1. 補助金ポータルTOP
  2. 補助金・助成金・給付金コラム
  3. 酒類業振興支援事業費補助金とは?令和8年度 第3〜5期の要件・スケジュールを解説|酒類業の海外進出・新市場開拓を支援

酒類業振興支援事業費補助金とは?令和8年度 第3〜5期の要件・スケジュールを解説|酒類業の海外進出・新市場開拓を支援

公開日:2026/1/26 更新日:2026/8/4
image

財務省貿易統計によれば、2024年の日本酒・焼酎・ウイスキーを含む日本産酒類の輸出金額は4年連続で1,000億円を超え、海外市場での存在感が高まっています。一方で、国内では人口減少と若年層の酒類消費離れに加え、酒米価格の高騰や米国関税措置による輸出コスト増など、酒類事業者は新たな経営課題に直面しています。

こうした課題に対応する公的補助金が、国税庁が所管する「酒類業振興支援事業費補助金」です。日本産酒類のブランディングや海外販路拡大、酒蔵ツーリズム、酒米産地との連携、ICT活用による業務効率化など、酒類事業者の幅広い取組を支援します。

令和8年度(2026年度)は「海外展開支援枠」と「新市場開拓支援枠」の2つの枠で公募され、最大1,500万円(補助率1/2、グループ申請の場合)の支援が受けられます。7月27日からは第3期・第4期が受付開始、8月18日からは第5期の受付もスタートしました。

この記事では、酒類業振興支援事業費補助金の制度概要、対象事業、補助率・上限額、申請要件、令和8年度の第3〜5期公募スケジュール、加点となる米国関税措置・酒米価格高騰への対応、必要書類までを網羅的に解説します。

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

この記事の目次

\ 制度やどの補助金が使えるか知りたい! /
お問い合わせ
\ 申請サポートをお願いしたい! /
専門家を探す
補助金対象商品を調べる
導入したい商材が補助金に対応しているかチェック!
ITトレンドへ

酒類業振興支援事業費補助金とは?令和8年度(2026年度)の概要

酒類業振興支援事業費補助金とは、国税庁が所管する酒類事業者向けの公的補助金です。日本産酒類のブランディングやインバウンド需要の獲得といった海外展開、および国内外における新市場開拓に向けた取組を支援します。一般に「酒類補助金」「酒類振興 補助金」「国税庁補助金」とも呼ばれる、酒類業界向けの代表的な公的支援制度のひとつです。

本制度では、目的に応じて以下の2つの申請枠が設定されています。

申請枠支援の目的
海外展開支援枠日本産酒類の輸出拡大を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進する
新市場開拓支援枠酒類業の経営改革・構造転換を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進する

制度の管轄と財源(国税庁の酒類補助金)

酒類業振興支援事業費補助金は、国税庁の酒税課が所管する国の補助金制度で、国税局・税務署を通じた酒税行政の一環として位置づけられています。財源は一般会計予算で、酒類業の健全な発達と日本産酒類の競争力強化を目的としています。

「振興費とは」何かを整理すると、本制度における振興費は、酒類事業者が新たな市場開拓・海外展開・商品の高付加価値化などに取り組む際の経費を支援するための補助金です。給付金のような一律支給ではなく、事業計画の審査を経て採択された事業者に対し、対象経費の一部(補助率1/2または2/3)が交付されます。

対象となる酒類の範囲(日本酒・焼酎・ビール・ウイスキー等)

本補助金の対象となる酒類は、酒税法に定められた酒類を製造・販売する事業者全般です。日本酒だけでなく、本格焼酎、泡盛、ビール、ウイスキー、ワイン、リキュール、果実酒、清酒、地ビール(クラフトビール)など、幅広い酒類が対象になります。

「日本酒 補助金」「ウイスキー 補助金」「ビール醸造 補助金」を探している方も、酒類事業者として要件を満たせば本制度を活用できます。具体的には以下のような事業者が対象になり得ます。

  • 清酒・日本酒メーカー(酒蔵)
  • 本格焼酎・泡盛メーカー
  • ビール・地ビール(クラフトビール)醸造所
  • ウイスキー蒸溜所
  • ワイナリー
  • 果実酒製造業者
  • 酒類卸売業者・酒類小売業者(酒屋)

