「男性社員に育休を取ってもらいたいが、業務をカバーする人手が足りない」「育休明けの女性社員に、辞めずに戻ってきてほしい」
こうした悩みは、人手にもコストにも限りのある中小企業ほど切実です。職場環境を整えたい気持ちはあっても、企業単独での負担を考えるとなかなか踏み出せない、というケースも多いのではないでしょうか。
東京都では、こうした取組を行う都内中堅・中小企業を支援するため、令和8年度から「働く人の育業応援奨励金」を新たに開始しました。これは令和7年度まで実施されていた「働くパパママ育業応援奨励金」の後継事業で、コース制が廃止されて1本化されるとともに、対象企業の規模も中堅企業(最大999人)まで拡大されています。
今回は、令和8年度「働く人の育業応援奨励金」の概要や申請方法、申請スケジュール、旧制度からの変更点まで詳しく解説します。
第1回事前エントリー受付期間:令和8年6月22日(月)〜6月30日(火)
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この記事の目次
働く人の育業応援奨励金とは
「働く人の育業応援奨励金」は、東京都と公益財団法人東京しごと財団が連携して実施する企業向け奨励金(助成金)です。従業員が一定期間以上の育業をするとともに、安心して育業し復職しやすい職場環境を整備した都内中堅・中小企業等に対して奨励金を支給します。
事業の運営は公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 育児介護支援係が担当しており、令和8年6月22日から第1回の事前エントリー受付が始まります。
旧「働くパパママ育業応援奨励金」の後継事業
「働く人の育業応援奨励金」は、令和7年度をもって終了した「働くパパママ育業応援奨励金」(働くパパママ育業応援事業)の後継事業として位置づけられています。
旧制度では「働くパパコースNEXT」「働くママコースNEXT」「もっとパパコース」「パパと協力!ママコース」の4コース制でしたが、令和8年度の新制度ではこれらが1本化され、男女いずれの育業も同じ枠組みで申請できるようになりました。
ただし、過去に「働くパパママ育業応援奨励金」または「働くパパママ育休取得応援奨励金」を受給した事業者は、本奨励金を申請することができません。同一代表者の別法人や、吸収合併等で過去の受給事業者を引き継いだ企業も同様に対象外となるため、注意が必要です。
「奨励金」「助成金」「育児休業給付金」の違い
「東京都の育休関連の支援」を調べていると、似たような名前の制度がいくつも登場するため混乱しがちです。本奨励金を理解する前に、以下の3つを整理しておきましょう。
| 制度 | 対象 | 支給元 | 支給対象者 | 概要 |
|---|---|---|---|---|
| 育児休業給付金 (出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金を含む) |
育児休業を取得した労働者個人 | 国(雇用保険) | 個人 | 育休中の所得保障。 賃金の最大67%(出生後休業支援給付金との組合せで実質10割相当の期間あり) |
| 働く人の育業応援奨励金 | 都内中堅・中小企業等 | 東京都(東京しごと財団) | 企業 | 従業員の育業+職場環境整備に取り組んだ企業に最大420万円を支給 |
| 両立支援等助成金(参考) | 全国の中小企業 | 国(厚生労働省) | 企業 | 育児・介護との両立支援に取り組んだ企業向けの国の助成金 |
ご自身が育休中の本人で「いくらもらえる?」を調べている場合は、知りたいのは「育児休業給付金」(国の制度)であり、本奨励金とは別物です。本奨励金は、その従業員を雇用している企業側が受け取る制度です。
なお、東京都の制度では「奨励金」という名称が使われていますが、検索では「東京都 育休 助成金」「東京都 男性育休 助成金」と表記されることも多く、実質的には同じものを指しています。本記事でも、文脈に応じて「奨励金(助成金)」と表記します。
「育業」とは?東京都が育児休業を「育業」と呼ぶ理由
本制度では「育休」ではなく「育業(いくぎょう)」という言葉が使われています。これは、東京都が育児休業を取得しやすい社会の雰囲気づくりのために決定した独自の愛称で、「育児・介護休業法第2条第1号」に規定する育児休業を取得することを指します。
「休業」という言葉が「休んでいる」という消極的な印象を与えることから、「育てる仕事」=「育業」と言い換え、社会全体で子育てに取り組もうという思いを込めた名称です。
本記事や東京都の制度説明では「育業」と表記しますが、内容は労働者が法律に基づいて取得する育児休業(育休)と同じと理解して問題ありません。なお、本奨励金における「育業」には以下のものは含まれない点に注意が必要です。
・賃金の支払いがある場合(有給の育休)
・育業中に労使合意に基づき就労した日(一時就労)
・男性従業員が認知をしていない子に係る育業
また、本奨励金では「1か月以上の育業」を「30日以上」と定義しています(令和9年2月は28日のため1か月とみなされない点に注意)。
育児休業給付金と組み合わせると「実質10割」になる?
