米価が高めに推移する一方、今夏は高温と少雨で水田の水管理が難しくなっています。本記事では、令和7年(2025年)8月時点で利用できる「渇水対策補助金」をまとめました。
募集内容は更新される場合がありますので、最新情報は各自治体の公式サイトをご確認ください。ポンプやかん水設備の導入・更新、燃料費や電気料の支援を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
農林水産省による渇水・高温対策
農林水産省は、令和7年7月30日に「渇水・高温対策本部」を設置しました。これは、全国的に深刻化している高温や水不足が稲作をはじめとする農業生産に与える影響を踏まえ、迅速な現状把握と対応を進めるための組織です。対策本部は農林水産大臣を本部長とし、農産局や畜産局を含む各局長、地方農政局長などが参画する体制となっています。
あわせて、農業現場での渇水対応を支える新たな施策として、「水利施設管理強化事業」が開始されました。この事業では、ポンプの調達・運転や番水(農業用水の分配調整)など、現場で必要となる対策経費を補助します。
参考:農林水産省 渇水・高温対策本部の設置と農業用水対策の支援について
自治体の渇水対策補助金
こうした国の対策に基づき、各地で、農業用水の確保や設備導入を支援する取り組みが実施されています。ここでは代表的な例を紹介します。新潟県【阿賀野市 かん水用機械等整備対策事業費補助金】
阿賀野市では、渇水や異常高温による農作物の被害を防ぐため、かん水に必要な機械や設備の導入・借上げにかかる費用を補助する制度を実施しています。
【対象者】
補助を申請できるのは、次の要件を満たす農業者や農業法人、団体です。
・水稲作付者:かん水が必要な面積が令和7年産水稲作付面積の30%以上または30a以上あること
・園芸作物生産者(販売用):かん水が必要な面積が10a以上あること
【補助対象経費】
令和7年7月1日から11月28日までに借上げ・購入したかん水用機械等が対象です。
| 対象経費 | 対象経費上限額 | 補助額(最大) |
| ポンプ車等の借上料 | 18,700円/日 | 9,350円/日 |
| ポンプの借上料 | 3,200円/日 | 1,600円/日 |
| ポンプの購入費 | 93,100円/台 | 46,550円/台 |
| ホースの購入費 | 8,800円/巻 | 4,400円/巻 |
| ポリタンク(500リットル以上)の購入費 | 28,700円/個 | 14,350円/個 |
| かん水用機械等燃料費 | 1,800円/日 | 900円/日 |
※上限額を超える場合は、上限額の2分の1が補助対象となります。
【補助率・補助額】
対象経費の1/2以内
【申請に必要な書類】
・交付申請書兼請求書
・実施計画書(兼実績報告書)
・ほ場の位置図
・請求書・領収書の写し
・作業日報
・納品または使用状況の確認写真
・振込先口座の通帳またはキャッシュカードの写し
【申請期限】
令和7年11月28日(金)まで
【申請場所】
阿賀野市役所 農林課 農林振興係
新潟県【魚沼市 農作物渇水対策事業補助金】
魚沼市では、少雨や渇水による農作物の被害を防ぐため、農家組合や農業者が行うかん水用設備の導入・借上げなどを支援しています。
【対象地域・期間】
魚沼市全域が対象で、令和7年7月12日から9月30日までに実施された事業が補助対象となります。
【補助対象事業と内容】
支援の対象となるのは、井戸の活用やかん水用機械の導入など、現場で必要となる取組です。
| 区分 | 対象内容 | 補助率・目安額 |
| 井戸活用事業(I型) | 私有または集落所有の井戸を借用し、用水を確保する際の電気料・開栓経費 | 10/10以内 |
| 井戸活用事業(II型) | 水路やため池に給水する送水管・揚水施設などの購入・借上げ経費 | 6/10以内 |
