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事業再構築補助金の採択結果からコロナに負けない事業再構築の事例をご紹介します!

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令和3年3月26日~5月7日まで公募が行われた「事業再構築補助金」の緊急事態宣言特別枠の採択結果が6月16日に公表されました。

第1回の締め切り分の申請件数は5,181者、うち、申請要件を満たした者は4,326者で、厳正な審査の結果2,866者の採択事業者が決定しています。

今後の応募時の参考のために、どのような事業が採択を受けているのか事業内容を確認してみましょう!
▼通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠については、6月18日(金)に採択結果が公表されています。
https://www.chusho.meti.go.jp/corona/2021/20210618.html
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この記事の目次

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事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金は、売上減少に苦しみながらも事業再構築に取り組む中小企業等を支援する補助金で、条件によっては最大で1億円が補助されるという点や1兆1485億円もの大規模予算をもとに行われるという点で注目されている補助金です。

ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などの思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援します。

【主な申請要件】
■売上が減っていること
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している必要があります。

■事業再構築に取り組むこと
事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行います。

■認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定します。

緊急事態宣言特別枠とは

事業再構築補助金の「緊急事態宣言特別枠」では、令和3年の緊急事態宣言により深刻な影響を受けた中小企業等のために、補助率が引き上げられています。

出典:事業再構築補助金 事務局ホームページ

【緊急事態宣言特別枠の対象者】
主な申請要件を満たし、かつ緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年1~6月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者が緊急事態宣言特別枠の対象となります。

【対象事業】
事業再構築補助金の対象となる事業再構築とは次の5つを指します。

1、新分野展開
2、事業転換
3、業種転換
4、業態転換
5、事業再編

それでは、緊急事態宣言特別枠で実際にどのような事業が採択されたのか、地域ごとの第1回締め切り分の採択案件をみてみましょう。

【北海道】
・醤油製造メーカーが唐揚げ専門漬けタレで挑むテイクアウト唐揚げ店
コロナによる全国物産展の中止で売上が急減。自社が持つ醤油製造のノウハウを生かし「唐揚げ専門漬けタレ」を開発。3つの拘り(肉、タレ、油)で作る唐揚げを、旧ATM跡地を活用したテイクアウト販売に挑戦!

・森の香りでリフレッシュ!針葉樹精油の製造販売と体験ツアー展開
観光業はコロナ禍で厳しい経営状況が続くが、針葉樹の精油抽出・販売と、コロナストレスにも癒しをもたらす香りを生かした体験ツアーの提供を新たに展開することで、収入の安定と地域の未利用材活用を図る。

・ススキノの老舗居酒屋が挑む!個室レンタルスペース事業による新分野展開
人の流れが少なくなっている札幌ススキノ中心部において居酒屋の個室スペースにテレワーク等に必要な設備を整備し、昼間時間帯に個室レンタルスペースとして営業することで売上拡大を図る。

・こだわりの美容室専売商品をECサイトで提案型販売
コロナの影響で美容室の来店が減少する中、「美容師が造った付加価値の高い自社商品」と「プロ御用達の厳選仕入商品」をEC販売する。YouTubeやAIチャットを組み込み、使い方動画等を配信することで、コンサルティングセールスを実現する。

・ネイリスト向け業種特化型シェアサロン参入による業種転換事業
顧客の中心であった飲食店勤務等の女性が減少。そこで店舗改装とシステム投資を行い、独立ネイリストやその予備軍に対して施設と材料を提供する「シェアサロン」に業種転換を行う。

【東北】
・リモート農園メンタルヘルスカウンセリング事業
美しい津軽富士、岩木山麓の農園で、デジタル回線によるリモート農業のもとでカウンセリングを行い、メンタルヘルス不調者や復職希望者の心理的支援に貢献する。

・宅配ロッカー付き駐車場サービス事業
労働時間が不規則な医療従事者等向け、宅配ロッカー付き駐車場賃貸業。

・プライベートガーデンで家族とペットだけで遊ぶ温泉BBQ&キャンプ事業
裏庭の空間を活用しプライベートガーデンとして貸し切り、今までにないペット保有層のお客様に密を避け安心安全に、家族だけで楽しむことができる空間と美味しい食事と細やかなサービスを提供する。

・飲食店ノウハウを活かしたお米とシャリのサブスクリプションサービスの導入
内食の層をターゲットとして、寿司屋が目利きしたお米を中心にサービスを構築。サブスクリプションの仕組みを構築する。海産加工品や農作物などお米に素材を提案し、技術を活かした商品の提案を行う。

