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採用コストを最大420万円削減できる?副業・兼業人材コストも対象『地域企業経営人材確保支援事業給付金』とは

公開日:2026/3/6 更新日:2026/3/11
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近年、中小企業にとって採用コストの負担は大きな課題となっています。特に地方企業では、優秀な経営人材を確保したくても採用費用や人材不足の問題から思うように採用できないケースも少なくありません。

こうした課題を解決するために設けられているのが、「地域企業経営人材確保支援事業給付金」です。こちらの給付金の申請期限が、令和8年3月31日から令和9年2月14日まで延長となりました。

この制度を活用すると、経営人材の採用にかかる費用を最大420万円まで支援してもらうことが可能です。本記事では、制度の概要から対象企業、給付金額、活用のポイントまで分かりやすく解説します。

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この記事の目次

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地域企業経営人材確保支援事業給付金とは

地域企業の経営人材確保を支援する給付金(正式名称:地域企業経営人材確保支援事業給付金)は、地域の中堅・中小企業が、株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)の運営する「REVICareer(レビキャリ)」を通じて、大企業出身の経営人材を採用・受け入れた際に支給される給付金です。

地域企業が経営人材を確保しやすくすることで、経営革新や生産性向上を後押しし、地域経済の活性化につなげることがこの制度の目的です。

項目転籍型兼業・副業型(雇用契約等型)兼業・副業型(請負契約等型)在籍出向型
大企業等との雇用関係等大企業を退職していること給付対象企業以外の企業と雇用契約等を継続していること要件なし大企業と雇用契約等を継続していること
年収要件年収500万円以上※1要件なし要件なし要件なし
給付金額雇用期間等又は2年間のいずれか短い期間に支払われる給与等の100分の30(上限450万円※2)雇用期間等又は2年間のいずれか短い期間に支払われる給与等の100分の30(上限200万円)雇用期間等又は2年間のいずれか短い期間に支払われる給与等の100分の30(上限200万円)出向期間又は2年間のいずれか短い期間に支払われる地域企業負担分の100分の30(上限200万円)
雇用等の契約期間1年以上3か月以上3か月以上3か月以上
給付金申請時期雇用期間又は任期が開始した後、6か月以内雇用期間又は任期が開始した後、6か月以内契約が適正に履行されたことが検査又は確認され、報酬の金額が確定し支払われた後、6か月以内雇用期間又は任期が開始した後、6か月以内

※1. 令和8年4月以降からは3エリアに分けられたカテゴリー毎の基準となります。
※2. 令和8年4月以降からは給付額は420万円に引き下げされます。
上記注釈の詳細については2026年度からの変更点のパートで説明しております。

このように、本制度は「転籍型」「兼業・副業型」「在籍出向型」の大きく3つの型に分かれています。転籍型のみ年収要件がありますが、給付金額は最大450万円(2026年4月以降は420万円)です。

自社に迎え入れる【転籍型】

大企業をすでに退職している人材を、無期雇用または1年以上の有期雇用(役員としての委任契約を含む)で自社に完全に迎え入れる類型です。自社のコアメンバーとして、腰を据えて事業成長を牽引してもらいたい場合に最も適しています。

給付金額は支払われる給与等の30%で、上限は450万円(※制度変更により420万円に引き下げられる場合があります)と、4つの類型の中で最も手厚い支援を受けられます。

