国土交通省の令和8年度概算要求では、一般会計7兆812億円が要求されました。「国民の安全・安心の確保」「持続的な経済成長の実現」「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」の3本柱を軸に、持続可能な社会の構築に向けた施策が提案されています。
今回は国土交通省 令和8年度概算要求の主な方針や、ポイントとなる事業をまとめました。
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この記事の目次
国土交通省 令和8年度概算要求の主な方針
国土交通省の概算要求では、災害対策やインフラ整備による安全確保、DX・GXによる成長戦略の推進、地域の特性をいかしたまちづくりなどを通じ、将来を見据えた国づくりの方向性が打ち出されました。
日本では「成長と分配の好循環」が動き出している一方で、頻発する自然災害や老朽化した社会資本、将来の大規模地震への備えなど、取り組むべき課題も山積しています。
加えて、米国の関税措置などによる経済の下振れリスクにも備え、外的環境の変化に強い経済構造の確立や、物価上昇を上回る賃上げを起点とした成長型経済の実現が求められています。
【令和8年度の軸となる取り組み】
- 能登半島地震からの復旧・復興
- インフラ老朽化対策の加速
- 国内投資の拡大と賃上げ促進
- 物流革新・DX・GXの推進
- 公的制度の基準額・閾値の見直し
- 将来を見据えた公共投資の適正な推進
令和8年度予算概算要求額
令和8年度国土交通省の予算概算要求額は、以下のようになりました。
■一般会計 7兆812億円
■財政投融資 1兆6,413億円
前年度と比較すると、一般会計は1.19倍、財政投融資は1.23倍です。

そのほか、以下の項目は事項要求を行い、予算編成過程で検討されます。
- 第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取組の推進に必要な経費
- 労務費確保の必要性や近年の資材価格の高騰の影響等を考慮した公共事業等の実施に必要な経費
- 北陸新幹線(敦賀・新大阪間)の新規着工に要する経費
- 一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しに係る大臣間合意を踏まえた更なる増額
- 日米協力を踏まえた造船についての強靱なサプライチェーンの構築に必要な経費
「安全・安心の確保」「持続的な経済成長」「地域づくり」の3本柱
国土交通省の概算要求のうち、3つの柱のポイントとなる主な事業を見ていきましょう。()は前年度からの倍数です。1.国民の安全・安心の確保
令和6年能登半島地震や東日本大震災からの復興支援に加え、インフラの老朽化対策や大規模地震への備え、気候変動による水害・土砂災害の激甚化に対応するための防災・減災施策が盛り込まれました。さらに、住宅の耐震化や密集市街地の改善、空港や港湾等のライフライン強化、災害時の物流・人流確保など、ハード・ソフト両面から災害に強い国づくりを進めます。
| ■東日本大震災や令和6年能登半島地震をはじめとする大規模自然災害からの復旧・復興 ・東日本大震災からの復興・再生 367億円 など ■災害に屈しない強靱な国土づくりのための防災・減災、国土強靱化の強力な推進 ・千島海溝・日本海溝周辺海溝型地震、南海トラフ巨大地震、首都直下地震対策等の推進 2,479億円(1.26) ・TEC-FORCE 等の国の災害支援体制・機能の拡充・強化 480億円(1.21) など ■埼玉県八潮市の道路陥没事故等を踏まえたインフラ老朽化対策等による予防保全型のインフラメンテナンスの実現 10,783億円(1.29) ■地域における総合的な防災・減災対策、老朽化対策等に対する集中的支援(防災・安全交付金) 10,185億円(1.20) ■交通の安全・安心の確保 ・羽田空港での航空機衝突事故等を踏まえた運輸分野の総合的な安全対策の推進 153億円(1.39) など ■海上保安能力の強化等 3,156億円(1.14) ■総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備 |
2.持続的な経済成長の実現
人流・物流ネットワークの強化や社会資本整備、観光産業の高度化などを通じ、地域の成長力を引き出す施策が盛り込まれています。あわせて、GX(グリーントランスフォーメーション)による脱炭素社会の実現や、DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上も推進します。経済安全保障やインフラの海外展開、人材の確保・育成支援など、成長と暮らしの豊かさを両立させるための、幅広い取り組みが進められる予定です。
| ■脱炭素社会の実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)の推進 ・脱炭素効果の高い住宅・建築物の普及や木材利用の促進などを通じた住宅・建築物の脱炭素対策等の強化 1,178億円(1.07) ・カーボンニュートラルポート(CNP)の形成、持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進、ゼロエミッション船の導入促進等の交通分野における脱炭素化の推進 140億円(1.23) など ■国土交通分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)や技術開発等の推進 ・i-Construction2.0、建築・都市の DX 等の「インフラ分野の DX アクションプラン」の推進 129億円(1.29) ・DXの推進等 9億円(2.26) など ■持続可能な観光立国の実現 ・国際観光旅客税を活用したより高次元な観光施策の展開 700億円(1.59) など ■国土交通分野における働き方改革等を通じた担い手の確保・育成や生産性の向上 ・担い手の確保・育成や生産性向上による持続可能な建設業の実現 8億円(1.69) など ■民間投資やビジネス機会の拡大 ・ビジネスでの利活用に向けた地理空間情報等の充実、地籍整備等の推進、データ基盤・提供環境の整備 123億円(1.28) など ■2027年国際園芸博覧会に向けた対応 58億円(3.02) |
3.個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり
多様な生き方を支援するため、バリアフリーや住宅支援、地方移住の促進といった施策が展開されます。離島や豪雪地帯といった条件不利地域への支援も重点分野です。また、外国人との共生社会の実現や、空き家活用、マンション再生など住環境の整備にも力を入れ、誰もが安心して暮らせる地域社会の形成を目指します。
| ■共生社会実現に向けたバリアフリー社会の形成と活力ある地方づくり 空き家対策、所有者不明土地等対策及び適正な土地利用等の促進 113億円(1.29) など ■持続可能で活力ある国土の形成 ・地方への人の流れを創出する官民連携による二地域居住等の促進・個性ある多様な地域生活圏の形成 584億円(1.20) ・スマートシティの社会実装の加速 11億円(2.00) など ■「交通空白」の解消等に向けた地域交通のリ・デザインの全面展開 342億円(1.46) ■「こどもまんなかまちづくり」等こども・子育て政策の推進 ■多様な世帯が安心して暮らせる住宅セーフティネット機能の強化 917億円(1.36) ■豊かな暮らしを支える社会資本整備の総合的支援(社会資本整備総合交付金) 5,862億円(1.20) |
まとめ
国土交通省の令和8年度概算要求では、安全・安心な暮らしや安定した経済成長に向けた事業が掲げられました。あわせて、地方創生や多様な人々が豊かに暮らせる社会の実現も目指します。こうした施策はいずれも社会的ニーズが高く、喫緊の解決が求められる課題です。国会での議論を注視し、来年度の国の方向性を見定めましょう。
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