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最大2,000万円!工場・オフィスの既存設備をIoT化「ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業」の対象・申請方法を解説【令和7年度補正】

公開日:2025/10/7 更新日:2026/4/1
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2026年、日本のエネルギー政策は大きな転換点を迎えています。省エネ法の改正によりディマンドリスポンス(DR)の定期報告義務が拡大し、排出量取引制度の本格始動も重なって、「いつ・どれだけ電気を使うか」を戦略的にコントロールする取り組みが企業経営の重要課題となっています。再生可能エネルギーの普及が進む一方で、太陽光や風力による電力供給の変動性も増しており、需要家側がDRを通じて電力需給の調整に貢献することへの期待はこれまで以上に高まっています。

「DRに対応したいが、既存設備のIoT化に多額の投資がかかる」——そんな悩みを抱える事業者にとって心強い支援制度が、令和7年度補正「ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業(DR対応IoT化)」です。

本事業は、工場・オフィスビル・病院・ホテルなどの既存設備をIoT化するための費用を補助する制度で、補助率1/2以内・最大2,000万円の支援が受けられます。

この記事では、DR対応IoT化推進事業の概要・対象設備・申請要件・スケジュールまでをわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業(DR対応IoT化)とは

本事業は、経済産業省が推進する再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援事業の一環として実施されます。一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)と大日本印刷株式会社(DNP)が事務局として運営し、令和7年度補正予算で3.4億円程度が充てられています。

制度の目的は、まだDR(ディマンドリスポンス)に活用されていない既存の設備・機器をIoT化することで、電力需給の調整力を高め、再エネの安定活用とカーボンニュートラルの実現に貢献することです。

【制度の基本情報】
■ 正式名称:令和7年度補正 再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金 ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業(DR対応IoT化)
■ 実施主体:SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)+ DNP(大日本印刷株式会社)
■ 補助率:補助対象経費の1/2以内
■ 補助上限額:2,000万円/申請(受電点単位)
■ 公募期間:2026年3月24日(火)〜2026年11月27日(金)
■ 公式HP:https://sii.or.jp/DRIoT07r/

DRとは何か?なぜIoT化が必要なのか

ディマンドリスポンス(DR)とは、電力が不足しているとき・余っているときに、需要家(電力を使う側)が電力の使用量を増減させることで、電力需給のバランスを調整する仕組みです。DRアグリゲーターと呼ばれる事業者を介して、電力系統全体の安定化に貢献します。

しかし、DRを実際に実施するためには、設備の状態をリアルタイムで把握し、遠隔から制御できる仕組みが必要です。多くの企業では、空調・照明・生産設備など既存のリソースがIoT化されておらず、DRへの参加が技術的に困難な状態にあります。本事業は、こうした課題を解消するためのIoT化費用を補助することを目的としています。

事業に参加する4つのメリット

省エネによる電気代削減設備をIoT化することで電力使用を最適化し、無駄な電力消費を抑えることができます。
DR実施によるカーボンニュートラル貢献再生可能エネルギーの余剰電力を有効活用し、CO₂排出削減につながります。
リアルタイム遠隔監視・操作の実現設備の稼働状況を、いつでもどこからでも確認・制御できるようになります。
改正省エネ法の定期報告に対応IoTで取得したデータを活用し、DRやエネルギー使用の報告対応がしやすくなります。

補助対象者・対象施設・対象リソース

本事業の活用を検討する前に、まず自社が補助対象に該当するかどうかを確認しましょう。対象者・対象施設・対象リソースには一定の要件が設けられています。

補助対象者

補助対象者は、高圧以上(契約電力50kW〜2,000kW以上)の電力を受電している法人または個人事業主です。ただし、以下の条件をすべて満たすことが必要です。

  • DRアグリゲーター(SII登録済み事業者)との間でDR契約を締結すること(補助事業完了後も2028年3月31日まで契約を継続すること)
  • JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)レベル1認定を受けたIoT機器を導入すること
  • GビズIDプライムを取得していること(電子申請に必要)
【注意】補助対象外となるケース
以下に該当する場合は補助対象外となります。
・すでにIoT化・DR対応が完了している設備への追加改修
・小売電力会社(電力供給側)の設備
・受電点単位の申請が原則のため、同一法人でも受電点ごとに申請が必要

対象施設の例


出典:260330_R7_IoT推進事業チラシ
対象となる施設に業種の制限はありません。高圧受電設備を持つ幅広い施設・建物が対象です。

  • 官公庁・学校・病院などの公共施設
  • オフィスビル・商業施設・ホテル・旅館
  • 工場・倉庫・データセンター
  • スーパー・ドラッグストアなどの小売店

