2025年度も「事業承継・M&A補助金」の公募が実施されました。2025年度は、補助上限額が引き上げられ、最大2,000万円まで支援を受けられる枠も用意されています。あわせて、M&A後の経営統合を支える「PMI推進枠」が新設され、専門家費用に加えて統合後の設備投資も補助対象に含まれます。
第13次公募は、2025年10月31日~11月28日で受付が行われ、2026年1月15日に採択結果が公表されました。本記事では、各申請枠の概要とスケジュールを紹介します。
事業承継やM&Aを検討している中小企業の皆さまは、制度内容を把握する際の参考としてご活用ください。
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この記事の目次
事業承継・M&A補助金とは
「事業承継・M&A補助金」は、事業承継や事業再建・統合を行う中小企業などを支援する補助金です。
事業承継や事業引継ぎを進める上で、経営資源の引継ぎにかかる高い費用が課題になることが少なくありません。その結果、中小企業は積極的な投資ができず、生産性向上の機会を逃してしまいます。
本補助金では、事業再編、事業統合を含む事業承継を契機とした設備投資や経営資源の引継ぎにかかる費用の一部を補助し、事業者の負担軽減を図ります。
本補助金における支援枠は以下の4つです。
- 専門化活用枠
- PMI推進枠
- 廃業・再チャレンジ枠
それぞれの申請枠における概要をわかりやすく解説します。
事業承継促進枠
「事業承継促進枠」では、親族内承継や従業員承継を予定している中小企業が、事業承継を円滑に進めるために必要な設備投資費用などを支援します。具体的には、事業承継する後継者が中心となって取り組む生産性向上に資する設備投資などを支援する内容です。補助対象の要件
「事業承継促進枠」における補助対象の要件を解説します。
【補助対象事業者の要件】
「事業承継促進枠」において補助対象となる事業承継は、承継予定者と事業承継の要件を満たし、事業を引き継がせる被承継者と、事業を引き継ぐ承継予定者の間で行う予定のものが対象です。
| 承継予定者の要件 | 以下のいずれかに該当 ①法人 ・対象会社の会社法上の役員として 3 年以上の経験がある者 ・対象会社に継続して 3 年以上雇用された経験がある者 ・対象会社の会社法上の役員及び雇用された経験が通算 3 年以上ある者 ・被承継者の親族であり、対象会社の代表経験が無い者 ②個人事業主 ・個人事業に継続して 3 年以上雇用された経験がある者 ・被承継者の親族(ただし過去に承継対象事業の代表経験が無い者) |
| 事業承継の要件 | ① 対象会社は、公募申請時点で 3 期分の決算及び申告が完了していること ※3年が経過していない場合には、開業からの通算年数が 5 年以上経過していること ② 対象事業(個人事業主の場合)は、公募申請時点で、「個人事業の開業届出書」並びに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出した日付から 5 年が経過していること ③ 同一法人(又は事業)内の代表者交代による親族又は従業員への事業承継が予定されていること(事業承継後に複数代表となる場合は対象とならない。) ④ 公募申請時点で、(1)に定める要件を満たす将来経営者となることが十分見込まれる後継者が選定できていること。 ⑤ 当該法人(又は事業)の承継予定者が、該当法人に在籍していること(又は事業に雇用されていること)。 ⑥ 公募申請期日から 5 年後までに事業承継を完了するものであり、その蓋然性が高い(=可能性が非常に高い)ことが確認できること。 ※認定経営革新等支援機関より、事業承継の蓋然性につき確認を受けた計画書に限る。 ⑦ 補助事業期間終了後の事業化状況報告において計画の未達(事業承継対象期間での承継未完了)が判明した際は、交付した補助金を返還すること。ただし、事業者の責めに帰することができない事由がある場合はこの限りではない。経営権と所有権(株式、持分等)のいずれも被承継者から承継者へ譲渡されていること。 |
なお、被承継者と承継者による実質的な事業承継が行われていないと判断された場合は、時期を問わず補助対象外となるためご注意ください。
【補助対象事業の要件】
「事業承継促進枠」では、事業承継対象期間中において、承継予定者を中心に行われる生産性向上などの取り組みを補助対象事業としています。
具体的な補助対象事業の要件は、以下のとおりです。
| 事業承継促進枠の補助対象事業 |
|---|
