2024年12月から、政府補助の終了に伴い、電気代が平均的な家庭で月500~600円程度値上がりする見込みです。特に冬場の暖房を担うエアコンの電気代節約は家計にとって重要なテーマとなっています。そこで、今回はエアコンの電気代を抑えるポイントや、省エネエアコン導入に対する自治体の補助金について紹介します。
※11月13日更新
政府は、電気・ガス料金の補助金を来年1月から再開し、3月まで実施する方向で検討しています。冬場の負担軽減を目的に、1月と2月は1キロワットアワーあたり2.5円、3月は1.3円の補助を行う方向で調整しています。
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この記事の目次
電気代値上がりで節電がさらに重要に
2024年12月の請求分から、家庭の電気料金とガス料金が値上がりします。これは、政府が実施していたエネルギー料金への補助が10月使用分で終了するためです。この補助は、ロシアによるウクライナ侵攻などを背景に燃料価格が高騰したことを受けて始まりましたが、一度終了後に8月から再開され、10月まで続きました。12月の請求では、平均的な家庭で電気料金は月500~600円、ガス料金は200~300円ほど上昇する見込みです。
各地域の電力会社での料金値上げ幅を見ると、例えば北海道電力で513円、東京電力で608円、関西電力で650円の上昇が予測されています。また、都市ガスも東京ガスで274円、大阪ガスで273円の値上がりが見込まれています。これにより、特に冬場の暖房費用が家計に重くのしかかることが予想され、効果的な節約対策が重要になります。
参考:NHK 首都圏ナビ 電気料金 ガス料金 値上がりはどのくらい? 12月請求分から 政府の補助終了で
エアコンの電気代を節約する方法
エアコンの電気代を節約するには、使い方や設定などを工夫するのがポイントです。簡単に実践できる方法で、無理なく節電を目指しましょう。以下におすすめの節約方法をご紹介します。
エアコン節約のポイント | |
設定温度を工夫 | 冷房は1℃上げると約13%、暖房は1℃下げると約10%の節電が可能です。(環境省では冷房28℃、暖房20℃を推奨しています) |
扇風機・サーキュレーターを併用 | 室内の空気を循環させることで冷暖房効率がアップし、設定温度を上げ下げしても快適に過ごせます。 |
自動運転モードを活用 | 室内温度に応じて風量が自動調整されるため、消費電力を抑えやすくなります。 |
エアコンと室外機の掃除 | フィルターや周辺機器を定期的に掃除し、空調効率を保つことで電気代を削減できます。 |
このほか、省エネ性能に優れた家電への切り替えもおすすめです。
新しい省エネモデルは効率が良く、長期的な電気代の節約効果が期待できるので、古いエアコンを使用している場合は、省エネタイプへの買い替えも検討しましょう。
省エネエアコン導入に使える自治体の補助金制度
しかし、家電の買い替えにはまとまったお金がかかるため、購入に踏み切れない方も少なくありません。そんなときにチェックして欲しいのが自治体の補助金です。いくつかの自治体では省エネエアコン導入を支援する補助金制度を実施しています。こういった制度を活用することで、エアコンの入れ替え費用を抑えつつ、効果的に省エネ対策を進めることができます。
ここでは、主な自治体の補助金制度についてご紹介します。
北海道 松前町省エネエアコン購入支援補助金
松前町では、省エネエアコンの買い替えや新設費用の一部を助成しています。これは、脱炭素化を進め、電力消費の削減や二酸化炭素排出量を減らすための支援です。
【対象者】
申請日時点で、町内に住所を有する世帯の世帯主
同居による世帯分離をしている場合は同一世帯とみなされ、どちらか一方の世帯主が申請できます。ただし、二世帯住宅完全分離型で生計が別の場合は、それぞれで申請可能です。
【対象経費】
機種購入費および取付工事費(アンペア変更変更・コンセント設置等の電気工事を含む)
項目 | 補助の要件 |
省エネ基準 | 2027年度の省エネ基準達成率が100%以上のエアコン(機種問わず、冷暖房両用が推奨) |
購入先 | 町内の事業者から購入したもののみ対象(町外やネット購入は対象外)※新品または未使用品であること |
