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宿泊施設インバウンド対応支援事業の公募期間延長!インバウンド対策、宿泊施設の稼働率向上に

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▼9月14日更新
※公募期間の延長に伴い、記事内容を更新しました。

新型コロナウイルスの世界的な流行により、観光業は大きな打撃を受けました。特に入国制限以降、海外からの旅行客は激減しています。2020年は4,000万人の外国人旅行者の来日が目標とされていましたが、実際の旅行者数は412万人に留まりました。
参考:観光庁 訪日外国人旅行者数の推移

6月には訪日外国人旅行者の受け入れが再開されましたが、観光地が以前のような賑わいを取り戻すには時間がかかります。また、インバウントによる収益を増やすためには宿泊施設の環境整備も不可欠です。海外からの旅行客が戻ってくるまでに施設環境の改善を計画している事業者も多いのではないでしょうか。

観光庁の宿泊施設インバウンド対応支援事業では、訪日外国人旅行者向けの宿泊施設整備に対して補助金が支給されます。その内容や申請手続きについてまとめました。

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この記事の目次

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インバウンド受け入れ再開も、課題は残る

海外からの旅行客受け入れ再開後、各地の観光地には少しずつ外国人旅行者の姿が戻ってきました。株式会社IGLOOO が公表した意識調査の結果によると、ファミリー層を中心に海外からの宿泊施設検索や予約数は増加傾向にあるようです。一方で、同調査には個人旅行者の受け入れを求める声も寄せられています。

受け入れが再開したのは添乗員付きツアーのみです。旅行者が自由に行先を決められない団体ツアーでは、大きな観光地以外は外国人旅行者が集まりにくくなります。また、外国人受け入れのための設備が整っていない宿泊施設はインバウンドの利益を十分に受けられません。

今後、個人旅行者の受け入れが始まれば、旅行客の流れは変わることが予想されます。そのときまでに、外国人旅行者が利用しやすい施設環境が整っているかどうかが、インバウンドの集客状況を大きく左右することが予想されます。

宿泊施設インバウンド対応支援事業とは

宿泊施設インバウンド対応支援事業は訪日外国人旅行客4,000万人、6,000万人の実現を目指し、宿泊施設におけるインバウント対策・バリアフリー化を支援する制度です。訪日外国人旅行者の受入環境整備のための緊急対策を促進することを目的としています。

宿泊施設インバウンド対応支援事業には「ストレスフリー」と「バリアフリー」の2つの補助金が用意されています。それぞれの要件や対象経費をみていきましょう。

宿泊施設基本的ストレスフリー環境整備事業

外国人旅行客の増加を目指し、宿泊施設の環境整備を図る際に活用できる補助金です。

対象事業者

本補助金の補助対象となるのは、以下の①~③の事業者です。
①宿泊事業者等団体
※複数の宿泊事業者やその他関係する事業者等により構成される団体

②構成員宿泊事業者
※宿泊事業者等団体の構成員である宿泊事業者

③特定宿泊事業者
※DOM・地方公共団体と連携し、地域の訪日外国人の宿泊者数を向上させるための具体的な取り組みを行っている宿泊事業者

施設の規模は問わず、個人経営の宿泊事業者も対象となります。ただし①と②においては、宿泊団体や構成員が5以上の宿泊事業者であることが必要です。なお、原則としてすでにほかの補助金の支給を受けている場合も対象外です。

対象要件

補助を受けるためには、宿泊施設の客室稼働率および訪日外国人の宿泊者数を向上させるための計画を策定し、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。

対象事業

補助の対象になる事業は、以下の①~⑬です。

①共用部の無料公衆無線LAN環境の整備
②共用部の洋式便器の整備
③宿泊予約の機能を有する自社サイトの多言語化
④共用部の国際放送設備の整備
⑤共用部の案内表示の多言語化
⑥オペレーターによる24時間対応可能な翻訳システムの導入または業務効率化のためのタブレット端末の整備
⑦クレジットカード等決済端末の整備
⑧ムスリムの受入のためのマニュアルの作成
⑨公衆無線LAN環境、洋式便器、多言語対応を図るための整備は、同一客室内において以下の整備が完備される場合にのみ客室の整備も対象
・客室内の無料公衆無線LAN環境
・客室内の洋式便器
・客室内の多言語対応(国際放送設備の整備、タブレット端末の整備等)
⑩サーモグラフィまたは非接触型体温計の導入 (総客室50以上の施設に限る)
⑪非接触型チェックインシステムやキーレスシステムの導入
⑫混雑状況の「見える化」
⑬その他大臣が認めた事業

