2025年(令和7年)の夏は、太平洋高気圧の強い張り出しにより全国的に記録的な高温と少雨に見舞われ、水田のひび割れやため池の枯渇が相次ぐなど、農業経営に深刻な影響を与えました。日本気象協会が2025年12月に発表した長期予報でも、2026年夏は梅雨明けが早く猛暑の到来も早い見込みとされ、地域によっては再び水不足が懸念される状況です。
米価が高止まりするなか、ポンプによる緊急かん水や農業用井戸・ため池の整備を計画する農家も少なくありません。そこで本記事では、令和8年度に活用できる「渇水対策補助金」を全国から一挙に整理しました。
かん水ポンプ・農業用井戸・燃料費・ホース・タンクなどの購入費に使える制度を、公募中のもの・終了したものに分けて紹介します。農業の暑さ対策・高温対策として補助金の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
農林水産省が進める渇水・高温対策とは?
農林水産省は、農業用水の確保に向けて2025年度から「水利施設管理強化事業」を開始し、令和8年度も継続して実施しています。土地改良区や農業水利組合等が行う応急ポンプの調達・設置・運転や、番水(水を分けて配る取組)などの経費が対象です。
農林水産省は令和7年7月30日に「渇水・高温対策本部」を設置し、農林水産大臣を本部長として、農産局・畜産局・農林水産技術会議事務局長・各地方農政局長などが参画する体制で、全国の被害状況の把握と支援策の具体化を進めてきました。この対策本部の設置を機に、応急ポンプ等の調達・運転費を国が2分の1、都道府県が4分の1を補助する仕組みが整備されています。
さらに、令和8年度の農林水産省予算では、農業農村整備事業として3,941億円が計上され、水利施設の計画的更新・省エネ化・管理省力化などが継続的に支援されます。申請窓口は各市町村です。まずはお住まいの自治体で活用できる制度がないかを確認しましょう。
参考:農林水産省 渇水・高温対策本部の設置と農業用水対策の支援について
【公募中】令和8年度に活用できる自治体の渇水対策補助金
こうした国の枠組みに基づき、各地でかん水ポンプの購入・農業用井戸の掘削・ため池の改修などを支援する取り組みが実施されています。ここでは、令和8年度に公募中または継続実施中の代表的な補助金を紹介します。
岩手県【花巻市 水利施設管理強化事業特別(渇水・高温対策)補助金】
花巻市では、国の「水利施設管理強化事業」を活用し、市内の土地改良区や農業水利組合等が行う渇水・高温対策の費用を補助しています。令和8年3月11日に交付要綱が更新され、令和8年度も継続実施中です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 市内の土地改良区、農業水利組合、ため池管理組合等の農業用水の管理と利用を目的とする団体・組織(水利施設管理強化事業「一般型」の対象施設は対象外) |
| 対象施設 | 渇水・高温対策に取り組む農業水利施設(応急ポンプ等) |
| 対象経費 | 応急ポンプ等の調達、設置、運転経費、深水管理、昼間湛水・夜間落水等の対応に係る人件費 等 |
| 補助率 | 国2分の1、県4分の1 |
| 申請方法 | 事前に農村林務課農村整備係へ相談のうえ、事業採択申請書(様式第1号)、渇水・高温対策計画書(様式第2号)等を提出 |
新潟県【十日町市 地元主体で行う小規模渇水対策事業への補助金】
十日町市では、令和7年度夏季の水不足を踏まえ、令和8年度から令和10年度までの3年間限定で「十日町市農林水産業総合振興事業補助金」の渇水対策メニューを拡充しました。地元主体で行う小規模なため池整備や農業用井戸の掘削を支援します。
| 事業名 | 採択条件 | 補助率・上限額 |
|---|---|---|
| 小規模ため池(新設・改良) | 農地受益面積20アール以上、受益者2者以上 | 補助率50%以内(上限150万円) |
| 井戸掘削(新設・改良) | 農地受益面積20アール以上、受益者2者以上 | 補助率50%以内(上限50万円) |
| ため池浚渫(しゅんせつ) | 農地受益面積20アール以上(個人も対象) | 補助率50%以内(上限50万円) |
対象者は農業者および農業者で組織する団体です。補助対象額は事業費10万円(税抜)以上で、中山間地域等直接支払区域や多面的機能支払区域も対象となります。維持管理的な補修は対象外です。