購入期間 | 年度内の4月1日から11月30日までに購入・設置が完了したもの |
この補助金の対象となるエアコンは、2027年度の省エネ基準達成率が100%以上の機種で、省エネ性能が高く、脱炭素に貢献できるものとされています。購入と設置は年度内の4月1日から11月30日までに完了しなければいけません。
【補助率・限度額】
補助率:1/2、上限額:13万円
【申請の流れ】
エアコンの機種や工事費の内訳がわかる見積書、そして設置場所の写真を添えて、役場または各支所へ申請します。
正式にエアコン取り付けの発注を行うのは、補助金交付決定通知書が役場から届いた後です。その後、設置が完了したら、支払いを証明する領収書と設置前後の写真を添付した実績報告書を役場や各支所に提出します。
長野県 佐久市省エネ家電製品普及促進事業補助金
佐久市では、各家庭での電気使用量を削減することを目的に、白熱電球などの照明をLED照明に、または11年以上使用している冷蔵庫及びエアコンを省エネ性能の高い製品に買い替えようとする個人に補助金を交付しています。
【対象者】
以下のいずれにも該当する個人
- 市内に住所を有し、かつ自らが居住している市内にある住宅に対象製品を設置する者
- 市税等の滞納がない者
- 同一世帯において、申請する対象製品と同一の対象製品に係るこの補助金の交付を受けた者がいないこと
【対象となる冷蔵庫・エアコンの要件】
- 市内の事業所において令和6年4月1日以降に購入した未使用品であること
- 既存の電気冷蔵庫およびエアコン(平成25年(2013年)以前に製造されたものに限る)からの買い替えであること
- 購入時点において、経済産業省が定める最新の省エネ基準達成率が100%以上のものであること
【対象経費】
消費税を含む、本体の購入価格
【冷蔵庫・エアコンの補助率と上限額】
購入場所が、「市内に所在のある店舗等」か「本店の所在地が登記簿謄本上、佐久市内にある店舗等」かによって補助の内容が異なります。
購入事業所の区分 | 補助率 | 上限額 |
市内の事業所 | 1/10 | 1万円 |
市内に本店を有する事業所 | 1/5 | 3万円 |
【申請の流れ】
設置が完了したら、申請書兼実績報告書と必要書類を、環境政策課または各支所の窓口に直接、または郵送で提出してください。(「ながの電子申請サービス」でのオンライン申請も利用可能)受付は先着順で行われ、予算の上限に達すると終了します。
静岡県 函南町省エネ家電購入費補助金
函南町では、町民および事業者から排出される二酸化炭素を削減するため、エネルギー消費性能の優れた家電製品を購入および LED照明への改修をする人・事業者に対し、補助金を交付しています。
【対象者】
- 函南町内に居住するための住宅がある人
- 函南町内に事業所がある法人・個人事業主、または町内に共同住宅がある人
【補助率・上限額】
対象者 | 品目 | 補助金額 |
個人 | エアコン | 上限額 10,000円 (購入経費の1/10以内) |
冷蔵庫 | 上限額 10,000円 (購入経費の1/10以内) |
|
LED照明 | 上限額 30,000円 (購入経費の3/10以内) |
|
事業者 | エアコン | 上限額 30,000円 (購入経費の1/10以内) |
LED照明 | 上限額 50,000円 (購入経費の3/10以内) |
【申請方法】
まず交付申請を提出し、審査後に交付が決定されます。その後、省エネ家電を購入し、実績報告を提出します。交付が確定したら請求書を提出し、補助金の支払いが行われるという流れになります。
【注意事項】
省エネルギー基準達成率が100%以上である家電が対象となりますが、既存家電の処分費や新築住宅に合わせて購入するLED照明は対象外です。申請はエアコン・冷蔵庫・LED照明のうち年度内で1回のみ利用可能です。他の補助金と併用することはできませんのでご注意ください。
京都府 向日市エアコン買替え補助金
向日市では、令和6年度から、家庭用エアコン(高効率空調機器)の買替えに係る補助を行っています。既設エアコンに対し30%以上の省CO2効果が得られる購入エアコンであることが補助の要件になっています。
【対象設備】
