
近年、社会や経済の急速な変化に対応するために、企業にも柔軟かつ革新的な変革が求められています。特に中小企業にとっては、限られたリソースの中で生産性の向上や新しい事業環境への適応が課題となる場面も多いのではないでしょうか。
富山県では、こうした背景を踏まえ、県内の中小企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)に取り組む際の経費を支援する「中小企業トランスフォーメーション補助金」を実施しています。本制度は、自社の課題を可視化し、改善策を講じて経営力を高めたいと考える事業者にとって、有効な支援策となります。
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この記事の目次
富山県中小企業トランスフォーメーション補助金とは
この補助金は、富山県内の中小企業等が、自社の経営課題を明確にし、DXやGXの視点から変革に取り組むための経費を支援する制度です。
補助の内容は大きく「課題見える化枠①・②」と「DX枠・GX枠」の4つに分かれており、それぞれの枠組みに応じて、見える化のための調査・分析から、具体的な対策の実行までをカバーしています。企業の持続可能な成長と地域経済の活性化を同時に実現することを目的とした制度です。
補助率・補助額
補助額の上限は最大500万円で、対象となる事業内容によって補助率が異なります。事業枠 | 補助率 | 補助上限額 |
---|---|---|
課題見える化枠 ① | 3/4 | 100万円 |
課題見える化枠 ② | 中小・組合:1/2 小規模2/3 | 500万円 |
DX枠 | 中小・組合:1/2 小規模:2/3 | |
GX枠 |
課題見える化枠②とDX枠・GX枠においては、補助率引上げ要件(給与支給総額を3%以上引上げ)を満たした場合に補助率引上げとなり中小企業・組合の方は補助率2/3へ、小規模事業者の方は3/4になります。
対象者・対象事業と対象要件
補助対象となるのは、富山県内に本社登記または主たる事業所を置く事業者です。具体的には以下のような事業主体が該当します。
- 中小企業者・小規模企業者
- NPO法人、医療法人
- 各種組合
- 個人事業主・フリーランス
なお、補助対象外となるのは「みなし大企業」や、暴力団関係者、性風俗関連業種などです。補助の対象となる経費には、事業の実施に必要な謝金、旅費、通信運搬費、印刷製本費、機械装置、工事費、システム構築費、外注費などが含まれており、実務面での支援を受けながら取り組みを進められる構成となっています。
「課題見える枠」の対象事業および要件
「課題見える枠」は①と②に分かれており、以下の事業内容が対象となります。
外部機関による診断等によりエネルギー使用量、二酸化炭素排出量、機器稼働状況、デジタル化の進捗状況等を把握し、「自社課題を見える化」する取組み
①は、省エネ診断、デジタル化診断等、外部の専門家、コンサルタントによる診断・助言が必須となっています。
”①見える化”後、継続的な見える化や顕在化した課題への対策により現場改善につなげる取組み
また②対策で採択されるには①見える化での採択が必須(※第1次募集の「課題見える化」枠①見える化のみで採択となった事業者については第2次募集「課題見える化」枠②対策への申請可能)となっています。また事業場内平均賃金の引上げが必須となっています。
「DX枠」「GX枠」の対象事業および要件
「DX枠」「GX枠」の対象事業および要件は、以下の事業内容が対象となります。
デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善を図る取組み
DX枠の要件として、事業完了後1年以内に、労働生産性が3%以上向上することが見込まれることと事業場内平均賃金の引上げ(事業実施期間内(見積日から実績報告提出日まで)に事業場内平均賃金(時給単価)の10円以上引上げ)が必須となっています。
活用例として、製造業において検査工程を自動化するカメラ検査機器の導入や品質管理・作業工程等管理システムの導入などがあげられます。
二酸化炭素の排出量削減に資する業務プロセスの改善や先進的な取組み
GX枠の要件として、・事業完了後1年以内に、事業場単位又は会社全体で二酸化炭素排出量1%以上の削減(使用する全てのエネルギーに係る二酸化炭素排出量の把握が必須)と、事業場内平均賃金の引上げ(見積日から実績報告提出日まで)に事業場内平均賃金(時給単価)の10円以上引上げ)が必須となっています。
申請スケジュール
補助金の申請受付期間は、令和6(2025)年2月25日から7月31日までです。この期間中に必要書類を整えて申請する必要があります。
補助事業は公募期間内であっても予算が上限に達した時点で受付を終了する場合もあるため、早めの申請準備が望まれます。また、事業内容によっては、外部支援者との連携が求められるケースもあるため、計画段階から実行体制までをしっかりと構築しておくことが重要です。
令和6(2025)年2月25日から7月31日まで
まとめ
企業が直面する経営課題に対し、外部の視点を取り入れた「見える化」から、具体的な変革に取り組むための費用までを広く支援するこの補助金は、富山県の中小企業にとって重要な選択肢となるでしょう。特にデジタル技術や環境対応への投資を検討している企業にとっては、制度を活用することで事業推進の加速が期待できます。
県内での経営強化に向けた第一歩として、ぜひ本補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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