令和8年度の重要事項(酒米高騰・米国関税措置は優先採択)

令和8年度の公募要領では、酒米の価格高騰等または米国関税措置による影響を受けた事業者の取組は「優先採択」の対象になると明記されました。影響を受けた(または受ける見込みの)事業者が、その対応として関連性を有する取組を申請する場合、加点評価が受けられます。

米国の関税措置は令和8年度から新設された優先採択項目です。米国向け輸出に取り組む酒類事業者にとっては、追加関税による輸出コスト増を機に新たな販路開拓や商品戦略の見直しに乗り出す好機となる可能性があります。詳細は加点書類(別紙10「米国関税措置に関する確認書」)を提出することで審査に反映されます。

酒類業振興支援事業費補助金の申請要件と対象事業者

酒類業振興支援事業費補助金の対象となるのは、日本国内に所在する酒類事業者、または酒類事業者を少なくとも1者以上含むグループです。酒類の製造業者・卸売業者・小売業者のいずれも申請できます。

申請対象となる事業者の要件

酒類業振興支援事業費補助金の補助対象となる主な要件は以下のとおりです。

■法人や役員等が、暴力団関係者等でないこと
■当事業にて市場獲得を目指す対象国の中に、国連安保理決議によって経済制裁が行われている国が含まれていないこと
■公募締切日時点で、納付すべき国税に滞納がないこと
■公募締切日の前日から起算して過去3年間に酒税関係法令に違反し、罰金以上の刑に処せられていないこと
■「酒類の公正な取引に関する基準」に違反した場合、指示を受けた事項を改善していること
■過年度(令和3〜6年度)の国税庁の酒類事業者向け補助金の補助事業者の場合、提出期限が到来した事業化状況報告書を提出済であること
■公募締切日より過去3年の間、国または地方公共団体の補助金等に関して、不正行為により交付決定の取消処分を受けていないこと

賃金要件(新市場開拓支援枠のみ)

2つの申請枠のうち、新市場開拓支援枠に限り、以下の賃金要件をすべて満たすことが求められます。

・3〜5年の事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる事業計画を策定する
・かつ、売上額または付加価値額を年率平均3%以上増加させる事業計画を策定していること

給与支給総額とは、全従業員(非常勤含む)および役員に支払った給与等(給与、賃金、賞与および役員報酬等を指し、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く)のことを指します。付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです。

海外展開支援枠については、賃金要件は設定されていません。海外市場への進出を目指す事業者にとっては、新市場開拓支援枠よりも要件が緩やかな点が特徴です。

給与増加目標が未達の場合の返還ルール

新市場開拓支援枠の申請者は、事業計画終了時点で給与支給総額の年率平均1.5%以上の増加目標が未達の場合、補助金の一部返還が求められる可能性があります。返還額は、導入した設備等の簿価または時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)となります。

ただし、以下のいずれかに該当する場合は、上記の一部返還は求められません。

  • 給与支給総額の年率増加率平均が「売上額または付加価値額の年率増加率平均/2」を超えている場合
  • 天災など事業者の責めに帰することができない理由がある場合

売上や付加価値の伸びが目標に届かなかったときに、給与増加だけを厳格に求めるのは合理的でないという趣旨で、一定の柔軟性が確保されています。

酒類業振興支援事業費補助金の対象事業【枠ごとに解説】

酒類業振興支援事業費補助金の対象事業は、海外展開支援枠で3区分、新市場開拓支援枠で4区分が設定されています。それぞれの枠で支援される具体的な取組を見ていきましょう。

海外展開支援枠の対象事業

海外展開支援枠は、日本産酒類の海外進出支援・輸出補助金としての性格を持つ枠です。海外販路拡大、酒蔵ツーリズム、酒米産地との連携の3区分に対象事業が分類されています。