詳細要件無期雇用契約、または1年以上の有期雇用契約・委任契約(役員)を締結すること
年収要件2026年(令和8年)3月31日までの内定承諾:原則1年あたり500万円以上(2026年4月1日以降変更)
給付上限額450万円(2026年4月1日以降変更420万円)
申請期限雇用・任期開始後、6ヶ月以内に申請
必要書類大企業との雇用契約が終了したことが確認できる書類(退職証明書など)
機構人材リストから削除することへの本人の同意書
特定金融機関が人材へヒアリングを行った「ヒアリングシート」の回収(※2025年4月以降の採用で必須)
申請に必要な年収には賞与を含まれます。ただし含めることができる賞与には条件があり、「雇用契約書などに金額が確定額として明記されている賞与」に限られます。
申請時に提出する書類の様式(給与等の内訳を入力する別紙)においても、「基本給」や「各種手当」に加えて「〇月賞与(確定額)」を入力し、それらを合計して給与等の総額を算出する仕組みになっています。
そのため、業績によって金額が変動し、契約時点で支給額が確定していない賞与については、申請時の年収(給与等の合計額)に含めることができないと考えられますのでご注意ください

ミスマッチを防ぐ【兼業・副業型(雇用契約等)】

大企業などに籍を置いたままの人材と、自社で直接雇用契約や役員としての委任契約を結んで働いてもらう型です。
詳細要件3か月以上の有期雇用契約、または役員として3か月以上の委任契約を締結すること。
自社以外の企業と雇用契約等を継続していること
給付上限額対象期間の給与等の30%(上限200万円)
申請期限雇用・任期開始後、6ヶ月以内に申請
必要書類他企業と雇用契約を結んでいることが確認できる書類(他企業が発行したもの等)

プロジェクト単位で探せる【兼業・副業型(請負契約等)】

雇用契約ではなく、業務委託(請負契約)という形で、特定の業務やプロジェクトを外部人材として任せる型です。
詳細要件3か月以上の請負契約等を締結すること
給付上限額対象期間の給与等の30%(上限200万円)
申請期限契約が適正に履行されたことを企業側で検査・確認し、報酬の金額が確定して支払われた後、6ヶ月以内に申請
必要書類請負契約が適正に履行されたことを確認したことがわかる書類
報酬の金額を確定し、支払ったことがわかる書類

リスク軽減スタイルの【在籍出向型】

人材は大企業と雇用関係を継続したまま、出向契約に基づいて自社の業務に専念してもらう型です
詳細要件大企業との間で、3か月以上の出向契約を締結すること。
出向者が大企業との雇用関係を継続していること
給付上限額対象期間に出向者に支払われる給与、または大企業に支払われる「企業負担金」の30%(上限200万円)
申請期限就業開始後、6ヶ月以内に申請
必要書類給与負担等の取り決めが記載された出向契約書等の写し
大企業と雇用契約を締結していることが確認できる書類
兼業・副業型(請負契約等)を除く3つの類型では、給付金受給後も実績報告が必要です。

給付金は「対象期間の給与支払い」などを前提として支給されるため、企業は特定金融機関を通じて、半年ごと(1年経過後は1年ごと)に賃金台帳や給与明細の写しなどを提出し、「実際に給与等を支払っていること」を実績報告する義務があります。万が一、要件を満たさなくなった場合(早期退職や給与の減額など)は、給付金の返還が求められることがありますのでご注意ください

注意しておくべき2026年度からの変更点とは

2026年度からは、以下の4つの変更点がありますのでご確認ください。

① 給付支援対象となる年収基準の見直し
② 給付金の申請期限の延長
③ 給付金支給上限の引下げ(転籍型のみ)
④ ①および③の適用時期における経過措置


① 給付支援対象となる年収基準の見直し

まずは、転籍型における年収要件が今までは一律(一部地域をのぞく)500万円以上となっていましたが、地域毎における年収水準に開きがある状況を踏まえ都道府県を3つのカテゴリーに分けてカテゴリー地域ごとに年収基準が見直されることとなりました。

カテゴリー年収基準該当都道府県
550万円以上東京都、神奈川県、愛知県、大阪府
500万円以上北海道、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県
450万円以上青森県、岩手県、秋田県、山形県、鳥取県、徳島県、長崎県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
令和8年4月1日以降にレビキャリにおいて「内定承諾」となる案件から適用されますのでご注意ください。