・郷土菓子の缶詰製品化で全く新しい食べ方と市場を創造し事業再構築を実現
画期的な缶詰製造機を導入し歴史ある郷土菓子をベースにした和菓子を缶詰商品化する。健康・介護・アウトドアなど新たな分野へ、新たな市場と顧客を作り出し事業再構築を実現する。

【関東】
・居酒屋からこだわりの十割そばを提供するそば店への転換
コロナ禍の影響が大きい居酒屋をフランチャイズチェーンのそば店に転換し、昼間の昼食需要を中心とする客層にシフトする。手軽でおいしい「こだわりの十割そば」を提供し、地域に愛される食事処にする。

・古代インド健康食品の開発によるヨガスタジオからの業種転換事業
コロナによる売上減が収束しない店舗型のホットヨガスタジオを撤収し、食品製造への業種転換を図る。ヨガでの知見を基に予防医学という観点から健康志向の自然食をコンセプトにした菓子や食品を製造販売する。

・お家でパーティー、オードブルにプラスワンさせる菓子販売製造事業
お誕生日等お祝いでご利用頂いているオードブルにケーキをプラスして販売する。新規性が高いロースィーツを売り出す。(ロースィーツとは健康に良いと言われている話題のスイーツ)

・「ワーケーション事業」による新たな顧客の取り込み
働き方改革に加え、コロナ禍によって加速した新しい働き方(ワーケーション)需要を満たすべく、客室改装とコワーケーションスペース設置工事を実施。 従来の観光客向けではない新たなビジネス需要を取り込むことで、事業再構築を図る。

・おもちゃリサイクルショップにおける非対面型新規サービス・新商品提供事業
ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、玩具等の買取サービスのドライブスルー化と、革新的な新洗浄機の導入により新たなサービスを実現する。

【中部】
・飲食店連携による新たな販売手法と宅飲み客をつなげる交流拠点事業
飲食店の惣菜、調理キットを陳列販売し、一般顧客が予約や買い周りすることなく飲食店の料理を手軽に購入できる、「飲食店の救済」「宅飲み(中食)需要が急増している家庭食の提供」の2つをつなぐ新しいショップの開業。

・老舗氷屋によるお酒・飲み方・グラス・氷のベストマッチサブスク事業
コロナ禍により飲食店への氷の販売数が激減した老舗氷屋が、家飲みでより良いお酒を求める個人に対して、お酒・飲み方・グラスに最適な氷を自社のノウハウを活用して開発製造し、その氷をサブスクにて提供する。

・イタリアンカフェの映像コンテンツ付き冷凍総菜商品通販への業態転換
コロナ禍で売上が落ち込んだイタリアンカフェが、店内飲食の料理提供から家庭で調理する冷凍惣菜を生産、シェフによる映像コンテンツをセットにしてECサイトで販売する事業への業態転換に挑戦する。

・おうち時間が増える昨今「旅する気持ち」を「ギフト」として贈るサービス
コロナ禍で旅行が困難な中、潜在的に「旅のニーズ」の高まりと、遠く離れた友人や知人に「贈り物をしたいニーズ」も高まってきている。そこで「旅のしおり」×「地元ギフト」をマッチングさせたECを全国に展開する。

【近畿】
・既存店舗を活用した料理教室事業による既存事業と新事業の共生共栄
既存飲食店事業は維持縮小しつつ、店の強みと店舗を活用した料理教室を開講する。料理教室事業によって、新たな売上の創出と新たな顧客層の開拓を実現し、既存飲食店事業とのシナジーを生みだす。

・全国初!タクシー会社のノウハウを活かしたカークリーニング事業
ウィズコロナ時代における衛生意識の高まりと自家用車使用機会の増加を背景に、自社が有する車両整備・美化等のノウハウを活かしたカークリーニング事業を始め、売上回復と雇用維持を実現する。

・飲食店の取り組むペットフード製造、販売への事業再構築事業
新型コロナウイルスの影響を受け売上減少が続いている。一方、コロナ禍により、在宅時間が増える中、ペットへかける費用が増加している。滋賀県の地域食材を使用したペットフードの製造販売を実施することで売上の回復を図る。