対象経費

補助対象となる経費は事業実施のために必要となるもののうち、以下の①~③をすべて満たすものです。

①本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
②補助金交付決定以降の契約・発注により発生した経費
③証拠書類・見積書等によって契約・支払金額が確認できる経費

具体的には以下の経費が対象となります。
・機器購入費用
・設置費用
・設置に伴う関連工事費用
・撤去費用
・設計・工事・監理費用
・雑役務費用
・マニュアルの作成・印刷費用
・諸経費

補助率・上限額

補助率と上限額は、それぞれ以下のとおりです。

補助率:1/3
補助額:補助対象経費に補助率を乗じて得た額以内。(1つの宿泊事業者等につき、上限150万円)

宿泊施設バリアフリー化促進事業

すべての外国人旅行客が快適に滞在できるようにするため、宿泊施設等のバリアフリー化改修を支援します。宿泊業界全体のバリアフリー環境整備の加速化と底上げが目的です。

対象事業者

宿泊事業者が対象です。ただし、風俗営業者等は除きます。また、すでにほかの補助金の支給を受けている場合も対象外です。

対象要件

補助の対象となるには、高齢者・障害者を含めた外国人旅行客が安全・安心に滞在するための計画を策定し、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。

対象事業

補助の対象となる事業は以下の①と②です。

①客室における改修等
②共用部における改修等

なお、以下の事業は補助の対象外です。
・法令又は条例等において義務化されている整備
・これから新築、またはバリアフリー設備の整備を目的としない増築、改築を行う場合
・中古品の購入

対象経費

補助対象経費は、補助対象事業実施のために必要となる経費のうち、以下の①~③をすべて満たすものです。

①補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
②補助金交付決定以降の契約・発注により発生した経費
③証拠書類・見積書等によって契約・支払金額が確認できる経費

なお、以下のものは補助の対象外です。
・宿泊事業者の人件費等の経常的経費
・ランニングコストやレンタル・リース費用
・コンサルティング経費
・バリアフリー機能向上を伴わない・バリアフリー化に関連しない改修等
・建築基準法等に定める法定検査費用等
・工事代金支払いのための振込手数料
・予備部品等の購入費用

補助率、上限額

補助率と上限額は、それぞれ以下のとおりです。

補助率:1/2
上限額:500万円

申請方法

各補助金の内容を確認したら、申請手続きに移りましょう。申請のスケジュールや流れは、各補助金共通です。

事業実施期間・申請期間

補助事業の実施期間と申請期間は以下のとおりです。

【実施期間】
補助金の交付決定日から令和5年2月28日(火)まで

【公募期間】
令和4年6月30日(木)~10月12日(水)必着
※予算の上限に達し次第、公募終了

申請の流れ

申請の流れは以下の通りです。太字で下線を引いた部分が申請者の手続きです。

①応募(計画認定申請)
②計画の審査・認定
③計画認定通知
④補助金交付申請
⑤補助金交付決定通知
⑥補助対象事業の実施
⑦事業完了実績報告
⑧補助金の額の確定通知
⑨補助金支払請求
⑩補助金交付
⑪計画の実施状況報告書(事業完了後2年間にわたり報告)

観光業の再活性化を見据えた準備を

円安の影響で、いま、海外の旅行者からの日本への関心が高まっています。このタイミングでの訪日外国人旅行者の受け入れ再開は、観光業界にとってチャンスです。

日本を訪れる海外からの観光客が増えれば、観光地だけでなく、日本全体の経済活動が活性化することも期待されます。インバウンドは、日本社会全体に大きなメリットをもたらすのです。

宿泊施設の改修やバリアフリー化は、日本の観光客にとっても嬉しいこと。国内外を問わない集客と、グローバル化する世界におけるチャンスを逃さないためにも、宿泊施設環境の整備は早急に取り組むべき課題のひとつです。

まとめ

ウィズコロナの時代、新しい生活様式のもとで人々の移動も活発化しつつあります。ビジネスチャンスも新たな局面を迎えていると言えるでしょう。世界中から集まる観光客が安心・安全に過ごせる環境を整えることは、これからの観光業には必須の取り組みです。

宿泊施設インバウンド対応支援事業は、変化をチャンスに、これから大きく伸びていこうとする企業に活用してほしい制度です。

参考:宿泊施設インバウンド対応支援事業

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