マイホームは人生で大きな決断のひとつだからこそ、初期費用はもちろん、毎月の光熱費や住み心地、岩手の寒い冬を快適に過ごせるかどうかまで、気にかかることが多いのではないでしょうか。近年は断熱性能の高い省エネ住宅への関心が高まる一方で、性能を上げるほど建築費用も膨らみやすいのが現実です。
そうした方々の負担を少しでも軽くするため、岩手県では令和8年度(2026年度)も、省エネ性能の高い住宅の新築・購入を対象とした補助制度「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」を実施しています。
なお、本制度を活用するためには、「岩手型住宅賛同事業者」または「岩手県地域型復興住宅地域住宅生産者グループ」の登録事業者であることが要件となります。計画段階で、建設・販売事業者に、本制度に対応しているか事前にご確認ください。
これから岩手県で家を建てたい方、新築の建売住宅を購入したい方は、ぜひ本記事で制度の詳細をご確認ください。
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この記事の目次
いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金とは
「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」(岩手省エネルギー住宅建設推進事業費補助金)は、いわてZEH+住宅等普及促進事業費のうち新築向けとして、岩手県内で省エネ性能の高い住宅を新築する個人、または新築建売住宅を購入する個人に対して、建設費用の一部を補助する制度です。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、ZEH(ゼッチ)を上回る高断熱・高効率のZEH+(ゼッチプラス)住宅を支援対象としており、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を活用して実施されています。
すべての要件を満たす場合、最大で257万3,000円の補助を受けられるため、岩手県で新築住宅を建てる際の費用負担を大きく軽減できます。ただし、本補助金を申請する場合、FIT又はFIP(電力買取制度)の認定を受けることはできず、PPA・リース契約の場合もPPA・リース事業者がFIT制度・FIP制度を活用することは認められていません。
令和8年度の主な変更点
過去年度から申請を検討していた方向けに、令和8年度(2026年度)における主な変更点・更新点をまとめます。
| 項目 | 変更内容 |
|---|---|
| 受付期間 | 令和8年5月18日(月)~令和8年12月4日(金) |
| 募集戸数 | 合計19戸(断熱等性能等級6等:11戸/断熱等性能等級7等:8戸)の戸数枠が新たに明示 |
| 対象事業期間 | 環境省の交付金の内示日(令和8年4月9日)以降に着手し、令和9年3月15日までに完了する事業が対象 |
| 対象者の明確化 | 新築戸建住宅の建築主に加えて、新築戸建建売住宅(建売を前提に建築され、一度も登記されていない住宅)の購入者も対象であることが明文化 |
| PPA・リース契約 | 関連する要件が新たに明記 |
| 正式名称の拡張 | 「いわてZEH+住宅等普及促進事業費のうち新築向け」が併記されるように |
なお、補助額の最大値(257万3,000円)や補助対象設備の構成は前年度から変わりません。
補助対象となる住宅と補助額
本補助金の補助率・補助額は、建築する家の断熱等性能等級や導入設備によって異なります。詳しくは以下の表をご覧ください。
| 区分 | 申請区分 | 補助額・補助率 | 補助対象経費 |
|---|---|---|---|
| ① ZEHを上回る基準 (断熱等性能等級6等) | 必須 (①or②) | 定額 100万円/戸 | 材料及び設備の購入、並びに工事に要する経費 |
| ② ZEHを上回る基準 (断熱等性能等級7等) | 必須 (①or②) | 定額 180万円/戸 | 材料及び設備の購入、並びに工事に要する経費 |
| ③ 太陽光発電設備 | 必須 | 7万円/kW × 5kW (上限 35万円/戸) | 設備の購入及び工事に要する経費 |
| ④ HEMS | 必須 | 補助率 2/3 (上限 6万6,000円/戸) | 設備の購入及び工事に要する経費 |
| ⑤ 蓄電池 | 選択 | 補助率 1/3 (上限 35万7,000円/戸) | 設備の購入及び工事に要する経費 |
上記のうち、「①or②(ZEHを上回る基準)」「③太陽光発電設備」「④HEMS」は必須項目です。「⑤蓄電池」は選択制で、設置するかどうかは建築主の判断となります。
断熱等性能等級7等を選択し、すべての設備を設置した場合、最大で257万3,000円の補助を受けられます(②+③+④+⑤)。断熱等性能等級6等を選択した場合の最大額は177万3,000円です。
なお、以下の要件を満たすことで、ZEHを上回る基準と認められます。
①断熱等性能等級6等
・①住宅の外皮性能は、地域の区分ごとに定められた外皮平均熱貫流率(UA値)を満たすこと(2地域:0.28以下、3地域:0.28以下、4地域:0.34以下)
・②設計一次エネルギー消費量は、再エネ等を除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上削減されていること
・③太陽光発電設備を導入すること
・④設計一次エネルギー消費量は、再エネ等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること
・⑤HEMSを導入すること
②断熱等性能等級7等
・住宅の外皮性能は、地域の区分ごとに定められた外皮平均熱貫流率(UA値)を満たすこと(2地域:0.20以下、3地域:0.20以下、4地域:0.23以下)