| ①引き継ぐ経営資源を活用して行う生産性向上等に係る取組であること ②補助事業期間を含む 5 年間の補助事業計画において、生産性向上要件を達成する計画を立案し、同計画の達成に関する蓋然性が高い取組であること ③公序良俗に反する事業、公的資金の使途として不適切と判断される事業、独立行政法人を含む国が行う他の補助金等を活用する事業でないこと |
補助対象経費
「事業承継促進枠」では、以下の条件をすべて満たすものを補助対象経費としています。
| 事業承継促進枠の補助対象経費 |
|---|
| ① 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費 ② 補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費 ③ 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認でき る経費 ※被承継者に対して支払う費用は、原則補助対象外 |
補助率や補助金額
「事業承継促進枠」における補助率や補助金額は以下のとおりです。
| 補助率 | 補助金額 | 上乗せ額(廃業費) |
| 小規模事業者:2/3以内 それ以外:1/2以内 | 上限額:800万円または1,000万円 下限額:100万円 | +150 万円以内 |
補助金額の上限は、一定の賃上げを実施したかどうかによって異なります。補助事業期間において一定の賃上げをした場合は、上限1,000万円を上限としています。なお、補助金額が800万円を超えて1,000万円以下の部分は、補助率1/2です。
各要件事の補助率や補助金額は以下を参考にしましょう。

出典・参考:『中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A 補助金 事業承継促進枠【公 募 要 領】』事業承継・M&A 補助金事務局
専門家活用枠
「専門家活用枠」は、M&Aを進める際に必要な専門家の活用費用を補助する制度です。フィナンシャル・アドバイザー(FA)や仲介にかかる費用、表明保証保険料などが補助対象となります。ただし、FAや仲介業者については「M&A支援機関登録制度」に登録された専門家の支援を受けることが必要です。
この枠では、M&Aにおける「買い手支援類型」と「売り手支援類型」の2つが設定されています。
| 買い手支援類型(Ⅰ型) | 事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り受ける予定の中小企業等を支援 |
| 売り手支援類型(Ⅱ型) | 事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り渡す予定の中小企業等を支援 |
補助対象の要件
「専門家活用枠」における補助対象の要件についてご紹介します。
補助対象となる事業およびM&Aの要件は、以下のとおりです。
| 補助対象事業の要件 | ①買い手側支援類型・売り手支援類型が以下の要件を満たすこと 【買い手支援類型の補助事業要件】 ・事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした生産性向上等を行うことが見込まれる ・事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれる ・補助対象経費の計上有無を問わずデュー・ディリジェンス(DD)を実施する 【売り手支援類型の補助事業要件】 ・事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした生産性向上等を行うことが見込まれる ・事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれる ・補助対象経費の計上有無を問わず(※)、デュー・ディリジェンス(DD)を実施する ・経営資源の引継ぎにおいて、承継者(補助事業者)から被承継者に支払われる最低譲渡価額が 5 億円以上である ・補助金の公募申請時に、補助事業者の 100 億宣言が 「100 億企業 成長ポータル」サイト上で公表されている ・承継者(補助事業者)は、被承継者の従業員の雇用を 3 年間維持する ・日本国内において補助事業を実施する ②以下のいずれにも該当しないこと 公序良俗に反する事業、公的な資金の使途として不適切と判断される事業、独立行政法人を含む国の補助金等を活用する事業 |
