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食品製造事業者3社以上で応募可能!海外販路を最大500万円支援する「加工食品輸出先国多角化等支援事業」とは

公開日:2026/3/26 更新日:2026/3/25
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加工食品の輸出拡大を目指す事業者にとって、海外販路の開拓や既存国での商流拡大は重要なテーマです。こうした取り組みを後押しするのが「加工食品輸出先国多角化等支援事業」です。加工食品クラスターによる市場調査、展示会出展、テストマーケティング、商談継続などを支援し、最大500万円の定額補助が受けられます。この記事では、事業概要、対象者、補助対象経費、採択要件、申請時の注意点までをわかりやすく整理して解説します。

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この記事の目次

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加工食品輸出先国多角化等支援事業の概要

「加工食品輸出先国多角化等支援事業」は、農林水産物・食品輸出促進緊急対策事業の一環として実施される補助事業です。加工食品クラスターが取り組む海外販路開拓や、既存の輸出先国での商流拡大を支援する制度として位置づけられています。公募、審査、採択、交付決定などの実務は事務局である株式会社JTBが担い、採択された事業実施主体に補助金が交付されます。

加工食品輸出先国多角化等支援事業の基本情報
事業名加工食品輸出先国多角化等支援事業
事務局株式会社JTB
補助率定額補助
補助上限額1団体あたり500万円(国庫補助金額ベース)
事業実施期間令和9年3月17日まで
本事業は、単なる海外展示会への参加を支援する制度ではありません。輸出先国の多角化既存国での商流拡大につながる、具体的かつ継続的な販路開拓計画が求められます。

支援対象となる取組内容

本事業の対象となるのは、加工食品クラスターが新たな輸出先国の開拓既存輸出先国での販路拡大を目的として実施する取組です。市場調査から展示会出展、現地関係者へのPR、継続商談まで、輸出拡大に必要な幅広い活動が想定されています。

  • 海外ニーズ調査・勉強会:輸出先国の市場動向、消費者ニーズ、規制情報の把握やクラスター内での情報共有
  • テストマーケティング:現地での試験販売、サンプル配布による反応検証
  • 展示会・商談会への参加:海外食品展示会や商談会への出展・参加
  • 現地バイヤー・シェフ等へのPR:ディストリビューター、小売、外食関係者への商品訴求
  • 継続的な商談・商流構築:展示会後も見据えた継続的なマッチングと販路形成
展示会や商談会への参加だけで完結する計画は採択要件を満たしません。採択を目指すには、その後の継続商談や商流構築まで見据えた事業計画を示すことが重要です。

補助対象経費の主な内訳

本事業では、輸出拡大に必要となる幅広い経費が補助対象とされています。人件費や旅費だけでなく、翻訳・通訳費、広告宣伝費、試作費、展示会関連費、認証や商標に関する費用なども対象になり得ます。どの費目も、事業との直接的な関連性や証憑の整備が前提です。

主な補助対象経費
人件費正職員・出向者・嘱託職員等が事業に直接従事した時間に対する給料・手当。時間単価×直接作業時間数で算定し、業務日誌の整備が必要
謝金外部専門家等への謝礼。単価設定の根拠資料が必要で、事業実施主体自身への支払は不可
旅費国内外の交通費、日当、宿泊費など。格安航空券やパック活用など経費節減が求められる
需用費消耗品費、翻訳・通訳費、通信運搬費、広告宣伝費、印刷費、輸送・通関費など
役務費分析、試験、加工など補助的作業にかかる経費
賃借料会場、設備、機器等の賃借料
包材・食品成分分析費包材や食品の成分分析に要する費用
包装・包材デザイン費輸出向け商品パッケージのデザイン制作費
食品・包装・包材試作費原材料費や調査費を含む試作開発費用
広報に係る経費システム開発費、広告費、パンフレット、ポスター、映像等の制作・配布・掲載費
委託費事業費全体の5分の1以内で第三者に委託できる経費。事業の主たる部分の委託は不可
輸出手続に係る経費サンプル送付等、商業目的でない輸出にかかる費用
商標の登録等に係る費用商標登録やGI取得に必要な経費
試験販売等に係る経費調査費、商品改良費、プロモーション費、研修費、商品代、出展料、輸送費等
データベースライセンス費市場調査等に必要なデータベース利用料

このほかにも、専門家の招へい・派遣費、輸出人材の教育費、PRスタッフの研修費・活動費、サンプル品の輸送保険、評価費、会場装飾費なども補助対象となる場合があります。ただし、対象経費かどうかは個別の実施内容や証憑の整備状況によって判断されるため、事前確認が欠かせません。