区分対象となる取組
①日本産酒類の海外販路拡大や商品等の高付加価値化に関する取組日本産酒類の高付加価値化や商品のブランド化を推進する取組。海外ニーズを踏まえたブランド戦略の構築、海外の嗜好に即した新商品開発や新規ブランドの立上げのための調査研究、地理的表示(GI)やテロワール等を海外向けのブランド化に活用する取組、農商工連携等 等
②酒蔵の観光化や地域における酒蔵ツーリズムプラン策定の取組インバウンドによる海外需要の拡大を目指し、酒蔵自体の観光化や、観光事業者・交通機関・地方公共団体等と連携した周遊・滞在型観光「酒蔵ツーリズム」を推進し、日本産酒類の認知度向上等を図る取組。酒蔵の観光化を通じた観光客の受け入れ整備、酒造りや宿泊等の高付加価値な体験ができる受け入れ環境整備、ガイド育成 等
③酒類事業者による酒米産地との連携を活かした新たな取組(海外展開またはインバウンド向け)酒類の原料である酒米の不足や価格高騰を踏まえて行う取組等。地元酒米農家との契約によるストーリー性を持たせた高付加価値商品の海外展開、地元酒米農家と連携したインバウンド向け酒米・酒造り体験等を行う環境の整備に向けた取組 等

「海外展開 酒蔵ツーリズム補助金」を探している方や、海外向けに日本酒を新たに展開したい酒類事業者、海外旅行者向けのインバウンドプランを企画している酒蔵にとって、活用しやすい支援枠です。

新市場開拓支援枠の対象事業

新市場開拓支援枠は、国内市場での新たなニーズ獲得や経営改革を支援する枠です。商品差別化、販売手法の多様化、ICT技術活用、酒米産地連携の4区分に対象事業が分類されています。

区分対象となる取組
①商品の差別化による新たなニーズの獲得消費者のニーズを掘り起こすとともに、既存商品と差別化された酒類を開発することを目的とした事業。食品とのペアリングに特化した商品や地方産品の特性を生かした商品の開発、休耕田の収穫物を原材料とした商品の開発、個人に対するオーダーメイド商品の開発体制の構築、「伝統的酒造り」を差別化のポイントとした高付加価値商品の開発 等
②販売手法の多様化による新たなニーズの獲得消費者の多様なニーズに応えるサービスを提供することを目的とした事業。二次元コード等を活用したブランドストーリー提供、テイスティング等の顧客体験を重視した販売形態の確立、データ分析等を用いた顧客の嗜好に合致した商品の販売手法の導入 等
③ICT技術を活用した、製造・流通の高度化・効率化これまで専門家の経験等に依拠していた作業にICT技術を活用する等、製造・流通の高度化・効率化を図る事業。製造面ではAI技術等を活用した品質管理システムの導入、流通面ではRFIDやAIカメラ等を活用した管理システムの導入 等
④酒類事業者による酒米産地との連携を活かした新たな取組酒類の原料である酒米の不足や価格高騰を踏まえて行う取組等。契約栽培先の多角化等による酒米を安定的に確保できる体制の構築、地域の農家との連携を強化し、他県産米から自県産米への切替を促進する取組 等

新たな技術を活用したり、他業種と連携した商品開発や販売手法の改革等を行う酒類事業者向けの枠です。

設備投資のみの事業は評価が劣後する点に注意

令和8年度の公募要領では、「事業の経費が全て設備投資であり、かつ、設備の導入のみで完結する事業」については、審査に当たって評価が劣後すると明記されました。単に新商品開発用のタンクや冷蔵設備、ICTシステムを導入するだけでは、審査上不利になるという扱いです。

そのため、事業の経費が全て設備投資である場合には、以下のような「設備導入以外の取組」を必ず補助事業計画書に記載する必要があります。

  • 導入した設備を活用した新商品開発への着手
  • マーケティング調査・ユーザーテストの実施
  • 導入したシステム等をテスト運用し改善点の把握まで行う

また、補助事業期間中は、テスト販売を除き、成果物の販売・販売につながる営業行為が行われる事業についても評価が劣後します。設備を入れて即販売する計画は本補助金には馴染まない、と理解しておくとよいでしょう。

酒米産地との連携を活かした取組(酒米補助金としての活用)

