【まとめ】上がり続ける最低賃金。企業がしておくべき3つのことと、使える助成金について調べてみた

「働き方改革実行計画」において、政府は全国の労働賃金が平均で1000円になることを目指しています。
2018年10月1日より東京都では、最低賃金が958円から985円に引き上げられました。
この最低賃金引き上げは、平均で1000円になるまで続くことが予想されます。
この賃金引き上げにおいてやっておくべき三つのことと、賃金引き上げで使える助成金について調べてみたいと思います。

1.実際に全国的にどのくらい最低賃金は引上げられた?

今回の引上げで、全国平均で約26円の最低賃金時間額が引上げとなりました。
人手不足と言われている今、大抵の企業が最低賃金等でアルバイトやパートを募集しているところも少ないかもしれませんが、それでも最低賃金26円の引上げは企業内における資金繰りにしても、求人の訴求力に大きな影響を与えてくることは間違いありません。

例えば、単純に最低賃金で10人のパート・アルバイトを雇っている飲食店があったと過程してみると、売上は特に変わらず人手も増えないにも関わらず固定費だけが増える形になります。

東京都の賃金で仮に計算すると

10人×時給958円×1日8時間シフト×20日出勤=76640円/月

10人×時給985円×1日8時間シフト×20日出勤=78800円/月

となり一月で2160円の固定費が上がることになります。
これが年間になると2万5920円です。

さらに、今まで最低賃金よりも20円ほどプラスで求人広告を出していた企業であったとしても、それだけでは最低賃金以下になってしまいます。
アルバイト求人を出す上でも、給与面で魅力を出すことが難しくなり、ますます人材確保が難しくなるかもしれません。

都道府県 引上げ前最低賃金時間額 引上げ後最低賃金時間額 差額 発効年月日
北海道 810 835 25 平成30.10.01
青森県 738 762 24 平成30.10.04
岩手県 738 762 24 平成30.10.01
宮城県 772 798 26 平成30.10.01
秋田県 738 762 24 平成30.10.01
山形県 739 763 24 平成30.10.01
福島県 748 772 24 平成30.10.01
茨城県 796 822 26 平成30.10.01
栃木県 800 826 26 平成30.10.01
群馬県 783 809 26 平成30.10.06
埼玉県 871 898 27 平成30.10.01
千葉県 868 895 27 平成30.10.01
東京都 958 985 27 平成30.10.01
神奈川県 956 983 27 平成30.10.01
富山県 795 821 26 平成30.10.01
石川県 781 806 25 平成30.10.01
福井県 778 803 25 平成30.10.01
新潟県 778 803 25 平成30.10.01
山梨県 784 810 26 平成30.10.03
長野県 795 821 26 平成30.10.01
岐阜県 800 825 25 平成30.10.01
静岡県 832 858 26 平成30.10.03
愛知県 871 898 27 平成30.10.01
三重県 820 846 26 平成30.10.01
滋賀県 813 839 26 平成30.10.01
京都府 856 882 26 平成30.10.01
大阪府 909 936 27 平成30.10.01
兵庫県 844 871 27 平成30.10.01
奈良県 786 811 25 平成30.10.04
和歌山県 777 803 26 平成30.10.01
鳥取県 738 762 24 平成30.10.05
島根県 740 764 24 平成30.10.01
岡山県 781 807 26 平成30.10.03
広島県 818 844 26 平成30.10.01
山口県 777 802 25 平成30.10.01
徳島県 740 766 26 平成30.10.01
香川県 766 792 26 平成30.10.01
愛媛県 739 764 25 平成30.10.01
高知県 737 762 25 平成30.10.05
福岡県 789 814 25 平成30.10.01
佐賀県 737 762 25 平成30.10.04
長崎県 737 762 25 平成30.10.06
熊本県 737 762 25 平成30.10.01
大分県 737 762 25 平成30.10.01
宮崎県 737 762 25 平成30.10.05
鹿児島県 737 761 24 平成30.10.01
沖縄県 737 762 25 平成30.10.03

参照:https://pc.saiteichingin.info/

2.これからまだまだ上がる予想の最低賃金 次はいくら?