2025年4月から「出生後休業支援給付金」が創設され、従来の育児休業給付金と組み合わせることで、子の出生後の一定期間、育休中の手取りが実質10割相当になる仕組みが整備されました。「東京都 育休 10割」というキーワードで検索されることが多いですが、実はこれは東京都独自の制度ではなく、国(雇用保険)の新制度です。
具体的には、子の出生直後の一定期間(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合、最大28日間は休業前賃金の13%が育児休業給付金(67%)に上乗せされ、合計80%が支給されます。これに社会保険料の免除と非課税扱いを加味すると、手取りベースで10割相当となる計算です。
なお、東京都には個人の育休手当に上乗せする独自制度はありませんが、その分、この国の給付金を活用して従業員に育業を取得させた「企業」を支援するのが、本記事で解説している「働く人の育業応援奨励金」です。
働く人の育業応援奨励金の対象企業
本奨励金の対象となるのは、以下のすべての要件を満たす都内中堅・中小企業等(個人事業主含む)です。
・都内で事業を営んでいること(都内に本店登記または支店事業所があり、かつ実質的に営業を行っていること)
・都内事業所に所属・勤務する常時雇用従業員(雇用保険被保険者)を2人以上、かつ6か月以上継続雇用していること
・過去に「働くパパママ育業応援奨励金」「働くパパママ育休取得応援奨励金」を受給していないこと(吸収合併等で受給事業者を引き継いだ企業も含む)
・過去5年間に東京都の助成事業で不正受給による不支給決定・支給決定取消を受けていないこと
・過去5年間に重大な法令違反等がないこと
・労働関係法令(最低賃金、36協定、年5日有給休暇付与、時間外労働上限規制等)を遵守していること
・厚生労働大臣指針に基づくセクシュアルハラスメント等防止措置を講じていること
・都税の未納がないこと
・風俗営業や暴力団に関連しないこと
・就業規則を作成して労働基準監督署に届出済であること(従業員10人未満でも届出必須)
上記の中に、「過去に旧制度を受給していないこと」という項目があることに十分注意してください。同一代表者の別法人での申請も重複とみなされ対象外となるため、グループ会社で複数申請しているケースなどは事前に確認が必要です。
働く人の育業応援奨励金の対象従業員
本奨励金の対象従業員は、令和7年4月1日以降〜事前エントリー日の前日までに、男性は通算58日以上(中小企業は45日以上)、女性は通算86日以上の育業をするとともに、原職等に復帰している必要があります。
具体的な日数の考え方は、男女・企業規模によって以下のとおり異なります。
男性従業員:通算58日以上(中小企業は45日以上)の育業
| 区分 | 必要な育業日数 | 考え方 |
|---|---|---|
| 男性従業員 | 通算58日以上 | 産後パパ育休+1か月以上の育業相当 |
| 男性従業員 (中小企業等所属:常時雇用300人以下) |
通算45日以上でも可 | 産後パパ育休+育業相当 |
産後パパ育休(出生時育児休業)は、育児・介護休業法に基づき、子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得できる制度で、対象の子1人につき2回まで分割取得が可能です。本奨励金では、産後パパ育休を取得していなくても、育児休業のみで通算58日以上(中小は45日以上)の育業をしていれば対象となります。
育業開始前の時点で、奨励対象企業等において6か月以上雇用保険の被保険者として雇用されていることが必要です。
女性従業員:産後休業+通算86日以上の育業
| 区分 | 必要な育業日数 | 考え方 |
|---|---|---|
| 女性従業員 | 通算86日以上 | 産後休業+1か月以上の育業 |
産前休業開始前の時点で、奨励対象企業等において6か月以上雇用保険の被保険者として雇用されていることが必要です。なお、産前休業を取得することなく産後休業に入った場合でも、子の出生日を含む出生前6週間に産前休業を取得したものとみなされます。
原職等への復帰と就労実績
対象従業員は、育業に引き続き原職等に復帰していることが要件です。「原職等への復帰」とは、以下のすべてを満たす状態を指します。
・産前休業前・育業前と同一の事業所に復帰していること
・復帰後の職制上の地位が産前休業前・育業前より下回っていないこと
・復帰後の労働時間が変更されていないこと(短時間勤務制度等の利用を除く)