| M&Aの要件 | 買い手側支援類型・売り手支援類型が以下のM&Aに関する要件を満たすこと 【買い手支援類型のM&A要件】 承継者と被承継者による実質的な事業再編・事業統合が行われたこと 【売り手支援類型のM&A要件(以下のケースに該当する場合)】 ・補助対象事業の業種が不動産業の場合は、原則として常時使用する従業員5 名程度以上の引継ぎが行われること(不動産以外の業種でも引継ぎを行わないと対象外とみなされる可能性がある) ・事業譲渡の場合、有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客等)の譲受・譲渡事実が確認できない場合は、補助対象事業の要件を満たさないと事務局が判断する可能性がある(有形のみ、無形のみの譲渡は対象外となる可能性がある) |
M&Aの要件として、補助対象外とみなされる内容には以下のような例が挙げられます。
| 補助対象外とみなされる例 |
|---|
| ・グループ内の事業再編に相当する場合 ・物品や不動産等のみの売買に相当する場合 ・親族間の事業承継に相当する場合 ・事業再編・事業統合における取引価格が、補助対象経費(専門家への委託費用等)に比して低額等であり、取引価格の合理性が確認できない場合 ・事業譲渡において、有機的一体な経営資源(設備、従業員、顧客等)の引継ぎが行われていない場合など |
このほかにも、実質的な事業再編や事業統合が行われてないとみなされるケースが公募要領に紹介されています。実質的な事業再編や事業統合が行われていないと判断されると、補助対象外となってしまうため、ご注意ください。
補助対象経費
「専門家活用枠」では、以下の条件をすべて満たすものを補助対象経費としています。
| 専門家活用枠の補助対象経費 |
|---|
| ① 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費 ② 補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費 ③ 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費 |
なお、対象経費の細かい区分は以下のとおりです。
| 補助対象経費の区分 |
|---|
| ・謝金 ・旅費 ・外注費 ・委託費 ・システム利用料 ・保険料 ・廃業費:廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用 |
補助率や補助金額
「専門家活用枠」の補助率や補助金額は、買い手支援類型と売り手支援類型によって異なります。
それぞれの内容は以下のとおりです。
| 類型 | 補助率 | 補助金額 | 上乗せ額 (デュー・ディリジェンス) | 上乗せ額 (廃業費) |
| 買い手支援類型(Ⅰ型) | 2/3以内 | 上限額:600万円 下限額:50万円 | +200 万円 以内 | +150 万円 以内 |
| 売り手 支援類型(Ⅱ型) | 1/2以内または2/3以内 | 上限額:600万円 下限額:50万円 | +200 万円 以内 | +150 万円 以内 |
売り手支援類型における補助率について、物価高などの影響で営業利益率が低下している」もしくは「直近決算期の営業利益や経常利益が赤字」の場合は、補助率を2/3以内とします。
また、補助金額の上限において、補助事業期間内に経営資源の引継ぎが実現しなかった場合は、補助上限額が300万円になるためご注意ください。
参考:中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A 補助金 専門家活用枠【買い手支援類型 売り手支援類型】【公 募 要 領】』事業承継・M&A 補助金事務局
PMI推進枠
「PMI推進枠」は、M&A後の経営統合(PMI: Post-Merger Integration)に必要な費用を支援する補助金です。M&Aを成功させた後、経営資源の統合や設備投資を円滑に進めるための取り組みを支援します。
PMI推進枠には、以下2種類の類型があります。
| PMI 専門家活用類型 | 事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り受けたまたは譲り受ける予定であって、PMI を実施する中小企業者等が専門家を活用して円滑な PMI 促進を支援する類型 |
| 事業統合投資類型 | 事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り受けた又は譲り受ける予定であって、統合効果(PMI)の最大化を図り、生産性向上を目的とする設備投資等を行う中小企業等を支援する類型 |
補助対象の要件
「PMI推進枠」における補助対象の要件をご紹介します。
【補助対象事業者】
