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障害者の生活用具を支援する「日常生活用具給付等事業」内容と申請の流れを解説

公開日:2026/2/3 更新日:2026/6/26
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障害のある方やお子さんの日常生活を支えるため、各市区町村では「日常生活用具給付等事業」を実施しています。紙おむつやマットレス、電気式たん吸引器(吸引器)、ストマ装具(ストーマ用装具)など、生活に身近な用具の購入費が支援の対象です。多くの自治体で利用者負担は購入費用の1割程度に抑えられ、世帯の収入状況によっては0円で給付を受けられます。

「対象になる用具を一覧で知りたい」「いくらまで補助されるのか」「申請の流れがわからない」――こうした疑問をお持ちの方に向けて、本記事では対象用具の一覧、補助額(給付限度額)の目安、申請の流れと給付券の使い方までをわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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日常生活用具給付等事業とは?対象者と補助額をわかりやすく解説

日常生活用具給付等事業とは、障害や難病をお持ちの方やお子さんが、日常生活に必要な用具の購入費用を支援する制度です。障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)に基づき、市町村が行う地域生活支援事業の必須事業の1つとして規定されています。

紙おむつ・ストマ装具・電気式たん吸引器・マットレス・浴槽・つえ・人工喉頭など、幅広い用具が給付の対象です。利用者負担は原則として購入費用の1割で、所得に応じた負担上限額が設けられています。

この制度は、対象者・補助額(給付限度額)・対象用具が地域によって異なります。制度内容を確認したい方は、各市区町村の役所に直接問い合わせるか、公式ページで確認しましょう。公式ページを調べる場合、「〇〇市(お住まいの市町村) 日常生活用具給付等事業」で検索すると見つかります。

参考:厚生労働省 日常生活用具給付等事業の概要

制度を利用できる対象者は?

制度を利用できるのは、日常生活用具を必要とする重度の障害者・障害児、難病患者等です。具体的には以下のような方が対象となります。


  • 身体障害者手帳をお持ちの方
  • 精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方
  • 療育手帳をお持ちの方
  • 難病患者等(障害者総合支援法施行令に定める疾病による障害のある方)
難病患者等については、身体障害者手帳の有無にかかわらず、必要と認められた場合には支給の対象となります。ただし、対象となる用具の種目は限られる場合があります。

なお、介護保険制度や医療保険など、他の制度で給付が可能な場合は、そちらが優先され、日常生活用具給付等事業の対象とならないことがあります。また、長期入院中・施設入所中の方は、一部の種目を除いて対象外となります。

日常生活用具給付等事業に所得制限はある?

日常生活用具給付等事業には、18歳以上の方を対象とした所得制限があります。本人または配偶者の市町村民税所得割額が46万円以上の場合、給付対象外となります。

一方、18歳未満の児童については、2024年(令和6年)4月1日より所得制限が撤廃されました。保護者の所得にかかわらず、日常生活用具の購入費用の一部が助成されます。障害のあるお子さんへの支援が拡充されたかたちです。

世帯状況によって自己負担額は1割以下に

利用者負担額は市区町村によって異なりますが、多くの地域では世帯の収入状況に応じて負担上限が決められています。一例として世田谷区の場合、利用者負担上限額は以下のとおりです。

区分世帯の収入状況利用者負担額
生活保護・低所得生活保護受給世帯・住民税非課税世帯0円
一般1住民税課税世帯(所得割額:24,000円未満)購入費用の1割(上限:1,120円)
一般2住民税課税世帯(所得割額:24,000円以上55,000円未満)購入費用の1割(上限:2,350円)
一般3住民税課税世帯(所得割額:55,000円以上100万円未満)購入費用の1割(上限:37,200円)
一般4住民税課税世帯(所得割額:100万円以上)全額

出典:世田谷区 障害者日常生活用具給付事業のご案内

上記の区分では、自己負担が1割以下となる区分で制度を利用できる方が多いと考えられます。なお、世帯の範囲は年齢で異なり、18歳以上は「本人と配偶者」、18歳未満は「世帯全員」の課税状況で負担上限額を算定するのが一般的です。上記の一般4に該当する家庭でも、対象者が18歳未満の児童の場合は一般3の区分となります。

対象となる生活用具の一覧と補助額(給付限度額)は?

