「経営者の高齢化と後継者不在で会社をたたむしかない」「M&Aで他社を買収したいが、仲介手数料が高くて踏み切れない」――こうした悩みを抱える中小企業経営者に注目されているのが、事業承継・M&A補助金です。
事業承継・M&A補助金は、中小企業の事業承継・M&A・PMI(経営統合)・廃業を国がトータルで支援する補助金制度です。設備投資から専門家活用、統合費用、廃業費用まで4つの枠でカバーし、最大2,000万円まで補助を受けられます。
2026年5月22日には、令和7年度補正予算による15次公募の公募要領が公開され、小規模事業者向けの新類型「専門家活用枠 小規模売り手支援類型」も新設されました。公募申請受付は2026年6月中旬〜7月下旬(予定)で、いま準備を進めるべきタイミングです。
この記事では、事業承継・M&A補助金の制度概要から15次公募の最新情報、4つの支援枠の違い、補助額、対象者、申請方法、採択率を上げるコツまで、補助金ポータルが網羅的に解説します。
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この記事の目次
事業承継・M&A補助金とは何ですか?制度の全体像と15次公募までの変遷
事業承継・M&A補助金を一言で説明すると?
事業承継・M&A補助金は、中小企業の生産性向上と賃上げに向けて、事業承継・M&Aを国が後押しする補助金制度です。最大の特徴は、承継前の準備からM&A実行、統合後の経営、廃業まで、事業承継のあらゆるフェーズをカバーしている点にあります。
補助上限は最大2,000万円(100億企業宣言の特例を活用した場合)で、中小企業・小規模事業者・個人事業主まで幅広く対象となります。事業承継のフェーズに応じて4つの支援枠が用意されており、自社の状況に合った枠を選んで申請できます。
なぜこの補助金が用意されたのか
中小企業の後継者不在問題は深刻化しています。経営者の高齢化が進む一方で、後継者が見つからずに優良企業が廃業に追い込まれるケースが全国で相次いでおり、雇用や技術が失われる社会的損失も大きな課題となっています。
こうした中、中小企業庁は事業承継・M&Aを国家戦略として推進しており、その実行支援策の中核がこの補助金です。賃上げを伴う生産性向上を制度設計の柱に据え、単なる承継支援にとどまらず、承継を契機とした経営革新を後押しする設計となっています。
所管・運営体制はどうなっていますか?
事業承継・M&A補助金の所管は経済産業省中小企業庁です。事業実施は独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)と委託事業者である補助金事務局が担っています。
申請窓口は、行政手続きの電子申請システムjGrants(Jグランツ)に一本化されており、紙申請はできません。問い合わせ窓口は支援枠ごとに以下のように分かれているため、自社の対象枠を確認してから連絡することが効率的です。
| 支援枠 | 問い合わせ電話番号 |
|---|---|
| 専門家活用枠/廃業・再チャレンジ枠 | 050-3145-3812 |
| 事業承継促進枠 | 050-3192-6274 |
| PMI推進枠 | 050-3192-6228 |
受付時間は平日09:30〜12:00、13:00〜17:00(土日祝を除く)です。
1次〜15次までの公募経緯
事業承継・M&A補助金は、もともと「事業承継・引継ぎ補助金」という名称で運用されていました。1次〜10次までは「事業承継・引継ぎ補助金」として実施され、2024年の制度改称を経て、11次以降は「事業承継・M&A補助金」として運用されています。
公募回ごとの主な変化は以下のとおりです。
- 11次公募:専門家活用枠のみ実施(買い手支援類型・売り手支援類型)
- 12次公募:4枠すべてに拡大(事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業再チャレンジ枠)
- 13次公募:制度の本格運用フェーズへ移行
- 14次公募:事前着手制度の原則廃止を導入
- 15次公募:専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」を新設
公募回ごとに専用WEBサイトが立ち上がる仕組みで、14次以降は shoukei-mahojokin.go.jp/r7h、11〜13次は shoukei-mahojokin.go.jp/r6h で運用されています。
過去公募と15次の違いを補助金ポータルの視点で解説
15次公募の最大の特徴は、補助金が小規模事業者にまで実質的に手が届くようになった点です。新類型「小規模売り手支援類型」では補助上限150万円と、これまでより小ぶりなM&A案件でも活用しやすくなりました。
また、14次までの採択実績を見ると、申請件数は11次が590件、12次が742件、13次が481件、14次が512件と推移しており、採択率はおおむね60%前後で安定しています。加点項目を適切に活用することで採択可能性を大きく高められる制度設計が継続している点も、15次公募で押さえておくべきポイントです。
事業承継・M&A補助金の15次公募はいつ始まり、何が変わりましたか?
