「後継者が見つからず、このままでは会社をたたむしかない」「M&Aで同業他社を買いたいが、仲介手数料が高くて踏み切れない」――こうした悩みを抱える中小企業経営者に注目されているのが、事業承継・M&A補助金です。
事業承継・M&A補助金は、中小企業の事業承継・M&A・PMI(経営統合)・廃業にかかる費用を国がまとめて支援する補助金です。設備投資から専門家費用、統合費用、廃業費用まで4つの枠でカバーし、最大2,000万円の補助を受けられます。
現在公募中の16次公募は、2026年11月6日(金)17:00が申請締切です。2026年9月11日に公表された15次公募の採択率は約61.3%(申請551件・採択338件)でした。
この記事では、事業承継・M&A補助金の制度概要、16次公募のスケジュール、4つの支援枠の違い、補助額、M&A仲介手数料の相場と補助金を使った実質負担、対象者、申請方法、採択率を上げるコツまでをわかりやすく解説します。
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この記事の目次
事業承継・M&A補助金とは?制度の全体像をわかりやすく解説
事業承継・M&A補助金は、中小企業庁が所管する国の補助金で、事業承継・M&A・PMI・廃業にかかる費用を一体的に支援する制度です。承継前の設備投資から、M&Aの専門家費用、統合後の経営、廃業まで、事業承継のあらゆる段階をカバーします。16次公募の申請締切は2026年11月6日(金)17:00です。
事業承継・M&A補助金を一言で説明すると?
事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者等が事業承継やM&Aに際して行う設備投資や、経営資源の引継ぎ、引継ぎ後の経営統合にかかる経費の一部を補助する制度です。正式名称は「中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金」で、事業承継・事業再編・事業統合を促し、地域経済を活性化することを目的としています。
補助上限は最大2,000万円(専門家活用枠 買い手支援類型の100億企業特例)です。中小企業者・小規模事業者・個人事業主まで幅広く対象となり、承継の段階に応じた4つの支援枠から自社に合う枠を選んで申請します。
なぜ国が事業承継を補助金で支援しているのですか?
国が事業承継を支援するのは、中小企業の後継者不在が依然として深刻だからです。中小企業庁の事業承継促進枠のチラシによると、事業承継の形態は親族承継・従業員承継が約7割を占める一方、60代で後継者が決まっていない企業は約4割にのぼります。
後継者を決めてから承継が完了するまでには3年以上かかるケースが多く、早めの準備が欠かせません。選択肢が残っているうちに動き出せるよう、承継の準備・実行・統合・廃業まで一気通貫で費用を支援するのが、この補助金の役割です。
所管と問い合わせ先はどこですか?
事業承継・M&A補助金の所管は経済産業省中小企業庁です。事業実施は独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)と、委託先の事業承継・M&A補助金事務局が担っています。申請は電子申請システムjGrants(Jグランツ)のみで、紙での申請はできません。
| 事業承継・M&A補助金事務局の問い合わせ先 | |
|---|---|
| 専門家活用枠/廃業・再チャレンジ枠 | 050-3145-3812 |
| 事業承継促進枠 | 050-3192-6274 |
| PMI推進枠 | 050-3192-6228 |
| 受付時間 | 平日9:30〜12:00、13:00〜17:00(土日祝を除く) |
「事業承継・引継ぎ補助金」と何が違うのですか?