対象リソース(IoT化する既存設備)

IoT化によってDRに活用できる既存の設備・機器が補助対象のリソースとなります。

  • 蓄熱槽・燃料電池
  • 空調設備(ビル用マルチエアコン・熱源設備等)
  • 生産設備・自家発電設備
  • 照明設備(高圧受電での業務用照明等)
  • 蓄電池・EV充放電設備(V2H含む)

補助率・補助上限額・補助対象経費

補助金の金額・対象となる費用の範囲を正確に把握することが、申請計画の第一歩です。

補助金の概要
補助率補助対象経費の1/2以内
補助上限額2,000万円/申請(受電点単位)
補助下限額公募要領に規定(詳細はSII公式ページ参照)
事業規模(予算)3.4億円程度(令和7年度補正予算の内数)

補助対象経費

補助対象となる経費は、IoT化に直接必要な以下の費用です。機器の導入だけでなく、設計や工事も含まれる点が特徴です。

補助対象経費の種類
設計費IoT化に向けたシステム設計・エンジニアリング費用
設備費通信機器・センサー・EMS(エネルギー管理システム)等の機器購入費用
工事費機器の設置・配線・試運転調整等にかかる工事費用

なお、設備費に計上する機器はJC-STAR レベル1以上の認定を受けたIoT機器であることが必要です。購入予定の機器がJC-STAR認定を取得しているかどうかを、事前にIPA(情報処理推進機構)のウェブサイトで確認してください。

申請要件の詳細

本事業の申請にあたっては、通常の補助金と異なる特有の要件があります。特に「DRアグリゲーターとのDR契約締結」と「JC-STAR対応機器の導入」は必須要件であり、申請前に十分な準備が必要です。

①DRアグリゲーター登録とDR契約

本事業の最大の特徴は、補助金の交付を受けるためにDRアグリゲーターとのDR契約締結が義務付けられている点です。
DRアグリゲーターとは、需要家(補助対象者)とDR指令を送る電力事業者の間に立ち、DR実施をコーディネートする事業者のことです。本事業では、SIIに登録されたDRアグリゲーターと契約を結ぶことが必須です。

DR契約は、補助事業の完了後も2028年3月31日まで継続することが求められます。契約の中断・解除が生じた場合、補助金の返還を求められる可能性があります。

②JC-STAR レベル1対応機器の導入

補助対象となるIoT機器は、経済産業省・総務省が推進する「JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)」のレベル1以上の認定を受けた製品に限られます。

JC-STARは、IoT機器のサイバーセキュリティ水準を評価・認定する制度です。レベル1はその基礎水準にあたり、パスワードの初期値変更・ファームウェアの更新機能等の基本的なセキュリティ要件を満たすことが条件です。導入予定の機器がJC-STAR認定を取得しているかどうかを、調達前に必ず確認してください。

③GビズIDプライムの取得とJグランツでの申請

本事業の申請は、国の補助金申請システム「Jグランツ」を通じた電子申請で行います。Jグランツの利用にはGビズIDプライムの取得が必要です。

GビズIDプライムの取得には書類提出と審査が必要で、発行まで通常1〜2週間程度かかります。公募締切(2026年11月27日)に余裕を持って申請できるよう、早めに取得手続きを進めることをおすすめします。

GビズIDとは?補助金申請などの際に必要となる種類や具体的な取得フローなどを解説

申請スケジュール・手続きの流れ

本事業は公募期間中に随時受け付けを行い、審査が完了次第、交付決定を行う方式です。予算に達した時点で公募が終了する場合があるため、早期申請が有利です。

申請スケジュール
公募開始2026年3月24日(火)
公募締切2026年11月27日(金)(予算に達し次第終了)
交付決定随時(申請受付からおよそ2〜4週間)
補助事業完了期限2027年2月1日(月)
実績報告・精算補助事業完了後、速やかに提出

申請から交付決定・事業実施までの大まかな流れは以下のとおりです。

  • STEP1:GビズIDプライムの取得(未取得の場合)
  • STEP2:SII登録DRアグリゲーターとの事前相談・DR契約の準備
  • STEP3:JC-STAR認定機器の選定・見積取得
  • STEP4:Jグランツから補助金交付申請書を提出
  • STEP5:SIIによる書類審査(2〜4週間程度)・交付決定通知の受領
  • STEP6:IoT化工事の実施(交付決定後に着工)
  • STEP7:補助事業完了・実績報告書の提出・精算払い
【重要】交付決定前の着工は補助対象外
補助金の交付決定通知を受ける前に工事を着工した場合、その費用は補助対象となりません。必ず交付決定後に工事を開始してください。また、補助事業完了期限(2027年2月1日)を厳守する必要があります。工期を逆算してスケジュールを組み立てることが重要です。

ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業に関するよくある質問


補助率・補助上限額はいくらですか?

