東京都では「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」として、家庭への太陽光発電設備の導入やパワーコンディショナの更新に対する助成を行っています。新規設置の場合は最大で1kWあたり15万円、パワーコンディショナの更新には1台につき最大10万円の助成が受けられます。
令和8年度には機能性PVの区分拡充をはじめとする支援内容の見直しも行われました。今回は都内で太陽光発電の新規設置を検討している方やパワーコンディショナの交換を検討している方に向けて、制度の概要や申請手続きの流れを解説します。
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この記事の目次
災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業とは?
東京都では「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」として、高断熱窓・ドアへの改修や、蓄電池、太陽光発電設備等の設置などを補助しています。省エネ性に優れ、災害にも強く、健康にも資する断熱・太陽光住宅の普及拡大を促進するのが目的です。
まずは災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業の概要と令和8年度の拡充を見ていきましょう。
災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業の助成メニュー
令和8年度の、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業の助成メニューは、以下のとおりです。
| 事業名 |
|---|
| ①家庭における太陽光発電導入促進事業 (太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業を含む) |
| ②家庭における蓄電池導入促進事業 |
| ③既存住宅における省エネ改修促進事業 |
| ④熱と電気の有効利用促進事業 |
| ⑤戸建住宅におけるV2H普及促進事業 |
| ⑥分譲マンション省エネ型給湯器導入促進事業 |
この記事では「家庭における太陽光発電導入促進事業(太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業を含む)」を中心にまとめています。
令和8年度の拡充・見直し項目
令和8年度には、支援内容の拡充・見直しが行われました。各メニューで拡充・見直しがあった項目は、以下のとおりです。
| 事業名 | 令和8年度の拡充・見直し項目 |
|---|---|
| ①家庭における太陽光発電導入促進事業 | ・機能性PVの区分拡充 |
| ②家庭における蓄電池導入促進事業 | ・蓄電池システムの設置 ・既設蓄電池の蓄電ユニット増設 ・蓄電池新設・増設時のIoT機器設置 |
| ③既存住宅における省エネ改修促進事業 | ・高断熱窓・ドアの設置 ・壁/床等の断熱化 ・高断熱浴槽の設置 |
| ④熱と電気の有効利用促進事業 | ・エコキュート等の設置 ・エコキュート等新設時にIoT機器設置 |
| ⑤分譲マンション省エネ型給湯器導入促進事業 | ・エコジョーズ/エコフィールへの交換 |
いずれも単価拡充や対象設備の拡大、要件の見直しなどが行われています。申請の際には必ず最新の情報を確認してください。
家庭における太陽光発電導入促進事業とは
家庭における太陽光発電導入促進事業では、令和8年度、機能性PVの区分拡充がありました。

出典:環境局<災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業>令和7年度事業の受付期間及び令和8年度事業の概要・今後の予定について
機能性PVに該当する製品を設置する場合、区分に応じて1kWあたり最大10万円が上乗せされます。上乗せ額は、機能性PVの区分により10万円・8万円・5万円・2万円・1万円/kWなどが設定されています。
そのほか、対象者や主な要件などをまとめました。
家庭における太陽光発電導入促進事業の対象者
家庭における太陽光発電導入促進事業の対象となるのは、太陽光発電システムを所有する個人・法人・管理組合または太陽光発電システムを貸与する機器貸与者および電力販売事業者です。
なお太陽光発電システムを貸与する場合、都内の住宅での使用者と直接契約している必要があります。
家庭における太陽光発電導入促進事業の主な要件
助成対象となるための主な要件は、以下のとおりです。
| 主な要件 |
| ■未使用品であること |
| ■都内の住宅または、その敷地内に新規に設置されたものであること |
| ■太陽光発電電力は、居住部分で使用するものであること |
| ■既存システムの一部として増設されたものではないこと |