家庭用エアコン(高効率空調機器)が対象で、事業所用は対象外です。購入店舗は不問で、インターネット購入も可能です。
【対象経費】
設置費用(エアコン本体代および取付工事代)
※既設エアコンに係る取外し工事代やリサイクル料は設置費用に含まれません。
【補助率】
設置費用(税抜額)の20%
【申請方法】
補助金交付申請書と必要書類を、市役所窓口へ直接提出してください。申請期間は令和7年1月31日までで、予算がなくなり次第終了します。
暖房給付金で冬の暖房費をサポート
ここまで、エアコン導入に使える補助金をご紹介しましたが、寒冷地の冬場には、エアコン以外の暖房費も大きな負担となります。そんなときに活用したいのが、自治体が提供する暖房給付金制度です。これらの給付金は、冬の暖房費負担を軽減するために提供されており、家計支援の重要な一環として広がっています。以下に、代表的な暖房給付金制度をご紹介します。
北海道 令和6年度帯広市暖房代支援給付金
帯広市では、下記要件に該当する世帯に対し、暖房代支援給付金を支給しています。
【対象要件】
以下の条件をすべて満たす世帯が対象です(生活保護を受けている世帯は除きます)。
令和6年10月1日時点で帯広市に住民票がある |
世帯全員が令和6年度住民税が非課税 |
令和5年中の課税年金収入額と合計所得が、1人世帯で80万円以下、2人世帯で160万円以下、1人増えるごとに40万円ずつ加算した金額以下 |
以下のいずれかに該当する世帯 ・世帯全員が令和7年3月31日までに75歳以上になる高齢者世帯。 ・身体障害者手帳1級または2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級を持つ方がいる世帯。 ・平成18年4月2日以降生まれの子どもを扶養しているひとり親世帯。 |
※高齢者や障害者が全員施設や病院に入所、長期入院している場合は対象外です。
【給付額】
1世帯あたり5,000円
【受給方法、申請について】
給付手続きは「プッシュ型給付」として実施され、該当者には市から案内が送付されます。
【申請手続きについて】
対象要件を満たしているものの、令和5年度の暖房代支援給付金が振り込まれていない場合、市に申請が必要です。同封の申請書に口座情報など必要事項を記入し、本人確認書類と口座情報がわかる書類のコピーを添付して、市へ郵送してください。
【申請期限と振込スケジュール】
申請書を11月29日(金)までに返送すると、12月13日(金)に給付金が振り込まれます。それ以降の申請は、申請書が受理されてから4週間以内に指定の口座に振り込まれます。受付期間は令和6年11月1日(金)から令和7年2月28日(金)までで、郵送での提出が基本です。
山形県 山形市令和6年度福祉暖房費給付金
山形市では、一定所得に満たない世帯の経済的負担を軽減するため、冬季暖房費の一部を給付します。対象と思われる世帯には、令和6年11月上旬に申請書を送付しています。
【対象要件】
基準日時点で次のいずれかに当てはまる世帯
満65歳以上の方のみの世帯(昭和34年10月2日以前に生まれた者) |
障がい者世帯 次の(1)~(4)のいずれかを所持する方が属する世帯 (1)身体障がい者手帳1・2級 (2)療育手帳A (3)精神障がい者保健福祉手帳1級 (4)重度心身障がい(児)者医療証 |
ひとり親等世帯 (1)配偶者と死別もしくは離別した者または未婚である者とその子(児童)の属する世帯(事実婚状態にある世帯を除く) (2)両親がいない状態にある児童を養育している者の属する世帯 (3)(1)、(2)に準じる状態にある児童を監護している者の属する世帯 |
【給付額】
1世帯あたり1万円
【申請方法・期限】
申請書を記入し、返信用封筒にて返送してください。
期限は、令和6年12月27日(金)です。
まとめ
電気代の値上がりが家計に影響する中、省エネエアコンの導入は、冷暖房効率の向上や長期的な節電効果が期待できるため、家計にとって有益です。自治体の補助金を使えば、初期費用も抑えられるので、節約しながら快適な暮らしを実現できます。
さらに、冬の暖房費負担が大きい寒冷地では、自治体の暖房給付金も利用できます。これらの補助金や給付金制度をうまく活用し、電気代の節約と快適な住環境を手に入れましょう。