対象となる生活用具(日常生活用具)は、厚生労働省の大分類で以下の6種類に分けられます。種類ごとに代表的な用具の例と、世田谷区における補助上限額(給付限度額)を紹介します。基準額(給付限度額)を超える分は全額自己負担となります。

①介護・訓練支援用具

特殊マットや特殊寝台、体位変換器など、介護や訓練に使用する用具です。

用具の例補助上限額(世田谷区の例)
マットレス(特殊マット)52,800円
訓練いす(児童のみ)33,100円

②自立生活支援用具

入浴・食事・移動などの自立生活を支援する用具です。床からの立ち上がりを助ける入浴補助用具や、便器、T字杖・棒状のつえ、手すり(スロープ含む)なども含まれます。

用具の例補助上限額(世田谷区の例)
浴槽(湯沸器含む)91,000円
浴槽(浴槽のみ)58,300円
浴槽(湯沸器のみ)50,000円
T字状・棒状のつえ4,683円
イヤーマフ6,800円
車いす用雨がっぱ10,000円
火災警報器31,000円
自動消火器28,700円

③在宅療養等支援用具(電気式たん吸引器・吸入器など)

在宅療養を支援する用具です。電気式たん吸引器(痰の吸引に使う医療用吸引器)や、ネブライザー(吸入器)、視覚障害者用体温計なども含まれます。

用具の例補助上限額(世田谷区の例)
電気式たん吸引器(吸引器)56,400円
空気清浄器33,800円

④情報・意思疎通支援用具

点字器や人工喉頭(電気式人工喉頭を含む)など、情報収集・情報伝達・意思疎通を支援する用具です。視覚障害者用拡大読書器、聴覚障害者用通信装置、携帯用会話補助装置なども含まれます。

⑤排泄管理支援用具(紙おむつ・ストマ装具など)

ストマ装具(ストーマ用装具)や紙おむつ等、排泄管理を支援する用具や衛生用品です。ストマ装具については、申請1回で12か月分をまとめて申請できる自治体もあります。

用具の例補助上限額(世田谷区の例)
ストマ装具(消化器系)12,450円(月額)
ストマ装具(泌尿器系)13,650円(月額)
紙おむつ等12,000円(月額)

⑥居宅生活動作補助用具(住宅改修費)

段差の解消や手すりの取り付けなど、居宅の改修にかかる費用を支援する用具です。自治体によって対象範囲が異なります。住宅改修については、介護保険や他のリフォーム補助との関係も確認しておきましょう。

【2026年度】トイレリフォームの補助金・助成金一覧|最大250万円・介護保険から小規模事業者向けまで申請条件を解説

対象となる用具は、地域や障害の種別、障害の程度(等級)等によって異なります。上記はあくまで世田谷区の一例です。利用者の状況ごとの対象用具を知りたい方は、地域の役所に問い合わせてみましょう。

紙おむつ・ストマ装具・吸引器は対象になる?品目別のポイント

検索が多い品目について、給付の考え方を整理します。いずれも対象用具に含まれますが、対象者の要件や他制度との優先関係に注意が必要です。

紙おむつ(おむつ)の助成を受けるには

紙おむつは「排泄管理支援用具」として対象に含まれます。世田谷区では月額12,000円程度を上限に支給される例があります。常時おむつを使用する在宅の重度障害児・者が主な対象で、年齢の下限(例:原則3歳以上)を設けている自治体もあります。介護保険の対象となる方は、そちらが優先される場合があります。

ストマ装具(ストーマ用装具)の給付

ストマ装具は「排泄管理支援用具」として、人工肛門(消化器系)・人工膀胱(尿路系)を造設した方が対象です。世田谷区の例では月額12,450〜13,650円が上限です。入院中・施設入所中でも給付できる種目として扱われることが多く、申請1回で複数か月分をまとめられる自治体もあります。

電気式たん吸引器(吸引器)の補助

電気式たん吸引器は「在宅療養等支援用具」として対象に含まれ、世田谷区の補助上限額は56,400円です。呼吸器機能に障害がある方などが対象で、医療保険による給付が優先される場合があります。なお、吸引器のレンタル(貸与)に対応している地域もあるため、購入かレンタルかは事前に窓口で確認しましょう。

補装具との違いは?

