ポストコロナ時代において、テレワーク(リモートワーク)は一般的な働き方の一つとして定着してきました。一方で、これから導入を進める企業では、専門家のサポートを必要とするケースも多いことが推測されます。
東京都では「テレワークトータルサポート助成金」として、テレワーク機器等の導入に係る経費の助成を行っています。令和8年度(2026年度)の募集要項が公開され、申請受付が令和8年5月29日(金)から始まりました。
今回はテレワークトータルサポート助成金の最新概要(令和8年度)や申請方法を、公益財団法人東京しごと財団が公開した募集要項(電子申請の手引き)をもとにまとめました。在宅勤務の環境整備に使える支援制度を探している方や、そのほかのテレワーク支援制度もあわせて紹介します。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
テレワークトータルサポート助成金とは(リモートワーク補助金・助成金)
「テレワーク助成金」「テレワーク補助金」「リモートワーク補助金」「リモートワーク助成金」「テレワーク助成金 東京都」という検索が多くあります。
テレワークトータルサポート助成金は、東京都が実施するテレワーク(リモートワーク)の導入・定着・促進を目指す都内中堅・中小企業等に対し、ICT等の専門家による助言(相談窓口・コンサルティング)やテレワーク機器等の導入に係る経費の助成を行う制度です。在宅勤務・在宅ワークの環境整備に使える補助金・助成金を探している方にも、まず確認していただきたい東京都の代表的な支援制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施団体 | 公益財団法人東京しごと財団(企業支援部 雇用環境整備課 テレワーク支援係) |
| 対象 | 常時雇用する労働者が2人以上999人以下、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等(個人事業主も要件を満たせば対象) |
| 助成率・助成限度額 | 30人以上999人以下:1/2・上限250万円(うち委託費上限62.5万円) 2人以上29人以下:2/3・上限150万円(うち委託費上限50万円) |
| 申請受付期間(令和8年度) | 令和8年5月29日(金)〜令和9年2月5日(金)※締切日23時59分まで |
| 申請方法 | 郵送またはJグランツ(電子申請) |
| 必須事項 | 申請前に「テレワーク相談窓口」の利用が必須。実績報告までに「テレワーク東京ルール実践企業宣言」への登録が必要 |
相談窓口の利用がない場合、助成金の申請は受け付けられません。まずは相談窓口への申し込みから始めてください。
個人(フリーランス・個人事業主)は対象になる?
「テレワーク助成金 個人」「テレワーク助成金 個人事業主」「テレワーク 補助金 個人」という検索が一定数あります。
個人事業主も、税務署へ開業届を提出していれば対象に含まれます。ただし、本助成金は「都内に勤務する常時雇用する労働者を2名以上雇用していること」が要件です。そのため、従業員を雇用していない個人(フリーランス・一人社長など)のみでは対象外です。労働者を雇用していない場合は申請できない点にご注意ください。
テレワークトータルサポート事業の全体像(相談窓口・コンサルティング)
テレワークトータルサポート事業は、相談窓口・コンサルティング・助成金の3つで構成されています。助成金の申請には、まず相談窓口の利用が必須です。
(1) 相談窓口(必須)
テレワークに関する相談や質問に対応します。助成金申請前の利用が必須で、利用後に発行される「相談窓口利用証」が申請書類として必要です(有効期限あり)。
(2) コンサルティング(必要に応じて)
ICT等の専門家が派遣され、業務の棚卸や機器・ツールの選定、規定の整備、運用課題の解決等についての助言を行います。テレワーク導入に向けた研修的なサポートも含まれ、東京都内でテレワーク研修の機会を探している企業にとっても活用できます。
テレワーク機器等の整備対象者に「常時雇用ではない労働者」や「派遣労働者」を含む場合は、相談窓口に加えてコンサルティングの利用が必須となり、発行される「コンサルティング内容確認書」の人数が整備対象者の上限となります。
(3) 助成金(テレワークトータルサポート助成金)
相談窓口を利用した企業のうち、希望する企業に対してテレワーク機器等の導入経費・環境整備に係る経費が助成されます。
助成金額・助成率(令和8年度)
助成金の支給額は、一助成対象事業者あたり、以下のとおりです。助成対象経費(税抜)に助成率を乗じて算出します(千円未満切り捨て)。