15次公募の全体スケジュール
15次公募のスケジュールは以下のとおりです。公募要領は2026年5月22日に公開済みで、本記事執筆時点で申請受付開始まで残り1か月を切っている状況です。
| 項目 | 時期 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月22日(公開済) |
| 公募申請受付期間 | 2026年6月中旬〜7月下旬(予定) |
| 採択日 | 2026年9月中旬(予定) |
| 交付申請受付期間 | 2026年9月中旬〜2027年7月下旬(予定) |
| 交付決定日 | 2026年9月下旬(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日〜2027年11月下旬(予定) |
| 実績報告期間 | 2027年2月中旬〜2027年12月上旬(予定) |
| 補助金交付手続き | 2027年5月中旬以降(予定) |
申請から実際に補助金が振り込まれるまでおよそ1年かかる点には注意が必要です。後払い制度のため、つなぎ資金の確保もあわせて検討しておきましょう。
予算根拠と全体規模
15次公募は令和7年度補正予算を財源としています。過去の採択件数を見ると、11次が359件、12次が453件、13次が293件、14次が311件と、おおむね年間1,000件超の採択規模となっています。
15次公募でも同程度の採択規模が想定されますが、新類型の追加により申請件数自体は前回より増える可能性があります。早めの準備と質の高い事業計画書の作成が、採択への近道となります。
15次公募の最大トピック:新類型「小規模売り手支援類型」が新設
15次公募で最も大きな変更点は、専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設されたことです。
この新類型は、小規模事業者のM&Aを後押しすることを目的としており、補助上限は150万円、補助対象経費はM&A仲介手数料・FA費用・セルサイド支援費用などとなっています。これまでの売り手支援類型と比べて補助上限額は低くなる一方、小規模事業者でも使いやすい設計に最適化されています。
公式ガイドブック(PDF)も同時に公開されており、想定される利用シーンとしては、後継者不在の小規模事業者の事業譲渡や、個人事業主の店舗売却などが挙げられます。
14次から15次への主な変更点
14次公募からの主な変更点は以下のとおりです。
- 専門家活用枠 小規模売り手支援類型の新設(最大の変更点)
- 事前着手原則廃止の継続:14次から導入された「交付決定前の契約・発注は原則不可」のルールが継続されます。激甚災害等の例外を除き、原則として交付決定通知を受けてから契約・発注を行う必要があります
- 必要書類の更新:jGrantsの申請フォーム項目定義書や必要書類チェックリストが更新されています
- 賃上げ加点の運用ルール明確化:売り手支援類型での賃上げ加点を申請する場合の特例(買い手による賃上げ継続合意が必要)が明示されています
11次〜14次との比較で見るトレンド
過去公募の採択件数の推移を見ると、制度全体としては安定した運用に入っていることがわかります。
| 公募回 | 申請件数 | 採択件数 |
|---|---|---|
| 11次(専門家活用枠のみ) | 590件 | 359件 |
| 12次 | 742件 | 453件 |
| 13次 | 481件 | 293件 |
| 14次 | 512件 | 311件 |
採択率はおおむね60%前後を推移しており、「申請すれば誰でも通る」制度ではないものの、適切な準備と計画書の作成によって採択可能性を高められる難易度設定となっています。
事業承継・M&A補助金はどの支援枠を選べばよいですか?4つの枠とその違いを徹底比較
4つの支援枠の全体マップ(事業承継・M&Aのフェーズで見る)
事業承継・M&A補助金の4つの支援枠は、事業承継・M&Aの時系列フェーズで整理すると理解しやすくなります。
- 承継前の準備フェーズ:事業承継促進枠(承継後の経営革新を支援)
- M&A実行フェーズ:専門家活用枠(仲介手数料・FA費用を支援)
- 統合後の経営フェーズ:PMI推進枠(経営統合費用を支援)
- 廃業フェーズ:廃業・再チャレンジ枠(廃業に伴う費用を支援、他枠との併用可)
自社が事業承継・M&Aのどのフェーズにいるかを把握し、該当する枠を選ぶことが採択への近道です。複数のフェーズにまたがる場合は、複数枠の併用申請も可能です。
事業承継促進枠とは:承継後の設備投資・販路拡大を支援
事業承継促進枠は、親族内承継・第三者承継・従業員承継などで会社を引き継いだ後継者が、経営革新に取り組む際の設備投資や販路拡大費用を支援する枠です。
主な補助対象経費は、設備投資費・原材料費・外注費・委託費・販路開拓費・知的財産権関連費などです。承継後すぐに設備の老朽化や事業モデルの転換に着手したい後継者にとって、頼れる支援策となります。
専門家活用枠とは:M&Aの専門家費用を支援(3つの類型)
専門家活用枠は、M&Aの実行段階で発生する仲介手数料・FA費用・DD費用などを支援する枠で、15次公募では3つの類型に分かれています。
- 買い手支援類型:M&Aで他社を譲り受ける買い手側の専門家費用を支援。通常上限600万円、100億企業宣言の特例で最大2,000万円まで
- 売り手支援類型:M&Aで他社へ譲り渡す売り手側の専門家費用を支援。廃業・再チャレンジ枠との併用で支援額を拡張できる
- 小規模売り手支援類型【15次新設】:小規模事業者の売却を補助上限150万円で支援。仲介手数料の負担が重い小規模M&A案件に最適
