環境省が発表した令和8年度概算要求は総額7,097億円で、前年度比119%の増加となりました。脱炭素化やGX(グリーントランスフォーメーション)の推進が重点分野とされ、環境政策と経済成長の両立が図られています。今回は環境省の令和8年度概算要求の概要と、主要な施策について紹介します。
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この記事の目次
環境省 令和8年度予算 概算要求額
環境省の令和8年度概算要求では、「一般会計」と「エネルギー対策特別会計(GX推進対策費を除く)」の総計が4,100億円となりました。対前年度比は136%です。
一方「GX推進対策費」と「東日本大震災復興特別会計」を加えた全体の総計は7,097億円で、前年度比119%となりました。

出典:環境省 令和8年度 環境省重点施策
そのほか、「財政投融資」は700億円と、前年比117%です。
環境省 令和8年度概算要求の主な方針
令和8年度の概算要求では、経済社会システムの転換を通じた環境危機の回避によって、ウェルビーイング(高い生活の質)を目指します。そのために、以下の2つが提示されました。
| ①環境政策を通じて地域の経済の持続的成長と豊かな生活環境を創出し、「新たな成長」を実現する。 ②我が国の国際競争力を強化するとともに、グローバルサウスとの更なる連携を図る。 |
さらに、健康被害やクマ類等の鳥獣保護管理、熱中症対策等に取り組みます。また東日本大震災・原発事故からの復興・再生、能登半島地震からの創造的復興、今後の大規模災害に備えた体制整備についても着実に実施することが明記されました。
環境省 令和8年度概算要求の重点施策
環境省概算要求では重点施策として、以下の2つのコアミッションが掲げられました。
| ■時代の要請への対応(持続可能な成長の推進) ・経済の持続的成長と豊かな生活環境の実現 ・地方創生2.0の実現 ・国土形成と社会資本の価値向上 ・国際競争力の強化とグローバルサウスとの連携 ・科学技術・イノベーションの開発・実証と社会実装 ■不変の原点の追求 ・安全・安心、かつ、健康で心豊かな暮らし ・東日本大震災・能登半島地震からの復興等 |
それぞれ、主な事業をまとめました。()は前年度の金額です。
時代の要請への対応(持続可能な成長の推進)
①環境政策を通じた経済の持続的成長と豊かな生活環境の実現
・建築物等のZEB化・省CO2 化普及加速【エネ特】 125億円(38億円)
・データセンター等デジタル基盤の脱炭素化に向けた環境配慮技術の開発・実証事業【エネ特】 18億円(新規)
・コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業【エネ特】 70億円(70億円)
・モビリティの脱炭素化(商用車、建機、ゼロエミ船等)【GX】 529億円(102億円)
・民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業【エネ特】 129億円(35億円)
・地域脱炭素推進交付金(地域イノベーションモデルを含む)【エネ特+GX】 701億円(385億円)
・資源循環ネットワーク形成及び拠点の戦略的構築に関する調査・実証事業【一部エネ特】 14億円(新規)
・自動車における再生材市場構築のための産官学連携推進事業費 10億円(新規)
・ネイチャーポジティブの実現に向けたルールメイキングと民間企業への支援 5,000万円(3,000万円)
・中小企業を含むバリューチェーン全体の脱炭素経営高度化事業【エネ特】 19億円(新規)
②再エネ・再生材・自然資本等の地域資源の高付加価値化による地方創生2.0の実現
・地域脱炭素実現に向けた具体施策実装支援事業【エネ特】 20億円(新規)
・国立公園満喫プロジェクト等国立公園の保護と利用推進・国民公園の魅力向上 45億円(17億円)
③自然資本を基盤とした国土形成と社会資本の価値向上
・運輸部門等の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業【エネ特】 14億円(14億円)
・住宅の脱炭素化促進事業【エネ特】 90億円(新規)
④環境を軸とした戦略的な国際協調の推進による国際競争力の強化とグローバルサウスとの更なる連携
・第48回南極条約協議国会議(ATCM48)開催経費 2億円(新規)
・地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証【エネ特】 19億円(19億円)
⑤「新たな成長」に向けた環境関連の科学技術の開発・実証・社会実装とイノベーションの創出
・環境研究総合推進費による研究開発・実証と社会実装の推進 57億円(56億円)
GX化をはじめとする業務効率の改善や環境負荷の軽減、新しい技術の開発・実装等の予算が、大きく増額されています。
不変の原点の追求
①「ウェルビーイング/高い生活の質」を実感できる安全・安心、かつ、健康で心豊かな暮らしの実現
・地方公共団体が実施する外来生物対策への支援及び国内へのヒアリの定着防止等 19億円(6億円)
・再資源化事業高度化のための人材育成・確保事業 1億円(新規)
・リユースの促進、食品ロス削減、サステナブル・ファッション、使用済紙おむつ、プラスチック等の資源循環等による循環型社会の実現に向けた支援 19億円(9億円)
②東日本大震災、能登半島地震からの復興・創生及び今後の大規模災害への備え
・「脱炭素×復興まちづくり」の推進【エネ特】 5億円(5億円)
・能登半島国定公園施設災害復旧、能登半島の自然資源を活かしたツーリズムとトキをシンボルとした地域づくりの推進 2億円(新規)
・大規模災害に備えた廃棄物処理体制の構築 14億円(3億円)
再資源化事業の高度化を進める人材の育成・確保や循環型社会の実現へ向けた支援のほか、災害からの復興と観光資源の活用を目指す取組などが掲げられました。
まとめ
環境省の令和8年度概算要求は、前年度比で136%と大きな増額となりました。環境問題の解決と経済構造の転換を目指した取り組みが掲げられ、DX・GX化を推進する事業にも増額がありました。令和8年度も、ウェルビーイング社会の実現を目指した施策が行われる見込みです。
国会の動きを注視しながら来年度の国の方針を見定め、社会的ニーズをチェックしていきましょう。
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