少子高齢化が進む中、60歳以上の高年齢労働者が職場で活躍する機会は年々増加しています。一方で、加齢に伴う身体機能の変化により、転倒・腰痛・熱中症などの労働災害リスクも高まっています。2024年の休業4日以上の労災死傷者のうち60歳以上が全体の3割を超えており、早急な対策が求められています。
こうした状況を受け、令和8年4月1日には改正労働安全衛生法が施行され、高年齢労働者の労働災害防止措置が事業者の「努力義務」となりました。これに連動する形で、厚生労働省が支援するのが「エイジフレンドリー補助金(高年齢労働者の安全衛生確保対策補助金)」です。令和8年度は予算額も前年度の7.6億円から9.5億円(約25%増)に拡充されており、活用しやすい環境が整っています。
本記事では、令和8年度(2026年度)のエイジフレンドリー補助金の変更点や概要、熱中症対策コースの詳細などを解説します。
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この記事の目次
エイジフレンドリー補助金・エイジフレンドリーとは?わかりやすく解説
「エイジフレンドリーとは」「エイジングフレンドリーとは」という検索が多くあります。まず基本から整理します。
「エイジフレンドリー(Age-Friendly)」とは、「年齢に配慮した・高齢者に優しい」という意味です。職場における「エイジフレンドリー」とは、加齢に伴う身体機能の変化(筋力低下・バランス感覚の低下・視力低下など)に配慮した安全な職場環境を整えることを指します。「エイジングフレンドリー」とも表記されますが、同じ意味で使われています。
「エイジフレンドリー補助金」は、こうした取り組みにかかる費用の一部を国が補助する制度です。正式名称は「エイジフレンドリー補助金(高年齢労働者の安全衛生確保対策補助金)」で、厚生労働省が所管し、2020年度に創設されました。
令和8年度エイジフレンドリー補助金の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 費用の1/2 |
| 補助上限額 | 最大100万円(令和7年度実績ベース) |
| 対象事業者 | 労災保険加入の中小企業事業者 |
| 予算額 | 9.5億円(令和7年度比約25%増) |
| 公募開始時期 | 例年5月頃(令和8年度も同様のスケジュールを想定) |
| 申請受付期間 | 例年5月中旬〜10月末頃(先着順・予算終了次第締切) |
| 申請方法 | 郵送または宅配便による書類申請 |
| 主管 | 厚生労働省・一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会 |
本補助金は先着順となるケースが多く、予算がなくなり次第受付を終了します。申請から交付決定までは約2か月程度かかります。公募開始前から見積もり取得などの準備を進めておくことが重要です。
令和8年度の公募要領は2026年5月現在まだ公表されていません。詳細は公式サイト(厚生労働省)で随時ご確認ください。
令和8年度の主な変更点
令和8年度は制度内容が大きく変更されています。最大の変更点は、複数のコースが統合・再編されたことです。
| 令和7年度(旧) | 令和8年度(新) |
|---|---|
| 総合対策コース | 専門家総合対策コース(3コースを統合) 専門家によるリスクアセスメントの実施が前提 |
| 職場環境改善コース | |
| 転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース | |
| コラボヘルスコース(健康診断・保健指導) | コラボヘルスコース(継続) |
| 熱中症対策コース | 熱中症対策コース(令和8年度の注目コース) |
令和8年度の大きな特徴として、「熱中症対策コース」が事実上の有望コースとして位置づけられています。また、令和8年4月1日からの改正労働安全衛生法施行により、「専門家総合対策コース」では専門家によるリスクアセスメントの実施が申請前提となっています。
熱中症対策補助金(エイジフレンドリー補助金 熱中症対策コース)2026年度
「熱中症対策補助金 2026」「空調服 補助金 2026」という検索が多くあります(計約568インプレッション)。令和8年度のエイジフレンドリー補助金では「熱中症対策コース」が中心的な位置づけとなっています。
高温環境下での作業や屋外作業において、60歳以上の高年齢労働者の熱中症リスクを低減するための設備・機器の導入費用を支援するコースです。
【補助対象となる熱中症対策の例】
- スポットクーラー・冷風扇・送風機など冷却設備の導入
- 空調服(ファン付き作業服)の導入
- 冷却ベスト・冷却タオルなど個人用冷却用品
- WBGT(暑さ指数)測定器の設置
- 休憩スペースのエアコン設置・冷水補給設備の整備
- 日よけテントや屋根の設置(屋外作業場)
「空調服 補助金 2026」という検索も一定数あります。空調服(ファン付き作業服)は熱中症対策コースの補助対象として位置づけられています。ただし、個人用の消耗品扱いとなるものについては対象外となるケースもあるため、公募要領の確認が必要です。
エアコン・空調設備も補助対象?