申請には事前の実施要望連絡が必要で、実施要望の連絡は令和8年5月15日(金)、申請書類の提出は令和8年6月5日(金)までです。
新潟県【津南町 渇水対策水田整備事業補助金】
津南町では、高温・渇水により水田の耕板に亀裂等が発生し水持ちが悪くなっていることを踏まえ、ブルドーザーによる代掻き(通称「ブル掻き」)の経費を補助しています。10a当たり最大30,000円が支給される制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 農業者個人、農業者で組織する団体(生産法人等)、土地改良区 |
| 対象経費 | ブル掻きに要する委託費、機械リース費、燃料費、その他町長が特に認めるもの |
| 補助率・上限 | 補助率2分の1、補助対象事業費の上限は10a当たり30,000円 |
| 対象面積 | 1申請当たりおおむね1ヘクタール以上 |
| 申請期限 | 令和8年8月25日まで |
申請書に位置図や見積書等の根拠資料を添付し、津南町農林振興課へ提出します。
大阪府【大阪市 水源対策事業補助金(農業用井戸への助成)】
大阪市では、生産緑地地区内の農地保全を目的に、農業用井戸の掘り替えや改修費用の一部を助成しています。令和8年度は令和8年4月1日から令和9年3月31日までが補助対象期間で、申請受付は原則先着順です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 耕作者、農地所有者、土地改良区、水利組合、農業協同組合 |
| 対象事業 | 生産緑地地区内の農業用井戸およびこれに付属する施設の新設・改良(受益農地面積3アール以上、1事業あたり補助対象事業費20万円以上、原則過去5年以内に本補助を受けていない設備が対象) |
| 対象経費 | 井戸の新設・掘替(掘削、水中ポンプ・揚水管の据付、給水設備・電気設備施工等)、水中ポンプ取替・揚水管取替、給水設備補修、電気設備補修、これらに伴う諸手続き費 等 |
| 補助率 | 補助対象経費の50%以内 |
| 上限額 | 1事業あたり130万円 |
福岡県【岡垣町 農業用水源確保緊急対策事業補助金】
岡垣町では、近年の地下水位低下などへの対策として、農業用井戸の掘削および付帯施設整備費用の一部を助成しています。令和6年度から令和8年度までの3年間限定の事業です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 町内に住所があり町税に未納がなく、農地の経営面積が30アール以上または前年度の農産物販売実績が50万円以上の人 |
| 対象事業 | 農業用井戸の掘削および付帯施設(給水施設等)の整備で、既存井戸の代替(同じ農地内)または受益地が団地化された農地に及ぶもの |
| 補助率・上限 | 補助対象経費の2分の1以内(上限80万円) |
| 特例 | 町が設置した水道水用取得井戸からおおむね半径1km圏内の農地に実施する場合、補助対象経費の100分の85以内(上限136万円) |
| 実施期間 | 令和6年度〜令和8年度の3年間 |
愛媛県【上島町 農作物渇水対策事業補助金】
上島町では、農地の保全と安定した農業経営を支援するため、井戸掘削・井戸改修・備品購入の3事業を対象とする補助制度を実施しています。認定農業者・認定新規就農者は上限30万円、それ以外の方は上限10万円が支給されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 町内に住所を有する個人または法人で、農業に従事し、前年に農産物の申告(青色または白色)を行っている者。事業完了後おおむね10年以上意欲的に営農できる者。町税を滞納していない者。 |
| 対象事業 | (1)井戸掘削事業(掘削、揚水ポンプ・揚水管の据付、給水設備・電気設備の施工等)(2)井戸改修事業(既設ポンプ・揚水管の取替、給水設備・電気設備の修繕等)(3)備品等購入事業(ため池等からの給水設備、雨水貯留タンク等の購入) |
| 補助要件 | 事業費10万円以上、受益面積おおむね3アール以上、過去5年以内に本補助の交付を受けていない、年度内に完了する事業 |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 上限額 | 認定農業者・認定新規就農者:30万円/その他:10万円 |
問い合わせ先は上島町役場 岩城総合支所 農林水産課(Tel:0897-75-2500)です。