両枠の共通テーマとして、酒米産地との連携を活かした取組が支援対象になっています。酒類の原料である酒米の不足や価格高騰は、酒類業界全体の課題です。本制度は、こうした課題に対応する「酒農連携」の取組も後押しします。

「酒米 補助金」「酒米 支援」を探している方は、本補助金の以下の区分が該当します。

  • 海外展開支援枠③:海外展開・インバウンド向けの酒米産地連携
  • 新市場開拓支援枠④:契約栽培の多角化、自県産米への切替促進等

さらに、令和8年度の加点書類(別紙9「酒米の価格高騰等に関する確認書」)を提出することで、酒米価格高騰の影響を受けた事業者の取組は優先採択の対象となります。加点対象となるのは、申請者または参画事業者に酒類の製造免許を受けた製造者がいる場合に限られます。

酒類業振興支援事業費補助金の補助率・補助上限額・対象経費

酒類業振興支援事業費補助金の補助率・補助上限額・補助下限額は、申請枠によって異なります。海外展開支援枠は単独申請で最大1,000万円、グループ申請で最大1,500万円、新市場開拓支援枠は最大500万円の支援を受けられます。

補助率・補助上限額(海外展開支援枠)

項目内容
補助率1/2
補助上限(単独申請)1,000万円以内
補助上限(グループ申請)酒類事業者3者を含む場合1,200万円。4者以上の場合は1者ごとに100万円上限を嵩上げし、最大1,500万円
補助下限額50万円

補助率・補助上限額(新市場開拓支援枠)

項目内容
補助率小規模事業者:2/3/その他の事業者:1/2
補助上限500万円以内
補助下限額50万円

いずれの申請枠においても、申請する補助金額が50万円未満の場合は補助対象外です。また、新市場開拓支援枠の場合、採択後から交付決定までの間または交付決定後に「小規模事業者の定義」からはずれた場合は補助率が1/2に変更となります。

【小規模事業者の定義】
常勤従業員数が20人以下(卸売業・小売業では5人以下)の法人または個人。グループ申請の場合には、代表申請者および参画事業者である酒類事業者のすべてが小規模事業者である必要があります。

補助対象経費(17区分)と補助事業期間

酒類業振興支援事業費補助金の対象経費は、以下の17区分に整理されています。酒蔵設備の導入、海外展示会出展、通訳・翻訳、マーケティング調査など幅広い経費が対象です。

区分詳細
①設備等費設備等の購入・制作・構築・改良・据付・検査・実験等の経費
②謝金指導・助言等を受けるために依頼した専門家または委嘱した委員に支払う謝礼
③旅費情報収集や各種調査や会議、打合せ等、販路開拓のための旅費
④借損料設備等のリース料・レンタル料
⑤通訳・翻訳費通訳および翻訳を依頼する場合に支払われる経費
⑥会議費会議、講演会またはシンポジウム等に支払われる経費
⑦広報費広告および広告媒体等を活用するための経費
⑧委託費業務の一部を第三者に委託する経費
⑨外注費業務の一部を第三者に外注する場合の経費
⑩マーケティング調査費ユーザーニーズ調査等を行うための経費
⑪産業財産権等取得等費産業財産権等の取得等のための経費
⑫展示会等出展費試作品・新商品等を展示会、ECサイト等に出展・出店・出品するための経費
⑬雑役務費業務・事務を補助するために臨時的に雇い入れた者のアルバイト代や交通費
⑭原材料等費試作品等の原材料・副資材等の経費
⑮設計・デザイン費試作品等の設計・デザイン・製造・改良・検査または実験を行うための経費
⑯出演料プロモーション活動において著名人等を起用する場合の経費
⑰運営費プロモーション活動等の運営に要する経費(熱中症・感染症対策費、実施に係る保険料等を含む)

補助事業期間は交付決定日から令和9年2月28日(日)までで、同日までに支払が完了している必要があります。事業所等の家賃、パソコン等の汎用機器、車両購入費、人件費などは補助対象外です。「酒蔵 建設 補助金」を探している方の場合、酒蔵そのものの建設は対象外ですが、本事業に関連する設備投資は対象になる可能性があります。