| ■太陽光発電システムを構成するモジュールが、次のいずれかの認証を受けていること ・一般財団法人電気安全環境研究所(JET)が定めるJETPVm認証のうち、モジュール認証を受けた、もしくは同等以上であること ・国際電気標準会議(IEC)のIECEE-PV-FCS制度に加盟する認証機関による太陽電池モジュール認証を受けたものであること |
| ■太陽光発電システムの発電出力が50kW未満であること |
なお助成要件に関する詳細は、必ず手引き等で確認してください。
家庭における太陽光発電導入促進事業の支給額
設備や工事ごとの支給額は、以下のとおりです。
| 対象設備・工事 | 区分 | 助成額 |
|---|---|---|
| 太陽光発電設備 | 新築住宅・3.6kW以下 | 12万円/kW(上限36万円) |
| 太陽光発電設備 | 新築住宅・3.6kW超 | 10万円/kW(50kW未満) |
| 太陽光発電設備 | 既存住宅・3.75kW以下 | 15万円/kW(上限45万円) |
| 太陽光発電設備 | 既存住宅・3.75kW超 | 12万円/kW(50kW未満) |
| 陸屋根の住宅への上乗せ | 防水工事 既存集合住宅・既存戸建住宅 |
18万円/kW |
| 陸屋根の住宅への上乗せ | 架台設置 集合住宅 |
20万円/kW |
| 陸屋根の住宅への上乗せ | 架台設置 既存戸建住宅 |
10万円/kW |
| 機能性PVへの上乗せ | 機能性の区分に応じて加算 | 10万円・8万円・5万円・2万円・1万円/kW |
なお助成対象機器の設置工事の際にリフォーム瑕疵保険に加入する場合、要件を満たしていれば「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の共通助成メニューとして、7,000円の支援が受けられます。
家庭における太陽光発電導入促進事業の対象経費
対象となる経費は、以下のとおりです。
| 補助対象経費 |
| 太陽光発電システムおよび太陽光発電システムの架台の設置に係る機器費・材料費・工事 |
| 太陽光発電システムの架台の設置や防水工事に係る材料費・工事費 |
| パワーコンディショナの更新に係る機器費および工事費 |
| 無線設備に対する障害防止措置に係る機器費及び工事費 |
| リフォーム瑕疵保険等の加入に係る保険料及び検査料 |
なおパワーコンディショナの更新やリフォーム瑕疵保険等に関わる費用で助成を受けるには、別途要件を満たす必要があります。
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業
家庭における太陽光発電導入促進事業では、「太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用」も助成の対象となります。対象者や要件が異なりますので、確認しておきましょう。
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業の対象者
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業の対象となるのは、所有する対象機器を都内の住宅に設置する個人・法人のほか、その他マンション管理組合の管理者および管理組合法人です。
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業の主な要件
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業の対象となるには、以下の要件を満たす必要があります。
| 主な要件 |
| ■更新設置期間が令和5(2023)年1月31日~令和11(2029)年3月30日のパワーコンディショナである |
| ■未使用品である |
| ■都内の住宅に既に設置されている太陽光発電システムを構成するもので、当該システムを継続して利用するために更新されるものである |
| ■パワーコンディショナと接続する太陽光モジュールが以下のいずれかであること ・JETPVm認証を受けたもの ・JETPVm認証を受けたもの同等以上であること ・IECEE-PV-FCS制度に加盟する認証機関による認証を受けたもの |
| ■対象機器から供給される電力が、住宅の住居の用に供する部分で使用されていること |
なお対象機器は、購入した際の領収書の日付が、令和5(2023)年1月31日~令和11(2029)年3月30日までのものに限られます。
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業の支給額
既設の太陽光発電のパワーコンディショナの更新に対する支援は、補助率が1/2、上限額は1台につき10万円です。
なおこちらも、要件を満たして助成対象機器の設置工事の際にリフォーム瑕疵保険に加入する場合には7,000円の支援が受けられます。