| 事業者の規模(常時雇用する労働者数) | 助成率 | 助成限度額 | うち委託費の上限 |
|---|---|---|---|
| 2人以上29人以下 | 2/3 | 150万円 | 50万円 |
| 30人以上999人以下 | 1/2 | 250万円 | 62.5万円 |
助成対象経費とパソコン購入の扱い
「テレワーク パソコン購入 助成金」「テレワーク 環境整備 助成金」という検索が一定数あります。令和8年度の助成対象経費は以下のとおりです。
| 科目 | 内容・上限 | 例 |
|---|---|---|
| パソコン購入費 | ノートPC・デスクトップPCの購入費。助成対象経費(税抜)の上限は1台あたり10万円。テレワーク実施対象者のために購入するものに限る | ノートPC、デスクトップPC |
| 消耗品費 | PC以外のテレワーク機器等の購入費。税込単価1千円以上10万円未満に限る(税込10万円以上は対象外) | モニター、タブレット、スマートフォン、周辺機器等 |
| 業務ソフトウェア購入費 | 税込単価10万円以上の業務ソフトウェア購入費 | 財務会計ソフト、CADソフト等 |
| 委託費 | PC設置・設定、タブレット設定、VPN設定に係る経費の3種類のみ(詳細は下記) | ― |
| 賃借料 | テレワーク機器のリース・レンタル料。最長3か月分 | PCリース・レンタル料等 |
| 使用料 | テレワーク用ソフトウェアやサービス利用料。最長3か月分 | サブスクリプション型ソフト利用料等 |
※中古物品(アウトレット品・整備済み品・バルク品・新古品等)は助成対象外です。
委託費の詳細
助成対象として認められる委託費は、パソコン設置・設定、タブレット設定、VPN設定の3種類のみです。
- PC設置・設定/タブレット設定:貸与する機器1台につき3万円が上限(委託費のみの申請は不可)
- VPN設定:1申請につき15万円が上限
- VPN設定に伴い社内設置が必要な機器がある場合、VPNルーター・ファイアウォール・UTM・NAS・サーバーのうちいずれか1台の本体経費も対象(VPN設定がなされる場合に限る)。あわせてWeb会議用機器(モニター・Webカメラ・スピーカー・マイク)各1台までが対象
主な要件
助成金の申請日から実績報告日までの期間を通じて、以下をすべて満たす必要があります(主なもの)。
- 東京都が実施する「テレワーク相談窓口」を利用し、「相談窓口利用証」を有効期限内に保有していること
- 都内で事業を営む中堅・中小企業等(常時雇用する労働者999人以下)であること。個人事業主は開業届の提出が必要
- 都内に勤務する常時雇用労働者を2名以上雇用し、うち1名は申請日時点で6か月以上継続雇用かつ雇用保険加入期間6か月以上であること
- 都税(法人都民税・法人事業税等)の未納付がないこと
- 過去5年間に重大な法令違反等がないこと、労働関係法令を遵守していること
- 実績報告時までに「テレワーク東京ルール実践企業宣言」制度へ登録し、「テレワーク推進リーダー設置」表示のある宣言書が発行されていること
- 過去のテレワーク関連助成金(ハンズオン支援・促進・育介両立・定着促進フォローアップ)の実施完了期限から1年を経過していること
- テレワークトータルサポート助成金を受給(受給予定含む)していないこと
事業の流れと「6回以上のテレワーク勤務」実績
本助成金では、まずテレワーク相談窓口を利用する必要があります。その後、必要に応じてコンサルティングを受け、支給申請を行います。
全体の流れは、以下のとおりです。
(1) 相談窓口の利用 →(2) 支給申請 →(3) 審査・支給決定 →(4) 事業実施・完了 →(5) 実績報告 →(6) 助成額の確定・助成金交付
助成事業は支給決定日から4か月以内に完了させ、テレワーク環境を活用してテレワーク実施対象者全員が6回以上のテレワーク勤務を実施する必要があります。6回に満たない対象者分の経費は減額対象となります。実績報告は支給決定日から5か月以内に提出(期限厳守)。
申請方法(令和8年度)
申請は「テレワーク相談窓口」を利用後、郵送または電子申請(Jグランツ)のいずれかで行います。リモートワーク導入の申請を検討している企業は、以下の受付期間・注意点を確認のうえ、早めの準備を進めましょう。
申請受付期間:令和8年5月29日(金)から令和9年2月5日(金)まで(締切日23時59分受付分まで)
- 窓口への持参(来所提出)はできません(郵送またはJグランツのみ)
- 電子申請(Jグランツ)にはGビズIDプライムが必要。発行に時間がかかるため早めの取得を。発行が間に合わない場合は郵送申請を