日常生活用具と似た制度として「補装具」があります。両者はよく混同されますが、結論として、補装具は身体機能を補完・代替する装具(義肢・車いす・補聴器等)を、日常生活用具は日常生活の便宜を図る用具全般を対象とする点が異なります。

比較項目日常生活用具給付等事業補装具費支給制度
根拠法障害者総合支援法(地域生活支援事業)障害者総合支援法(個別給付)
品目・基準額の決定市町村が独自に決定厚生労働大臣が全国一律で定める
対象日常生活の便宜を図る用具全般身体機能を補完・代替する装具(義肢・車いす・補聴器等)
修理修理費用は全額自己負担修理も支給対象(補装具費の支給対象)
専門的判定原則不要(意見書が必要な場合あり)医師等による専門的な意見・診断が必要

補装具は義肢や補聴器、車いすなど「身体に装着し長期間継続して使用するもの」が中心です。修理費用が支給対象になる点も補装具の特徴で、日常生活用具では修理費は自己負担となります。

子ども向けの「小児慢性特定疾病児童日常生活用具給付事業」とは?

障害者手帳をお持ちでないお子さんでも、小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちの場合は、「小児慢性特定疾病児童日常生活用具給付事業」を利用できる場合があります。これは障害者総合支援法の日常生活用具とは別の、児童福祉法に基づく制度です。

対象は、在宅で療養する小児慢性特定疾病児童等で、障害者総合支援法など他の制度の対象とならない方です。給付される用具は自治体によって異なりますが、ネブライザー(吸入器)、電気式たん吸引器、パルスオキシメーター、ストーマ装具、特殊寝台、車いす、クールベスト、紫外線カットクリームなど、おおむね18種目前後が対象とされています。自己負担額は世帯の所得に応じて決まります。

参考:小児慢性特定疾病情報センター 日常用具の制度

障害者総合支援法の日常生活用具と小児慢性特定疾病の日常生活用具は、どちらか一方のみが対象です。両方の制度を併用することはできないため、どちらの制度に該当するかを自治体の窓口で確認しましょう。

申請の流れと給付券の使い方

本制度を利用する場合、結論として用具を購入する前に役所の窓口で申請するのが大原則です。給付決定(給付券の交付)を受ける前に購入すると、ほとんどの場合、補助の対象外となります。

日常生活用具給付等事業の申請の流れ
①相談・事前確認市区町村の窓口で、希望する用具が給付対象かどうかを確認する
②見積書の取得対象の用具について、販売業者から見積書を取得する
③申請書の提出日常生活用具給付申請書と見積書・カタログ等の添付書類を市区町村に提出する(意見書が必要な場合あり)
④審査・給付決定市区町村が審査を行い、給付決定通知書と日常生活用具給付券が交付される
⑤用具の購入・受領給付券を販売業者に提示し、用具を購入・受領する。利用者は自己負担額のみを業者に支払う
⑥業者が公費分を請求販売業者が市区町村に公費負担分を請求する(代理受領方式)

日常生活用具給付券とは?使い方を解説

「日常生活用具給付券(給付券)」は、給付決定後に市区町村から交付される書類です。この給付券を販売業者に提示することで、利用者は自己負担額のみを支払って用具を受け取れます(代理受領方式)。公費分は業者が直接市区町村に請求するため、利用者が全額を立て替える必要がありません。

なお、自治体によっては「償還払い方式」(利用者が全額を業者に支払い、後から自己負担額以外の還付を受ける方式)を採用している場合もあります。使用できる業者が指定されている自治体もあるため、事前に窓口で確認しましょう。

重要:先に用具を購入してしまうと対象外になる場合があります

給付決定(給付券の交付)を受ける前に用具を購入してしまうと、ほとんどの場合、補助の対象外となります。必ず購入前に役所の窓口に相談・申請してください。

申請書は、市区町村のホームページからダウンロードできるほか、役所の窓口でも配布されています。地域によっては、ストマ装具・紙おむつ等の継続給付申請をWeb上(電子申請)で行える自治体もあります。

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日常生活用具給付等事業に関するよくある質問

最後に、日常生活用具給付等事業に関するよくある質問を紹介します。

紙おむつ(おむつ)は対象になる?

紙おむつ等は「排泄管理支援用具」として日常生活用具給付等事業の対象用具に含まれています。常時おむつを使用する在宅の重度障害児・者などが主な対象です。自治体によっては月額12,000円程度を上限に支給されるケースがあります。ただし、介護保険が優先される場合や、年齢の下限(例:原則3歳以上)を設けている自治体もあるため、対象となるかどうかはお住まいの市区町村にご確認ください。

電気式たん吸引器(吸引器)は対象になる?

