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【2026年度】セーフティネット専用住宅改修事業とは?空き家改修に1戸62万〜250万円、子育て支援施設の併設で最大1,250万円

公開日:2025/8/26 更新日:2026/8/17
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人口減少や高齢化の進行に伴い、全国各地で空き家が増えています。長い間使われていない住宅は、老朽化や治安・景観の悪化といった地域課題につながる一方で、適切に改修すれば新しい住まいとして再生することができます。

こうした空き家や賃貸用住宅を「社会に役立つ住宅」として活用できるように設けられているのが、国が実施する「セーフティネット専用住宅改修事業」(住宅確保要配慮者専用賃貸住宅等改修事業)です。改修費用の1/3の補助を受けられるため、空き家を有効に使いたい所有者や事業者の後押しとなります。

令和8年度は補助上限額が全面的に引き上げられ、基本の上限は1戸あたり62万円、バリアフリー改修や子育て世帯対応改修などは1戸あたり125万円、車椅子対応の水回り整備なら250万円まで拡大しました。子育て支援施設を併設する場合の加算も1施設あたり1,250万円に増額されています。

本記事では、令和8年度の最新情報にもとづき、制度の内容や補助額、対象となる工事、シェアハウスとしての活用、申請の流れについて解説します。

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この記事の目次

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令和8年度の主な変更点

令和8年度は補助上限額の全面的な引き上げが行われ、申請期間も更新されました。主な変更点は以下のとおりです。

項目令和7年度令和8年度
基本の補助上限
(省エネ・防音改修等)
50万円/戸62万円/戸
バリアフリー・耐震・
子育て対応改修等
100万円/戸125万円/戸
エレベーター設置115万円/戸143万円/戸
車椅子対応の便所・浴室整備200万円/戸250万円/戸
子育て支援施設の併設1,000万円/施設1,250万円/施設
申請期間令和7年4月2日〜12月12日令和8年4月15日〜
12月11日(金)17時

なお、補助率はいずれも対象経費の1/3で、令和7年度から変更はありません。

セーフティネット専用住宅改修事業とは

セーフティネット専用住宅改修事業は、空き家や古い賃貸住宅を、住宅に困っている人向けの住まいに再生するため、改修費等の一部を支援する制度です。本事業は、住宅確保要配慮者(子育て世帯や高齢者世帯など)の増加に対応するため、2017年にスタートした「新たな住宅セーフティネット制度」とあわせて始まりました。国土交通省の「スマートウェルネス住宅等推進事業」の一つとして、一般財団法人住宅保証支援機構が交付事務局を務めています。

空き家や古い賃貸住宅がそのままでは住みにくい場合、バリアフリー化や耐震工事、子育て世帯向けの改修等が必要になります。その費用の一部を国が支援し、大家さんや事業者が安心して住宅を提供できるようにする仕組みです。

なお、本補助金を申請する住宅は一定の登録基準を満たしている必要があり、住宅確保要配慮者専用の住宅として10年以上登録することが求められます。

参考:新たな住宅セーフティネット制度について
参考:住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律について

「居住サポート住宅改修事業」との違い

令和6年の住宅セーフティネット法改正(令和7年10月1日施行)により、居住支援法人等が入居者の安否確認・見守りを行う「居住サポート住宅」の認定制度が新たに創設されました。これに対応する改修補助として「居住サポート住宅改修事業」が本事業とは別に実施されています。

制度対象
セーフティネット専用住宅改修事業
(本記事)
住宅確保要配慮者「専用」の賃貸住宅として登録する住宅の改修
居住サポート住宅改修事業見守り等の居住支援サービス付き住宅(居住サポート住宅)の改修