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業の対象経費
助成金の交付対象となる経費は、パワーコンディショナ機器費及び工事費です。ただし、消費税除きます。
また助成金の交付額は、千円未満切り捨てです。
申請手続きの流れ
申請手続きは、太陽光発電システムを新規に設置する場合と、パワーコンディショナを更新する場合で異なります。
【太陽光発電システムを新規に設置する場合】
太陽光発電システムを新規に設置する場合は、原則として契約締結前に事前申込が必要です。事前申込受付通知を受けた後に、契約締結、設置工事、工事代金の支払いを行います。その後、工事完了および支払い完了後に、交付申請兼実績報告を提出します。審査により助成金額が確定すると、交付決定通知書が送付され、その後、指定口座へ助成金が振り込まれます。
ただし、令和8年4月1日から令和8年6月30日までの間に契約を締結した場合は、助成対象要件などを満たせば、契約締結後または工事後であっても事前申込が認められる特例措置があります。この場合の事前申込受付期限は、令和9年3月31日です。
全体の流れは、以下の図も参照してください。

出典:環境局 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
【パワーコンディショナを更新する場合】
一方、太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業には、事前申込はありません。令和8年度の申請期間内に、必要書類をそろえて交付申請を行います。
申請は電子申請も可能です。受付・審査状況をWeb上で確認でき、交付決定通知書の電子通知も選択可能で、よりスムーズに手続きできるシステムです。
なお紙申請の場合には、手続きに時間を要する可能性があります。
各種申請等の締め切り
事業実施年度は、令和9年度まで(助成金の交付は令和11年度まで)です。そのほか、各種申請期間は以下のとおりです。
令和8年5月29日開始
■交付申請兼実績報告
令和8年6月30日から令和11年3月30日まで
なお太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業の事業実施年度は令和10年度まで(助成金の交付は令和11年度まで)、申請期間は以下のとおりです。
令和8年6月30日~令和9年3月31日まで
事業期間中、年度ごとに申請受付期間が設けられています。
令和8年度は金融機関発行の証明書等の提出が必須
不正防止対策の一環として、令和8年度事業より金融機関発行の証明書等の提出が必須となりました。
太陽光発電システムを新規に設置する場合は、令和8年度に事前申込を受け付けた申請から、交付申請兼実績報告時に「金融機関発行の証明書等」の提出が必要です。
一方、パワーコンディショナ更新費用助成事業には事前申込がないため、令和8年度の交付申請時に「金融機関発行の証明書等」を提出します。
認められる金融機関発行の証明書等の例は、以下のとおりです。
- ローン契約明細書
- ATM口座振込明細
- ATM現金振込明細
- 金融機関窓口での振込明細
- ネットバンキングの振込履歴画面の印刷・スクリーンショット
- クレジットカードの利用明細
- 電子マネー・デビットカード等の支払明細 など
現金の受け渡しによる取引は、助成の対象外となります。
国や区市町村の補助事業との併給について
国や区市町村が実施する省エネ・再エネ設備に関する助成事業との併給は、原則可能です。主な支援制度は以下のとおりです。
| 実施主体 | 主な支援制度・確認先 |
|---|---|
| 国 | ・住宅省エネ2026キャンペーン ・既存住宅における断熱リフォーム支援事業 |
| 区市町村 | 地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトで確認できます。詳細は、各区市町村の窓口で確認してください。 |
なお都・クール・ネット東京が実施する他の同種の助成金は、重複して受給できません。
まとめ
「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の助成メニュー「家庭における太陽光発電導入促進事業」は、太陽光発電設備の新規設置やパワーコンディショナの更新を対象としています。新規設置とパワーコンディショナ更新では対象者や要件、支給額が異なるので、状況に合わせて確認してください。
申請には原則として契約締結前の事前申込が必要です。令和8年度からは金融機関発行の証明書等の提出も必須となりました。
家庭における太陽光発電導入促進事業をはじめとする支援制度を上手に活用し、省エネ性と災害への備えを兼ね備えた住まいづくりを目指しましょう。
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