M&A仲介手数料は数百万円〜数千万円規模になることも多く、専門家活用枠を使えるかどうかが買収・売却の意思決定を左右するケースも少なくありません。
PMI推進枠とは:M&A後の経営統合を支援(2つの類型)
PMI推進枠は、M&A成約後に必要な経営統合(PMI:Post Merger Integration)の費用を支援する枠で、2つの類型に分かれています。
- PMI専門家活用類型:M&A後の統合作業をサポートするPMI専門家へのコンサル費用を支援
- 事業統合投資類型:M&A後の設備投資・改装費・システム統合費を支援。通常上限のほか、100億企業宣言の特例で最大2,000万円まで
M&Aは「成約がゴール」ではなく、その後の統合フェーズが本当の勝負どころです。PMI推進枠は、買収後のシナジー実現を国が後押しする数少ない補助金制度として位置づけられています。
廃業・再チャレンジ枠とは:廃業費用を支援、他枠と併用可
廃業・再チャレンジ枠は、事業承継・M&Aに伴って既存事業を廃業する際の費用を支援する枠です。補助対象経費は、廃業支援費(弁護士・税理士費用)・在庫廃棄費・解体費・原状回復費・土壌汚染調査費・リース解約費などとなっています。
特徴は他の3枠との併用申請が可能な点。たとえば、専門家活用枠 売り手支援類型でM&Aを実施しつつ、不採算事業の一部を廃業・再チャレンジ枠で清算するといった組み合わせができます。単独申請より、他枠と組み合わせた申請のほうが採択率が高い傾向にあります。
4枠を比較する
各枠の特徴を一覧で比較すると以下のようになります。
| 支援枠/類型 | 対象フェーズ | 主な対象者 | 主な経費 |
|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 承継後の経営革新 | 承継した後継者 | 設備投資・販路拡大 |
| 専門家活用枠 買い手支援類型 | M&A実行 | 買い手企業 | 仲介手数料・FA・DD費用 |
| 専門家活用枠 売り手支援類型 | M&A実行 | 売り手企業 | 仲介手数料・FA費用 |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型【15次新設】 | M&A実行 | 小規模事業者の売り手 | 仲介手数料・セルサイド支援費 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 統合後の経営 | M&A成約済みの買い手 | PMIコンサル費用 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 統合後の経営 | M&A成約済みの買い手 | 設備投資・改装費 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業 | 承継・M&Aに伴う廃業者 | 廃業支援費・解体費等 |
自社に合う枠はどれ?シーン別ナビゲーション
「結局、自分はどの枠を使えばいいの?」と迷う方のために、シーン別の選び方を整理しました。
- シーン①「親族から会社を引き継いだ。これから設備投資したい」→ 事業承継促進枠
- シーン②「他社を買収したい。M&A仲介の手数料が高い」→ 専門家活用枠 買い手支援類型
- シーン③「個人で営む店を譲渡したい。費用を抑えたい」→ 専門家活用枠 小規模売り手支援類型
- シーン④「M&Aは成約済み。これから統合を進める」→ PMI推進枠
- シーン⑤「事業承継・M&Aに合わせて不採算事業を畳む」→ 廃業・再チャレンジ枠(他枠併用)
事業承継・M&A補助金は最大いくらまで受け取れますか?補助額・補助率の早見表
補助上限・補助率の全体マップ
事業承継・M&A補助金の補助上限と補助率は、支援枠・類型ごとに以下のように設定されています。15次公募の最新の金額は公募要領で必ず確認してください。
| 支援枠/類型 | 通常上限 | 賃上げ加点後 | 100億企業宣言特例 |
|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 800万円 | 上乗せあり | ― |
| 専門家活用枠 買い手支援類型 | 600万円 | 上乗せあり | 最大2,000万円 |
| 専門家活用枠 売り手支援類型 | 600万円 | 上乗せあり | ― |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型【15次新設】 | 150万円 | ― | ― |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 150万円 | ― | ― |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 800万円 | 上乗せあり | 最大2,000万円 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 150万円〜300万円 | 上乗せあり | ― |
最も高額な補助を狙えるのは、買い手支援類型と事業統合投資類型で100億企業宣言の特例を活用するケースです。一方、申請のハードルが低いのは廃業・再チャレンジ枠(他枠との併用)と小規模売り手支援類型となります。
補助額の計算式を理解する
補助金の計算は次の基本式で行われます。
たとえば補助対象経費が1,000万円・補助率2/3の場合、計算上の補助額は約666万円ですが、補助上限が600万円であれば実際に受け取れるのは600万円となります。上限を超える分は自己負担です。
また、事業承継・M&A補助金は後払い制度を採用しています。採択されてもすぐに振り込まれるわけではなく、事業を実施して実績報告を提出した後に補助金が交付されます。「採択=入金」ではない点に注意してください。