どちらの制度が適しているかは物件の運営方針によって異なるため、迷う場合は交付事務局に相談しましょう。

対象となる住宅の要件

本補助金の交付申請には、対象地域・入居者・家賃・住宅の登録基準の4つの要件を満たす必要があります。

対象地域

本補助金を交付申請できるのは、賃貸住宅供給促進計画を策定している以下の地方公共団体(2025年6月30日時点)にある住宅です。

北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
旭川市、盛岡市、いわき市、水戸市、茂木町、さいたま市、西東京市、横浜市、川崎市、相模原市、長泉町、名古屋市、岡崎市、神戸市、加古川市、倉敷市、広島市、福山市、福岡市、北九州市、熊本市、大分市

所有する物件が上記の地域内にあるか、最初に確認しておきましょう。このほか、地方公共団体の空家等対策計画等において空家の住宅確保要配慮者向け賃貸住宅への有効活用等が位置づけられていること、地方公共団体が居住支援協議会等と連携した取組を行っていることも要件となるため、物件所在地の都道府県・市区町村への確認が必要です。

入居対象者(住宅確保要配慮者)

入居者となる住宅確保要配慮者は、以下のいずれかに該当する人(世帯)です。令和8年度は17類型となり、「困難な問題を抱える女性」が明記されました。

・高齢者(60歳以上)
・障害者
・子ども(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者)を養育している者
・被災者(災害発生から3年以内)
・低額所得者(月収15万8千円以下)
・外国人
・中国残留邦人
・児童虐待を受けた者
・ハンセン病療養所入所者等
・DV被害者
・拉致被害者
・犯罪被害者等
・更生施設退所者等(保護観察対象者等を含む)
・困難な問題を抱える女性
・生活困窮者
・被災者(準ずる区域として国土交通大臣が定めるもの)
・賃貸住宅供給促進計画に定める住宅確保要配慮者

家賃の上限

家賃は、以下の金額を超えないように設定する必要があります。

家賃の上限額 = 79,000円 × 50/65 × 市町村立地係数

ただし、住戸床面積が75㎡以上の一戸建て・長屋建てに限っては、上記の1.5倍の額を超えない金額に設定してください。

一例として、主要都市の上限家賃は以下のとおりです。

都市上限家賃(月額)
東京都千代田区97,200円
東京都新宿区79,000円
横浜市72,900円
名古屋市66,800円
大阪市75,900円
神戸市72,900円
広島市66,800円
福岡市63,800円
札幌市60,700円
仙台市60,700円

その他の地域は上記の計算式(市町村立地係数はリストにない市区町村では0.70)から算定します。

住宅の登録基準(面積・設備)

専用住宅として登録するには、規模・設備等の基準を満たす必要があります。

・一般住宅(既存住宅):各住戸の床面積18㎡以上(台所・収納・浴室等を共同利用する場合は13㎡以上)
・一般住宅(新築住宅):各住戸の床面積25㎡以上(共同利用の場合は18㎡以上)
・各住戸に台所、便所、収納設備、浴室又はシャワー室を備えること(共用部分で同等以上の環境が確保できる場合を除く)
・消防法・建築基準法に違反しないこと、新耐震基準に適合していること
・家賃が近傍同種の住宅と均衡を失しないこと

なお、地方公共団体によっては面積基準等を緩和している場合があります。

補助額と補助対象工事

本補助金の補助率は対象経費の1/3で、令和8年度の補助上限額は工事内容に応じて1戸あたり62万円〜250万円です。子育て支援施設を併設する場合は、1施設あたり1,250万円を限度に加算されます。

補助対象工事等補助限度額の上限(1戸あたり)
①バリアフリー改修工事
②耐震改修工事
③共同居住用住居に用途変更するための改修工事
④間取り変更工事
⑤子育て世帯対応改修工事
⑥防火・消火対策工事
⑦交流スペースを設置する工事
125万円
⑧省エネ改修工事
⑨安否確認のための設備の改修工事
⑩防音・遮音工事
⑪居住のために最低限必要な改修工事
⑫調査において居住のために最低限必要と認められた工事
⑬住宅確保要配慮者居住支援協議会等が必要と認める改修工事
⑭①〜⑬の工事に係る調査設計計画(インスペクションを含む)
62万円
⑮居住支援法人が見守り等の居住支援を行う専用住宅として運営するために必要な改修工事に伴う準備費用家賃3か月分
(一定の要件を満たす場合、最大12か月分)