事業承継・M&A補助金は、かつての「事業承継・引継ぎ補助金」が名称変更された後継制度です。1次〜10次公募は「事業承継・引継ぎ補助金」として実施され、11次公募以降は「事業承継・M&A補助金」として運用されています。「事業承継補助金」「M&A補助金」「事業継承補助金」と呼ばれることもありますが、いずれも同じ制度を指すのが一般的です。
- 11次公募:専門家活用枠のみ実施(買い手支援類型・売り手支援類型)
- 12次公募:4枠すべてで実施(事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠)
- 13次公募:4枠で実施(2025年10月31日受付開始)
- 14次公募:4枠で実施(2026年5月15日採択発表)
- 15次公募:専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」を新設(2026年9月11日採択発表)
- 16次公募:2026年9月4日に公募要領開示、10月2日から受付(4枠すべてで公募中)
公募回ごとに専用サイトが設けられており、14次以降は shoukei-mahojokin.go.jp/r7h、11〜13次は shoukei-mahojokin.go.jp/r6h で案内されています。
事業承継・M&A補助金の16次公募はいつまで?締切とスケジュール
16次公募の申請受付期間は2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00です。採択は2026年12月下旬以降、交付決定は2027年1月下旬以降、補助金の交付手続きは2027年10月上旬以降の予定です。申請から入金まで約1年かかる後払いの制度である点に注意してください。16次公募の流れを図にすると次のとおりです。黄色で示した締切日時を過ぎた申請は一切受け付けられません。
| 16次公募のスケジュール | |
|---|---|
| 公募要領の開示 | 2026年9月4日(金) |
| 公募申請受付期間 | 2026年10月2日(金)〜11月6日(金)17:00 |
| 採択日 | 2026年12月下旬以降 順次(予定) |
| 交付申請受付期間 | 2027年1月上旬〜2027年11月中旬(予定) |
| 交付決定日 | 2027年1月下旬以降 順次(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日〜2028年3月中旬(予定) |
| 実績報告期間 | 2027年6月上旬〜2028年3月下旬(予定) |
| 補助金交付手続き | 2027年10月上旬以降 順次(予定) |
jGrantsでの申請にはGビズIDプライムが必須で、発行には1〜2週間、混雑時は3週間程度かかります。未取得の場合、16次の締切には間に合わない可能性が高いため、次回公募に向けて今のうちに取得しておきましょう。
16次公募の説明会は終わりましたか?今から見られますか?
16次公募の説明会は2026年10月9日(金)にオンラインで開催済みです。見逃した場合でも、アーカイブ動画が2026年10月16日(金)〜11月6日(金)17:00まで配信されています。説明会資料は事務局サイトで公開されています。
15次から16次で何が変わりましたか?
16次公募は、15次公募の制度設計を基本的に引き継いでいます。押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 4枠すべてで公募:事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠のすべてが対象です
- 小規模売り手支援類型の継続:15次で新設された専門家活用枠の小規模売り手支援類型(補助上限450万円)が16次も継続しています
- 事前着手は不可:補助対象経費の契約・発注は交付決定日以降でなければなりません
- 賃上げの加点:従業員1人当たり給与支給総額の上昇率2%以上を公募申請時に表明すると加点されます
- 米国の追加関税措置:追加関税措置で大きな影響を受ける事業者が加点事由に含まれています
16次の締切に間に合わない場合、17次公募はありますか?
2026年10月28日時点で、17次公募の実施や日程は発表されていません。事業承継・M&A補助金はこれまで年に複数回公募されており、公募要領の開示日は12次が2025年7月18日、13次が10月17日、14次が2026年1月30日、15次が5月22日、16次が9月4日でした。