・「断熱等性能等級6等」の要件②~⑤のすべてを満たすこと
省エネ・創エネに関する要件が細かく決められているため、設計段階で建設業者と確認しておきましょう。
補助対象者と対象要件
本補助金の補助対象者は、以下のいずれかに該当する個人です。
・岩手県内の新築戸建建売住宅(建売を前提に建築され、一度も登記されたことのない住宅)の購入者
いずれの場合も、補助対象者が常時居住する専用住宅であることが条件です。住宅の一部に店舗等の非住居部分がある場合は、住居部分が要件を満たす必要があります。
対象要件
補助を受けるためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。
・県産木材を5㎥以上使用すること
・要綱別表第1に定めるZEHを上回る基準に掲げるいずれかの種別の要件(断熱等性能等級6等又は7等)を満たすこと
・ZEHを上回る基準であることを示す証書を取得すること
・要綱別表第2に掲げる補助対象設備(太陽光発電・HEMS・蓄電池)の要件を満たすこと
・建設現場見学会等を実施すること(建設過程の現場見学会/建設完了時の現場見学会/ホームページ等での公開/その他から選択)
・気密工事の完了後、気密性能試験を実施し、相当隙間面積(C値)1.0㎠/㎡を満たすこと
・遵守事項に関する確認書の内容を理解した上で補助金を申請すること
中古設備の導入は補助対象外です。また、申請者及び建設業者は、住宅の温熱環境の測定やヒアリング等(大学等の研究機関、環境省、岩手県との連携)に協力する必要があります。
太陽光発電・HEMS・蓄電池の詳細要件
設備ごとに細かい要件が定められています。設計時にメーカー・型番の確認を必ず行いましょう。
①太陽光発電設備
・太陽電池モジュールの公称最大出力、またはパワーコンディショナの定格出力が10kW未満であること
・FIT又はFIPの認定を取得しないこと(PPA・リース事業者がFIT・FIPを活用することも不可)
・自家消費比率:敷地内の再エネ発電設備で発電して消費する電力量を、発電量の30%以上とすること
・環境価値のうち需要家(住まい手)に供給した電力量に紐づく環境価値は、需要家に帰属させること
②HEMS
・太陽光発電設備等の発電量等を把握した上で、住宅内の暖冷房設備・給湯設備等を制御可能であること
・環境省「ZEH支援事業」公募要領<個人申請編>の「ZEH+の選択要件」における「高度エネルギーマネジメント」のHEMS要件を満たすこと
・ECHONET Lite認証およびECHONET Lite AIF認証相互接続性の要件を満たすこと
③蓄電池
・太陽光発電設備の付帯設備であること
・平時において充放電を繰り返すことを前提とした設備で、停電時のみの非常用予備電源ではないこと
・155千円/kWh以下(工事費込み・税抜き)の蓄電システムであること(国の実施要領上は125千円/kWh以下が努力目標)
・環境省「ZEH支援事業」の対象製品として執行機関の登録を受けた製品であること
申請スケジュールと申請書類
本補助金の申請受付期間は、令和8年5月18日(月)から令和8年12月4日(金)までです。ただし、補助金の交付申請額が予算額に達し次第、期間内であっても受付を停止します。
先着順であるため、要件を確認次第、早めに準備を進めることをおすすめします。
よくある質問
建売住宅の購入も対象になる?
はい。令和8年度から、建売を前提に建築され一度も登記されていない新築戸建建売住宅の購入者も対象となることが明文化されました。建売住宅の場合、PPAやリース契約に該当するケースもあるため、契約書類の準備が必要です。
「岩手」と「いわて」は同じ制度?
同じ制度です。正式名称はひらがなで「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」と表記されますが、検索などでは漢字の「岩手省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」と表記されることもあります。どちらも本記事で解説している制度を指します。
岩手県住宅設備協同組合とは関係ある?
本補助金の問い合わせ・申請窓口は「一般財団法人 岩手県建築住宅センター」です。岩手県住宅設備協同組合は別組織のため、本補助金に関するご質問は岩手県建築住宅センター(電話 019-623-4420)までお問い合わせください。
国の「みらいエコ住宅2026事業」と併用できる?
補助金によっては併用ができない場合があります。申請前に岩手県建築住宅センターおよび併用を検討している補助金の事務局へ確認することを推奨します。
ZEHとZEH+(ゼッチプラス)の違いは?
ZEH+は、ZEHの要件に加えて、より高い断熱性能(断熱等性能等級6又は7)、再エネ等を除いた一次エネルギー消費量の25%以上削減、高度エネルギーマネジメント(HEMS)の導入等を求められる、よりグレードの高い住宅基準です。本補助金はこのZEH+住宅以上の住宅が対象となります。
まとめ
「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」(岩手省エネルギー住宅建設推進事業費補助金)は、令和8年度(2026年度)も、岩手県内で省エネ性能の高い新築戸建住宅を建てる方、または新築建売住宅を購入する方が活用できる支援制度です。住宅の断熱性能などの向上に加えて、地域材の利用や情報発信等の取り組みも要件となる点が特徴です。
令和8年度の募集戸数は合計19戸(断熱等性能等級6等:11戸/7等:8戸)で、先着順で受付が締め切られます。岩手県で省エネ住宅の建築・購入を検討している場合は、早めに制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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