熊本県【氷川町 農業用水浄化装置普及促進事業(サンドフィルター)】
氷川町では、灌水チューブの目詰まりに悩む野菜育苗農家を対象に、細かい砂や藻などの不純物を除去するサンドフィルターの設置費用を最大10万円補助しています。令和8年度の要望調査を実施中です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 氷川町に住民登録があり、認定農業者であり、町税の滞納がない者 |
| 対象資材 | 育苗(野菜)のためのサンドフィルター(ろ材に砂を使用したもの)本体および設置に要する経費 |
| 補助率 | 3分の1 |
| 上限額 | 10万円(1経営体当たり1基まで) |
| 対象外 | ポンプ、配管、灌水チューブ等。パイプラインへの接続でポンプを接続している場合も対象外 |
| 提出期限 | 令和8年7月31日(金曜日) |
事業実施計画承認申請書・事業計画書・見積書・仕様等がわかるカタログを氷川町役場 農業振興課へ提出します。
北海道【標茶町 営農用水確保対策整備事業補助金】
標茶町では、大規模地震などの災害に備えた営農用水の確保対策として、貯水タンク・配水ポンプ等の整備費用を補助しています。渇水対策そのものではありませんが、水源確保という点で農家の備えに活用できる制度です。実施期間は令和7年4月1日から令和10年3月31日までの3年間です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 町内で農畜産業を営んでいる方(個人・法人は問わない) |
| 対象経費 | 貯水タンク、配水ポンプやその他の付帯設備等 |
| 補助額 | 25万円(対象経費の4分の1まで) |
| 実施期間 | 令和7年4月1日〜令和10年3月31日 |
問い合わせ先は標茶町役場 農林課農業企画係(Tel:015-485-2111)です。
大分県【豊後大野市 飲料用水施設改善に関する補助事業】※参考:農業用水以外
豊後大野市の制度は飲料用水(生活用水)向けで、農業用水は対象外です。ただし、公営水道区域外で井戸の掘削や水中ポンプの入替えなどを検討している農村地域の方には有用な情報のため、参考として紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象施設 | 2世帯以上で共同管理する公営水道区域外の飲料用水施設、または隣接住家との距離がおおむね50m以上あり1世帯のみで管理する飲料用水施設 |
| 対象工事 | 新規井戸(ボーリング含む)掘削・新規水道施設工事、既存施設の修繕(給水タンクの修繕、水中ポンプの入替え 等)。1件あたり工事費30万円以上が対象 |
| 補助率 | 対象費用の2分の1以内 |
| 上限額 | 2世帯以上で管理:250万円/1世帯のみで管理:50万円 |
| 注意点 | いずれも工事着手前の事前申請が原則。指定給水装置工事事業者による施工が必要。申請時は2者以上の見積書が必要 |
【終了】令和7年度に実施された渇水対策補助金
過去に実施された制度は、令和8年度以降の再募集の参考になります。以下は令和7年度に募集が終了した主な補助金です。
新潟県【阿賀野市 かん水用機械等整備対策事業費補助金】※終了
阿賀野市では、渇水や異常高温による農作物被害を防ぐため、かん水機械や設備の導入・借上げ費用を補助しました。対象者は、水稲作付者ではかん水必要面積が令和7年産水稲作付面積の30%以上または30a以上、園芸作物生産者(販売用)ではかん水必要面積が10a以上の農業者・農業法人・団体でした。
| 対象経費 | 対象経費上限額 | 補助額(最大) |
|---|---|---|
| ポンプ車等の借上料 | 18,700円/日 | 9,350円/日 |
| ポンプの借上料 | 3,200円/日 | 1,600円/日 |
| ポンプの購入費 | 93,100円/台 | 46,550円/台 |
| ホースの購入費 | 8,800円/巻 | 4,400円/巻 |
| ポリタンク(500リットル以上)の購入費 | 28,700円/個 | 14,350円/個 |
| かん水用機械等燃料費 | 1,800円/日 | 900円/日 |
補助率は対象経費の1/2以内、申請期限は令和7年11月28日(金)でした。
新潟県【魚沼市 農作物渇水対策事業補助金】※終了