令和8年度の公募スケジュール(第3・4・5期)と申請方法

令和8年度(2026年度)の酒類業振興支援事業費補助金は、第1期・第2期に続き、令和8年7月から第3期・第4期の受付が開始されました。さらに令和8年8月18日からは第5期の受付もスタートします。

令和8年度 第3・4・5期の受付期間

受付期間
第3期令和8年7月27日(月)〜令和8年8月17日(月)12:00まで
第4期令和8年7月27日(月)〜令和8年9月9日(水)12:00まで
第5期令和8年8月18日(火)〜令和8年10月7日(水)12:00まで

締切時間までにJグランツで電子申請を完了する必要があります。GビズIDプライムアカウントの発行遅れによる申請期限の猶予は認められないため、注意が必要です。

申請方法(Jグランツ・GビズID)

酒類業振興支援事業費補助金の申請は、補助金電子申請システム「Jグランツ」で行います。入力情報は申請者自身が内容を十分に理解し、確認したうえで、申請者本人が申請してください。

なお本補助金の申請には、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。書類郵送申請の場合、発行までに1〜2週間程度かかるため、申請期限から逆算して早めに手続きを開始しましょう。GビズIDのアカウント・パスワードを外部支援者等に開示する行為は、GビズID利用規約第10条に反するため注意してください。

GビズIDとは?補助金申請などの際に必要となる種類や具体的な取得フローなどを解説

Jグランツの国税庁補助金申請ページには、各国税局ごとに公募申請ボタンが設けられています。提出先は、国内における主たる事業実施場所を所轄する国税局となります。札幌・仙台・関東信越・東京・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・熊本の各国税局と沖縄国税事務所のうち、該当する国税局の「申請する」ボタンを押下してください。

申請の流れ(公募〜支払いまで)

ステップ内容
①公募申請Jグランツで電子申請
②採択・採択者向け説明会国税庁の補助金担当者が留意事項等を説明(採択事業者は必須参加)
③交付申請採択後に交付申請書を提出
④交付決定交付決定通知の受領(この後から発注可能)
⑤補助金状況報告提出の求めがあった場合のみ
⑥中間検査事業の進捗状況を確認
⑦実績報告事業完了後30日以内に提出
⑧確定検査補助金額の確定
⑨補助金の請求確定後に補助金請求書を提出
⑩補助金の支払い請求後に補助金が振り込まれる(原則精算払い)
⑪事業化状況の報告事業完了後5年間、毎会計年度終了後90日以内に報告

必要な書類

酒類業振興支援事業費補助金の申請に必要な主な書類は、以下のとおりです。

■補助事業申請書
■補助事業計画書
■計画表(新市場開拓支援枠のみ)
■参画事業者等
■経費明細表
■経費一覧表
■役員等名簿
■補助事業概要書
■事業実施に際しての確認票
■給与支給総額の引上げに関する誓約書(新市場開拓支援枠のみ)
■申請者の決算書(直近2事業年度の貸借対照表および損益計算書)
■直近が債務超過の場合は解消の具体的な計画等
■常勤従業員数が確認できる資料(新市場開拓支援枠のみ)
■加点書類:別紙9「酒米の価格高騰等に関する確認書」(該当する場合)
■加点書類:別紙10「米国関税措置に関する確認書」(該当する場合)

「海外展開支援枠」で申請する場合は、計画表・給与支給総額の引上げに関する誓約書・常勤従業員数の資料の提出は不要です。各種加点を受けようとする場合には、加点書類の提出が必要になります。ファイルは1つあたり16MB未満で提出する必要があります。

関連する補助金・支援制度

酒類業振興支援事業費補助金以外にも、酒類事業者が活用できる補助金・支援制度があります。事業内容や目的に応じて最適な制度を選びましょう。

新事業進出・ものづくり補助金(グローバル枠)との比較

海外市場開拓を目指す酒類事業者は、中小企業庁所管の「新事業進出・ものづくり補助金」のグローバル枠も活用候補になります。グローバル枠は補助上限4,000万円・補助率1/2(小規模事業者2/3)で、海外市場開拓(輸出)に関する事業も対象です。