② 給付金の申請期限の延長

給付金の申請期限が、令和8年3月31日から令和9年2月14日まで延長となりました。

③ 給付金支給上限の引下げ(転籍型のみ)

給付金支給上限額が、転籍型のみ最大450万円から最大420万円まで引下げられました。

④ ①および③の適用時期における経過措置

改定を予定している①および③が適用される時期について、経過措置が設けられます。つまり、内定の承諾日によって給付金額の対象となる年収基準や給付金の上限額が異なる可能性があります。

現在レビキャリにおいて選考中の企業の方はこの令和8年4月1日からは新制度が適用されるのでご注意ください。

この給付金を受け取ることができる「対象企業(給付対象企業)」とは

基本的には「資本金10億円未満かつ従業員2,000人以下の日本国内の法人」が対象ですが、資本関係や業種などによって細かな除外規定が設けられています。

【基本要件】

・日本国内で本店の法人登記を行っていること。
・給付申請時の資本金の額又は出資の総額が10億円未満、かつ、常時使用する従業員の数が2,000人以下の法人であること

※資本金や出資がない法人の場合は、従業員数が2,000人以下であれば要件を満たします。

【対象外となる企業(除外要件)】

上記の規模要件を満たしていても、以下のいずれかに該当する法人は給付の対象外となります。
除外区分対象となる主な内容
資本・グループ関係による除外採用する人材(機構人材リスト登録者)が現在または過去に勤務していた大企業の親会社・子会社・関連会社。同一大企業から発行済株式総数や出資総額の2分の1以上を所有されている法人。複数の大企業から発行済株式総数や出資総額の3分の2以上を所有されている法人。グループ企業間での転籍など給付金の趣旨に照らして不適当と判断される場合。
業種・組織形態による除外銀行、銀行持株会社、信用金庫、信用組合、農業協同組合、漁業協同組合などの金融機関等。風俗営業、性風俗関連特殊営業、接客業務受託営業を営む者。政治団体や宗教上の組織・団体。官公庁、独立行政法人、特殊法人、国や地方公共団体が出資・出えんを行っている法人など。
その他の除外事由就業開始日から起算して過去1年以内に労働関係法令に違反した企業。暴力団または暴力団関係者が所属する企業。破壊活動防止法に規定する暴力主義的破壊活動を行った、または行う恐れがある者。人材紹介の過程で不当な行為が認められる場合など、機構が適当でないと認める者。

給付金を活用して人材採用するまでの流れについて

地域企業経営人材確保支援事業給付金を活用して人材を採用し、給付金を申請するまでの全体的な流れは以下のようになります。

1.事前準備・人材探し

まずは、「REVICareer(レビキャリ)」の仕組みを利用するための準備とマッチングを行います。
特定金融機関への相談: 給付金の申請にはレビキャリに登録している「特定金融機関(地域金融機関)」のサポートが必須となります。まずは登録金融機関に相談し、人材探しの支援を依頼します。
人材の探索: レビキャリのサイトや特定金融機関を通じて、自社の課題解決に必要な大企業出身の人材(機構人材リスト登録者)を探します。

マッチングとシステムの利用(重要要件)

選考が進む中で、システム上で必ず行わなければならない手続きがあります。それは指定文言でのメッセージ送受信です。
求人の申し込みを受けた特定有料職業紹介事業者(金融機関等)と候補となる人材との間で、レビキャリのシステムを利用し、機構が定める「特定の文言」を用いてメッセージの送受信を行うことが給付の必須要件となっています。

3. 条件交渉・契約締結(採用・内定承諾)

企業と人材の双方で合意に至ったら、受け入れ類型(転籍、兼業・副業、在籍出向)に応じた契約を結びます。
契約の締結: 雇用契約、業務委託(請負)契約、あるいは出向契約などを締結します。この際、各類型で定められた「契約期間(1年以上、3ヶ月以上など)」や「年収要件(転籍型の場合)」を満たす内容である必要があります。
【2025年4月以降の「転籍型」のみ】ヒアリングの実施: 採用にあたり、特定金融機関が採用人材に対して、企業から経営理念等の説明を受けたかどうかのヒアリングを行い、「ヒアリングシート」を作成・回収します。