「エイジフレンドリー補助金 エアコン」という検索も多くあります。休憩スペースや作業場のエアコン設置は、熱中症対策コースの補助対象となり得ます。ただし、以下の点に注意が必要です。
- エアコン設置の目的が「高年齢労働者の熱中症防止」であることが条件
- 事務所全体の空調改善など、高年齢労働者の安全対策と直接結びつかないものは対象外
- 補助対象となる工事費・設備費の範囲は公募要領で確認が必要
- 交付決定前の購入・発注は補助対象外
アシストスーツ(パワーアシストスーツ)は補助対象?
「アシストスーツ 補助金 厚生労働省」という検索があります。アシストスーツ(パワーアシストスーツ)は、腰への負担を軽減し腰痛リスクを低減する機器として、令和7年度までは「転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース」や「職場環境改善コース」の補助対象として認められていたものがあります。
令和8年度からは「専門家総合対策コース」に統合されているため、令和8年度の公募要領が公表された際に対象設備として記載があるか確認することが重要です。専門家によるリスクアセスメントを経た上で、腰痛リスクの高い作業に対してアシストスーツの導入が有効と判断される場合に補助対象となる可能性があります。
令和8年度の申請コース別の概要
①専門家総合対策コース(令和8年度新設・統合)
令和7年度まで別々のコースだった「総合対策コース」「職場環境改善コース」「転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース」が統合されたコースです。
- 専門家によるリスクアセスメントが前提条件:事前に専門家(労働安全衛生コンサルタント等)がリスクアセスメントを実施した上で、その結果に基づく対策を補助
- 手すりの設置・滑り止め加工・段差解消・照明改善などの転倒防止対策が対象
- 腰痛対策のための設備導入・運動指導も含む
- 令和8年度から「2段階申請」が必要となる場合があり、準備に時間がかかる点に注意
②コラボヘルスコース
産業医・保健師などの専門家が事業場に出向き、健康診断結果を活用した保健指導を行う取り組みを支援するコースです。
- 医師・保健師・管理栄養士等による個別保健指導
- 健康診断の結果に基づいた生活習慣病予防指導
- 身体機能チェックと結果に基づく運動指導
③熱中症対策コース
前述のとおり、令和8年度の注目コースです。60歳以上の高年齢労働者が働く職場での熱中症対策設備・機器の導入を支援します。
対象事業者と主な要件
エイジフレンドリー補助金の対象事業者は、労災保険加入の中小企業事業者です。
- 労働保険(労災保険)に加入していること
- 中小企業事業者であること(業種ごとの基準あり)
- 高年齢労働者(60歳以上)を使用していること
- エイジアクション100等のリスクアセスメントを実施していること(コースにより要件異なる)
- 労働安全衛生法等の規定に違反していないこと
申請前に準備しておくこと
令和8年度の公募要領は例年5月頃に公表されます。公募開始前から以下の準備を進めておくことが採択率向上につながります。
- □ リスクアセスメントの実施:エイジアクション100などを活用した職場の危険箇所の洗い出し
- □ 高年齢労働者名簿の整備:60歳以上の従業員一覧を準備
- □ 導入したい設備の検討と見積もり取得:交付決定前の購入は対象外のため、見積書のみ取得
- □ 労働保険関係書類の準備:労働保険料納付済証明書など
- □ 令和8年度公募要領の確認:公表され次第、コース・対象経費・申請方法を確認
法改正との関係(令和8年4月1日施行)
令和8年度のエイジフレンドリー補助金は、令和8年4月1日施行の改正労働安全衛生法と密接に連動しています。
この改正により、すべての事業者に対して、60歳以上の高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善・適切な作業管理などの措置が「努力義務」として課せられました。これは、2020年策定の「エイジフレンドリーガイドライン」が法律に基づく指針へと格上げされるものです。
補助金を活用した設備導入・環境改善は、この努力義務への対応実績としても活用できます。法改正への対応という観点からも、早めの申請・対策実施が重要です。
エイジフレンドリー補助金に関するよくある質問
エイジフレンドリー補助金とは何ですか?(エイジフレンドリーとは)
エイジフレンドリー補助金(正式名称:高年齢労働者の安全衛生確保対策補助金)は、60歳以上の高年齢労働者が安全に働ける職場環境の整備にかかる費用を国が補助する制度です。厚生労働省が所管し、2020年度に創設されました。「エイジフレンドリー」とは「年齢に配慮した・高齢者に優しい」という意味で、「エイジングフレンドリー」とも呼ばれます。補助率は費用の1/2、補助上限額は最大100万円(令和7年度実績ベース)で、労災保険加入の中小企業事業者が対象です。
令和8年度(2026年度)エイジフレンドリー補助金の変更点は?
