政府は、配偶者に扶養されているパート従業員の就労時間抑制になっている「年収の壁」解消のため、企業への助成を検討しています。詳細はまだ明らかになっていませんが、2023年秋から、当面の時限措置となる予定です。
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年収の壁とは
「年収の壁」には、税制上の「壁」と社会保険上の「壁」が存在します。この壁を超えると税金や社会保険料の負担が生じるため、配偶者の扶養の範囲内で働く方の就業抑制の一因となっているのです。
企業への助成が検討されているのは、「年収の壁」のうち、社会保険上の「壁」に関するものです。社会保険上の「壁」には、社会保険の加入義務が生じる「106万円の壁」または「130万円の壁」があり、勤務先の従業員数によって加入基準が異なります。
年収の壁助成金の内容
現行の社会保険のルールでは、従業員101人以上の企業でパートとして働くとき、年収106万円以上になると会社員等として働く配偶者の扶養から外れて、自ら「厚生年金や健康保険、介護保険(40歳以上)の保険料」を負担しなければなりません。
一定の収入額を超えると社会保険の加入によって保険料の負担が生じるため、これがパートの働く時間を抑えるという就業調整につながっているという指摘がなされています。
これに関して政府は、扶養から外れる人の保険料の一部を負担する企業に対し、上限を設けて助成する方針を示しています。本来、保険料は労使折半となりますが、パートの分も国の助成を受けた企業が実質的に肩代わりすることになります。
年収の壁見直し・助成金はいつから
具体的な金額や財源はこれから決まります。2023年秋から、当面の時限措置となる予定です。