・復帰後の給与が産前休業前・育業前より下回っていないこと
また、職場復帰日から1か月以上(30日以上)の就労実績(タイムシート等で実労働日が確認できるもの)が必要です。
奨励金額と対象となる取組
本奨励金の基本支給額は125万円です。これは、以下の3つの取組をすべて実施した場合に支給されます。
| 取組 | 内容 |
|---|---|
| ①育業計画書の策定 | 育業前に上司または人事労務担当者との面談を実施し、対象従業員の育業中に実施した内容を記載した育業計画書を策定 |
| ②復職に向けた意向確認+両立支援制度の情報提供 | 復職直前に面談を実施し、復職後の働き方等を確認。 また、育児と仕事の両立支援制度に関する社内情報・資料を対象従業員へ提供 |
| ③復職しやすい職場環境整備 | 下記のア〜キの7項目から3つ以上を新たに整備し就業規則に明記(令和8年6月22日以降に労基署届出済の新規程) |
③職場環境整備の選択肢(ア〜キの7項目)は以下のとおりです。
| 項目 | 内容(法を上回る規定の整備または新設) |
|---|---|
| ア | 有給の子の看護等休暇の導入(旧規程で無給だったものを新たに有給に) |
| イ | 子の看護等休暇の取得日数の上乗せ(子1人→6日以上、2人以上→11日以上) |
| ウ | 中抜けありの時間単位の子の看護等休暇の導入 |
| エ | 育児短時間勤務制度の利用年数延長(3歳超の子も対象) |
| オ | 所定外労働時間制限の対象年齢拡大(6歳超の子も対象) |
| カ | 病児保育経費の補助 |
| キ | 子連れ出勤制度の導入 |
なお、ア〜キの「法を上回る規定の整備・新設」については、以下の点に注意が必要です。
・既に法を上回っている項目は対象外(さらに上回ってもダメ)
・一部の従業員だけに適用される取組は不可(全従業員に適用が必要)
・規定前の条件を下回る改訂を含む場合は対象外
加算で最大420万円
基本支給額125万円に加えて、以下の加算となる取組を実施した場合、最大420万円まで増額されます。
| 加算 | 取組内容 | 加算額 | 要件 |
|---|---|---|---|
| ① | 同僚への応援評価・表彰制度の整備+育業応援プランシートの作成 | 30万円 | 対象従業員は基本と同様 |
| ② | 同僚への応援手当(合計20万円以上)支給+育業応援プランシートの作成 | 30万円 | 対象従業員は基本と同様 |
| ①②両方 | — | 50万円(上限) | — |
| ③ | 男性管理職の育業(合計30日以上)+ロールモデルとしての社内周知 | 20万円 | 男性従業員が都内事業所に2人以上在籍 |
| ④ | 育業メンター制度の整備+パパ向け育業マニュアルの作成 | 20万円 | 同上 |
| ⑤ | 助産師等を活用した両親学級制度の導入(自社独自) | 20万円 | 同上 |
| ⑥ | 育児と仕事の両立に向けた社内研修の実施 | 20万円 | 同上 |
| ⑦ | 対象従業員(男性)が産後パパ育休+2か月以上の育業相当(通算88日以上)の育業 | 45万円 | 対象従業員が男性の場合に限る |
| ⑧ | 対象従業員のほかに複数の男性従業員が産後パパ育休+1か月以上の育業相当の育業(通算58日以上、中小は45日以上) | 1人30万円 最大4人120万円 |
対象従業員が男性の場合に限る |
加算①②は対象従業員が男女どちらでも申請可能ですが、加算③〜⑧は男性育業推進のための取組で、男性従業員が都内事業所に2人以上在籍していること(加算⑦⑧は対象従業員自身が男性であること)が要件です。
最大420万円の支給を受けるイメージは、基本125万円+①②(50万円)+③〜⑥(80万円)+⑦(45万円)+⑧(120万円)=420万円となります。
令和8年度のスケジュール(事前エントリー制)
令和8年度の本奨励金は、事前エントリー制が導入されました。先着順ではなく、受付予定社数を上回る申込があった場合は受付期間終了後に抽選が行われます。
| 回 | 予定社数 | 事前エントリー受付期間 | 事前エントリー撤回期限 | 支給申請期限 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 350社 | 令和8年6月22日(月) 〜6月30日(火) |
令和8年8月21日(金) | 令和8年9月18日(金) |
| 第2回 | 400社 | 令和8年9月1日(火) 〜9月9日(水) |
