就職困難者コースとは?

特定就職困難者コースは、60歳~65歳未満の高齢者や障害者、母子家庭の母・父子家庭の父など「就職するうえでハンディを持つため就職することが難しい状態にいる人たち」を継続的、かつ
安定的に働けることを目的として出来た助成金です。

対象企業は、障害のある方や64歳までの方をハローワークの紹介などで雇い入れた場合、最大240万円を3年間に渡り支給されます。

参考:厚生労働省 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

2.支給要件


「特定求職者雇用開発助成金」は、必ず事前申請が必要です。
対象となりそうな人を採用した後に申請しても、助成金は受けられないため、注意が必要です。

支給要件詳細については、厚生労働省が示している詳細を記載します。
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①ハローワークまたは民間の職業紹介事業者など(※1)の紹介で雇い入れること
②雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用すること(※2)が確実であること

※1 具体的には、次の機関が該当します。
ア)公共職業安定所(ハローワーク)
イ)地方運輸局(船員として雇い入れる場合)
ウ)適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等
特定地方公共団体、厚生労働大臣の許可を受けた有料・無料職業紹介事業者、届出を行った無料職業紹介事業者、または無料船員職業紹介事業者(船員として雇い入れる場合)のうち、本助成金に係る取扱いを行うに当たって、厚生労働省職業安定局長の定める項目のいずれにも同意する旨の届出を労働局長に提出し、雇用関係給付金に係る取扱いを行う旨を示す標識の交付を受け、これを事業所内に掲げる職業紹介事業者などであること

※2 継続して雇用することとは
対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、該当する雇用期間が継続して
2年以上であること
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雇用関係助成金共通の要件などの支給要件については、こちらからご確認ください。

(1) 支給対象者

次の①~⑧に該当する労働者が対象です。
①60歳〜65歳未満の高齢者
→65歳以上の方を対象とする場合は、「生涯現役コース」の対象になります。
②身体障害者
③知的障害者
④精神障害者
→障害者(身体障害者・精神障害者)の定義づけについてはこちらをご確認ください。
⑤母子(父子)家庭の母(父)
⑥中国残留邦人等永住帰国者
⑦北朝鮮帰国被害者など
⑧45歳以上の認定駐留軍関係離職者

(2)支給額

対象労働者の分類と企業規模に応じて、支給対象期ごと(1期=6カ月)の支給額が、60~240万円/人(短時間労働者は40~80万円)の範囲で支給されます。以下表は1人当たりの支給額ですが、あくまで上限額であり支給額ではないため注意してくださいね。

【短時間労働者以外の者の場合の支給額】

【短時間労働者の場合の支給額】

※短時間労働者とは
一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である者

※中小企業の範囲とは

3. 申請から入金までの流れ

1. 支給申請の手続き

この助成金は、支給対象期(6カ月)ごとに2~6回に分割して支給されます。

支給申請は、次の(1)、(2)期間内に、労働局またはハローワークへの申請が必要です。

(1)支給対象期ごとの支払いの場合

・「支給対象期」は、起算日※から6カ月ごとに区切った期間を指します
※起算日とは
①賃金締切日が定められていない場合→雇い入れ日
②賃金締切日が定められている場合 →雇い入れ日の直後の賃金締切日の翌日

(2)支給申請期間内に支給申請を行う

・「申請期間内」は、支給対象期の末日の翌日から起算して2ヶ月以内を指します

期限を過ぎると、支給対象期間の助成金支給を受けられません。申請期限の支給申請期間の末日は、どこも業務が忙しく忘れてしまいがちだと思うので、十分気をつけてください。

4. 対象外になる条件・注意事項


助成金の支給後も引き続き対象となる従業員を1年以上雇用することが確実である
事業主が対象です。

下記(1)(2)では、助成金を受けられない場合の記載をしていますが、要は、「解雇や会社都合による退職者を出してしまうと、助成金の支給が受けられない」ということが言いたいので、事業主の方は注意してくださいね。