PIM専門家活用類型は、どちらの類型もM&Aの要件を満たし、それぞれの類型で必要な要件を満たさなければなりません。
| 共通のM&Aの要件 |
|---|
| ・経営資源を譲り渡す被承継者と譲り受ける承継者の間で事業再編・事業統合が実施されるものである ・承継者と被承継者の間で、M&A 成立前に承継者によるデュー・ディリジェンス(DD)が実施されていること |
| PMI専門家活用類型 | 【PMIの具体的な要件】 1. 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に PMI を実施することにより、ディスシナジー(=投資しないことによって生まれる非効率)の解消やコストシナジーの創出が見込まれること。 2. 【単独申請の場合】事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後(M&A のクロージング後)、1年以内に実施する PMI であること。 3. 【単独申請の場合】交付申請時点において、承継者と被承継者による M&A においてクロージング済のものであること。 4. 【同時申請の場合】M&A のクロージング後の取組(上記②PMI)を対象とするものであること。ただし、対象とする取組が対象 M&A のクロージング前における検討及び PMI 専門家との契約締結が必要である場合は、クロージング前の交付申請を認める。 ※対象 M&A がクロージングに至らなかった場合、PMI 費用は補助対象外 5. PMI を実施する専門家は、金融機関(関連会社を含む)又は弁護士、会計士、税理士、中小企業診断士、経営コンサルタント等が実施するものであること。 6. 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に PMI を実施することで、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。 7. 実施する PMI の内容を検討する際には、PMI ガイドラインを参照すること。 【本枠におけるPMIの要件】 「PMI(狭義の PMI)」として、M&A 成立後から一定期間(1 年程度)における PMI の取組みであること |
| 事業統合投資類型 | 【事業統合投資の具体的な要件】 ① 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、統合効果(PMI)の最大化を図り、生産性の向上を目的とする設備投資等が実施されること。 ②設備投資等を実施することにより、ディスシナジー(=投資しないことによって生まれる非効率)の解消やコストシナジーの創出が見込まれること。 ③ M&A のクロージング後、1 年以内に実施する取組みであること。 ④ 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。 【本枠におけるPMIの要件】 「PMI(狭義の PMI)」として、 M&A 成立後から一定期間(1 年程度)における PMI の取組み |
PMI専門家投資枠において、不正等が発覚した場合には、所属先名称だけでなく専門家の個人名が公表されるため、ご注意ください。
【補助対象経費】
「専門家活用枠」で補助対象となる経費は、以下の要件を満たす経費です。
| PMI推進枠の補助対象経費 |
|---|
| ①使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費 ②補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費 ③補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費 |
さらに具体的な補助対象経費の区分をご紹介します。
| PMI専門家活用類型 | 謝金、旅費、委託費 |
| 事業統合投資類型 | 設備費、外注費、委託費 |
補助率や補助金額
PMI推進枠の補助率や補助金額は以下のとおりです。
| 類型 | 補助率 | 補助金額 | 上乗せ(廃業費) |
| PMI 専門家活用類型 | 1/2 以内 | 上限:150万円 下限:50万円 | +150万円以内※同時申請はなし |
| 事業統合投資類型 | 小規模事業者:2/3以内 それ以外:1/2以内 | 上限:800万円または1000万円以内 下限:100万円 | +150万円以内 |
事業統合投資類型における補助金額の上限は、一定の賃上げを実施したかどうかによって異なります。補助事業期間において一定の賃上げをした場合は、上限1,000万円を上限としています。なお、補助金額が800万円を超えて1000万円以下の部分は、補助率1/2です。