| かん水用機械設置等事業 | 用水量確保のためのポンプ又はタンク等の購入及び借上げ並びにポンプ車等の運転に係る経費(消費税額を除いた金額。)とし、次の金額を上限とする。 (1) ポンプ車等借上 事業に要した経費 (2) ポンプ借上 事業に要した経費(発電機借上含む。) (3) ポンプ購入 126,000円/台 (4) ホース購入 12,000円/本、巻 (5) ポリタンク購入 39,000円/台 | 購入・借上げ:7.5/10以内 運転経費:5/10以内 |
※対象となる「農業者」とは、魚沼ブランド推奨品の園芸品目を生産し、市内生産組合に加盟している方です。
【申請に必要な書類】
申請時には、以下の書類を揃える必要があります。
- 補助金交付申請書兼実績報告書
- 渇水対策事業積算表
- 位置図(受益エリアや設置場所がわかるもの)
- 実施状況を示す写真
- 領収書や請求書などの経費証明
- 振込口座情報
【申請期限と提出先】
令和7年10月24日(金)
申請は、魚沼市役所 産業経済部 農政課(本庁舎2階 17番窓口)に直接持参するか、郵送で提出します。
兵庫県【朝来市 農作物渇水対策補助金】
朝来市では、令和7年度の少雨による農業への影響を受け、農業者が自主的に行う渇水対策を支援する補助制度を設けています。対象となるのは市内で農業を営む個人や法人、農業団体などです。
【主な対象要件】
- 市内に住所を有し、農業を営む個人
- 市内に事業所を有し、農業を営む法人
- 市内の行政区または農業団体
※ただし、市税の滞納がある場合や、同様の補助金を国や他の自治体から受けている場合は対象外です。
【補助対象と内容】
以下のような事業に対して、経費の一部が補助されます。
| 事業区分 | 補助対象経費 | 補助対象期間 | 補助率・上限額 |
| 水中ポンプ等物品購入等事業 | 給水・水中ポンプ、発電機、送水ホース、200L以上のローリータンク等の購入またはレンタル費 | 令和7年7月1日~9月30日 | 1/2(上限10万円) |
| 水管理事業 | 水稲作付面積等に基づき、市長が定める額を算定 | 1/2 |
【申請方法】
申請者は、所定の申請書類を各支所または農林振興課に提出します。補助金の交付は同一申請者につき1回限りです。
【申請に必要な書類】
- 交付申請書や事前着手承認届
- 購入品のカタログ、領収書、写真など(物品購入事業の場合)
- 営農計画書など渇水対策事業を行った面積が確認できる書類(水管理事業の場合)
【申請期限】
令和7年10月31日(金)まで
兵庫県【豊岡市 農業渇水緊急対策事業補助金】
豊岡市では、少雨や高温による農業用水不足に対応するため、農業者や団体がポンプ取水などの緊急対策を行う際に必要な経費を補助する制度を実施しています。
【主な対象要件】
対象となるのは、渇水対策を行う農業者・農会・土地改良区などで、次の条件を満たす方です。
- 市内に住所を有すること
- 市内で水稲・野菜・果樹などの農産物を生産していること
※家庭菜園は対象外です。
【補助対象と補助率】
| 補助対象経費 | 補助対象期間 | 補助率・上限額 |
| 小型ポンプの購入・借上げ(付属ホース等含む) | 令和7年7月1日~8月31日 | 【補助率】 対象経費の1/2以内 【上限額】 個人・法人:10万円 認定農業者等・集落営農組合・農会・土地改良区:20万円 |
| 給水に用いる車両(給水車・散水車・ミキサー車)の借上げ費用 | ||
| 取水措置等に必要な機器の燃料費 |
【申請書類】
- 交付申請書
- 経費が確認できる領収書や契約書類
- 渇水対策の実施状況がわかる写真 等
【申請期限】
令和7年10月31日(金)まで
広島県【三原市 農業用水渇水対策支援事業】
三原市では、例年に比べて降水量が少ない状況を踏まえ、農作物への干ばつ被害を防ぐために渇水対策に取り組む農業者を対象に支援を行っています。
【主な要件】
