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【東京都】親族・第三者承継後の設備投資を最大800万円支援「事業承継を契機とした成長支援事業」とは

公開日:2025/8/6 更新日:2026/7/30
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公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する「事業承継を契機とした成長支援事業」は、事業承継後の後継者による新規事業展開や新規販路開拓を支援する制度です。事業承継そのものの手続き費用ではなく、承継を契機として後継者が取り組む成長に向けた事業が支援対象になります。

本事業は「一般コース」と「販路開拓コース」の2つにわけられます。今回は事業承継を契機とした成長支援事業の概要や、申請方法をまとめました。

なお、一般コースの第1回募集はすでに終了しています。第2回募集は、2026年9月1日から9月30日16時までの予定です。本記事では、第1回募集要項と公式サイトの情報をもとに、制度内容を紹介します。

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この記事の目次

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事業承継を契機とした成長支援事業とは

事業承継を契機とした成長支援事業は、事業承継後の後継者が行う成長に向けた取組を支援する制度です。株式の移転や登記、M&Aの仲介手数料といった承継そのものの費用ではなく、あくまで承継を契機として後継者が取り組む「成長への挑戦」を支援します。

一般コースでは事業承継後の後継者による新規事業展開を、助成金とアドバイザー派遣で支援します。販路開拓コースでは事業承継後の後継者による新規販路開拓事業を、助成金で支援します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

一般コースと販路開拓コースの違い

一般コースと販路開拓コースの主な違いは、以下のとおりです。

項目一般コース販路開拓コース
支援する取組新規事業展開新規販路開拓
主な対象経費原材料費、機械装置費、設備・システム導入費、販売促進費など市場調査費、専門家指導費、販売促進費、展示会出展費
助成限度額800万円300万円
助成率2/3以内(賃金引上げ計画を策定・実施した場合は3/4以内、小規模企業者は4/5以内)2/3以内
アドバイザー派遣あり(1社2回・無料・2回とも必須)なし
第1回募集期間2026年5月18日〜6月17日16時(終了)
※第2回は9月1日~
2026年7月1日〜7月31日16時
※第2回は10月13日~

新製品の開発や新設備の導入など、新しい事業そのものを立ち上げる取組は一般コース、既存・新規を問わず、販路広げる取組は販路開拓コースの対象です。

なお一般コースと販路開拓コースは併願できません。両方に同時に申し込むことはできないので、自社の取組がどちらのコースに当てはまるかを見極めて選ぶ必要があります。

申請できる事業者の主な要件

両コースに共通する主な支援対象者は、2021年4月1日から本事業申請日の前日までの間に事業承継し、対象となる取組を行う都内中小企業者です。個人事業者も含まれます。

事業承継の時期は、申請日の前日または2024年3月31日からさかのぼって3年以内に実施された場合のいずれかに該当する必要があります。

主な要件
■法人の場合
次のいずれかの事業承継類型に該当し、類型ごとに定められた要件をすべて満たす必要があります。
・同一法人における事業承継
・M&Aにおける事業承継(事業譲渡)
・M&Aにおける事業承継(株式譲渡)

同一法人における事業承継では、承継期間内に後継者が代表に就任し、先代が退任していることや、後継者または後継者が代表を務める別法人が株主であることなどが求められます。M&Aの場合は、事業譲渡と株式譲渡で要件が異なります。
■個人事業者の場合
・承継期間内に後継者が開業し、先代が廃業していること
・先代から後継者へ事業用資産が引き継がれていること

このほか、都内の中小企業者であること、税金を滞納していないこと、同一テーマ・内容で公的助成を重複して受けていないことなどの要件があります。申請前に各コースの募集要項で全要件を確認してください。

一般コースの助成内容

事業承継後の後継者による新規事業展開を支援するコースです。新しい商品・サービスの開発や、新技術・新設備の導入による事業展開が対象になります。

要件

事業承継を契機とした「新規事業展開」に取り組むことが必要です。取組例は、以下のとおりです。

■新たな顧客・市場に向けた新規事業展開
・業務用空気清浄機の製造会社が家庭用の小型製品を開発する
・飲食店向け食材卸業者が一般消費者向けにレトルト・冷凍品を販売する など

■新技術・新設備の開発/導入による新規事業展開
・印刷会社が専用加工機を導入してアクリルグッズを製作販売する
・自動車部品製造会社が自社の切削技術を活かして医療機器の部品を開発・販売する など

なお売上の増加に直接貢献しない取組や老朽化の復旧や既存設備の入替、既存製品の単なる改良は対象外です。

対象経費

主な助成対象経費は、以下のとおりです。

  • 原材料・副資材費
  • 機械装置・工具器具費
  • 委託・外注費
  • 産業財産権出願・導入費
  • 規格等認証・登録費
  • 設備等導入費
  • システム等導入費
  • 専門家指導費
  • 不動産賃借料
  • 販売促進費
  • その他経費

ただし、委託・外注費のうち、市場調査費だけで申請することはできません。また、専門家指導費、販売促進費、その他経費も、それぞれ単独では申請できません。単独申請が認められていない経費区分同士を組み合わせても、助成対象にはなりません。

また、販売促進費は既存事業に係る販売促進については対象外となります。

助成額・助成率

項目内容
助成限度額800万円
助成率2/3以内

賃金引上げ計画を提出し、常時使用する従業員の給与等総額を基準期間より2.0%以上増加させることや、助成事業実施場所内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高い水準にすることなどの要件を達成した場合、助成率は中小企業者が3/4以内、小規模企業者が4/5以内に引き上げられます。