次回公募に備えるなら、締切に追われないうちにGビズIDプライムの取得、M&A支援機関登録制度に登録された専門家の選定、決算書や加点書類の準備を進めておくのが確実です。公募要領は受付開始の約1か月前に開示されるのが通例のため、事務局サイトのお知らせを定期的に確認しましょう。
事業承継・M&A補助金はどの枠を選べばよい?4つの支援枠の違い
事業承継・M&A補助金には4つの支援枠があり、対象となる段階と用途が異なります。事業承継促進枠は承継を機にした設備投資、専門家活用枠はM&Aの専門家費用、PMI推進枠はM&A後の経営統合、廃業・再チャレンジ枠は廃業費用を支援します。
事業承継・M&Aの流れに沿って4つの枠を並べると、次の図のようになります。自社がどの段階にいるかを確認してから枠を選びましょう。
事業承継促進枠とは?親族内・従業員承継の設備投資を支援
事業承継促進枠は、5年以内に親族内承継・従業員承継等を予定している事業者を対象に、承継をきっかけとした生産性向上のための設備投資等を支援する枠です。M&Aによる第三者承継はこの枠ではなく、専門家活用枠の対象です。
補助上限は800万円(賃上げ要件を満たすと1,000万円)、補助率は1/2以内(小規模事業者等は2/3以内)です。主な対象経費は設備費・産業財産権等関連経費・謝金・旅費・外注費・委託費等です。事業承継・引継ぎ支援センターまたは中小機構地域本部から事業承継計画の策定支援を受けると、審査で加点されます。
専門家活用枠とは?M&Aの仲介手数料・FA費用を支援
専門家活用枠は、M&Aの実行段階で発生する仲介手数料・FA費用・DD(デュー・ディリジェンス)費用などを支援する枠です。16次公募では3つの類型と1つの特例に分かれています。
- 買い手支援類型:株式・経営資源を譲り受ける中小企業等を支援。補助率2/3以内、補助上限600万円(DD費用を申請すると+200万円で800万円)
- 売り手支援類型:株式・経営資源を譲り渡す中小企業等を支援。補助率1/2または2/3以内、補助上限600万円(DD費用を申請すると+200万円で800万円)
- 小規模売り手支援類型:小規模事業者等の譲渡を支援。補助率2/3以内、補助上限450万円(売り手支援類型との同一公募回での申請は不可)
- 買い手支援類型 100億企業特例:補助上限2,000万円の特例。専用の公募要領が公開されています
買い手支援類型では、補助対象経費に計上するかどうかを問わず、DDの実施が必須です。
PMI推進枠とは?M&A後の経営統合を支援
PMI推進枠は、M&A成約後の経営統合(PMI:Post Merger Integration)にかかる費用を支援する枠です。対象は、公募申請受付終了時点でM&Aのクロージング日から3年を超えていない取組で、親族内承継やグループ内の事業再編は対象外です。
- PMI専門家活用類型:PMI計画の策定・実行にかかる専門家費用を補助。補助率1/2以内、補助上限150万円(下限50万円)
- 事業統合投資類型:製造ラインや会計システムの統合など、統合効果を高める設備投資を補助。補助率1/2以内(小規模事業者等は2/3以内)、補助上限800万円(賃上げ3%以上で1,000万円、下限100万円)
事業統合投資類型は、買い手支援類型ともPMI専門家活用類型(単独申請)とも同一公募回で申請できません。統合の設計を専門家活用類型で行い、次の公募回で事業統合投資類型に進む流れが想定されています。
廃業・再チャレンジ枠とは?廃業費用を他枠と併用して補助
廃業・再チャレンジ枠は、事業承継・M&Aに伴って既存事業を廃業する際の費用を支援する枠です。対象経費は、廃業支援費・在庫廃棄費・解体費・原状回復費・リース解約費・土壌汚染調査費・移転移設費用などです。
補助上限は300万円、単独申請の補助率は2/3です。他の3枠と併用申請でき、その場合は各枠の補助上限に廃業費が上乗せされます。小規模売り手支援類型と併用する場合の廃業費の上限は150万円です。
単独申請(再チャレンジ申請)は、2020年以降にM&A(事業の譲り渡し)に着手したものの成約しなかったことが要件です。15次公募の採択実績でも廃業・再チャレンジ枠は申請2件・採択1件と少なく、実務上は他枠との併用が中心です。
4つの枠を一覧で比較すると?