補助率は補助対象経費の1/2以内で、補助上限額は申請(受電点)あたり2,000万円です。受電点単位での申請となるため、同一法人であっても複数の受電点がある場合は、それぞれ個別に申請することができます。


中小企業だけが対象ですか?大企業でも申請できますか?

企業規模による制限はなく、大企業・中堅企業・中小企業・個人事業主を問わず申請できます。ただし、高圧以上(契約電力50kW以上)の電力を受電している法人または個人事業主であることが条件です。


DRアグリゲーターとはどこに相談すればよいですか?

SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)のウェブサイト(https://sii.or.jp/DRIoT07r/)に、本事業に参加するSII登録DRアグリゲーターの一覧が掲載されています。まずはその中から自社の設備・地域に対応したアグリゲーターに相談することをおすすめします。


JC-STAR レベル1の認定機器はどこで確認できますか?

JC-STAR認定機器のリストは、IPA(情報処理推進機構)のウェブサイトで公開されています。購入・導入を予定しているIoT機器がレベル1以上の認定を取得しているかどうかを、調達前に必ず確認してください。認定のない機器を導入した場合、補助対象外となる可能性があります。


GビズIDプライムを持っていませんが、申請までに間に合いますか?

GビズIDプライムの取得には、書類提出から発行まで通常1〜2週間程度かかります。公募期間(2026年11月27日まで)に余裕はありますが、申請準備と並行して早めに取得手続きを始めることをおすすめします。GビズIDの取得方法については、GビズIDポータルサイト(https://gbiz-id.go.jp/)をご参照ください。


補助対象となる「受電点」とはどういう意味ですか?

受電点とは、電力会社から電気の供給を受ける地点のことです。同一の建物・事業所であっても、電力会社との契約が複数に分かれている場合(例:本館と別館で別々に高圧契約している場合)は、受電点ごとに申請が必要です。逆に、ひとつの受電点に複数のリソースがある場合は、1つの申請にまとめることができます。


既存設備のリプレース(更新)も補助対象になりますか?

本事業の補助対象は、既存設備に対してIoT化のための機器(通信設備・センサー・EMS等)を新たに取り付ける費用です。設備自体のリプレースや更新は原則として補助対象外となります。IoT化を目的とした設計費・設備費・工事費が対象となる点を念頭に置いて、計画を検討してください。


補助事業の完了後、DR契約を解除することはできますか?

補助事業完了後も、2028年3月31日までDRアグリゲーターとのDR契約を継続することが義務付けられています。この期間内に契約を解除した場合、補助金の一部または全部の返還を求められる可能性があります。DR契約の維持コストや運用負担についても、申請前に十分検討することをおすすめします。


申請から交付決定まで、どのくらいの期間がかかりますか?

申請書類の受付から交付決定まで、おおむね2〜4週間程度が目安です。ただし、申請書類に不備や不足がある場合は審査が長引く可能性があります。補助事業の完了期限(2027年2月1日)を考慮すると、遅くとも2026年10月末までには申請を完了させることが望ましいといえます。


問い合わせ先はどこですか?


本事業に関するお問い合わせは、SIIの専用窓口(メール:dr_iot_shinsa@sii.or.jp、電話:03-6281-5085)にご連絡ください。公式ウェブサイト(https://sii.or.jp/DRIoT07r/)には公募要領や申請様式等の関連書類も掲載されていますので、申請前に必ずご確認ください。


まとめ

ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業(DR対応IoT化)は、省エネ法改正・排出量取引制度の本格化という時代の変化に対応しながら、既存設備のIoT化と電力コスト削減を同時に実現できる補助金制度です。

■ 補助率:補助対象経費の1/2以内、上限2,000万円(受電点単位)
■ 対象:高圧以上の受電設備を持つ法人・個人事業主(DRアグリゲーターとのDR契約が必須)
■ 補助対象経費:IoT化のための設計費・設備費(JC-STAR レベル1機器)・工事費
■ 公募期間:2026年3月24日〜2026年11月27日(随時受付・交付決定まで2〜4週間)
■ 補助事業完了期限:2027年2月1日
■ 申請方法:Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムが必要)

工場・オフィスビル・病院・ホテルなどで高圧受電設備を持つ事業者にとって、設備投資の負担を抑えつつDR対応とIoT化を一気に進められる絶好のチャンスです。予算に達した時点で公募が終了する可能性があるため、早めに公式ページで詳細を確認のうえ、申請準備を進めることをおすすめします。

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