賃上げ加点で補助上限がどこまで伸びるか
事業承継・M&A補助金には賃上げ加点が用意されており、適用されると補助上限が引き上げられます。
賃上げ加点の要件は、事業化状況報告時までに事業場内最低賃金+30円以上の賃上げを実施する旨を従業員に表明することです。申請時に「賃金引上げ計画の誓約書」「従業員への賃金引上げ計画の表明書」「直近の給与支払期間における賃金台帳の写し」を提出します。
ただし注意点があります。加点を受けて採択された後、要件を達成できなかった場合、事業化状況報告で未達が報告されてから18ヶ月間、中小企業庁所管の他の補助金で大幅な減点を受けるペナルティが課されます。確実に達成できる範囲で申請しましょう。
100億企業宣言を活用した特例(最大2,000万円)
買い手支援類型と事業統合投資類型では、100億企業宣言を活用することで、補助上限を最大2,000万円まで引き上げられる特例があります。
100億企業宣言の主な要件は次のとおりです。
- M&Aの譲渡価額が5億円以上であること
- 将来的に「売上高100億円」を目指す旨を公表すること(100億企業宣言)
- その他、加点要件・誓約書の提出など
中堅・大型のM&Aを検討している買い手企業や、M&A後の本格的な事業統合投資を計画している企業にとって、最大のチャンスとなる特例です。
ケース別「いくらもらえるか」シミュレーション
実際の事業者像に当てはめた補助額のイメージを示します。あくまで概算で、正確な金額は公募要領と個別案件の経費構成で決まります。
- ケース①:個人事業主が親族から事業を引き継ぎ、新たな設備に500万円投資 → 事業承継促進枠で約3〜400万円程度の補助が想定される
- ケース②:中小企業が同業他社をM&A(買収)し、仲介手数料900万円・PMI費用300万円 → 買い手支援類型+PMI推進枠の併用で合計600万円超の補助も可能
- ケース③:後継者不在の小規模事業者がM&Aで譲渡、仲介手数料300万円 → 小規模売り手支援類型で上限150万円
- ケース④:M&A売却+一部廃業の併用、仲介手数料500万円+廃業費用200万円 → 売り手支援類型+廃業・再チャレンジ枠で複合的な補助
自社の状況に近いケースで補助額を試算し、申請メリットを判断してください。
補助金が振り込まれるタイミング
事業承継・M&A補助金の入金時期は、申請から約1年後となります。
- 公募申請(2026年6月中旬〜7月下旬予定)
- 採択通知(2026年9月中旬予定)
- 交付決定(2026年9月下旬予定)
- 事業実施(〜2027年11月下旬予定)
- 実績報告(2027年2月中旬〜12月上旬予定)
- 補助金交付=入金(2027年5月中旬以降予定)
実際の振込は2027年5月以降になるため、事業実施期間中の資金繰りには注意が必要です。金融機関による「補助金採択を担保としたつなぎ融資」を検討する選択肢もあります。
自社や自分は事業承継・M&A補助金の対象になりますか?
補助対象事業者の基本要件
事業承継・M&A補助金の対象事業者は、中小企業基本法に定める中小企業者・小規模事業者と、個人事業主(開業届の届出済みの者)です。業種別の規模要件は以下のとおりです。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
ただし、大企業の子会社や、複数の大企業から出資を受けている企業はみなし大企業として除外される可能性があります。資本構成によっては対象外となるため、自社の株主構成を事前に確認しましょう。
すべての枠に共通する必須要件チェックリスト
支援枠を問わず、共通して満たすべき必須要件は次の5つです。
- 日本国内で事業を営んでいること
- 国税・地方税の滞納がないこと
- 暴力団排除条項に該当しないこと
- 過去に補助金等の不正受給歴がないこと
- 公募申請から事業完了まで一貫して実施可能な体制があること
これらは形式要件ですが、書類不備や記載漏れがあると申請段階で不採択となるため、丁寧に確認してください。
サイバーセキュリティお助け隊サービスの利用要件
事業承継・M&A補助金では、申請時点で「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を利用していることが要件となっています。
サイバーセキュリティお助け隊サービスは、中小企業のサイバー攻撃対策を一括で提供するサービスで、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定する各サービス事業者から選んで加入します。月額数千円程度から契約できるものが多く、加入から申請までに時間がかかるため、公募申請の1〜2か月前には契約手続きを進めておきましょう。
賃上げ表明の要件と誓約書
賃上げ加点を申請する場合、事業場内最低賃金+30円以上の賃上げを実施する旨を従業員に表明することが要件となります。提出書類は以下の3点です。
- 賃金引上げ計画の誓約書
- 従業員への賃金引上げ計画の表明書
- 直近の給与支払期間における賃金台帳の写し
なお、売り手支援類型で賃上げ加点を申請する場合は、M&A実施後も買い手等により賃上げの取り組みが実施されることについて、買い手の合意を得たうえで誓約書を提出する必要があります。
認定経営革新等支援機関の関与が必要な枠
一部の支援枠では、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)による事業計画の確認・確認書発行が必要となります。
認定支援機関は、税理士・公認会計士・中小企業診断士・金融機関などが国に認定された支援機関です。中小企業庁の検索システムで認定支援機関を探せます。経営革新の取り組みを伴う事業承継促進枠では、認定支援機関との連携が事実上必須となるため、公募開始前の早めの相談がカギとなります。