令和8年度の主な変更点は2つです。①「総合対策コース」「職場環境改善コース」「転倒防止・腰痛予防のための運動指導コース」が統合され「専門家総合対策コース」となりました。専門家によるリスクアセスメントの実施が前提条件となります。②令和8年度の有望コースは「熱中症対策コース」で、空調服・スポットクーラー・WBGT測定器などの熱中症対策設備の導入費用が補助対象となります。予算額は前年度比25%増の9.5億円です。
熱中症対策補助金(熱中症対策コース)とは?空調服は対象になりますか?
熱中症対策コースは、60歳以上の高年齢労働者が働く職場での熱中症対策設備・機器の導入費用を支援するコースです。空調服(ファン付き作業服)も補助対象として位置づけられています。そのほか、スポットクーラー・冷風扇・WBGT測定器・休憩スペースのエアコン設置なども対象となる場合があります。ただし、個人用消耗品として扱われるものは対象外となる場合もあるため、公募要領での確認が必要です。
アシストスーツ(パワーアシストスーツ)は補助対象になりますか?
令和8年度からは「専門家総合対策コース」に統合されているため、令和8年度の公募要領が公表された際に補助対象設備として記載があるか確認することが必要です。専門家によるリスクアセスメントで腰痛リスクが高いと判断された作業に対してアシストスーツの導入が有効とされた場合に補助対象となる可能性があります。詳細は公募要領または事務局にお問い合わせください。
令和8年度の申請期間はいつからですか?
令和8年度の申請期間は、2026年5月現在まだ公表されていません。例年5月頃に公募要領が公開され、5月中旬〜10月末頃が受付期間となっています。申請は先着順で、予算がなくなり次第締め切りとなります。最新情報は厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html)または一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会の公式サイトでご確認ください。
エイジフレンドリー補助金を申請できる事業者の条件は?
主な条件は①労働保険(労災保険)に加入していること、②中小企業事業者であること、③60歳以上の高年齢労働者を使用していること、④エイジアクション100などのリスクアセスメントを実施していること(コースにより要件異なる)、⑤労働安全衛生法等の規定に違反していないことです。令和8年度の詳細要件は公募要領公表後に確認が必要です。
エアコン設置はエイジフレンドリー補助金の対象になりますか?
休憩スペースや高温環境の作業場へのエアコン設置は、熱中症対策コースの補助対象となり得ます。ただし、設置目的が「高年齢労働者の熱中症防止」であることが条件です。事務所全体の快適性向上など、高年齢労働者の安全対策と直接結びつかない場合は対象外となる可能性があります。詳細は公募要領または事務局にご確認ください。
まとめ
令和8年度エイジフレンドリー補助金は、2026年4月の改正労働安全衛生法施行(高年齢労働者の労災防止措置の努力義務化)と連動した重要な支援制度です。
ポイントを整理します。
- エイジフレンドリーとは:年齢に配慮した職場づくりのこと。「エイジングフレンドリー」とも呼ばれる。補助金の対象は労災保険加入の中小企業事業者
- 令和8年度の最大の変更点:3コースが統合され「専門家総合対策コース」となった。専門家によるリスクアセスメントが前提条件
- 注目コースは熱中症対策コース:空調服・スポットクーラー・エアコン・WBGT測定器などが補助対象。「熱中症対策補助金 2026」として検索される
- 予算額は前年比25%増の9.5億円:先着順のため、公募開始後は早めの申請が重要
- 申請準備は今から:リスクアセスメントの実施・見積もり取得・高年齢労働者名簿の整備を公募前に済ませておく
少子高齢化が進む昨今、働く意欲のある高齢者が安全に長く働ける職場環境の整備は、企業にとっても大きなメリットがあります。法改正への対応も含め、エイジフレンドリー補助金を上手に活用し、職場環境を整えていきましょう。
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