政府は全国平均で1000円という目標を掲げています。
もちろん経済状況に応じて値上げの時期や幅は変えていくのかもしれませんが、単純に予測した場合次の年(2019年10月)に再び25〜27円ほど上がることが予想されます。

事実、前年度も2017年10月に最低賃金の引上げが行われています。
ちなみに今回の引上げにより全国の単純平均最低賃金は815円。
加重平均で1000円ということですので人口の多い首都圏において平均が1000円を少し超えたくらいで目標達成になるかと思いますが、まだまだ景気が大幅に下がらない限りこの引上げは今後数年続くことが予想されます。

3.どのような企業努力を行うことで最低賃金は引き上げることができる?

単純に企業は、政府が最低賃金引上げ!といったことで何も対策をせずに最低賃金を引き上げることはできません。
具体的にどのようにして企業は賃金を引上げていかなければならないのでしょうか。

  • 労働人数の引き下げ
  • 労働時間の短縮
  • 利益率の向上

基本的には上記の三つの方法が考えられます。
※労働人数の引き下げに関しては、企業が成長することを考えれば実行することができませんので選択肢として含まないこととします。
もちろん企業によっては、上記の施策をとるところもあるかもしれません。

では残り二つの方法として、企業ができることとは一体なんでしょうか。

1.日々の単純作業をPDCA化して考えてみる

労働時間の短縮を検討するにあたり大切なことが日々の単純作業をPDCAに置き換えて考えていく必要があります。
通常PDCAサイクルは、新しい業務や改善したいことに関して行う作業フローですが、日々の単純作業をPDCA化して考えることで労働時間を短縮する部分が見えてきます。

P:単純作業の洗い出しと施策の検討

まずはパートやアルバイトの作業を細かく単純作業で洗い出し作業を行います。
この時に実際にパートやアルバイトの人に日々の業務をもう一度箇条書きに書き出してもらうなどの作業を行うことをおすすめします。
理由として、長年パートやアルバイトなどで現場を回している職場であれば管理が関与していない業務や作業が発生している場合があるからです。

各作業を洗い出すことができれば、その中から単純作業のもので機械化できたり短縮できたりする作業はないかを検討していきます。
この時に注意すべき点として、洗い出しを行ってもらった作業における作業時間の割合から大幅に時間をとっているものから検討することでより効果的な労働時間短縮を測ることができます。

D:施策をテスト的に実行してみる

Pの工程で、ある程度の計画ができればまずはミニマムで実行してみましょう。
いきなり社内全体で実行してしまうと普段と違う作業フローとなるので、逆に作業効率が落ちてしまう可能性があるからです。
結果としてよい施策のものであっても期待した結果を得ることができない可能性があります。

まずは試験的に繁忙時間をずらしたり、実行する人数を絞って行うことで施策のテスト実行を行ってみましょう。

C:テスト実行の結果から予測との乖離を確認

Dでテスト的に実行したことで得られる結果、つまりこの場合は労働時間の短縮が行えたのかどうかを確認します。
例えば、通常の作業時間(労働時間)が8時間になるものが7.5時間もしくはそれ以上になったのかどうか?
もしくは、二人で行っていた作業を一人で行った場合でも同じ時間で作業を終了することができたのかといことをチェックします。

予想通りの結果がでなければ、なぜ予想通りの結果とならなかったのかの原因を追求し、原因を改善するために必要なことは何かを再びPの工程に戻り作業改善を検討していきます。

A:結果がよければ全社的に実行・導入していきます

Cで予想通りの結果が出れば、あとは全体的に実行していくことが大切です。
一方注意点として部分的に行ったから全てでうまくいくとは限りませんので、まずは部分的にうまくいったことをしっかりとテンプレート化し、全体で実行しやすいように調整していく必要があります。