- 電子申請では社会保険労務士・行政書士等による代理申請(手続代行)はできません。代行を依頼する場合は郵送のみ(委任状が必要)
- 見積・購入先業者は、郵送・電子申請いずれも代行者になれません
- 申請は一事業者につき1回限り。予算の範囲を超える申請があった場合、受付期間内でも受付終了の可能性あり
- 同一事由により国または都が実施する他の助成金との併給はできません
テレワークトータルサポート助成金とそのほかの支援策の違い
東京都では、過去にも多くのテレワーク関連の支援が行われてきました。東京都のテレワーク支援は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた交通混雑緩和対策を契機に本格化し、コロナ禍を経てさらに多様な制度が整備されてきました。現在はトータルサポート助成金が中心的な支援策となっています。
令和6年度までのテレワーク関連支援策
これまで設置された主なテレワーク支援制度は、以下のとおりです。
■テレワーク促進助成金
都内中堅・中小企業等が取り組むテレワークの活用推進に向け、情報通信機器等の導入によるテレワーク環境の整備を支援しました。
■テレワーク導入ハンズオン支援助成金
ハンズオン支援コンサルティングを受けた企業に対し、テレワーク導入の取組みに係る経費を助成しました。
■育児・介護との両立のためのテレワーク導入促進助成金
育児・介護と仕事の両立を契機に、就業規則の見直しやテレワーク環境構築費用を助成しました。
■テレワーク定着促進フォローアップ助成金
制度導入済みの中堅・中小企業等のテレワーク定着・促進を支援しました。
■はじめてテレワーク(テレワーク導入プラン・テレワーク導入促進整備補助金)
過去には「はじめてテレワーク」と呼ばれるテレワーク導入プランや、テレワーク導入促進・整備に特化した補助金制度も提供されていました。「テレワーク導入プラン 東京都」で検索してたどり着いた方も、現行のトータルサポート助成金を確認してください。
いずれも新規申請受付は終了しています。なお、これら過去のテレワーク関連助成金(ハンズオン支援・促進・育介両立・定着促進フォローアップ)を受給した場合、実施完了期限から1年を経過していないと本助成金は申請できません。
【これまでの支援策との違いは?】
テレワークトータルサポート助成金では、設備導入費の一部が助成されるだけでなく、相談窓口やコンサルティングが無料で活用できます。助成額も最大250万円(30人以上)と大きく、相談から導入・定着までの総合的なサポート体制が特徴です。
そのほかの令和7〜8年度テレワーク関連支援策
東京都ではテレワークトータルサポート事業のほか、以下の支援事業が実施されています。
■ABWオフィス促進事業
仕事の内容や目的に合わせて従業員が場所や時間を選んで働く「ABW」(Activity Based Working)の導入を目指す中小企業等を支援します。
■テレワーク定着強化奨励金(令和8年度)
令和8年度から、従来の「テレワークとオフィス勤務のベストバランス推進事業」が「テレワーク定着強化奨励金」として実施されます。自社に最適な「テレワークルール」等を定めた都内中堅・中小企業等に奨励金が支給されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 都内中堅・中小企業等(常用雇用労働者2人以上999人以下)※その他要件有 |
| 奨励金額 | 最大40万円(基本額20万円+加算額20万円) |
| 申請期間 | 令和8年5月29日(金)〜令和9年2月26日(金) ※予算に達した場合、申請期限より前に終了する可能性あり |
| 募集要項公開 | 令和8年5月29日(金)公開予定 |
参考:令和8年度テレワーク定着強化奨励金
■サードプレイス活用促進事業(ワーケーション勤務導入奨励金)
ワーケーション勤務を可能とする規定を新たに整備し、従業員がワーケーション勤務を行った場合に奨励金が支給されます。
■テレワーク普及促進プロジェクト(東京都テレワークポータルサイト)
テレワーク関連施策の紹介のほか、多様な働き方に関するセミナーやテレワーク先進企業の見学会等が実施されます。
テレワークトータルサポート助成金に関するよくある質問
令和8年度(2026年度)の申請受付はいつまでですか?
令和8年度の申請受付期間は令和8年5月29日(金)から令和9年2月5日(金)まで(締切日23時59分受付分まで)です。ただし予算の範囲を超える申請があった場合等、受付期間内でも受付を終了することがあります。期間に余裕を持って申請してください。
個人(フリーランス・個人事業主)でも申請できますか?