特に事業統合投資類型は、補助率や補助金額の要件が複雑に設定されています。自社がどのパターンに該当するかは、以下の表を参考にしましょう。

出典:『中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A 補助金 PMI 推進枠【事業統合投資類型】【公 募 要 領】』
このように、PMI推進枠は類型によって、補助率も補助金額も大きく異なります。どちらの枠に該当するかをあらかじめ確認しておきましょう。
参考:『中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A 補助金 PMI 推進枠【PMI 専門家活用類型】【公 募 要 領】』
廃業・再チャレンジ枠
「廃業・再チャレンジ枠」では、再チャレンジに取り組むための廃業を支援します。この枠には、「再チャレンジ申請(単独申請)」と「他補助事業枠との併用申請」があります。
| 再チャレンジ申請(単独申請) | M&Aによって事業を譲り渡せなかった中小企業等の株主や個人事業主が、地域の需要創造や雇用創出にも役立つ新たなチャレンジをするために、既存事業を廃業する際に利用できる類型 |
| 他補助事業枠との併用申請 | 事業承継促進枠との併用申請 専門家活用枠との併用申請 PMI 推進枠との併用申請 |
本枠では、廃業にかかる費用だけでなく、廃業後に行う再チャレンジも対象です。再チャレンジの内容は、新会社の設立や新たな事業、再就職、社会貢献などが想定されており、公序良俗に反しない活動であることが要件です。
補助対象の要件
「廃業・再チャレンジ枠」における補助対象の要件をご紹介します。
【対象事業の要件】
「廃業・再チャレンジ枠」では、補助事業期間終了日までに完了する「廃業」及び「その後の取り組み」を補助対象とします。
| 廃業の要件 | 【1】再チャレンジ申請は①、併用申請はいずれかが対象 ① 会社自体を廃業するために、補助事業期間内に廃業登記を行う、在庫を処分する、建物や設備を解体する、原状回復を行う事業。 ② 事業の一部を廃業(事業撤退)するために、補助事業期間内に廃業登記を行う、在庫を処分する、建物や設備を解体する、原状回復を行う事業。 【2】以下に該当しないこと 公序良俗に反する事業、公的な資金の使途として不適切と判断される事業、独立行政法人を含む国の他の補助金等を活用する事業 |
| 廃業後の再チャレンジの要件 | 以下のいずれかを満たすこと ①地域の新たな需要の創造又は雇用の創出にも資する、以下に例示するような新たな活動に、補助対象者である支配株主又は株主代表、もしくは個人事業主が取り組むこと。 ②再チャレンジとして支配株主又は株主代表、もしくは個人事業主が実施する事業が、「公序良俗に反する事業」や「公的な資金の使途として不適切と判断される事業」に該当しないこと。 |
【補助対象経費】
補助対象となる経費は、以下の要件を満たす経費です。
| 廃業・再チャレンジ枠の補助対象経費 |
|---|
| ①使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費 ②補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費 ③補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費 |
さらに具体的な経費区分は以下のとおりです。
| 補助対象経費の区分 |
|---|
| ・廃業支援費 ・在庫廃棄費 ・解体費 ・原状回復費 ・リースの解約費 ・移転、移設費(併用申請のみ) |
公募要領には、それぞれの区分に対する詳しい概要が記載されていますので確認しましょう。
補助率や補助金額
「廃業・再チャレンジ枠」における補助率や補助金額は以下のとおりです。
| 補助率 | 補助金額 | |
| 再チャレンジ申請 (単独申請) | 2/3以内 | 上限:150万円 下限:50万円 |
| 併用申請 | 他補助事業枠の補助率を適用 | 上限:150万円 下限:50万円 |
上限額は150万円で、他の補助枠と併用申請する場合には、それぞれの補助枠の上限額に追加される形で支援を受けられます。
出典:『中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A 補助金 廃業・再チャレンジ枠【公 募 要 領】』事業承継・M&A 補助金事務局
事業承継・M&A補助金 2025年度の特徴