さらに、以下の工事を行う場合は補助上限額が引き上げられます。

補助対象工事等補助限度額の上限(1戸あたり)
①バリアフリー改修工事のうち、エレベーターの設置工事を実施する場合143万円
①バリアフリー改修工事のうち、車椅子使用者に必要な空間を確保した便所及び浴室等を整備する場合250万円
⑤子育て世帯対応改修工事に加え、②耐震改修工事・④間取り変更工事・⑧省エネ改修工事を行う場合それぞれの工事の限度額の合計額(250万円を超える場合は250万円)
⑤子育て世帯対応改修工事のうち、子育て支援施設の併設工事を実施する場合1施設あたり1,250万円

細かく補助上限額が設定されているため、ご自身が保有する住宅に適した工事計画を検討してみましょう。なお、以下の点に注意が必要です。

・交付決定前に工事着手した場合は補助対象外となります
・消費税等は補助対象外です
・国の他の補助や交付金を受ける費用は補助対象になりません
・用地取得費、家具・家電製品、華美・過大な設備等は補助対象外です

シェアハウス(共同居住型住宅)としての活用も可能

本事業は、空き家をシェアハウス(共同居住型賃貸住宅)に改修する場合にも活用できます。高齢者向けシェアハウスやひとり親世帯向けシェアハウスなど、共同居住のニーズは高まっており、「共同居住用住居に用途変更するための改修工事」として1戸あたり125万円を上限に補助を受けられます。

共同居住型住宅の主な登録基準は以下のとおりです。

・住宅全体の面積:15㎡×入居可能者数+10㎡以上(入居可能者数は2人以上)
・専用居室の面積:9㎡以上(造り付け収納の面積を含む)、入居者は1室1人
・共用部分:居間・食堂・台所、便所、洗面、洗濯室(場)、浴室又はシャワー室を設けること
・設備数:便所・洗面・浴室又はシャワー室は、入居可能者数を5で除した数(小数点以下切り上げ)を設けること

ひとり親世帯向けシェアハウスには、専用居室12㎡以上・親子1世帯で入居可能とするなどの別基準が設けられています。用途変更に伴い建築基準法・消防法への適合工事が必要になる場合は、その工事も補助対象です。

補助対象者

本補助金を申請する補助対象者は、原則として改修工事等の発注者(法人・個人)で、かつ、専用住宅として登録する者に限られます。また、サブリース業者が登録・申請・工事発注を行い、補助金を受給することも可能です。ただし、改修工事を行う部分について、補助を受ける者が権利を有し、責任を負う必要があります。

なお、宗教法人や暴力団関係者等は申請できません。過去3カ年度内に国土交通省住宅局所管補助金で交付決定の取消しに相当する理由により返還を求められた者も、原則として申請が制限されます。

申請スケジュール

令和8年度の募集期間は、令和8年4月15日(水)から令和8年12月11日(金)17時までです。

この期限は、事前審査が終了した後の正式な交付申請書をメールで提出する期限です。書類が揃った案件から順に事前審査が行われるため、遅くとも期限の1ヶ月以上前にはメールによる事前審査を開始する必要があります。専用サイトから必要書類をダウンロードし、作成のうえメールで提出してください。

