「地域の魅力はあるのに、観光客が素通りしてしまう」「体験プログラムの拠点となる施設を作りたいが、資金が足りない」「観光客が増えたのは嬉しいが、地域住民との間でトラブルが起き始めている」……観光まちづくりの現場で、そんなお悩みを抱えていませんか?
実は今、こうした課題を一気に解決へと導く強力な支援策として、観光庁の補助金「地域資源を活用した観光まちづくりの推進」が注目を集めています。
今回は、地域の歴史や食、自然、文化といった資源を活かした「体験拠点の整備」や、地域をぐるっと回遊してもらうための「街並み・動線整備」に対し、なんと【最大2億円(補助率1/2)】が支援される「地域の観光資源充実のための環境整備推進事業」の地域資源を活用した観光まちづくりの推進事業についてご紹介していきます。
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この記事の目次
地域の観光資源充実のための環境整備推進事業とは
地域の観光資源充実のための環境整備推進事業とは、地域の観光資源を活用した観光まちづくりを進めるために、観光体験の拠点となる施設整備や街並み整備などを支援する事業です。
地域の歴史や文化、自然などのストーリーを活かした体験型観光を充実させることで、旅行者にとって魅力的な観光地づくりを後押しすることを目的としています。
また、観光客の増加によって地域住民の生活環境に影響が出ることを防ぐため、観光客と地域住民の動線を分ける環境整備なども支援対象となり、こうした取り組みを通じて、旅行者の訪問意欲を高めるとともに、観光客の地方分散や地域内での回遊性向上、消費額の増加など、地域経済の活性化につなげることを目指しています。
事業については以下の3つに分かれています。
①地域資源を活用した観光まちづくりの推進
②歴史的資源を核としたエリア一帯の環境整備
③地域資源の観光活用に係る調査
それぞれの事業内容と補助率、最大補助額、対象については以下のようになっています。
| 区分 | 事業内容 | 事業形態 | 補助率 | 補助上限額 | 補助対象 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①地域資源を活用した観光まちづくりの推進 | 歴史・食・自然・文化などの地域資源を活用した観光まちづくりを推進するため、体験の拠点となる施設整備などを支援 | 間接補助事業 | 1/2 | 最大2億円 | 地方公共団体 DMO(観光地域づくり法人) 民間事業者 等 |
| ②歴史的資源を核としたエリア一帯の環境整備 | 街並みの高質化、観光インフラ整備、歴史的建造物の改修などを支援。 環境整備のためのビジョン・戦略策定や整備効果促進なども対象 | 直接補助事業 間接補助事業 | 1/2 ※ビジョン・戦略策定等は10/10 | 最大1,000万円(※ビジョン・戦略策定等) | |
| ③地域資源の観光活用に係る調査 | 地域の観光資源を組み合わせた観光まちづくりを推進するための調査事業 | 調査事業等 | 10/10 | 最大1,000万円 |
| 支援の対象(整備の方向性) | 具体的な整備内容・活用例 |
|---|---|
| 体験拠点の整備 | 歴史的建造物、郷土料理、酒蔵などの地域資源を活用した体験施設の整備 |
| 街並み・環境の整備 | 歴史的なまちなみの面的な整備、道路の美装化、休憩場所や案内所の整備 |
| トラブル防止(動線分離) | 観光客と地域住民の生活圏・動線を分離するための動線整備 |
対象となる環境整備の経費とは
対象となる取り組みは、主にインバウンドに対して地域ならではのストーリーに基づく体験を創出するか、その価値を高め地域の回遊性を高めるために必要な設備や周辺環境を整える経費が対象となっています。| 補助対象経費の区分 | 補助対象経費 |
|---|---|
| (ア)建造物等の新築、改修、除却、整備等に係る経費 | 建造物等の新築、改修、除却、整備等に係る建築工事費、改修工事費、設計費、付帯工事費、消防施設工事費、舗装工事費等の経費 (対象施設例)体験施設、利便施設、展示施設、宿泊・飲食施設 等 ※除却は改修等と合わせて実施するもの、もしくは新築のために必要なものに限ります。 ※住宅や事務所等の用途は対象外となります。 【想定される施設例】 ・体験施設:伝統工芸体験を実施する工房、自然体験・観察に資する施設、醸造等食文化の体験を実施する施設 等 ・利便施設:他の観光施設への回遊を促す案内施設 等 ・展示施設:地域の歴史・文化・自然・食に関する資料等を展示する施設 等 ・宿泊・飲食施設:古民家等を改修した宿泊・飲食施設 等 |