枠別の固有要件 早見表
支援枠ごとに固有の申請要件があります。以下に整理します。
| 支援枠 | 主な固有要件 |
|---|---|
| 事業承継促進枠 | 承継時期の要件、経営革新の取り組み、認定支援機関の確認書 |
| 専門家活用枠(買い手・売り手・小規模売り手) | M&A支援機関登録制度の利用、成約見込み(または成約済み) |
| PMI推進枠 | M&A成約済み、PMI計画の策定 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業の合理性、再チャレンジ計画 |
自社の状況と固有要件の対応関係を確認し、満たせる枠で申請することが採択への近道です。
申請できないケース(NG例)
以下のケースは事業承継・M&A補助金を申請できません。
- 既に契約・発注に着手済みの事業(事前着手原則廃止)
- みなし大企業(大企業の子会社や複数大企業からの出資を受けている企業)
- 宗教法人・政治団体・反社会的勢力との関係がある法人
- 過去に補助金等の不正受給歴がある事業者
- 同一内容で他の補助金を受給している事業者(重複受給禁止)
特に「事前着手の禁止」は14次から強化されているため、M&A仲介契約や設備発注のタイミングには細心の注意を払ってください。
事業承継・M&A補助金はどの費用が補助対象になりますか?対象経費・対象外経費の境界線
補助対象経費の全体マップ
事業承継・M&A補助金の補助対象経費は、大分類で次の4カテゴリに整理されます。
- 専門家活用に係る経費:M&A仲介手数料・FA費用・DD費用・PMIコンサル費用など
- 設備投資・開発に係る経費:機械装置費・システム構築費・改装費・知的財産権関連費など
- 廃業に係る経費:廃業支援費・在庫廃棄費・解体費・原状回復費など
- その他の経費:委託費・外注費・旅費・販路開拓費など
どのカテゴリの経費が対象となるかは、申請する支援枠によって異なります。自社が計画している経費が対象に含まれるか、公募要領で必ず確認してください。
専門家活用に係る経費(仲介・FA・DD等)
専門家活用枠の中核となる補助対象経費は、M&Aプロセスで専門家に支払う各種費用です。
- M&A仲介手数料(成功報酬・着手金・月額報酬)
- FA(フィナンシャル・アドバイザー)報酬
- DD(デューデリジェンス)費用:財務DD・法務DD・ビジネスDD・税務DDなど
- 表明保証保険料
- セルサイドアドバイザリー費用(売り手側専門家費用)
- PMIコンサル費用(PMI推進枠の場合)
これらは、いずれもM&A支援機関登録制度に登録された業者に支払った費用のみが補助対象となります(後述)。
設備投資・開発に係る経費
事業承継促進枠やPMI推進枠 事業統合投資類型で対象となる、設備投資関連の経費は次のとおりです。
- 機械装置費・工具器具備品費
- システム構築費・ソフトウェア開発費
- 店舗・工場の改装費
- 知的財産権関連費(出願手数料、弁理士費用等)
設備投資費は単価10万円以上の物品が対象となるケースが一般的です。なお、中古設備の購入は対象外となる場合もあるため、購入予定の設備が補助対象に該当するか事前確認をおすすめします。
廃業に係る経費
廃業・再チャレンジ枠で対象となる経費は、事業を畳む際に発生する以下の費用です。
- 廃業支援費(弁護士・税理士への委託費等)
- 在庫廃棄費
- 解体費・原状回復費
- 土壌汚染調査費
- リース解約費・賃料
解体費や原状回復費は想定外に高額になることが多く、廃業・再チャレンジ枠を活用することで自己負担を大きく軽減できます。
その他の経費(販路開拓・委託費等)
上記以外で補助対象となる主な経費は次のとおりです。
- 委託費・外注費
- 旅費(M&A交渉・現地調査等)
- 広告宣伝費・販路開拓費
- 会場借料・通信運搬費
ただし、対象範囲は枠ごとに異なるため、計画している経費が対象に含まれるかは公募要領で必ず確認してください。
補助対象外となる経費(NGリスト)
以下の経費は、いかなる枠でも補助対象外となります。
- 自社の役員・従業員への支払い(人件費・報酬等)
- 消費税・印紙税・登録免許税等の租税公課
- 既存設備の維持費・修繕費
- 振込手数料・両替手数料
- 補助対象期間外の契約・支払い
- 現金支払い・小切手支払い・手形支払い
- 静止画・動画の購入費用(一部対象外ケースあり)
特に「現金支払い不可」は実務でよく見落とされるポイントです。すべての支払いは銀行振込で行い、振込明細を証憑として保管してください。
★ M&A支援機関登録制度の要件
専門家活用枠でM&A仲介手数料・FA費用を補助対象とするには、M&A支援機関登録制度に登録された業者の利用が必須です。
登録業者は中小企業庁の専用サイトで検索できます。すでに利用中の業者がいる場合も、登録の有無を改めて確認することをおすすめします。
経費計上のルール(相見積もり・契約・支払い)
補助対象経費を計上する際は、次の実務ルールを守る必要があります。
- 相見積もりの取得:一定額以上の経費には複数業者からの相見積もりが必要
- 交付決定後の契約・発注:交付決定通知を受けてから契約・発注を行うのが原則(事前着手原則廃止)
- 事業期間内の支払い完了:実績報告までに支払いを完了させる必要がある
- 銀行振込限定:現金・小切手・手形による支払いは不可
これらのルール違反は、せっかく採択されても経費の一部または全部が補助対象外と判定される原因となります。事業実施の前に必ず公募要領を読み込み、書類の保管ルールも徹底してください。
事業承継・M&A補助金はどうやって申請すればよいですか?
