地方都市での人口減少による後継者不足は、地域経済の維持・成長を阻む深刻な問題となりつつあります。特に中小企業が多い地域では、これまで地域に根付いてきた商工業が存続できなくなるケースも少なくありません。
熊本県水俣市では、こうした状況に対応するため、事業承継に取り組む企業・個人に必要な経費を支援する「水俣市活力ある地域商工業創造事業補助金」を設けています。この制度は、継承する人もされる人も利用できるので、本記事で内容をご確認ください。
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この記事の目次
水俣市活力ある地域商工業創造事業補助金とは
この補助金は、水俣市内で事業を営む中小企業者が、事業承継を進めやすくするための制度です。長年市内で営業を続けてきた事業を次の世代へ引き継ぐことで、地域の雇用機会を確保し、産業の活性化を図ることを目的としています。
事前に窓口に相談した上で申請し、経営権の移転が行われた場合、その取り組みに必要な経費の一部が補助されます。単に起業を支援するのではなく、後を継ぐことに特化した実践的な支援制度と言えるでしょう。
補助率・補助額
本補助金の補助率・補助額は、売り手支援型の「Aタイプ」と、買い手支援型の「Bタイプ」のどちらに該当するかで異なります。詳しい金額は、以下の表をご覧ください。| タイプ | 対象者 | 補助率 | 上限額 |
| A | 事業を譲り渡す側 (売る側) | 補助対象経費の2/3 | 50万円 |
| B | 事業を譲り受ける側 (買う側) | 補助対象経費の2/3 | 100万円 |
売り手支援型の「Aタイプ」では50万円、買い手支援型の「Bタイプ」では100万円が上限となり、補助率はどちらも補助対象経費の2/3となります。
対象となる経費は、以下のとおりです。
Aタイプ(売り手支援型)
謝金・旅費・資料作成費・委託費・外注費・工事費
Bタイプ(買い手支援型)
謝金・旅費・資料作成費・マーケティング調査費・委託費・外注費・店舗等借入費・設備費・広報費・工事費
AタイプとBタイプで支援を受けられる経費が異なるため、ご自身が該当する方を確認しておきましょう。
対象者と対象要件
本補助金の対象者は、被継承者となるAタイプと、承継者となるBタイプの2種類に分かれています。それぞれの対象要件と共通条件を紹介します。
Aタイプ:被承継者
売り手であり事業を譲り渡す個人・事業者は、Aタイプの補助金を利用できます。対象者となる具体的な要件は、以下のいずれかに当てはまる人です。
| (1) 5年以上水俣市内で事業を営む者で、個人にあっては水俣市に住民登録がある個人、法人にあっては水俣市内に本社又は本店の法人登記がある会社法第2条第1号に規定する会社、医療法人、社会福祉法人であること。また、営業許可若しくは登録が必要な業種については許認可等を受けていること。 (2) 水俣市内に実店舗又は事務所を有し、現に事業を継続している以下の表の業種等を主として営む中小企業のうち、当該事業の経営に係る一切の権利を他者に譲渡しようとする者。 |
個人がAタイプの要件を満たすためには、5年以上水俣市内で事業を営んでいる必要があります。法人で事業を始めて5年以上経過していない場合、業種が絞られる点に注意が必要です。
Bタイプ:承継者
買い手であり事業を譲り受ける個人・事業者は、Bタイプの補助金を利用できます。対象者となる具体的な要件は、以下のいずれかに当てはまる人です。
| (1) 被承継者から事業の経営に係る一切の権利を譲り受け、事業を引き続き実施しようとする者。 (2) 事業承継を受ける事業を5年以上水俣市内で継続する見込みがある個人又は法人で、法人であれば会社法(平成17年法律第86号)第2条第1号に規定する株式会社・合名会社・合資会社・合同会社、医療法人、社会福祉法人であること。 |
Bタイプの要件を満たすためには、被承継者から事業の経営に係る一切の権利を譲り受けること、または今後5年以上水俣市内で事業を継続する見込みがあることが求められます。
Aタイプ・Bタイプ共通条件
本補助金は、Aタイプ・Bタイプを問わず、以下のすべての条件を満たしていることが必要です。
- 水俣商工会議所又は熊本県事業承継・引継ぎ支援センター等の公的支援機関から事業承継に係る支援を受けた者。
- 水俣市税又はその他市区町村税を滞納していない者。
- 訴訟や法令遵守上の問題を抱えていない者。
- 被承継者の配偶者ではない者。
- 水俣市暴力団排除条例第2条第1号に規定する暴力団若しくは同条第2号に規定する暴力団員又はそれらと密接な関係を有していない者。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律を要する事業を営んでいない者。
制度の利用者は単に事業を引き継ぐだけでなく、滞納等の問題を抱えていないことが求められます。
また、本施策の対象となる補助事業は、支店・支社・営業所・フランチャイズチェーン店・のれん分け・事業の一部譲渡等に係る事業は除きます。過去に国・県・市その他の制度により、同一の内容に係る補助金を受けていない事業が対象です。
申請スケジュール
本補助金の期限は、令和8年(2026年)2月28日までとなっています。期限日までに完了報告書を提出する必要があるため、早めの計画・申請が求められます。
申請する場合、事前に水俣商工会議所又は熊本県事業承継・引継ぎ支援センターに相談し、支援実施の確認を得ることが必要です。
承認日より前に実施した事業は、承認日が属する年度内のものに限り補助金の交付対象となります。事業完了後は、以下のいずれかの早い日までに実績報告をしてください。
- 事業完了日から30日以内
- 事業完了日が属する年度の末日
- 令和8年2月末日
完了報告をしないと、補助金を受け取ることはできません。令和8年2月末日が最終締切日となり、それまでに事業が完了しなかった場合は補助金の対象外となります。
また、タイプB(継承者)を利用した人は、事業完了日が属する決算期の次の決算期から3期分の補助事業の成果について、各決算期の終了後30日以内に報告書の提出が必要です。提出しない場合、補助金返還等のペナルティを受ける可能性もあるためご注意ください。
まとめ
地域の商工業を次世代へ引き継ぐためには、後継者の意欲はもちろんのこと、その挑戦を後押しする支援体制が欠かせません。水俣市が実施するこの補助金は、事業承継にかかる資金面の負担を軽減して事業の存続を後押しするものです。
継承を視野に入れている市内の事業者にとって、この補助金は心強い存在となるでしょう。
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