1. 補助金ポータルTOP
  2. 補助金・助成金・給付金コラム
  3. 【令和8年度】天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金とは?補助率・対象施設を解説

【令和8年度】天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金とは?補助率・対象施設を解説

公開日:2025/5/26 更新日:2026/8/20

近年頻発する大規模災害により、停電リスクへの備えが重要性を増しており、避難施設では非常時の電力供給や空調の確保といった機能強化が課題となっています。

こうした状況をふまえ、国が実施するのが「天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金」です。これまで「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」の名称で実施されてきた、いわゆる「強靭性補助金」の令和8年度版にあたる制度で、停電時にも使用可能な天然ガス利用設備の導入・更新を支援します。

令和8年度の1次公募は、令和8年8月12日(水)から9月1日(火)までと期間が短く設定されています。予算残がある場合は2次公募が行われる予定のため、検討中の方は早めの準備が重要です。

今回は、天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金の目的や対象設備・施設、補助額、申請方法などをまとめました。制度を活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

この記事の目次

\ 制度やどの補助金が使えるか知りたい! /
お問い合わせ
\ 申請サポートをお願いしたい! /
専門家を探す
補助金対象商品を調べる
導入したい商材が補助金に対応しているかチェック!
ITトレンドへ

天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金とは

本補助金は、強靱性の高いガス導管で供給を受ける避難所等に、停電対応CGSまたは停電対応GHPの導入・更新を行う事業者(法人)に対して、導入に係る経費の一部を補助する制度です。総事業費は約8.7億円です。

令和7年度まで「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」として実施されてきた制度の令和8年度版です。名称は「天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金」に変わりましたが、制度の基本的な枠組みは引き継がれており、執行団体も引き続き一般社団法人都市ガス振興センターです。

天然ガスは、供給を担うガス導管の大部分が地中に埋設されているため災害時の供給途絶リスクが低いエネルギーです。この特性を活かし、避難所等に停電時も稼働できるコージェネレーションシステム(停電対応CGS)やガスヒートポンプエアコン(停電対応GHP)を普及させ、避難所機能を高めることが本補助金の目的です。

主な交付要件

補助の対象となるのは、事業を営んでいる法人です。家庭用需要(住戸、集合住宅の専有部、店舗兼住宅の住居部分)は対象外となります。リースやエネルギーサービス、賃貸借を利用する場合も対象ですが、設備の所有者と使用者が異なる場合は共同申請が必要です。

主な要件は、以下のとおりです。

・天然ガスを主原料とするガスを燃料とした設備を導入して使用すること
・「中圧ガス導管」または「耐震性を向上させた低圧ガス導管」によるガス供給を受けること
・系統電力の停電時に、発電または空調を開始・継続できる設備であること
・運転状況を確認するために必要な専用の計測装置を取り付けること

耐震性を向上させた低圧導管とは、日本ガス協会の指針により「耐震性あり」と評価された低圧ガス導管、もしくは本支管および供給管(引込管)に鋼管(ねじ接合以外)、ダクタイル鋳鉄管(抜け出し防止機構あり)またはポリエチレン管が使用されているものを指します。

対象となる建物

対象となる建物は、大きく2つの区分に分かれています。

(ア)公共性の高い建物

・国や地方公共団体が定める防災計画において指定される建物(指定避難所、指定避難場所、福祉避難所等)
・国や地方公共団体、社会福祉法人、医療法人、学校法人が所有・運営する建物(市区町村役所・庁舎、消防署、警察署、公民館、老人福祉施設、病院、学校、児童福祉施設等)

なお病院、学校、児童福祉施設については、地域市民に開かれた経営実態が確認できれば、法人格の種類は問われません。

(イ)災害時に避難所等として活用され、避難所としての機能が高い建物

・避難所、避難場所(屋内)
・協定による避難場所(屋外)に併設された建物
・帰宅困難者受入建物
・災害時帰宅支援ステーション
・一斉帰宅抑制事業者の建物
・協定による物資提供を住民等に行う建物
(イ)の区分で申請する場合は、以下の3つすべてを満たす必要があります。
・地方公共団体との協定(締結見込みを含む)、もしくはそれに準じる取組があること
・停電対応CGSの場合は単機発電能力25kW以上、停電対応GHPのみの場合は室外機2台以上かつ合計冷房能力112kW以上の機器を設置すること
・停電時に、補助対象設備から空調・照明・電気コンセントのうち2つ以上を避難スペースに供給できること

民間企業の工場やホテル、商業施設なども、地方公共団体との協定等によって(イ)の要件を満たせば対象になり得るのが本制度の特徴です。

対象設備・範囲

補助対象となる設備は、以下のとおりです。

対象設備概要
停電対応CGS
(停電対応可能なガスコージェネレーションシステム)
平時には系統連系運転を行い、停電時には再稼働または稼働継続でき、排熱を有効利用するエネルギー効率の高い設備
※平時に排熱利用先のないモノジェネ設備や、増エネとなる設備は対象外
停電対応GHP
(停電対応可能なガスヒートポンプエアコン)
停電時に再稼働または稼働継続できるガスヒートポンプエアコン
※停電対応CGSと組み合わせることで停電対応が可能となるGHPも対象
専用の計測装置補助対象設備の運転状況を確認するために必要な装置(計測用ガス流量計等)

