
政府が出産費用の無償化に向けて制度設計を進めるなか、実はいま利用できる支援制度があるのをご存じでしょうか。「妊婦のための支援給付」は、妊娠期から、出産・子育てを支える仕組みとして、すでに全国で展開されています。
今回は、この「妊婦のための支援給付」について紹介します。
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この記事の目次
出産費用が高すぎる?無償化はいつから?
出産費用は全国的に上昇傾向にあり、出産育児一時金の50万円ではカバーできないケースが増えています。厚生労働省の調査によると、令和5(2023)年度の正常分娩費用の平均額は地域によって大きな差があり、東京都では約63万円、熊本県では約39万円と、20万円以上の開きがあります。都市部を中心に、一時金では負担を補いきれない状況が続いています。
出典:厚生労働省 出産費用の状況等について
これを受けて政府は、早ければ令和8年度にも、標準的な出産費用について自己負担を無償化する方針を固めました。無償化の方法として、一時金の増額などが選択肢として挙げられており、今後、社会保障審議会の医療保険部会で、無償化とする範囲や方策などについてさらに検討を進めるとしています。
参考:NHK NEWS WEB 出産費用の無償化 政府検討会で大筋了承 範囲や方策など検討へ(2025年5月14日配信)
妊婦のための支援給付とは
こうした無償化の検討とは別に、すでに利用できる支援制度が「妊婦のための支援給付」です。この制度は、妊娠期から出産・子育てまでを切れ目なく支援することを目的としており、次の2つの支援がセットになっています。・経済的支援(給付金の支給) ・伴走型相談支援(妊婦や家庭の状況に応じた面談・サポート) |
この制度は令和4年度の補正予算で始まり、令和7年度からは法律にもとづいて、今後も続いていく仕組みになりました。
出典:こども家庭庁 妊婦のための支援給付のご案内
支援給付の内容
「妊娠時」と「妊娠8か月~出産後」の2回に分けて支給されます。
【給付内容】 (1) 妊婦給付認定後:5万円 (2) 妊娠しているこどもの人数の届出後:胎児1人につき5万円(多胎妊娠の場合は人数分支給) |
また、この制度は「伴走型相談支援」とセットで実施され、妊産婦のかたが抱える様々な不安を解消するため、自治体の相談窓口が随時、相談支援を行います。
どうすれば受け取れる?申請の流れ
給付を受けるには、「妊婦給付認定の申請」と「胎児の数の届出」が必要です。申請は、妊娠届出時と、出産前後の2回に分けて行うのが一般的です。
【申請時期】 妊婦支援給付1回目:胎児心拍確認後に、住民票のある市区町村に申請 妊婦支援給付2回目:出産予定日の8週間前以降に申請 |
1回目の申請期限は、医療機関で胎児の心拍が確認された日(受診日)から2年間です。2回目の申請期限は、出産予定日の8週間前から2年間です。
給付金について不明点があれば、住民票のある市区町村の「妊婦のための支援給付」担当窓口にお問い合わせください。また、流産・死産等の場合も、支給対象になります。
まとめ
出産費用の無償化に向けた動きが進む中で、いま利用できる「妊婦のための支援給付」は、妊娠期から出産・子育てを支えてくれる制度です。お金のことが気になって不安になることもあると思いますが、少しでも安心して出産を迎えられるよう、こうした制度を知っておくことが大切です。
手続き方法など自治体によって少しずつ違うので、「自分の場合はどうかな?」と気になったら、ぜひ一度お住まいの自治体の情報をチェックしてみてください。使える制度を上手に活用して、ゆとりのある準備につなげていきましょう。
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