電気式たん吸引器は「在宅療養等支援用具」として対象用具に含まれています。世田谷区の例では補助上限額は56,400円です。ただし、医療保険による給付が優先される場合や、対象者の要件があるため、事前に市区町村の窓口にご相談ください。レンタル(貸与)に対応している地域もあります。

対象用具の一覧と基準額(給付限度額)を知りたい

対象用具(日常生活用具)の一覧と基準額(給付限度額)は、お住まいの市区町村の公式ページまたは役所の窓口で確認できます。厚生労働省が定める大分類では、①介護・訓練支援用具、②自立生活支援用具、③在宅療養等支援用具、④情報・意思疎通支援用具、⑤排泄管理支援用具、⑥居宅生活動作補助用具(住宅改修費)の6種類が対象です。具体的な品目や補助上限額は自治体ごとに異なり、基準額を超える分は全額自己負担となります。

給付券(日常生活用具給付券)はどう使う?

給付決定後に市区町村から交付される日常生活用具給付券を、用具の購入先(販売業者)に提示します。利用者は自己負担額のみを業者に支払い、残りの公費負担分は業者が市区町村に直接請求します(代理受領方式)。なお、使用できる業者が自治体ごとに指定されている場合があります。事前に窓口でご確認ください。

所得制限はありますか?

18歳以上の方は、本人または配偶者の市町村民税所得割額が46万円以上の場合、給付対象外となります。一方、18歳未満の児童については、2024年(令和6年)4月1日より所得制限が撤廃され、保護者の所得にかかわらず給付を受けられるようになりました。負担上限額を算定する際の世帯の範囲も年齢で異なり、18歳以上は本人と配偶者、18歳未満は世帯全員の課税状況で判定するのが一般的です。

用具の修理費用は給付されますか?

日常生活用具給付等事業では、用具の修理費用は原則として全額自己負担となります。修理が支給対象となる補装具費支給制度とは異なる点に注意が必要です。また、一度給付を受けた用具は、耐用年数を経過するまでは原則として再給付を受けられません。再購入を検討する場合は、耐用年数や要件を窓口で確認しましょう。

レンタル(貸与)には対応している?

本制度は原則として「購入」した用具の費用を支援する制度ですが、一部の地域では用具によってレンタル(貸与)に対応しているケースもあります。なお、65歳以上の方や特定疾病をお持ちの40〜64歳の方など介護保険の被保険者の場合は、介護保険の「福祉用具貸与」により、車椅子・特殊寝台・手すり・スロープなどをレンタルできる場合があります。

補装具との違いは何ですか?

補装具は義肢・装具・補聴器・車いすなど「身体機能を補完・代替し、長期間継続して使用するもの」を対象とし、品目や基準額は厚生労働大臣が全国一律で定めています。一方、日常生活用具給付等事業は「日常生活の便宜を図るための用具全般」を対象とし、品目や補助額は各市区町村が独自に決定します。修理費用は日常生活用具では全額自己負担ですが、補装具では支給対象となる点も異なります。

難病患者も利用できますか?

はい。障害者総合支援法施行令に定める難病等の対象疾病による障害のある方は、身体障害者手帳の有無にかかわらず、日常生活用具給付等事業の対象となる場合があります。ただし、対象となる用具の種目が限られることがあります。難病患者等日常生活用具給付事業として対象疾患の一覧を公表している自治体もありますので、お住まいの市区町村の窓口にご相談ください。

障害者手帳がない子どもでも利用できますか?

障害者手帳をお持ちでないお子さんでも、小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちの場合は、児童福祉法に基づく「小児慢性特定疾病児童日常生活用具給付事業」を利用できる場合があります。ネブライザー(吸入器)・電気式たん吸引器・パルスオキシメーター・ストーマ装具など、おおむね18種目前後が対象です。ただし、障害者総合支援法の日常生活用具との併用はできません。詳細はお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。


まとめ

日常生活用具給付等事業は、障害者総合支援法に基づき、障害のある方やご家族が日常生活に必要な用具を安心して整えられるよう、市区町村が支援する制度です。電気式たん吸引器・紙おむつ・ストマ装具・マットレス・浴槽・つえ・人工喉頭など、幅広い用具が給付の対象となります。

対象者や用具の一覧(品目)、補助額(給付限度額)、自己負担の上限は自治体ごとに異なります。18歳未満の児童については、2024年4月から所得制限が撤廃されました。障害者手帳がないお子さんでも、小児慢性特定疾病の制度で給付を受けられる場合があります。

購入前の申請・給付券の取得が原則となるため、まずは役所の窓口で相談してみましょう。

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