・携帯ショップ隣接地でのカフェ事業と物販開始による販路拡大事業
コロナ渦での携帯電話の機種変更期間の長期化やネット手続きの普及による売上減少という課題に対して、カフェ事業とスイーツ物販の開始によって常設店舗を持つ強みを活かし、新規顧客の開拓と販路を拡大し売上の拡大を図る。

【中国・四国】
・飲食業のノウハウを活かし、そうざい製造業へ参入する
現在の事業所では法規的な基準がクリアできず許可を取得出来なかったそうざい製造業を取得して委託販売に参入する。スーパーマーケットでの惣菜やオードブル等の委託販売事業に参入する。 直売の他、グループ店へ惣菜の供給もおこなう。

・完全個室型による半無人型オンライン美学フィットネス・エステ事業
今般のコロナ禍における健康二次被害の解消にあたるべく、完全個室で行う高周波美容器、有酸素運動機器、温活よもぎ蒸しの相乗効果による健康と美容のどちらにもコミットできる事業を運営し地場の健康寿命の延伸を図る事業を構築する。

・新規店舗で、昼と夜の業種を変える飲食店の「二毛作ビジネス」への挑戦
官公庁・金融機関等が集中するビジネス街で、昼は「ラーメン屋」夜は「焼き鳥店」を一店舗で行う飲食店の「二毛作ビジネス」に挑戦する。コロナ禍でも根強いジャンルの外食ニーズに対応し、同業者撤退で衰退する地域の受け皿となる。

・医療患者、介護患者、及び身体障害者向け衣料分野の開発と販売事業
ワイシャツ製造を主とする既存事業は新型コロナウイルス感染症の影響が大きく売上の回復見込みが立たない。新たに患者や身体障害向けに機能特化し、かつファッションを楽しめる、衣料品の開発及び販売を行なっていくことで新たな市場を開拓し、事業再構築を行なっていく。

【九州・沖縄】
・創業340年の伝統を受け継ぐうなぎの冷凍調理食品の製造と全国販売
観光客中心のうなぎ料理専門店が冷凍調理食品を新たに開発。強みのブランドや味を活かして、全国の顧客に発送する体制を整えることで、コロナの影響を乗り越え、巣ごもり需要等に対応して事業を継続する。

・低迷する民泊からコロナ渦でも成長するグランピング事業への転換
コロナの影響で民泊事業が低迷しているため、民泊事業における経験を生かし、コロナ渦でも密を避ける旅行として富裕層向けに急成長しているグランピング事業に転換。海前の土地にドーム型テントを2基建設、旅館業を開始する。

・移動販売車(キッチンカー)による新業態飲食事業の立ち上げ
地域農産物など地元の商品並びに他地域の特徴ある農産物を利用した商品開発を行い、常設の店舗ではなく、キッチンカー(移動販売車)にてターゲットとなる顧客層が集まる場所へ移動して商品を販売する。また「ターゲット×時間×場所」を押さえた生産性の高いオペレーションにて事業を展開する。

・沖縄北部(ヤンバル)移住希望者向けトータルサポート
宿泊業から、コロナ禍でも一定需要のある不動産業へ転換する。物件紹介+移住者向けにネット情報だけでは補えない、リアルな地域情報紹介と、沖縄生活を既存のコンドミニアムで体験できるトータルサポートも行なう。

以上、この補助金を活用してどのような取り組みができるか、ごく一部ですが採択案件からピックアップしてご紹介しました。これまでやったことのない事業に挑戦するケース、新しい製造方法・提供方法に挑戦するケースなど、事業を再構築するための様々な取り組みが採択されています。コロナ時代の経済社会の変化に対応できるような取り組みが採択されているのがわかりますね。
参考:事業再構築補助金 採択結果

今後の実施スケジュールは?

これからの「事業再構築補助金」の受付スケジュールは下記の通りです。

第2回公募 5月26日~7月2日18:00まで

第2回の締め切り後、さらに3回程度の公募が予定されています。

まとめ

今回は事業再構築補助金の緊急事態宣言特別枠(第1回締切分)の採択案件をご紹介しました。採択事例をご覧になって、このような事業も対象になるのか、といった発見があったのではないでしょうか。

緊急事態宣言特別枠には採択件数に限りがありますが、不採択となった場合も通常枠で再審査されるため、特別枠へ応募された方はその他の方に比べて採択率が高くなる可能性があります。なお、特別枠については第2回公募で終了を予定しているとのことですので、申請を検討されている方は7月2日の締め切りに間に合うようにご準備ください。

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