申請から入金までの全体フロー(6ステップ)
事業承継・M&A補助金の申請から入金までは、以下の6ステップで進みます。
- Step1 公募申請:jGrantsで電子申請(2026年6月中旬〜7月下旬予定)
- Step2 採択審査・採択結果通知:2026年9月中旬予定
- Step3 交付申請:採択後に必要書類を提出
- Step4 交付決定:交付決定通知を受領(2026年9月下旬予定)
- Step5 事業実施・実績報告:交付決定日〜2027年11月下旬予定
- Step6 補助金交付(入金):2027年5月中旬以降予定
申請から実際の入金までは約1年かかります。事業実施期間中は自己資金で立替する必要があるため、資金計画を含めて検討してください。
公募開始前にやっておくべき準備(4つ)
公募申請を円滑に進めるために、公募開始前から取り組むべき準備は次の4つです。
- ① gBizIDプライムの取得:jGrantsの利用に必須のID。発行に2〜3週間かかるため、最優先で手続きを進める
- ② 認定経営革新等支援機関への相談:事業承継促進枠など、認定支援機関の関与が必要な枠では早めに連携を確立
- ③ M&A支援機関登録制度の確認:専門家活用枠でM&A仲介・FAを利用する場合、登録業者かどうかを確認
- ④ 事業計画書のドラフト作成:採択の鍵となる事業計画書を早めにドラフト化し、社内調整・関係者との合意形成を進める
「公募開始後に準備を始めるのでは遅い」のが事業承継・M&A補助金の特徴です。公募要領が公開されている今から動き出すのが理想的です。
jGrants(Jグランツ)で電子申請する手順
事業承継・M&A補助金の申請は、デジタル庁が運営する電子申請システム「jGrants」で行います。手順の概要は次のとおりです。
- gBizIDプライムでjGrantsにログイン
- 「事業承継・M&A補助金」の申請フォームを選択(公募回・支援枠を間違えないよう注意)
- 申請フォームの各項目を入力(事業者情報・事業計画・経費明細など)
- 必要書類をPDFでアップロード
- 提出前にセルフチェック(記載漏れ・添付漏れがないか)
- 提出ボタンで申請完了
提出後は事務局からの審査を待ちます。一度提出すると修正は原則不可のため、提出前のチェックを念入りに行ってください。
主要な必要書類リスト
事業承継・M&A補助金の主な必要書類は次のとおりです。枠によって追加書類が必要となる場合があります。
- 共通書類:履歴事項全部証明書、納税証明書、決算書(直近2期分)、事業者の概要書
- 事業計画書・収支計画書:所定フォーマットで作成
- 賃上げ加点用書類:賃金引上げ計画の誓約書、従業員への表明書、賃金台帳
- サイバーセキュリティ要件:お助け隊サービスの利用証明
- 枠別の固有書類:M&A契約書写し(PMI推進枠)、PMI計画書、廃業計画書など
最新の必要書類チェックリストは、公募要領ダウンロードページから入手できます。書類不備は不採択の主要因なので、チェックリストで漏れがないか確認してください。
採択につながる事業計画書の書き方(5つのコツ)
採択率を左右する事業計画書の書き方には、押さえるべき5つのコツがあります。
- ① M&A・承継の必要性を経営課題に紐づける:単に「補助金が欲しい」ではなく、自社の経営課題を解決する手段として位置づける
- ② 数値計画は売上高・付加価値額・労働生産性で具体化:抽象的な目標ではなく、3〜5年スパンの数値目標を提示
- ③ 統合シナジーの定量化:M&Aの場合、買収後にどれだけの相乗効果が生まれるかを定量的に示す
- ④ 加点項目の取り組みを明記:賃上げ・サイバーセキュリティ・健康経営など、該当する加点項目をすべて明記
- ⑤ 図表を入れて審査員に読みやすく:文章だけでなく、組織図・収益構造図・スケジュール表などを織り交ぜる
審査員は短時間で多数の計画書を読むため、要点が伝わりやすい構成と、数値の根拠を明示することが採択への近道です。
行政書士による申請代行のルール(2025年10月変更)
2025年10月から、事業承継・M&A補助金の申請内容を第三者に作成依頼する場合のルールが厳格化されました。
このルールに違反した場合、採択取消や補助金返還の対象となる可能性があるため、申請支援業者の選定には注意してください。
申請後のスケジュール感と実務上のコツ
公募申請後のスケジュール感は次のとおりです。
- 採択通知から交付申請まで:約2週間〜1か月で交付申請書類を準備
- 交付決定から事業実施まで:交付決定通知を受けてから契約・発注を開始
- 事業実施期間:交付決定日から最長で2027年11月下旬まで
- 実績報告:事業完了後、領収書・契約書・成果物などの証憑とともに実績報告書を提出
事業実施中は、すべての契約書・発注書・領収書・銀行振込明細をきちんと保管することが重要です。実績報告時にこれらの証憑が揃わないと、補助対象経費から減額される可能性があります。
事業承継・M&A補助金の採択率を上げるにはどうすればよいですか?