補助対象となる経費は、以下の5区分です。

経費区分内容
設計費設備の導入の設計に要する経費
既存設備撤去費解体、運搬等に要する経費(廃棄物処理費用を除く)
新規設備機器費導入機器の購入等に要する経費(計測装置を含む)
新規設備設置工事費導入設備の設置に要する経費
敷地内ガス管敷設費ガス配管、ガバナ、ストレーナ、緊急遮断弁、ガス漏れ警報器等
※補助事業外設備との共用配管がある場合は、原則断面積比による按分相当額が対象

補助率・補助上限額

補助率は、補助対象経費の3分の1以内です。補助上限額(1事業あたり、複数年の場合は合計額)は、設備とガス供給方式によって以下のように異なります。

対象設備中圧ガス導管による供給耐震性を向上させた低圧ガス導管による供給
停電対応CGS2億4,000万円6,000万円
停電対応GHP6,600万円6,600万円

令和6年度補正までの制度では、政府想定の地震対象エリアや大都市等に限り補助率2分の1(CGS中圧で上限3億6,000万円)が適用される区分がありましたが、令和8年度はエリアによる区分がなくなり、補助率は一律3分の1に整理されています。過年度の情報をもとに資金計画を立てている場合は注意してください。

採択の順位と加点のポイント

本補助金は先着順ではなく、審査のうえ予算の範囲内で採択されます。採択の優先順位は以下のとおりです。

建物区分(ア)公共性の高い建物が優先され、次に(イ)避難所としての機能が高い建物
費用対効果建物区分ごとに、「補助対象設備が災害時に寄与する床面積(㎡)÷補助対象経費(百万円)」で算出された費用対効果の大きい順

さらに、以下の書類を提出した場合は、費用対効果に対して加点優遇があります。

・中小企業における賃金引上げの取組についての表明書
・ワーク・ライフ・バランス等を推進する企業としての有効な認定(健康経営優良法人、くるみん認定、ユースエール認定等)を証明する書類

同じ設備投資でも、避難スペースを広く確保できる計画ほど採択されやすい設計になっています。申請にあたっては、災害時にどれだけの空間を地域に提供できるかを意識した計画づくりがポイントです。

申請方法とスケジュール・注意点

公募期間は、以下のとおりです。

1次公募令和8年8月12日(水)~令和8年9月1日(火)23時59分

申請は、デジタル庁が運営する補助金申請システム「jグランツ」による電子申請です。jグランツの利用にはGビズID(gBizIDプライムまたはgBizIDメンバー)が必要で、アカウント取得には時間がかかるため、早めに手続きを済ませましょう。

リース、エネルギーサービス、賃貸借等により設備の所有者と使用者が異なる場合は、共同申請となります。

事業期間については、交付決定後に工事契約等を締結して工事に着手し、令和9年2月26日までに事業を完了(すべての検収・支払を終え、実績報告書を提出のうえ確定検査に合格)する必要があります。交付決定前に契約や発注を行った事業は補助対象外となるため、スケジュール管理には十分注意してください。

なお、新築の建物への導入や補助事業に要する経費が1.5億円以上で、工程上単年度での実施が困難な場合に限り、2ヶ年計画を上限とした複数年申請が可能です。

そのほかの注意点は、以下のとおりです。

・発注先の選定には、競争入札または3社以上の相見積が必要です
・国の他の補助金との重複受給はできません
・導入する設備はすべて新品・未使用のものに限られます
・申請時には、ハザードマップに基づく補助対象設備の水没リスク確認書の提出が求められます
・事業完了翌年度の4月から1年間分の燃料使用量等の実測データを報告する必要があります(停電対応CGSの場合はCO2排出削減量の確認も実施)

2次公募の可能性について

1次公募の終了時点で予算残がある見通しの場合、2次公募が行われる予定です。ただし2次公募の実施や時期は予算の執行状況次第であり、確実ではありません。

1次公募の期間は約3週間と短いため、間に合わなかった場合は2次公募の情報を都市ガス振興センターのホームページでこまめに確認しましょう。本記事も、2次公募の情報が公開され次第、更新する予定です。

よくある質問

個人事業主も申請できる?

本補助金の対象は事業を営んでいる法人です。個人事業主や家庭用需要は対象外となります。

1次公募に間に合わなかったら?

1次公募終了時に予算残がある見通しの場合は2次公募が行われる予定です。実施の有無や時期は未定のため、都市ガス振興センターのホームページで最新情報を確認しましょう。

交付決定前に発注してもいい?

できません。交付決定前に契約や発注を行った事業は補助対象外となるため、必ず交付決定を受けてから着手してください。


まとめ

天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金は、旧「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」を引き継ぐ、令和8年度の強靭性補助金です。停電対応CGS・停電対応GHPの導入・更新に対し、補助率3分の1、最大2億4,000万円の補助が受けられます。

令和8年度からは制度名称の変更に加え、補助率のエリア区分廃止、賃上げやワーク・ライフ・バランス認定による加点制度など、いくつかの変更が加わっています。

災害の多い日本において、地域の防災拠点となる施設の停電対策は、地域貢献と企業評価の両面で大きな意味を持つ取り組みです。1次公募の締切は9月1日ですが、2次公募の可能性もあります。支援策を上手に活用して、災害に強い施設づくりをすすめましょう。

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

公式ページを確認する

関連記事