令和8年10月23日(金) | 令和8年11月20日(金) |
| 第3回 | 400社 | 令和8年11月2日(月) 〜11月11日(水) |
令和8年12月18日(金) | 令和9年1月22日(金) |
| 第4回 | 350社 | 令和9年1月5日(火) 〜1月12日(火) |
令和9年2月19日(金) | 令和9年3月19日(金) |
各回、事前エントリーは受付開始日午前10時から受付終了日午後5時まで。事前エントリー結果は、受付期間終了日の翌日から概ね10営業日以内にメールで通知されます。
抽選で通過できなかった場合、次回以降に再度事前エントリーが可能です。ただし、予算の範囲を超えた場合は申請受付期間内であっても受付が終了するため、第1回から積極的にエントリーすることをおすすめします。
申請方法と必要書類
本奨励金の申請は、事前エントリー → 支給申請の2段階で行います。来所や郵送による申請は受付されません。
ステップ1:事前エントリー(LoGoフォーム)
まず、各回の事前エントリー受付期間内に、専用フォーム(LoGoフォーム)からエントリーを行います。事前エントリー申請フォームは、各回の事前エントリー開始の1週間前を目途に東京しごと財団の公式サイトで公開されます。
・エントリーは1事業者あたり1回まで
・同一の事業者が同一エントリー回で複数回申し込んだ場合は対象外となることがある
・同一代表者の複数法人からの申込も重複扱い
ステップ2:支給申請(Jグランツ)
事前エントリーを通過した事業者には、メールでJグランツの申請用URLが送付されます。各回の支給申請期限日までに、Jグランツから必要書類をアップロードして申請します。
Jグランツの利用には、法人共通認証基盤「GビズID」(GビズIDプライム)の取得が必要です。GビズIDの発行は国(デジタル庁)の審査によりID発行まで時間がかかるため、余裕を持って準備してください(ID発行が間に合わないことを理由とした申請期限延長は不可)。
なお、誓約書のみ自筆での提出が必要となる点に注意してください。
主な必要書類
・支給申請書(様式第1号)
・誓約書(様式第2号、自筆)
・事業所一覧
・会社案内または会社概要
・履歴事項全部証明書(商業・法人登記簿謄本)または個人事業の開業・廃業等届出書
・就業規則(新規程・旧規程、労基署受領印付き)
・対象従業員の育業に関する書類(育児休業等給付金支給決定通知書、雇用契約書、賃金台帳、タイムシート等)
・加算を申請する場合:加算①〜⑧の様式・育業応援プランシート・関連規程等
・都税の納税証明書
提出書類はすべてPDF形式で、書類のうち1点でも不足や不備がある場合は受付されません。
審査期間は3〜4か月程度を見込み、支給決定通知書受領後、奨励金請求書兼口座振替依頼を提出して振込となります。
申請にあたっての注意点
申請を検討している場合、以下の点に注意しましょう。
過去の旧制度受給企業は申請不可
繰り返しになりますが、過去に「働くパパママ育業応援奨励金」「働くパパママ育休取得応援奨励金」を受給した事業者は申請できません。同一代表者の別法人、吸収合併で旧制度受給事業者を引き継いだ企業も含まれます。
予算超過で受付終了の可能性
予算の範囲を超えた場合、申請受付期間内であっても受付が終了します。第4回まで募集はありますが、確実に申請したい場合は早めの回でのエントリーを検討してください。
他の補助金等との併給制限
本奨励金の支給事由と同一の事由により支給要件を満たす国・都・区市町村の補助金等を受給した場合、本奨励金は支給されません。例えば、厚生労働省の両立支援等助成金(育児休業等支援コース)と一部要件が重複するため、併用時は要件をよく確認してください。
東京都パートナーシップ宣誓制度の取扱い
令和4年11月1日に創設された「東京都パートナーシップ宣誓制度」等の証明を取得した方の申請についても、一定の要件のもとで申請が可能です。
制度融資との連携
本事業に取り組んでいる中小企業は、東京都中小企業制度融資「女性活躍推進融資(TOKYOウィメン・ビズ・サポート)」の対象となり、信用保証料3分の2補助や利率優遇を受けることができます。
旧「働くパパママ育業応援奨励金」からの主な変更点
旧制度を検討していた事業者の方向けに、旧働くパパママ育業応援奨励金からの主な変更点を整理します。
| 項目 | 旧:働くパパママ育業応援奨励金 (令和7年度) |
新:働く人の育業応援奨励金 (令和8年度) |
|---|---|---|