なお一般コースでは、交付決定を受けた事業者に対し、1社につき計2回のアドバイザー派遣が無料で実施されます。1回目は交付決定日からおおむね2か月以内、2回目は完了検査時に行われ、2回とも必須です。

販路開拓コースの助成内容

事業承継後の後継者による新規販路開拓事業を支援するコースです。商品の販路を広げる取組が対象になります。

要件

事業承継を契機とした「新規販路開拓事業」に取り組むことが求められます。取組例は以下の通りです。

■服飾雑貨店が初めてフェアに出展して自社製品を紹介する

■家具製造会社が既製の民芸家具を海外に販売するためのECサイトを制作する

対象となる製品・サービスは、新しいものに限られません。既存の製品・サービスを含む幅広い販路開拓が支援対象です。

対象経費

販路開拓コースの助成対象経費は、以下のとおりです。

  • 市場調査費
  • 専門家指導費
  • 販売促進費
  • 展示会出展費

なお製品・サービスの開発に要する経費や改良に要する経費、会社を整備するための物品購入経費などは対象外です。

助成額・助成率

項目内容
助成限度額300万円
助成率2/3以内

販路開拓コースでは賃金引上げによる助成率の引上げや、アドバイザー派遣はありません。

一般コースと販路開拓コースの選び方

2つのコースは併願できません。自社の取組がどちらに当てはまるか、見極めましょう。

一般コースが向いている事業者

一般コースが向いているのは、以下の事業者です。

■新しい製品やサービスそのものを開発・製造したい
■新技術や新設備を導入して新規事業を立ち上げたい
■原材料費や機械装置費、設備・システム導入費など、開発・製造に幅広く経費がかかる
■必須のアドバイザー派遣を活用しながら進めたい

商品やサービスを「作る」段階に投資するコースです。

販路開拓コースが向いている事業者

販路開拓コースが向いているのは、以下の事業者です。

■商品はすでにあり、売る先を広げたい
■展示会出展、広告、市場調査など「売るための活動」に経費がかかる
■開発費ではなく販路開拓の費用を支援してほしい

商品やサービスを「売る」段階に投資するコースです。

なお申請前には必ず各コースの募集要項を確認し、必要に応じて事務局に相談してください。

申請方法と助成金を受け取るまでの流れ

両コースとも、申請は国が提供する電子申請システム「Jグランツ」を通じて行います。

申請方法や全体の流れ、申請期間を見ていきましょう。

申請方法

Jグランツを利用するには、「GビズID」のアカウント(gBizIDプライム)を事前に取得しておく必要があります。アカウント発行には審査に1週間程度かかるので、早めに準備してください。

申請の流れ

申請の大まかな流れは次のとおりです。

①GビズIDプライムのアカウントを取得する
②申請受付期間内に、Jグランツから電子申請を行う
③公社による書類審査・面接審査を受ける
④交付決定を受ける
⑤原則として交付決定後に、計画に沿って契約・発注・事業実施・支払いを行う
⑥事業完了後、原則1か月以内に実績報告を行う
⑦完了検査と助成金額の確定を受ける
⑧助成金を請求し、支払いを受ける

助成金は実績に基づく精算払い(後払い)です。事業を実施する段階では、事業者が必要な資金を用意する必要があります。交付決定前の契約・発注は原則として助成対象外ですが、展示会出展費の申込みなど一部に例外があるため、各コースの募集要項を確認してください。

なお、一般コースで賃金引上げによる助成率の引上げを受ける場合は、賃金引上げ計画書などを提出し、要件を達成する必要があります。

2026年度の申請期間

2026年度(令和8年度)の申請受付期間は、コースと募集回によって異なります。

コース募集回申請受付期間
一般コース第1回2026年5月18日~6月17日16時まで(受付終了)
第2回2026年9月1日~9月30日16時まで
販路開拓コース第1回2026年7月1日~7月31日16時まで
第2回2026年10月13日~11月12日16時まで

これから一般コースを検討する場合は、第2回募集(9月1日〜)の最新の募集要項を必ず確認してください。

よくある質問

ここでは、事業承継を契機とした成長支援事業に関するよくある質問と回答を紹介します。

事業承継の手続き費用は助成されますか?

助成されません。この制度は、事業承継そのものにかかる費用ではなく、承継後に後継者が行う新規事業展開や販路開拓の取組を支援する制度です。

一般コースと販路開拓コースの両方に申し込めますか?

両コースを併願することはできません。自社が取り組む事業の内容に合うコースを選んで申請してください。

どのような企業が対象ですか?

2021年4月1日から申請日の前日までの間に事業承継した都内中小企業者が主な対象です。個人事業者も含まれます。法人と個人事業者では事業承継の形態に関する要件が異なるため、申請前に各コースの募集要項を確認してください。

まとめ

事業承継を契機とした成長支援事業は、事業承継後の後継者が行う成長への挑戦を東京都の助成金で支援する制度です。承継そのものの手続き費用ではなく、承継を契機とした新規事業展開や販路開拓の取組が対象となります。

申請を検討する事業者は、自社の取組が「開発・製造中心」か「販路拡大中心」かを見極め、期限内に手続きを進めましょう。

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