申請時に必要な書類は申請内容によって異なりますが、改修工事の場合は以下の書類が必要です。

・確認書・申告書・誓約書(申請者)
・要件適合確認書(申請者)
・工事等に係る適合確認書(建築士)
・交付申請書
・補助金交付申請額・国庫補助金受入調書
・事業の概要及び補助要望額
・事業費総括表
・振込口座登録票
・対象住戸工事内容説明書(共同居住型以外)
・対象住戸工事内容説明書(共同居住型)
・共用部工事内容説明書(共同居住型以外・共同居住型)
・子育て支援施設工事内容説明書
・改修工事前の写真(建物外観・改修を行う建物内観室内 全室)
・委任状
・面積按分表

このほか、本人確認資料や登記事項証明書、工事費内訳書(見積書)、図面等の添付資料が必要です。交付事務局に書類を直接持参しての申請はできません。記入内容について交付事務局から連絡が来る場合があるため、必ず提出書類全ページの写しをとっておいてください。

なお、補助対象となるのは令和8年度中に工事着手する事業です。令和8年度中に着手に至らない場合、交付決定が無効になります。また、令和8年度内に補助金の支払いを受けるには、令和9年1月29日(金)までに完了実績報告書を提出する必要があります。

申請の流れ

本補助金の申請手順は、事業の内容によって異なりますが、住宅の改修工事のみ補助申請する場合は以下の流れとなります。

手順詳細
①登録申請住宅確保要配慮者専用賃貸住宅として、都道府県等に申請する
②交付申請の申し込みメールで事前審査を受け、審査終了後に正式提出となる
③工事着手していないことを証明する写真の提出交付決定後、1週間以内に該当の写真を提出する
④改修工事着手工事着手した写真を提出する
⑤完了実績報告改修工事完了後、完了報告書の提出。事前審査後、正式に提出扱いとなる
⑥補助金の受領報告書類の審査完了後、補助額確定、額の確定の翌月末頃に交付
⑦定期報告1年に1回、10年間報告

原則として、専用住宅として登録した建物単位での申請が必要です。金融機関の融資を受ける場合には、融資の内諾を得た上で申請してください。関係会社等から調達を行う場合、補助金交付申請時に3者以上からの見積り結果の提出が求められます。

よくある質問

個人の大家でも申請できる?

はい、個人の賃貸事業者でも申請できます。改修工事等の発注者であり、住宅確保要配慮者専用の住宅として登録する方が対象です。サブリース業者による申請も可能です。

交付決定前に工事を始めても大丈夫?

いいえ、交付決定通知日より前に工事着手した場合は補助対象外となります。必ず交付決定を受けてから工事を始めてください。

シェアハウスへの改修にも使える?

はい、共同居住用住居への用途変更工事として、1戸あたり125万円を上限に補助を受けられます。住宅全体・専用居室の面積や共用設備について別途登録基準を満たす必要があります。

10年経つ前に売却したらどうなる?

補助事業完了後10年未満で譲渡等の処分を行う場合、国土交通大臣の承認を得る財産処分手続きが必要です。無断で処分すると補助金の返還を求められることがあります。

他の補助金と併用できる?

国の他の補助や交付金を受ける費用は本補助金の対象になりません。ただし、対象範囲を明確に分ければ、同じ住宅内で別工事に別制度を使うことは可能です。


まとめ

セーフティネット専用住宅改修事業は、空き家や賃貸を有効活用し、住宅を必要とする人々へ安心な住まいを提供するための制度です。令和8年度は補助上限額が全面的に引き上げられ、所有者や事業者にとって、物件の活用を進めながら社会的な役割を果たせる機会がさらに広がりました。

また、住宅確保要配慮者専用賃貸住宅として登録することで、セーフティネット住宅情報提供システムに掲載され、誰でも閲覧できる状態になるため、多くの人に周知されやすくなります。改修後は「住宅確保要配慮者専用住宅」として10年以上運営し、年1回の定期報告を行うことが条件となりますが、地域課題の解決と資産活用を同時に実現できる制度といえるでしょう。

申請期限は令和8年12月11日(金)17時ですが、事前審査に時間を要するため、検討中の方は早めに準備を始めることをおすすめします。

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