2025年の「事業承継・M&A補助金」は、前年からの進化として、補助内容の充実と新たな支援枠の追加が大きな特徴です。特に、補助上限額の引き上げや、新設された「PMI推進枠」による経営統合支援が注目されています。
まず、補助金の上限額は多くの枠で引き上げられました。例えば「事業承継促進枠」では、一定の賃上げを実施した場合に上限が1,000万円まで拡大されます。「専門家活用枠」では、M&Aに必要な専門家活用費用に対し、条件に応じて最大2000万円の補助が受けられるなど、事業承継やM&Aに伴う負担軽減が一層進められています。
さらに、M&A後の経営統合(PMI)に特化した「PMI推進枠」が新設され、統合プロセスを円滑に進めるための専門家活用費用や設備投資費用が補助対象となりました。この枠は、M&Aの成功だけでなく、統合後の安定した事業運営を支援するための重要な取り組みとして位置付けられます。
「廃業・再チャレンジ枠」では、廃業に伴う費用を補助しつつ、新たな挑戦を後押しする仕組みを継続します。これにより、事業承継やM&Aを進める事業者が柔軟に制度を活用できるよう設計されています。
申請スケジュール
2025年10月31日から受付開始となった第13次公募は受付を終了しています。
| 公募申請受付期間(終了) | 2025年10月31日~2025年11月28日(金)17:00まで |
| 採択日 | 2026年1月15日 |
| 交付申請受付期間 | 2026年1月下旬~2026年5月下旬 (予定) |
| 交付決定日 | 2026年1月下旬 (予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日~2026年11月下旬 (予定) |
| 実績報告期間 | 2026年6月中旬 (予定) |
| 補助金交付手続き | 2026年9月上旬以降 (予定) |
第13次公募の採択結果と採択率
第13次公募では、申請件数481件に対し、293件が採択されました。申請件数・採択件数の内訳は、以下のとおりです。
| 事業承継促進枠 | 専門家活用枠 | PMI推進枠 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 申請件数 | 182件 | 267件 | 32件 | 481件 |
| 採択件数 | 111件 | 163件 | 19件 | 293件 |
| 採択率 | 61.0% | 61.0% | 59.4% | 60.9% |
第13次公募の採択率は全体で60.9%と、申請のおよそ6割が採択されました。枠別に見ても大きな差はなく、事業承継促進枠・専門家活用枠はいずれも約6割前後、PMI推進枠も同程度の水準となっています。
2025年の事業承継・M&A補助金に関するよくある質問
最後に、2025年の事業承継・M&A補助金に関するよくある質問をまとめました。どのような場合に事業承継・M&A補助金を利用できる?
事業承継やM&Aに伴う経営資源の引継ぎ費用を補助し、事業者の負担軽減と生産性向上を支援する制度です。親族内承継、M&A、PMI、廃業支援等を幅広くカバーします。
2025年度の主な変更点・特徴は?
補助上限額が最大2000万円まで引き上げられ、M&A後の経営統合を支援する「PMI推進枠」が新設されました。専門家費用や統合後の設備投資も対象となります。
事業承継・M&A補助金を受ける上での注意点は?
補助金活用後も一定期間の事業化状況報告や、賃上げ要件等の維持が求められます。公序良俗に反する事業や他の公的補助金との併用が認められない事業は対象外となる場合があります。
補助金は法人税の対象ですか?
補助金は、法人税等の課税対象です。経理上、交付を受けた事業年度における収益として扱うためです。
補助金について詳細がわかる資料などはありますか?
公式サイト上に、補助金の公募要領や解説動画があります。公募要領も解説動画も、各申請枠毎に用意されていますので、ご活用ください。
まとめ
2025年の「事業承継・M&A補助金」は、補助上限額の引き上げや「PMI推進枠」の新設などにより、事業承継やM&Aを進める事業者への支援がさらに充実しています。経営資源の引継ぎからM&A後の経営統合、廃業に伴う費用支援まで、事業の各段階で活用できる制度となっています。
一方で、補助金活用後も一定期間の事業化状況報告や、賃上げ要件等の維持が求められる点に注意が必要です。補助金を効果的に活用するには、事前準備と計画的な対応が不可欠です。補助金を上手に活用して、事業承継やM&Aを円滑に進めましょう。
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