| (イ)建造物等の周辺環境の整備等に係る経費 | (ア)と合わせて実施する庭や外構の整備等に係る造園工事費等の経費 (対象施設例)庭、案内標識、解説案内板、トイレ、駐車場、柵 等 |
さらに、補助対象となる工事は、原則として建設業法第3条に基づく建設業の許可を受けた事業者に発注できる「建設工事」に限られます。そのため、申請を検討する場合は、観光客の体験価値や地域の魅力向上につながる内容であるかを確認するとともに、工事の発注先や事業内容が補助要件を満たしているか事前に整理しておくことが重要です。
審査のポイントから取り組みと検討してみる
本事業では、地域の観光資源を活用した観光まちづくりの取り組みが、地域の課題やストーリーと結びついた内容になっているかが審査されます。特に、地域全体の観光価値を高める計画となっているか、観光客が地域内を回遊する仕組みがあるかなど、地域の魅力向上につながる取り組みであるかが重要な評価ポイントとなります。具体的には、主に以下の4つの審査観点から総合的に審査が行われます。
主な審査の観点
• 事業計画の妥当性
• 観光体験の具体性
• 施設整備の実現性
• 事業の継続性・体制
審査の観点1:事業計画の妥当性
本事業では、地域の現状や課題を踏まえたうえで、地域の歴史や文化、自然などのストーリーと結びついた観光まちづくりの計画となっているかが重要な審査ポイントとなります。また、特定の施設だけでなく、地域全体の観光価値を高める取り組みであるか、観光客がエリア内を回遊する仕組みが計画に組み込まれているかなど、地域全体の魅力向上につながる事業であるかどうかが評価されます。・地域の現状や課題を踏まえた内容になっているか
・地域のストーリーとつながる観光まちづくりとなっているか
・地域全体の回遊性向上につながる取り組みか
審査の観点2:観光体験の具体性
審査では、地域で提供する観光コンテンツが具体的に想定されているかどうかが重要なポイントとなります。どのような体験を旅行者に提供するのかが明確であることに加え、インバウンドを含む観光客を意識した取り組みとなっているかも評価されます。また、想定する旅行者の属性やニーズなど、ターゲットとなる旅行者層が明確に設定されているかどうかも重要な審査項目です。・提供する観光コンテンツが明確に想定されているか
・インバウンドを含む観光客を対象とした取り組みとなっているか
・ターゲットとなる旅行者層が明確になっているか
審査の観点3:施設整備の実現性
審査では、計画している施設整備が観光体験の提供や観光価値の向上に実際に役立つ内容となっているかが確認されます。また、施設整備に必要な許認可の取得状況や関係者との調整が進んでいるか、事業を円滑に進められる体制が整っているかも重要なポイントです。さらに、工事の工程やスケジュールが具体的に示されており、事業期間内に整備が完了する見込みがあるかなど、計画の実現性が総合的に評価されます。・施設整備が観光体験の提供に役立つ内容となっているか
・必要な許認可や関係者との調整が進んでいるか
・事業期間内に整備が完了する具体的な計画があるか
審査の観点4:事業の継続性・体制
審査では、事業実施後も継続して運営できる体制が整っているかが重要なポイントとなります。具体的には、事業終了後の運営計画や収支計画が現実的に立てられているか、施設を適切に維持管理するための体制が確保されているかなどが確認されます。また、自治体やDMO、地域事業者などの関係者と連携した観光まちづくりの体制が構築されているかも評価され、地域全体で持続的に観光振興を進められる事業であるかが重視されます。・事業終了後の運営計画や資金計画が立てられているか
・施設の維持管理の体制が整っているか
・地域の関係者と連携した観光まちづくりの体制があるか
まとめ
地域の観光資源充実のための環境整備推進事業(地域資源を活用した観光まちづくりの推進事業)は、地域の歴史・食・自然・文化などの資源を活かした体験拠点の整備や、観光客が回遊しやすい街並み・環境整備を支援する補助制度です。体験施設の整備や古民家を活用した宿泊施設、地域の魅力を伝える展示施設など、観光価値を高める施設整備に対して、補助率1/2、最大2億円という大規模な支援を受けることができます。ただし、本事業では単なる施設整備ではなく、「地域のストーリーに基づく観光体験の創出」や「地域全体の回遊性向上」、「事業の継続性」などが重視されます。そのため、地域の課題や観光戦略を踏まえた事業計画を立て、体験コンテンツの具体性や施設整備の実現性、地域関係者との連携体制などを整理したうえで申請を検討することが重要です。地域資源を活かした観光まちづくりを進めたい自治体やDMO、民間事業者にとって、本事業は大きな後押しとなる制度といえるでしょう。
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