申請できる事業実施主体

本事業に応募できるのは、一定の法人・団体などです。単独企業向けというよりは、複数の食品製造事業者などが連携した加工食品クラスターによる申請が前提となります。

  • 農林漁業者の組織する団体
  • 商工業者の組織する団体
  • 公益社団法人・公益財団法人
  • 一般社団法人・一般財団法人
  • 特定非営利活動法人(NPO法人)
  • 事業協同組合・協同組合連合会
  • 独立行政法人

上記に該当しない団体であっても、JTBが農林水産省との協議を経て必要と認められた場合には、特認団体として応募できる可能性があります。

特認団体として認められるには、日本国内に主たる事務所があること、代表者が定められていること、定款や経理規程などの組織運営ルールが整備されていること、毎年度の事業計画・収支予算等が承認されていることなど、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 日本国内に所在し、主たる事務所の定めがあること
  • 代表者の定めがあること
  • 定款・組織規程・経理規程等の組織運営に関する規約があること
  • 各年度ごとに事業計画・収支予算等が総会で承認されていること
  • 補助事業全体と補助金の適正な執行について責任を負えること

加工食品クラスターに求められる必須要件

本事業では、事業実施主体やクラスター構成に関して複数の必須要件が設けられています。これらを満たしていない場合、補助対象にならない可能性が高いため、申請前に丁寧な確認が必要です。

クラスター構成に関する主な要件

  • クラスター構成員に3社以上の食品製造事業者が含まれていること
  • 構成員の中に輸出実績のある食品製造事業者が1者以上含まれていること
  • 輸出商社、輸入商社、現地ディストリビューター等と連携して事業を実施すること

事業計画に関する主な要件

  • 事業実施手続や会計手続を適正に行える体制があること
  • 輸出先国・地域向けに輸出可能な加工食品の品目に関する取組であること
  • 課題、スケジュール、実施内容が明確な事業計画であること
  • 展示会参加だけでなく、継続的な商談等を行う取組であること
  • 翌年度に補助金交付額以上の輸出額増加を目指す計画であること
  • 輸出目標額、輸出目標数量、その把握方法を明記すること
  • 自己負担部分について適正な資金調達が可能であること

登録・認定に関する主な要件

  • GFPコミュニティサイトへの登録を行っていること
  • 輸出事業計画の認定を受けていること、または事業期間中に認定を受ける予定であること
  • 事業成果の事例集作成に協力すること
GFPコミュニティサイトへの登録や輸出事業計画の認定は、直前に動き始めると間に合わないおそれがあります。公募開始を待たず、早めに着手することが重要です。

採択で加点される取組

必須要件を満たしたうえで、さらに加点要件に該当する計画は審査上有利に働く可能性があります。採択率を高めたい場合は、単に要件を満たすだけでなく、加点要素をどこまで盛り込めるかも重要な視点です。

主な加点項目
新規輸出先の開拓・既存国での販路拡大新たな国への販路開拓や、既存国での現地系スーパー・レストラン等への販路拡大に取り組む場合
現地系商流に強い事業者の参画現地系小売・外食産業で販売実績を持つ商社や現地事業者がクラスターに参画する場合
高い投資効率翌年度目標における投資効率が2.0以上となるなど、大規模な商流構築を図る場合
重点品目を含む取組味噌、醤油、清涼飲料水、菓子、ソース混合調味料の重点品目を含む場合
新規性のあるモデル的取組輸出の裾野拡大につながる新規性のある取組である場合
輸出向け認証の取得済みISO22000、FSSC22000、ハラール、コーシャ等の認証を取得済みである場合
自己財源の確保クラスター構成員から会費を徴収するなど、自ら財源確保を行っている場合

申請手続きの流れ

本事業では、採択前後で提出すべき書類や手続きが複数あります。採択された後に交付申請を行う流れとなるため、スケジュール管理が重要です。

  • 事業実施計画書の作成・提出
  • 公募選考会による審査
  • 採択または不採択の通知
  • 交付申請書・チェックシートの提出
  • 交付決定
  • 事業実施
  • 実績報告書の提出
  • 補助金額の確定・精算
補助金は原則として精算払ですが、請求により概算払一部精算が認められる場合もあります。資金繰りに不安がある場合は、利用可能かどうかを事前に確認しておきましょう。