新事業進出・ものづくり補助金は機械装置・システム構築費が必須経費であり、設備投資中心の事業に向きます。一方、酒類業振興支援事業費補助金はマーケティングや酒蔵ツーリズム、ブランディング等のソフト経費にも幅広く対応するため、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

新事業進出・ものづくり補助金「グローバル枠」とは?海外販路開拓・輸出を支援する補助金を解説【2026年】

小規模事業者持続化補助金

従業員規模が小さい酒類事業者は、商工会議所のサポートを受けながら販路開拓に取り組む「小規模事業者持続化補助金」も検討対象になります。チラシ作成・Webサイト改修・店舗改装等の販路開拓費が支援対象です。

小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)【2026年・令和8年度】公募スケジュールや制度の要点を解説

他の中小企業向け補助金・支援制度

中小企業向けの補助金・支援制度は多数あります。制度の目的別に整理した記事も参考にしてください。

2026年 補助金まとめ!中小企業向け主要補助金6制度のポイントを解説


酒類業振興支援事業費補助金に関するよくある質問

酒類業振興支援事業費補助金についてよく寄せられる質問と回答をまとめました。


令和8年度の第3期・第4期・第5期の申請期限はいつですか?


令和8年度の第3期は令和8年7月27日(月)〜8月17日(月)12:00まで、第4期は令和8年7月27日(月)〜9月9日(水)12:00まで、第5期は令和8年8月18日(火)〜10月7日(水)12:00までとなっています。いずれもJグランツで電子申請を完了する必要があります。GビズIDプライムアカウントの発行遅れによる申請期限の猶予は認められませんので、早めの準備をおすすめします。




米国関税措置による影響を受けた場合、加点はどのくらいありますか?


令和8年度の公募要領では、米国関税措置による影響を受けた(または受ける見込みの)事業者の取組は「優先採択」の対象と明記されています。加点書類として別紙10「米国関税措置に関する確認書」の提出に加え、米国へ輸出をしていることが分かる書類(輸出許可書等)および米国の関税措置による影響を証明する書類(取引先からのメール、帳票書類等)が必要です。補助事業計画書に記載された取組が、当該影響への対応として関連性を有すると認められる場合に加点されます。




グループ申請の補助上限額はいくらまで引き上げられますか?


海外展開支援枠のグループ申請の場合、酒類事業者3者を含む場合の上限額は1,200万円となります。連携する酒類事業者が4者以上の場合、酒類事業者1者ごとに100万円上限額を嵩上げし、最大1,500万円までとなります。酒類事業者を7者以上含む連携の場合であっても上限額1,500万円は変わりません。なお、下限額50万円はグループ申請の場合でも同じです。




給与支給総額の増加目標が未達の場合、補助金は返還が必要ですか?


新市場開拓支援枠で事業計画終了時点において給与支給総額の年率平均1.5%以上の増加目標が達成できていない場合、導入した設備等の簿価または時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分の返還を求められる可能性があります。ただし、給与支給総額の年率増加率平均が「売上額または付加価値額の年率増加率平均/2」を超えている場合や、天災など事業者の責めに帰することができない理由がある場合は、返還は求められません。海外展開支援枠では、給与支給総額に関する要件・返還ルールは設定されていません。




設備投資だけの事業計画でも申請できますか?


申請自体は可能ですが、「事業の経費が全て設備投資であり、かつ、設備の導入のみで完結する事業」については、審査に当たって評価が劣後します。事業の経費が全て設備投資である場合は、補助事業の一環として設備導入以外の取組(新商品開発への着手、マーケティング調査、システムのテスト運用と改善点把握等)を確実に補助事業計画書に記載する必要があります。




補助事業期間中にテスト販売はできますか?


補助事業期間中は、テスト販売を除き、成果物の販売および販売につながる営業行為はできません。テスト販売とは、試作品や新商品を限定された期間で不特定多数の人に対して試験的に販売し、商品仕様・顧客の反応等を測定・分析して改良を加える事業で、準備期間と販売期間が合わせておおむね半年以内、同一の場所・サイト・趣旨で複数回行わない、アンケート等で効果検証が可能、といった要件を満たす必要があります。テスト販売の収入が補助対象経費の1/2または2/3と収入金額の合計が事業経費を超えた場合は、超過分に相当する補助金額を減額されます。




日本酒以外の酒類(焼酎・ビール・ウイスキー・ワイン等)も対象になりますか?