| コース構成 | 4コース (働くパパコースNEXT/働くママコースNEXT/もっとパパコース/パパと協力!ママコース) |
1本化 |
| 対象企業規模 | 中小企業中心 (一部もっとパパコースは企業規模不問) |
常時雇用2〜999人 (中堅企業等まで拡大) |
| 基本支給額 | コースにより異なる (25万円〜125万円) |
一律125万円 |
| 最大支給額 | 420万円 (働くパパコースNEXT満額時) |
420万円 (加算フル活用時) |
| 男性育業日数 | コースにより15日/30日 | 通算58日以上 (中小は45日以上でも可) |
| 女性育業日数 | 1年以上(働くママコースNEXT) 6か月以上1年未満(パパと協力!) |
通算86日以上 (産後休業+1か月以上) |
| 申請方式 | 直接申請 | 事前エントリー制(抽選) |
| 申請手段 | 郵送+Jグランツ | Jグランツのみ (誓約書のみ自筆PDF) |
| 職場環境整備 | コースごと別要件 | 7項目から3つ以上に統一 |
| 過去受給企業 | 異なるコース間は原則申請可 | 過去に旧奨励金受給の企業は全面的に申請不可 |
よくある質問
旧「働くパパママ育業応援奨励金」を受給していても申請できる?
いいえ、申請できません。同一代表者の別法人や、吸収合併等で旧制度の受給事業者を引き継いだ企業も対象外となります。「働くパパママ育休取得応援奨励金」を受給した企業も同様に申請不可です。
個人事業主でも対象になる?
対象になります。都内税務署へ開業届を提出済みで、都内事業所に所属・勤務する常時雇用従業員(雇用保険被保険者)を2人以上かつ6か月以上継続雇用していれば申請可能です。
男性の育業だけでも申請できる?
申請できます。本奨励金は男女どちらの育業でも対象で、令和7年度のようなコース区分はありません。男性は通算58日以上(中小企業は45日以上)の育業が要件です。
育児休業給付金と一緒にもらえる?
両立できます。育児休業給付金は休業した従業員「個人」が雇用保険から受け取るもので、本奨励金は「企業」が東京都から受け取るものです。受給者が異なるため、両方を活用できます。
産後パパ育休だけでも対象になる?
産後パパ育休のみでは要件を満たしません。本奨励金では、産後パパ育休+育業で通算58日以上(中小企業は45日以上)が必要です。なお、産後パパ育休を取得せず育児休業のみでも、通算日数を満たせば対象となります。
抽選に外れたら再エントリーできる?
可能です。同年度内であれば、次回以降の事前エントリー回に再度応募できます。第1回〜第4回まで合計4回の機会があるため、最初の回で落選してもあきらめずに次回応募を検討しましょう。
国の両立支援等助成金との併用はできる?
同一事由による併給はできません。国・都・区市町村が実施する補助金等で、本奨励金と同一の事由により支給要件を満たすものを申請または受給した場合、本奨励金は支給されない仕組みです。事前に重複の有無を確認してください。
GビズIDの取得は必要?
必須です。本奨励金は電子申請システム「Jグランツ」での申請のみ受け付けており、Jグランツの利用にはGビズIDプライムが必要となります。発行までに時間がかかるため、事前エントリーの段階から早めに準備しておきましょう。
就業規則の届出は従業員10人未満でも必要?
本奨励金では必要です。労働基準法上の届出義務は10人以上の事業所が対象ですが、本奨励金の申請にあたっては従業員数にかかわらず労働基準監督署への届出(受領印の確認)が求められます。
まとめ
「働く人の育業応援奨励金」は、令和8年度から開始された東京都の新しい企業向け奨励金(助成金)です。旧「働くパパママ育業応援奨励金」の後継事業としてコースが1本化され、対象企業も中堅企業(〜999人)まで拡大されました。
基本125万円・最大420万円という大きな支給額に加え、男性育業の推進や復職しやすい職場環境整備など、企業の取組内容に応じて柔軟に加算が積み上がる設計になっています。一方で、事前エントリー制(抽選)への変更や、旧制度受給企業の申請不可など、注意すべき点も増えています。
従業員の仕事と育児の両立支援は、企業にとって人材確保・定着のカギとなる取組です。すべての人が働きやすい社会を目指すためにも、本奨励金をはじめとした各種支援制度を積極的に活用していきましょう。
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