この補助金を申請できるのは、以下の条件をすべて満たす農業者です。
・市内で農業を営む法人、または2戸以上で渇水対策を行う者
・受益面積が概ね0.5ha以上の農用地を現に耕作していること
・ポンプを用いた渇水対策を行い、事業費が5万円以上であること
・水利の利用について事前に調整を済ませていること
【補助対象事業】
・用水確保に必要なポンプ、ホース、タンク、継ぎ手の購入費またはリース料
【補助額】
1事業あたり10万円(補助率は事業費の9/10)
【申請書類】
申請には、次の書類を提出する必要があります。
・補助金申請書
・見積書(購入費またはリース料)
・位置図(対象地が確認できるもの)
・名簿(2戸以上で取り組む場合のみ)
【申請方法】
農林整備課(市役所本庁3階)へ提出、または郵送での申請が可能です。
【申請期限】
令和7年10月31日(金)まで
※予算がなくなり次第終了します。
山口県【山口市 水稲渇水対策支援事業補助金】
山口市では、少雨によって農業用水の確保が困難となる状況を踏まえ、水稲生産に取り組む農業者を対象に、応急的な渇水対策に必要な経費を支援しています。
【主な対象者】
補助対象となるのは、市内で水稲を生産する農業者で組織する以下の団体です。
・2戸以上で構成する水利組合等
・ため池管理組合等
・各土地改良区
【補助対象経費】
令和7年8月4日~9月30日までに実施した渇水対策に要する次の経費が対象です。
| 区分 | 補助限度額(税抜) |
| ポンプ・発電機等の借上げ料 | 1日あたり 5,000円 |
| ポンプ・発電機等の購入費 | 1台あたり 100,000円 |
| ポンプ・発電機の光熱費 | 1日あたり 5,000円 |
【補助率】
・補助対象経費の1/2以内
・補助限度額:1団体あたり10万円
【申請書類】
申請時と事業完了時にそれぞれ必要な書類があります。
〈申請時〉
・構成員名簿(土地改良区は省略可)
・受益関係者の同意書
・見積書または補助対象経費のわかるもの
・位置図、受益図、渇水対策の内容がわかる資料
・その他、市長が必要と認める書類
〈事業完了時(実績報告)〉
・領収書の写し等、支払いを確認できる書類
・作業日報
・納品・使用状況の写真
・その他、市長が必要と認める書類
【申請様式】
申請書等は公式ページよりPDF・Word形式でダウンロード可能です。
渇水対策補助金活用のポイント
渇水対策の補助金は、対象となる期間や経費、申請条件が細かく定められており、地域ごとに内容も異なります。申請の際には以下の点に注意するとスムーズです。
| 【対象経費・対象期間を確認する】 補助対象期間が「◯月◯日から◯月◯日まで」と設定されているため、対象外の支出にならないよう注意が必要です。 【領収書・写真などの記録を残す】 実績報告では経費の証明や作業状況の提出が求められるため、購入時や作業中の記録を整理しておきましょう。 【複数の制度を重複して受けられない場合がある】 同様の補助を国や自治体から受けている場合、対象外となるケースもあります。必ず募集要領を確認してください。 【申請期限を守る】 期限を過ぎると受け付けてもらえないため、余裕を持った申請が大切です。 |
まとめ
今年の夏は高温・少雨が続き、水稲を中心に農業経営への影響が懸念されています。こうした状況を受け、各地ではポンプやかん水設備の導入費用などを支援する補助制度が設けられています。
補助金の対象や申請方法は地域ごとに異なります。渇水対策にかかる費用で負担を感じている方は、まずご自身の地域で利用できる制度がないかを確認し、期限内に必要な書類を準備してください。
厳しい気象条件のなかでも経営を続けていくために、こうした支援策を積極的に活用することが大切です。いま困っている農家の方こそ、早めに制度を調べて活用をご検討ください。
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