内定承諾後に、受け入れ類型毎に給付金申請までの締め切り期限が定められていますので、次は給付申請までの流れについてご紹介します。

特定金融機関を通じた給付申請の流れとは

地域企業経営人材確保支援事業給付金の申請は、企業単独で行うものではなく、REVICareer(レビキャリ)に登録している「特定金融機関(地域金融機関)」と連携して進める必要があります。
申請から給付、そして給付後の報告までの全体的な流れは以下の通りです。

申請前の事前手続き(企業 ⇔ 特定金融機関)

給付金の申請にあたり、企業と特定金融機関との間で事前の契約等が必要です(兼業・副業型の「請負契約等」を除く)。
企業と特定金融機関の間で、給付金受給後に必要となる「給与等の支払状況に係る報告(実績報告)を行うことについて同意した契約書」を締結します。

金融機関による確認・書類作成(特定金融機関 ⇔ REVIC)

企業の給付申請に合わせて、特定金融機関側でもREVIC(機構)へ提出する書類を作成します。
特定金融機関は、給付対象企業が要件を満たす経営人材を採用したことを確認し、「人材確認書」を作成してREVICに提出します。
この際、採用人材に対して特定金融機関がヒアリング(経営理念等の説明を受けたかなど)を行い、「ヒアリングシート」および「ヒアリングシート報告書」を作成・回収してREVICに提出します

企業による給付申請(企業 ⇒ REVIC)

企業は、雇用期間等(請負型の場合は報酬支払い)が開始した後、6ヶ月以内に給付申請を行います。
指定の「給付申請書」を作成し、法人登記簿謄本、雇用契約書の写し、金融機関と締結した契約書の写しなどの必要添付書類とともにREVICへ提出します。

審査・給付金の支払い(REVIC ⇒ 企業)

REVICにて申請書類の審査が行われ、給付の可否が決定されます。
給付決定通知書が送付された後、通常45日程度で、指定した企業の口座へ給付金が支払われます。

給付受給後の「実績報告」(企業 ⇒ 特定金融機関 ⇒ REVIC)

給付金を受け取った後も、実際に給与が支払われていることを証明するための「実績報告」の手続きが特定金融機関を通じて必要です(兼業・副業型の「請負契約等」を除く)。
企業から金融機関へ: 企業は、賃金台帳の写しや給与明細などを定期的に(最初の1年間は半年ごと、その後は1年分をまとめて)特定金融機関へ提出します。
金融機関からREVICへ: 特定金融機関は、企業から受け取った書類をもとに「実績報告書」を作成し、報告を受けた月の末日までにREVICへ提出します。
【2025年4月以降の転籍型のみ】アンケート(任意): 賃金台帳等を提出するタイミングで、特定金融機関から採用人材へアンケートへの協力依頼が行われます。

※ 万が一、早期退職等があった場合の「状況報告」
雇用期間中に人材が退職したり、給与が減額されて給付要件を満たさなくなったりした場合、企業はその日から10日以内に特定金融機関へ報告する必要があります。報告を受けた特定金融機関は、REVICに対して「状況報告書」を提出し、状況に応じてREVICから給付金の返還が求められます

まとめ

地域企業経営人材確保支援事業給付金は、転籍だけでなく、兼業・副業や在籍出向といった柔軟な形で経営人材を活用できる点が、本制度の大きな特徴です。

採用コストの増加や人材不足に悩む地方企業にとって、本制度は経営人材を確保しながら採用費用の負担を抑える有効な選択肢となります。自社の成長戦略や課題解決に必要な人材を確保するためにも、REVICareerを活用した人材マッチングや地域金融機関への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

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