キャリアアップ助成金の「正社員化コース」について調べてみた。

1.キャリアアップ助成金ってなに?

キャリアアップ助成金とは、企業の経営を助け、雇用の維持や促進することを目的に、主に厚生労働省が中心となって、ハローワーク等が公募を行っている公的助成金の一種で、財源は、企業が支払っている雇用保険の一部です。
日本国内の”非正規労働者の減少”を目的として、厚生労働省が特に力を入れています。
ちなみに、借入と違って利息の支払や返済が不要ですが、有期労働者やアルバイトなどの”非正規雇用者を正社員にするための制度”を会社が設け、更に実際に対象者が発生したときに受給できる助成金です。

今回はそんな「キャリアアップ助成金」について、申請方法など詳しくご紹介します。

2.キャリアアップ助成金のコース区分

平成29年4月1日まで、キャリアアップ助成金のコース区分は以下の3つでした。

【以前のキャリアアップ助成金の3つのコース】
1.正社員化コース
2.人材育成コース
3.処遇改善コース

しかし平成29年4月1日から、コース区分が以下の8コースに変更になりました。
1.正社員化コース
2.人材育成コース
3.賃金規定等改善コース
4.健康診断制度コース
5.賃金規定等共通化コース
6.諸手当制度共通化コース
7.選択的適用拡大導入時処遇改善コース
8.短時間労働者労働時間延長コース

今回は、この中の「正社員化コース」に特化して見ていきましょう。

キャリアアップ助成金の「正社員化コース」とは?

「正社員化コース」とは、6か月以上雇用実績のある正規雇用労働者が多様な正社員に転換し、さらに6か月継続雇用すると、該当者1人につき助成金が支給されるというものです。(所属している企業規模が中小企業と大企業とで支給される助成金の金額が変わります。)
有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等を助成するという目的があります。
今年度、この「正社員化コース」にも大きな変更と拡充点がありました。
変更点は以下の通りです。

キャリアアップ助成金の正社員化コースについて
出典http://www.mhlw.go.jp/

大きな変更点は、正規雇用労働者に「多様な正社員(勤務地・職務限定・短時間正社員)を含めるという点です。
多様な正社員へ転換した場合の助成額を増額します。

上記でも述べたように、支給される助成金の金額は企業規模によって異なります。
大企業の範囲は以下の通りです。
キャリアアップ助成金の大企業の範囲
参照http://www.mhlw.go.jp/

それでは、キャリアアップ助成金「正社員化コース」を申請するにあたり、いくつか条件があるのでチェックしていきましょう。

申請の条件

1.雇用保険適用事業所であること
2.キャリアアップ管理者を置いていること
3.キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けていること
4.キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んでいること

キャリアアップ管理者とは
事業所毎に選任しなければならず、有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識および経験を有していると認められる人。

キャリアアップ計画とは
有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、⽬標を達成するために事業主が⾏う取り組み)をあらかじめ記載したもの 。

まとめると、
・会社が雇用保険に加入しており、
・キャリアアップを後押しする責任者がいて、
・会社としてキャリアアップ出来る環境を準備し、
・それらを計画的に行っていく旨の申請をし認定を受けた上で、
・非正規雇用者を正規雇用に転換する事で受け取る事が出来るのが、キャリアアップ助成金の正規雇用等転換コース、ということですね。

※詳しくは、厚生労働省のページをご確認ください!

3.キャリアアップ助成金の「正社員化コース」の申請方法は?

キャリアアップ補助金の申請方法

では、実際に申請する際の流れを見てみましょう。

申請までの流れ
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1. 対象労働者の6ヶ月以上雇用(派遣労働者の場合は、派遣元での6ヶ月以上の雇用)
2. キャリアアップ計画の作成・提出 キャリアアップ計画書はこちらから
3. 就業規則の整備
4. 正規雇用等への転換
5. 転換後6か⽉分の賃⾦を⽀給・⽀給申請
6. 支給決定
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1. 対象労働者の6ヶ月以上雇用(派遣労働者の場合は、派遣元での6ヶ月以上の雇用)
ここでの対象労働者に関してですが、上記でも述べたように、大きな変更がありました。
正規雇用労働者に「多様な正社員(勤務地・職務限定・短時間正社員)を含めるという点です。
※詳しくは、厚生労働省のHPをご確認ください!

2. キャリアアップ計画の作成・提出
①雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ管理者を配置します。
②役員や管理職以外の従業員代表者の意見を聞き、キャリアアップ計画を作成し、所轄の労働局長の確認を受けます。
③キャリアアップ期間開始(転換or直接雇用)の1ヶ月前までにキャリアアップ計画を提出しなければいけません。

3. 就業規則の整備
①就業規則は所轄の労働基準監督書に提出が必要です。提出の際は、就業規則届、労働者の意見書も必要です。
※キャリアアップ計画提出前に、転換制度が規定してあった場合は大丈夫です。但し、試験等の手続き、対象者の要件、転換実施時期の記載はマストです!
②就業規則等の制定前に、転換や直接雇用をしてしまった場合は対象外となります。

4. 正規雇用等への転換
①就業規則等にしたがって転換・直接雇用を行ってください。この手続きと違う手続きで転換・直接雇用を行うと対象外になります。
②転換前、転換後の労働条件通知書は、対象労働者に交付し、会社控えも保存が必要です。
③転換後に適用される就業規則に規定されている労働条件や待遇である事がマストです!(賞与や退職金、手当、雇用保険・社会保険の加入など)
④派遣労働者を正規雇用労働者または無期雇用労働者として直接雇用する場合は、直接雇用前の基本給より5%以上昇給させる事が条件。

5. 転換後6か⽉分の賃⾦を⽀給・⽀給申請
①6ヶ月間賃金を支給しなければ、助成金の支給申請ができません。
②転換後6ヶ月目の賃金が支払われた日の翌日から2ヶ月以内の申請が必要です。
③転換日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、適用事業所において雇用保険被保険者を解雇等事業主の都合により離職させた場合は受給資格がなくなります。
④支給申請日までに対象労働者が離職した場合は対象外です。

6. 支給決定
①支給決定書が届いた後、助成金が振り込まれます。
②混み合っている状況等を踏まえ、入金まで約4ヶ月程度はかかる旨ご認識ください。

4. まとめ

正社員化コースの助成金の必要書類

いかがでしたか?
東京都の場合には、東京都正規雇用転換促進助成金という制度があり、例えば、有期雇用労働者を正社員へ転換した場合、50万円(大企業の場合にも50万円)が上乗せで受給が受けられます!
その為、キャリアアップ助成金の60万円に50万円上乗せで、110万円の助成が受けられる事になります。
※詳しくは、こちらをご確認ください!

もちろん助成金は国の施策なので、施策が変わったり、予算に達したりした場合等は変更になるかもしれません。
ボーナスの財源や、福利厚生の充実に充てる等、従業員に還元するために活用したり、優秀な人材の確保や、より生産性の高い設備の導入に使って事業の競争力を高めたりと、使い道は自由です。
儲ける為ではなく、会社の成長の為に使うものである事を忘れずに活用してみてくださいね。

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