2.利益率を改善するためのポイントを見直す

利益率をあげるためには、単純に値上げ・コストの見直し・効率化が必要となってきます。
モノを売る商売であれば、仕入値を下げられるような方法を行うことであったり、通販であれば送料などお届けにかかるコストを下げることで利益率の改善を測ることができます。
飲食店などのサービス点であれば、サービスの質や提供する量を調整することで利益率を改善することができます。

  • 時間コスト(労働時間)の短縮
  • 原価の圧縮
  • その他コストの削減

原価の圧縮については、サービスの質を落としかねないので極力さけたいところです。
ですので、その他のコストの削減に注力しなくてはいけないのですが、その他のコストとは一体なんでしょうか。

それは、モノや場所によるものです。

例えばレストランで言えば、光熱費などもその他のコストに分類されます。
さらには現在かけている広告費なども集客力を落とさなければ圧縮することが可能です。
まずは時間コスト・原価以外のコストがどういったものかを洗い出すことからはじめてみましょう。

3.時間コスト・利益率をあげてくれる施策をサポートする助成金の活用

労働時間の見直しや、利益率の改善などの話をしましたが、実際に検討し始めると大抵の場合は何かしらの設備投資が必要になってくるはずです。
もしくは設備投資ありきで考えると、時間コストや利益率を改善できる幅は広がってくるのではないでしょうか。

このような賃金改善を行うための、業務改善を見越した設備投資対して今厚生労働省は「業務改善助成金」を交付しています。

1.業務改善助成金とは

業務改善助成金とは、生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部の助成を受けることが出来る制度です。
要件はありますが、上限100万円まで助成を受けることが出来るため、設備投資をご検討されている企業様は、活用を検討してみることをおススメします!

詳細は、補助金ポータルで掲載している「【設備投資に最大100万円】平成30年度版「業務改善助成金」とは?」の記事をご確認ください!
https://hojyokin-portal.jp/gyoumu/

2.キャリアアップ助成金 賃金規定等共通化コース

その他、直接の設備投資に対するものではありませんが、就業規則等にアルバイトなどの有期契約労働者等に対して、正社員と共通の職務等に応じた賃金規定を新たに作成し適用した場合に受けることが出来る助成金もあります。

キャリアアップ計画というものを労働局に提出してから賃金規定の適用をし、適用から半年間規定に則った賃金を支払い、6ヵ月分の賃金を支給した翌日から2カ月以内に支給申請を行うことが基本的な流れになります。

その場合に、1事業所あたり57万円受け取ることが可能です。
加算要件もあり、上限20人まで、対象労働者2人目以降は、プラス2万円が加算となります。

助成金は主に雇用保険料を財源とし運営しているため、雇用した期間や就業規則等に定めた規定通りに実施したものに対して助成が行われます。
補助金とは異なり、使用用途が定められている訳ではないため、助成金で受け取った金額を、より良い設備投資や従業員の福利厚生に充てることも可能です。

参考:キャリアアップ助成金

より詳しい助成金についてのアドバイスや相談等がありましたら、まずは補助金ポータルまでご相談ください。

補助金ポータルに相談する

4.さいごに

最低賃金の引き上げに伴い、企業がやっておくべき3つのことと、賃金引き上げで使える助成金について調べてみました。

基本的なところかもしれませんが、改めてPDCAを回してみること、利益率改善のポイントを見直すことがとても重要になってきます。
また、設備投資で使える助成金として「業務改善助成金」、賃金規定の導入で受けられるのが「キャリアアップ助成金賃金規定等共通化コース」があります。

法改正や最低賃金の見直し、少子高齢化等での人材確保の難航など、経営者が置かれる状況は厳しさを増していることも事実です。
変化の多い時代に、国としての支援策である助成金を上手く活用し、経営に役立ててみてはいかがでしょうか。

その他、補助金ポータルでも、ご相談等受け付けております。
不明点など何でもお気軽にご連絡ください。
https://hojyokin-portal.jp/inquiry/