魚沼市では、少雨や渇水による農作物被害を防ぐため、令和7年7月12日から9月30日までに実施された井戸の活用・かん水機械の導入等が対象となりました。井戸活用事業(I型)は電気料・開栓経費に対して10/10以内、(II型)は送水管・揚水施設等の購入・借上げ経費に対して6/10以内、かん水用機械設置等事業は購入・借上げ7.5/10以内、運転経費5/10以内が補助されました。申請期限は令和7年10月24日(金)でした。
兵庫県【朝来市 農作物渇水対策補助金】※終了
朝来市では、令和7年度の少雨による農業への影響を受け、市内で農業を営む個人・法人・農業団体を対象に、水中ポンプ等物品購入等事業(1/2、上限10万円)と水管理事業(1/2)を実施しました。対象期間は令和7年7月1日〜9月30日、申請期限は令和7年10月31日(金)でした。
兵庫県【豊岡市 農業渇水緊急対策事業補助金】※終了
豊岡市では、農業者・農会・土地改良区などを対象に、小型ポンプの購入・借上げ、給水車両の借上げ、燃料費などを補助しました。補助率は対象経費の1/2以内、上限額は個人・法人10万円、認定農業者等・集落営農組合・農会・土地改良区20万円でした。対象期間は令和7年7月1日〜8月31日、申請期限は令和7年10月31日(金)でした。
広島県【三原市 農業用水渇水対策支援事業】※終了
三原市では、市内で農業を営む法人または2戸以上で渇水対策を行う者を対象に、ポンプ・ホース・タンク・継ぎ手の購入費またはリース料を補助しました。受益面積おおむね0.5ha以上、事業費5万円以上が要件で、1事業あたり10万円(補助率9/10)が支給されました。申請期限は令和7年10月31日(金)でした。
山口県【山口市 水稲渇水対策支援事業補助金】※終了
山口市では、水稲を生産する農業者で組織する水利組合等・ため池管理組合等・各土地改良区を対象に、ポンプ・発電機等の借上げ料(1日5,000円)、購入費(1台100,000円)、光熱費(1日5,000円)を補助しました。補助率は対象経費の1/2以内、補助限度額は1団体あたり10万円でした。対象期間は令和7年8月4日〜9月30日でした。
渇水対策補助金を活用する4つのポイント
渇水対策の補助金を確実に受け取るためには、対象期間・対象経費・記録・申請期限の4つを押さえることが重要です。
補助対象期間は「◯月◯日から◯月◯日まで」と厳密に設定されており、期間外の支出は補助対象になりません。ポンプの購入・借上げなど、支出のタイミングを事前に計画しましょう。
【2】領収書・写真などの記録を残す
実績報告では経費の証明や作業状況の提出が求められます。購入時の領収書、作業前・作業中・作業後の写真、日報などを整理しておきましょう。
【3】複数制度の重複受給は対象外の場合がある
同種の補助を国や他自治体から受けている場合、対象外となるケースがあります。申請前に必ず募集要領を確認してください。
【4】申請期限を厳守する
期限を過ぎると受付されません。事前相談が必須の制度も多いため、募集開始と同時に窓口に連絡するくらいの余裕を持ちましょう。
渇水対策補助金に関するよくある質問
渇水対策補助金は個人の農家でも申請できますか?
はい、多くの自治体で個人の農業者を対象としています。例えば愛媛県上島町、新潟県津南町、大阪府大阪市、福岡県岡垣町などは個人の農業者も申請可能です。一方、岩手県花巻市のように土地改良区や農業水利組合などの団体のみを対象とする制度もあります。制度ごとに要件が異なるため、まずはお住まいの自治体の要綱を確認しましょう。
農業用井戸の掘削費用に使える補助金はありますか?
はい、複数の自治体で農業用井戸の掘削・改修費用を補助する制度があります。大阪府大阪市の水源対策事業補助金は上限130万円(補助率50%)、福岡県岡垣町の農業用水源確保緊急対策事業補助金は上限80万円(特例で上限136万円)、愛媛県上島町の農作物渇水対策事業補助金は上限30万円(認定農業者等)となっています。受益面積や設置条件が制度ごとに異なるため、詳細を要確認です。
かん水ポンプの購入費や燃料費も補助対象になりますか?
はい、かん水ポンプ・ホース・タンクの購入費や借上料、燃料費・電気料などを補助する制度が多数あります。令和7年度に実施された新潟県阿賀野市・魚沼市、兵庫県朝来市・豊岡市などは、ポンプ購入・借上・燃料費まで幅広くカバーしていました。令和8年度も気象状況に応じて同様の緊急支援策が実施される可能性があるため、自治体の情報をこまめに確認しましょう。
申請から補助金の受給までどのくらい期間がかかりますか?