直近の採択率はどのくらいですか?14次までのデータで見る現実
事業承継・M&A補助金の直近採択率は、以下のとおりです。
| 公募回 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 11次 | 590件 | 359件 | 約60.8% |
| 12次 | 742件 | 453件 | 約61.1% |
| 13次 | 481件 | 293件 | 約60.9% |
| 14次 | 512件 | 311件 | 約60.7% |
採択率はおおむね60%前後で安定しています。一見高く見えますが、申請後に書類不備で「審査前に落とされる」ケースを除いた実質採択率はもっと低い水準にあると想定されます。
枠別では、廃業・再チャレンジ枠の単独申請の採択率が低く、他枠との併用申請のほうが採択されやすい傾向にあります。
採択率を上げる7つのポイント
採択率を高めるための具体的な戦略は以下のとおりです。
① 加点項目をフル活用する
事業承継・M&A補助金には複数の加点項目があり、該当するものをできる限り多く満たすことが採択への近道です。主な加点項目は次のとおりです。
- 賃上げ加点(事業場内最低賃金+30円以上)
- サイバーセキュリティお助け隊サービス利用
- 健康経営優良法人認定
- 経営力向上計画等の認定
- 事業継続力強化計画の認定
- PMI計画書の提出(該当枠)
加点項目は「あれば加点」のものから「申請に必須」のものまで様々です。公募要領で加点要件を確認し、自社で対応できるものをすべて押さえてください。
② 事業計画書の数値計画を具体化する
審査において最も重視されるのが、事業計画書の数値計画の具体性です。次のポイントを意識してください。
- 売上高・付加価値額・労働生産性のKPIを設定
- 3〜5年スパンの数値目標を明示
- M&A・承継後のシナジー効果を試算
- 市場規模・想定顧客・受注見込みなど、数値の根拠を提示
「売上を倍増させます」だけでは不採択リスクが高まります。「現状の年商3億円が、M&A後の取引拡大により1年目4.2億円、3年目6億円となる根拠は◯◯」というレベルで根拠を示しましょう。
③ 不採択になりやすいパターン(NG事例)
不採択になりやすいパターンを知ることも、採択率向上には重要です。代表的なNGパターンは次のとおりです。
- 経営課題と補助事業の関連性が薄い
- 数値計画が根拠なし・希望的観測のみ
- 加点項目の未達リスクが高い計画
- 事前着手疑義のある契約タイミング
- 同業者との差別化が不明確
- 記載漏れ・書類不備
これらのパターンを避けるだけでも、採択可能性は大きく向上します。
④ 認定経営革新等支援機関との連携を活用する
認定経営革新等支援機関は、税理士・公認会計士・中小企業診断士・金融機関など、国に認定された支援機関です。事業承継・M&A補助金の申請では、認定支援機関と連携することで以下のメリットがあります。
- 事業計画書のブラッシュアップ
- 確認書の発行(一部の枠で必須)
- 専門知識に基づくアドバイス
- 金融機関連携による資金調達サポート
中小企業庁の検索システムから認定支援機関を探し、早期の段階で相談を始めることをおすすめします。
⑤ 過去の採択事例から学ぶ
過去の採択事例を研究することで、自社の計画書のヒントを得られます。製造業・サービス業・小売業など業種別の活用パターンを参考にしましょう。
ただし、「経営革新事業」については採択者一覧が公開されていますが、専門家活用事業や廃業・再チャレンジ事業の採択者は非公表となっています。公開されている情報を中心に研究してください。
⑥ 一度不採択になってもあきらめない(再申請の戦略)
事業承継・M&A補助金は、不採択理由の問い合わせには応じてもらえません。しかし、過去の傾向や採択事例を参考に、計画書を再構築して次回公募に挑戦することは可能です。
再申請の際は、前回計画の弱点と思われる箇所を洗い出し、特に数値根拠・加点項目・経営課題との紐づけを強化してください。一度の不採択であきらめず、戦略的に次回を狙いましょう。
事業承継・M&A補助金についてよくある質問にQ&A形式でお答えします
個人事業主でも事業承継・M&A補助金は申請できますか?