成果目標と事業終了後の報告義務

本事業では、補助を受けて終わりではなく、事業終了後の成果確認や報告義務も重要です。採択時には、事業実施年度の1年後を基準とした成果目標を設定し、その後も一定期間の報告が求められます。

成果目標として設定される主な指標

  • 目標年度における輸出額
  • 現行の輸出額からの輸出増加割合
  • 輸出量
  • 商談件数、契約件数、ブランド確立に向けた取組状況など

事業終了後の報告義務

事業終了後は、翌年度から3年間にわたり、毎年度の実施状況報告書を提出する必要があります。成果目標が未達となった場合には、改善措置の指導や追加報告を求められる可能性があります。

収益納付にも注意

補助事業の実施によって相当の利益が生じたと認められる場合は、翌年度から3年間、年間の収益状況を報告し、収益の全部または一部を国庫に納付する必要があります。納付額の上限は確定した補助金額です。

申請にあたっての注意点

本事業を活用する際は、採択要件だけでなく、経費管理や契約手続き、書類保存などの実務面にも注意が必要です。特に補助金は、採択後の運用が不適切だと交付額の減額や返還につながるおそれがあります。

経費の流用制限

事業実施計画に記載した経費区分間で30%を超える増減が生じる場合は、重要な変更としてJTBへの計画変更承認申請が必要です。見積りはできるだけ精度高く行いましょう。

委託の制限

第三者への委託は事前承認が必要であり、委託費は事業費全体の5分の1以内に制限されています。総合的な企画、業務遂行管理、手法の決定、技術的判断など、事業の主たる部分を委託することはできません。

契約方法の原則

売買や請負などの契約は、原則として一般競争入札により行うことが求められます。やむを得ない場合に限り、指名競争入札や随意契約が認められます。

帳簿・書類の保管

補助事業に関する帳簿や証拠書類は、事業完了年度の翌年度から5年間保管する義務があります。経理は他の事業と明確に区分し、補助金の使途を説明できるようにしておく必要があります。

消費税や海外VATの取扱い

消費税仕入控除税額が明らかな場合は減額申請が必要です。また、海外の付加価値税(VAT)還付で手数料等を上回る還付額が見込まれる場合は、還付手続きと国庫納付が必要になることがあります。

交付申請の取下げ

交付申請を取り下げる場合は、申請書提出日から15日以内に取下書を提出する必要があります。採択後に辞退や変更の可能性がある場合は、手続期限も確認しておきましょう。

加工食品輸出先国多角化等支援事業のよくある質問

質問1:単独の食品メーカーでも申請できますか?

原則として、事業実施主体となる団体が、3社以上の食品製造事業者を含む加工食品クラスターを組成して申請する必要があります。構成員には3社以上の食品製造事業者が含まれていることなど、クラスター要件を満たす必要があります。


質問2:展示会への出展だけでも補助対象になりますか?

展示会への出展だけでは不十分です。展示会後の継続的な商談や商流構築につながる計画が求められるため、販路形成まで見据えた事業計画を立てることが重要です。


質問3:採択後に気をつけるべき点は何ですか?

経費区分の変更、委託費の上限、帳簿書類の保管、実績報告、事業終了後の継続報告などに注意が必要です。採択後の運用が不適切だと、補助金の減額や返還につながる可能性があります。


まとめ

加工食品輸出先国多角化等支援事業は、加工食品クラスターによる海外販路開拓や商流拡大を後押しする補助事業です。最大500万円の定額補助が受けられる一方で、クラスター要件、輸出目標、継続商談、GFP登録、輸出事業計画の認定など、採択に向けて押さえるべき条件は少なくありません。

申請を検討する際は、次のポイントを優先して確認しましょう。

  • GFPコミュニティサイトへの登録を済ませているか
  • 輸出事業計画の認定取得に着手しているか
  • 食品製造事業者3社以上を含むクラスターを組成できているか
  • 輸出実績のある事業者が1者以上含まれているか
  • 輸出商社や現地ディストリビューター等との連携体制があるか
  • 展示会後の継続商談・商流構築まで計画に含めているか
  • 補助金額以上の輸出増加を見込める目標設定になっているか
  • 加点要件に該当する取組を盛り込めているか

制度の活用を成功させるには、単に申請書を作るだけでなく、輸出拡大の実現性と事業運営体制の両方を具体的に示すことが重要です。準備不足のまま申請するのではなく、要件確認と計画の磨き込みを十分に行ったうえで、公募に臨みましょう。

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