制度によって異なりますが、一般的には申請→交付決定→事業実施→実績報告→補助金の請求・受給という流れで数か月から半年程度かかることが多いです。多くの補助金は「事業実施前の申請・交付決定」が必須で、実施後の遡及申請は認められません。工事や購入を始める前に、必ず自治体窓口に相談することが重要です。
農林水産省の「水利施設管理強化事業」とは何ですか?
農林水産省が令和7年度に開始し、令和8年度も継続する事業で、土地改良区や農業水利組合等が実施する応急ポンプの調達・設置・運転経費や人件費などを補助する仕組みです。補助率は国が2分の1、都道府県が4分の1です。申請窓口は各市町村で、岩手県花巻市などが本事業を活用した独自の要綱を制定しています。
2026年の夏はどのような天候が予想されていますか?
日本気象協会が2025年12月に発表した長期予報によると、2026年夏は太平洋高気圧が強まるのが早く、梅雨入り・梅雨明けも早い見込みです。2025年夏のような顕著な少雨とは異なり「高温多雨」の傾向とされていますが、7〜8月には全国で延べ7〜14地点で最高気温40℃以上の酷暑日が予想されており、水稲や園芸作物への高温ストレスは依然として大きなリスクです。地域によっては局地的な渇水も想定されるため、備えが重要となります。
「番水」とは何ですか?
番水(ばんすい)とは、渇水時に限られた農業用水を地域内で公平に配分するため、順番に決めた時間帯だけ取水する取り組みです。上流と下流の水争いを避けるため、江戸時代から続く慣習ですが、現代でも渇水時には各土地改良区で番水が実施されます。農林水産省の水利施設管理強化事業では、こうした番水に関わる人件費なども補助対象となっています。
ため池の改修や浚渫(しゅんせつ)にも補助金は使えますか?
はい、新潟県十日町市の「地元主体で行う小規模渇水対策事業」では、小規模ため池の新設・改良(上限150万円)およびため池浚渫(上限50万円)が補助対象です。個人でも受益面積20アール以上あれば浚渫は申請できます。全国の多くの自治体で類似の制度があるため、地域の農林部局に相談してみましょう。
サンドフィルターとは何ですか?なぜ必要ですか?
サンドフィルターは、ろ材に砂を使用して農業用水中の細かい砂・藻・不純物を除去する装置です。特に野菜の育苗では、灌水チューブの目詰まりが大きな問題となります。熊本県氷川町では、この装置の設置費用を最大10万円(補助率3分の1)補助しており、認定農業者が対象となっています。安定した水質での栽培管理に有効な設備です。
令和7年度で終了した補助金は再度実施されますか?
令和7年度で終了した阿賀野市・魚沼市・朝来市・豊岡市・三原市・山口市などの制度は、それぞれの年度の気象状況を踏まえて緊急的に実施されたものです。令和8年度に同様の渇水被害が発生した場合、再び緊急支援策として実施される可能性があります。過去の要綱を参考にしつつ、自治体の広報や公式サイトを定期的にチェックすることをおすすめします。
まとめ|早めの情報収集と申請準備が備えのカギ
2026年夏も猛暑の到来が予想され、地域によっては水稲・園芸作物への影響が引き続き懸念されます。こうした状況を受け、農林水産省の「水利施設管理強化事業」や、岩手県花巻市・新潟県十日町市・新潟県津南町・大阪府大阪市・福岡県岡垣町・愛媛県上島町・熊本県氷川町・北海道標茶町など、全国各地でかん水ポンプ・農業用井戸・ため池整備・サンドフィルターの費用を支援する補助金が用意されています。
補助金の対象や申請方法は地域ごとに大きく異なり、対象期間・上限額・受益面積要件などの細かな条件を満たす必要があります。渇水対策にかかる費用で負担を感じている方は、まずご自身の地域で活用できる制度がないかを確認し、期限内に必要書類を準備しましょう。
厳しい気象条件のなかでも農業経営を続けていくためには、こうした支援策を積極的に活用することが不可欠です。困ってから動くのではなく、猛暑シーズン前の余裕あるタイミングで制度を調べ、活用をご検討ください。
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