個人事業主も、税務署へ開業届を提出していれば対象に含まれます。ただし「都内に勤務する常時雇用する労働者を2名以上雇用していること」が要件のため、従業員を雇用していない一人での事業(フリーランス・一人社長等)のみでは対象外です。
申請の前に相談窓口の利用は必須ですか?
必須です。東京都が実施する「テレワークトータルサポート事業 相談窓口」を利用し、発行される「相談窓口利用証」の有効期限内に申請する必要があります。さらに、テレワーク機器等の整備対象者に常時雇用ではない労働者や派遣労働者を含む場合は、コンサルティングの利用も必須となります。
パソコン(PC)の購入費も助成対象になりますか?
はい、ノートパソコン・デスクトップパソコンの購入費は「パソコン購入費」として助成対象です。ただし助成対象経費(税抜)の上限は1台あたり10万円です。なお、モニターやタブレット等の周辺機器は「消耗品費」として税込単価1千円以上10万円未満が対象となります。中古品・アウトレット品は対象外です。
支給決定後はどのくらいの期間で事業を完了する必要がありますか?
支給決定日から4か月以内にテレワーク環境の整備を完了し、テレワーク実施対象者全員がそのテレワーク環境を活用して6回以上のテレワーク勤務を実施する必要があります。実績報告は支給決定日から5か月以内に提出します(期限厳守)。6回に満たない対象者の経費は減額対象です。
「テレワーク東京ルール実践企業宣言」への登録は必要ですか?
必要です。実績報告時までに「テレワーク東京ルール実践企業宣言」制度へ登録し、「テレワーク推進リーダー設置」表示のある宣言書がウェブサイト上で発行されている必要があります。事業や支払いを規定どおり実施していても、実績報告日までに提出できない場合は助成金確定額が0円となるためご注意ください。登録手続きには時間がかかるため早めの対応をおすすめします。
電子申請(Jグランツ)で代理申請はできますか?
電子申請(Jグランツ)では、社会保険労務士や行政書士等による申請手続の代行はできません。代行を依頼する場合は委任状を添付のうえ郵送で申請してください。なお、見積・購入先業者は郵送・電子申請いずれも代行者になることはできません。電子申請にはGビズIDプライムが必要で、発行に時間がかかるため早めの準備をおすすめします。
リモートワーク・在宅勤務の整備にも使えますか?
はい、在宅勤務やモバイル勤務等を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境整備が対象です。パソコンやソフトウェア、VPN環境の構築など、リモートワーク・在宅勤務に必要な機器・ツールの導入費用が助成対象経費に含まれます。「リモートワーク補助金」「在宅勤務 補助金」として探している方も本制度の活用をご検討ください。
過去にテレワーク関連助成金を受給した場合でも申請できますか?
テレワーク導入ハンズオン支援助成金・テレワーク促進助成金・育児介護との両立のためのテレワーク導入促進助成金・テレワーク定着促進フォローアップ助成金の助成事業実施完了期限から起算して1年を経過していれば申請できます。なお、テレワークトータルサポート助成金をすでに受給(受給予定含む)している場合や、同一事由で国・都の他の助成金を受給する場合は申請できません。
まとめ
テレワークトータルサポート助成金(東京都・令和8年度)のポイントを整理します。
- 申請受付期間:令和8年5月29日(金)〜令和9年2月5日(金)。予算超過時は早期終了の可能性あり
- 助成額:30人以上は最大250万円(助成率1/2、委託費上限62.5万円)、29人以下は最大150万円(助成率2/3、委託費上限50万円)
- 申請の第一歩:テレワーク相談窓口の利用(必須)。整備対象者に非常時雇用・派遣を含む場合はコンサルティングも必須
- 個人事業主も開業届提出済みで都内勤務の常時雇用労働者2名以上を雇用していれば対象
- 実施・報告:支給決定日から4か月以内に事業完了(対象者全員6回以上のテレワーク勤務)、5か月以内に実績報告。「テレワーク東京ルール実践企業宣言」登録が必須
- 注意点:支給決定前の発注・購入は対象外。中古品は対象外。自己負担前提のため不当な勧誘に注意
テレワーク(リモートワーク・在宅勤務)の導入から定着まで、一貫したサポートが必要なケースも少なくありません。東京都のテレワーク支援を活用し、多様な働き方に対応した環境整備を進めていきましょう。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する