(1)助成金支給を受けられない場合

①対象労働者の離職

ア)支給対象期の途中で、事業主都合の離職をした場合
イ)支給対象期の初日から1ヵ月以内に離職した場合
ウ)対象となる従業員を雇い入れる前日の6か月前から1年間の間に、雇用する従業員を事業主都合の解雇等(退職勧奨も含む)をしている場合

②他の助成金の支給を受けている場合

③ 偽りやその他、不正な行為によって助成金の支給を受け、または受けようとした場合

④ハローワーク等の紹介日以前に雇用されていた、または採用内定がある場合

ア)対象となる従業員が雇い入れ日の前日から過去3年間、ハローワーク等の紹介日以前に、パート、アルバイト等で雇用されていた(就労していた)場合
イ)紹介日以前に採用内定がある場合

⑤過去にこの助成金を受給した事業所で、助成金の対象となった労働者の離職割合(自己都合含む)が高い場合、新たな対象労働者の雇入れについて、この助成金を受けることはできない

(2)助成金支給が減額される場合

①対象労働者が支給対象期の途中で離職した場合
②所定労働時間より著しく実労働時間が短い場合

5. 助成金併用で支給額が増額可能です!

(1)併用できる助成金とは?

試行雇用から常用雇用へつなげる道を広げるため、トライアル雇用により雇い入れてトライアル雇用期間終了後も引続き、継続雇用労働者として雇用する場合、「特定求職者雇用開発助成金」の一部(第2期支給対象期分)の支給を受けることができます。

「トライアル雇用助成金」とは、原則3か月間の試用雇用を行うことにより、対象労働者の適正や業務遂行の可能性などを実際に見極めた上で本採用を決めることができる制度です。
詳しくは以下記事をご確認ください。

お試し雇用して採用ミスマッチを防ぎませんか?「トライアル雇用助成金」とは?

(2)併用する場合の要件とは?

①共通する対象労働者であること

トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金に共通する、「母子家庭の母」「父子家庭の父」が該当対象者です

②トライアル雇用期間終了後も引き続き、継続して雇用する労働者として雇用すること

対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が2年以上であること

③共通する要件を満たしていること

対象労働者の雇入時点で、トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金それぞれの要件を
満たしている必要があります

④トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金、それぞれ支給申請を行うこと

⑤不支給になってしまう場合

トライアル雇用奨励金の支給申請を行っていない場合や、トライアル雇用奨励金が不支給になった場合などは、特定求職者雇用開発助成金について支給を受けることはできません。

(3)増額される金額はいくら?


それでは、具体的に下表にて具体的な支給例の流れを見ていきましょう。


参考:平成28年4月1日から「特定求職者雇用開発助成金」の制度を変更します

この二つの制度を併用し、母子家庭の母(父)を雇用する場合には、
次のような計算式で支給額が変更されます。
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①トライアル雇用奨励金(トライアル雇用期間:3ヶ月間(平成28年4.1~平成28年7.1))
月額5万円×3か月間=15万円
②特定求職者雇用開発助成金(助成対象期間:H28.4.1~H29.3.31)
第1期支給対象期 (H28. 4.1~H28.9.30):支給なし※1
第2期支給対象期 (H28.10.1~H29.3.31):30万円
支給額合計(①+②)=45万円
※1トライアル雇用助成金を支給しているため、この期間は受給対象外です
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6. まとめ


いかがでしたか?
「特定求職者雇用開発助成金」と聞くとなんだか難しそうに聞こえますが、
女性(男性)が家庭や子育と仕事の両立、シングルマザーの生活を応援する助成制度です。
対象になる労働者の年齢にこだわらないのであれば、特に60歳以上の労働者の場合、その多くはそれまで他の企業で仕事を行っていた労働者であり、今までで培ったノウハウ等を有効活用できる雇用の可能性もあります。
事業主様の採用コストが安くなるという点ではひとつの方法かもしれません。

新しく労働者雇用を検討中の事業主の方は、一度、検討してみる価値はありますね。
国としても雇用の安定化、長期化が狙いですから、助成金をきっかけとして会社の制度等を見直すことは、多様化する社会で再チャレンジが可能になる助成金の活用方法ではないでしょうか。

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