はい、対象になります。酒類業振興支援事業費補助金は、酒税法に定められた酒類を製造・販売する事業者全般を対象としています。日本酒(清酒)に限らず、本格焼酎・泡盛・ビール・地ビール(クラフトビール)・ウイスキー・ワイン・果実酒・リキュール等を扱う事業者が活用できます。「日本酒 補助金」「ウイスキー 補助金」「ビール醸造 補助金」を探している方も、要件を満たせば申請可能です。




個人事業主の酒類事業者でも申請できますか?


はい、日本国内に所在する酒類事業者であれば、個人事業主でも申請可能です。小規模事業者(常勤従業員数が20人以下、卸売業・小売業では5人以下)に該当する個人事業主の場合、新市場開拓支援枠の補助率が2/3に引き上げられます。ただし、グループ申請で小規模事業者向け補助率2/3の適用を受けるには、代表申請者および参画事業者である酒類事業者のすべてが小規模事業者である必要があります。




補助事業期間はいつまでですか?


令和8年度の補助事業期間は、交付決定日から令和9年2月28日(日)までで、同日までに支払が完了している必要があります。補助事業完了後30日以内に実績報告書を提出する必要があります。なお、正当な理由により期間内に本事業を完了できない場合には、繰越手続きにより認められた範囲で事業実施期間の延長を行うことができます。




酒米産地との連携を活かした取組とは具体的にどのような事業ですか?


酒米農家との契約栽培によるストーリー性のある高付加価値商品の開発・海外展開、地元酒米農家と連携したインバウンド向けの酒米・酒造り体験プログラムの整備、契約栽培先の多角化による安定的な酒米確保体制の構築、他県産米から自県産米への切替促進などが対象になります。酒米の価格高騰の影響を受けた事業者が別紙9「酒米の価格高騰等に関する確認書」を提出することで、加点対象となり優先採択される可能性があります(申請者または参画事業者に酒類の製造免許を受けた製造者がいる場合に限る)。




参考:令和8年度 酒類業振興支援事業費補助金の公募について(国税庁)

まとめ

酒類業振興支援事業費補助金は、国税庁が所管する酒類事業者向けの公的補助金で、日本産酒類の輸出拡大と酒類業の経営改革・構造転換を支援する制度です。日本酒・焼酎・ビール・ウイスキー・ワインなど、酒税法に定められた酒類を扱う事業者が幅広く活用できます。

この記事のポイントを振り返ります。

・所管:国税庁(酒税課)。酒類補助金・国税庁補助金として知られる制度
・申請枠:海外展開支援枠(単独最大1,000万円・グループ最大1,500万円・補助率1/2)/新市場開拓支援枠(最大500万円・補助率1/2または2/3)
・対象事業者:日本国内に所在する酒類事業者またはそのグループ(個人事業主も可)
・対象事業:海外販路拡大、酒蔵ツーリズム、酒米産地連携、商品差別化、ICT活用 等
・対象酒類:日本酒・焼酎・ビール・ウイスキー・ワイン・リキュール等、酒税法上の酒類全般
・補助事業期間:交付決定日〜令和9年2月28日
・申請方法:Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムアカウント必須)
・令和8年度公募:第3期(〜8月17日)/第4期(〜9月9日)/第5期(8月18日〜10月7日)
・優先採択:酒米価格高騰の影響/米国関税措置の影響への対応取組
・補助下限額:50万円(これ未満は対象外)

日本産酒類の競争力強化と新たな市場開拓を目指す酒類事業者にとって、本補助金は強力な後押しになります。海外展開を視野に入れている酒蔵、ICT導入で経営改革を進めたい酒類メーカー、酒米産地との連携を活かした商品開発を検討している事業者は、ぜひ活用を検討してみてください。

公式ページを確認する

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

関連記事