はい、開業届を税務署に提出している個人事業主は事業承継・M&A補助金の対象となります。15次公募で新設された「専門家活用枠 小規模売り手支援類型」は、個人事業主の事業譲渡などにも活用しやすい設計です。ただし、みなし大企業に該当する場合や、過去の不正受給歴がある場合は対象外となるため、公募要領で要件を確認してください。
M&Aの相手が決まっていなくても申請できますか?
専門家活用枠は、M&Aの成約が見込まれる段階であれば、相手先が完全に決まっていなくても申請可能なケースがあります。ただし、PMI推進枠はM&A成約済みであることが条件です。具体的な要件は公募要領で確認してください。なお、申請後にM&Aが破談になった場合は、補助対象外となるか減額対応となる可能性があります。
採択後にM&Aが破談になった場合はどうなりますか?
採択後にM&Aが破談・中止となった場合、原則として補助金は交付されません。M&Aの成約・完了が補助金交付の前提条件となるためです。ただし、それまでに発生した一部経費が補助対象となるケースもあるため、状況に応じて補助金事務局へ早めに相談することが重要です。
他の補助金(ものづくり補助金など)と併用できますか?
同一の経費に対して複数の補助金を受給することはできません(重複受給禁止)。ただし、事業承継・M&A補助金で補助対象とする経費と、他の補助金(ものづくり補助金・省力化投資補助金など)の対象経費が異なれば、それぞれ別の事業として申請することは可能です。たとえば、M&Aの仲介手数料は事業承継・M&A補助金、新事業の設備投資はものづくり補助金、というように使い分けることが考えられます。
過去に補助金を受給していても今回申請できますか?
過去に他の補助金を受給していても、事業承継・M&A補助金の今回申請は可能です。ただし、不正受給で交付決定取消を受けた経歴がある場合や、現在進行中の他の補助金事業で同一経費を計上している場合は申請できません。過去の補助金受給歴は申請書に正確に記載してください。
申請から入金までどれくらいの期間がかかりますか?
15次公募の場合、2026年6月中旬に申請開始、2027年5月中旬以降に補助金交付という流れで、申請から入金まで約1年かかります。事業承継・M&A補助金は後払い制度のため、事業実施期間中は自己資金で立替する必要があります。資金繰りに不安がある場合は、金融機関による「採択を担保としたつなぎ融資」の活用も検討してください。
補助金は確定申告で課税対象になりますか?
はい、事業承継・M&A補助金は原則として法人税・所得税の課税対象(雑収入)となります。ただし、固定資産の取得に充当した補助金は「圧縮記帳」の特例を活用することで、課税繰延が可能なケースがあります。税務処理は税理士に相談することをおすすめします。
海外企業の買収にも使えますか?
事業承継・M&A補助金は、日本国内の中小企業の事業承継・M&Aを対象としているため、海外企業を買収するクロスボーダーM&Aは原則として対象外となります。買収対象が日本国内の中小企業であることが基本要件です。詳細な対象範囲は公募要領で確認してください。
M&A支援機関登録制度に登録されていない仲介業者を使うとどうなりますか?
M&A支援機関登録制度に登録されていない仲介業者・FAに支払った手数料は、補助対象外となります。M&Aの取引自体は問題ありませんが、その費用を補助金で賄うことはできません。専門家活用枠を活用する場合は、必ず中小企業庁の登録FA・仲介業者リストで登録の有無を確認してください。
4つの枠を同時に申請することはできますか?
事業の内容に応じて複数枠の併用申請が可能です。特に廃業・再チャレンジ枠は、他の3枠(事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠)と併用申請できる設計です。たとえば、M&Aで他社を買収しつつ、不採算の既存事業を廃業する場合、買い手支援類型と廃業・再チャレンジ枠の併用が考えられます。組み合わせ次第で合計補助額を最大化できます。
まとめ|事業承継・M&A補助金で次に何をすべきですか?
事業承継・M&A補助金15次公募は、2026年6月中旬〜7月下旬に申請受付が始まります。4つの支援枠と新類型「小規模売り手支援類型」を組み合わせれば、最大2,000万円の補助が可能で、中小企業の事業承継・M&A戦略を強力に後押しします。
採択率は約60%と適切な準備さえすれば十分に通る制度ですが、加点項目のフル活用・数値計画の具体化・必要書類の不備防止が必須です。事前着手は原則禁止のため、契約・発注のタイミングにも細心の注意を払ってください。
公募申請の準備は今から始めるのがベストです。gBizIDプライム取得・認定支援機関への相談・事業計画書のドラフト作成など、できることから着手しましょう。
① 公募期間:2026年6月中旬〜7月下旬予定/補助上限は最大2,000万円
② 4つの支援枠+新類型「小規模売り手支援類型」で、あらゆる事業承継・M&Aフェーズに対応
③ 採択率約60%、加点項目の活用と事業計画書の質が採択を左右する
申請を検討される方は、まず補助金ポータルの無料相談で、自社に最適な支援枠の選定や事業計画書作成のアドバイスを受けることをおすすめします。専門家への相談で、採択可能性を最大化しましょう。
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