各枠・類型の特徴を一覧にまとめると以下のとおりです。
| 支援枠/類型 | 対象の段階 | 主な対象者 | 主な経費 |
|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 5年以内の承継予定 | 親族内・従業員承継を予定する事業者 | 設備費・産業財産権等関連経費・外注費等 |
| 専門家活用枠 買い手支援類型 | M&A実行 | 買い手企業 | 仲介手数料・FA・DD費用 |
| 専門家活用枠 売り手支援類型 | M&A実行 | 売り手企業 | 仲介手数料・FA費用・廃業費 |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | M&A実行 | 小規模事業者の売り手 | 仲介手数料・システム利用料等 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 統合後の経営 | M&A成約済みの買い手 | PMIコンサル費用 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 統合後の経営 | M&A成約済みの買い手 | 設備費・システム導入費 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業 | 承継・M&Aに伴い廃業する事業者 | 廃業支援費・解体費等 |
自社に合う枠はどれ?シーン別の選び方
「結局どの枠を使えばいいのか」と迷う方のために、よくあるシーン別に整理しました。
- 5年以内に子どもへ会社を引き継ぎ、設備も入れ替えたい → 事業承継促進枠
- 他社を買収したいが、M&A仲介の手数料が高い → 専門家活用枠 買い手支援類型
- 従業員5人の店を譲渡したいが、費用を抑えたい → 専門家活用枠 小規模売り手支援類型
- M&Aは成約済みで、統合の進め方を専門家に設計してほしい → PMI推進枠 PMI専門家活用類型
- 統合のために製造ラインや基幹システムを入れ替えたい → PMI推進枠 事業統合投資類型
- 事業承継・M&Aにあわせて不採算事業を畳む → 廃業・再チャレンジ枠(他枠と併用)
- M&Aで買い手が見つからず、廃業して次の挑戦に移りたい → 廃業・再チャレンジ枠(単独申請)
事業承継・M&A補助金はいくらもらえる?補助額・補助率の早見表
事業承継・M&A補助金の補助上限は枠・類型によって150万円〜800万円です。賃上げ要件を満たすと事業承継促進枠とPMI推進枠の事業統合投資類型は1,000万円に拡大し、買い手支援類型は100億企業特例を使うと最大2,000万円まで補助されます。
枠・類型ごとの補助上限と補助率は?
16次公募の補助上限と補助率は以下のとおりです。
| 支援枠/類型 | 補助率 | 補助上限額 | 上乗せ |
|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 1/2以内(小規模事業者等は2/3以内) | 800万円(下限100万円) | 賃上げ3%以上で1,000万円/廃業費併用で+300万円 |
| 専門家活用枠 買い手支援類型 | 2/3以内 | 600万円(下限50万円) | DD実施で+200万円/廃業費併用で+300万円 |
| 専門家活用枠 売り手支援類型 | 1/2または2/3以内 | 600万円(下限50万円) | DD費用申請で+200万円/廃業費併用で+300万円 |
| 専門家活用枠 小規模売り手支援類型 | 2/3以内 | 450万円(下限なし) | 廃業費併用で+150万円 |
| 専門家活用枠 100億企業特例 | 1,000万円以下の部分は1/2、超過分は1/3 | 2,000万円(下限50万円) | 廃業費併用で+300万円 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 1/2以内 | 150万円(下限50万円) | 単独申請なら廃業費併用で+300万円 |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 1/2以内(小規模事業者等は2/3以内) | 800万円(下限100万円) | 賃上げ3%以上で1,000万円/廃業費併用で+300万円 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 単独申請は2/3(併用時は各枠の補助率) | 300万円 | 小規模売り手支援類型との併用時は150万円 |
売り手支援類型の補助率は、次のいずれかに該当すると2/3以内、該当しないと1/2以内です。
- 物価高等の影響で営業利益率が低下している
- 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字である
補助額はどうやって計算しますか?
補助額は「補助対象経費(税抜)×補助率」で計算し、補助上限額を超える部分は自己負担になります。たとえば補助対象経費が1,000万円・補助率2/3なら計算上は約666万円ですが、補助上限が600万円なら受け取れるのは600万円です。消費税・地方消費税は補助対象経費から除きます。
事業承継・M&A補助金は精算払い(後払い)です。採択後すぐに振り込まれるわけではなく、事業を実施して実績報告を提出し、事務局の確定検査を経てから交付されます。事業期間中は自己資金で立て替える必要があるため、つなぎ融資が必要な場合は早めに金融機関へ相談しましょう。
賃上げ要件を満たすと補助上限はいくら上がりますか?
賃上げで変わるのは「審査上の加点」と「補助上限の引き上げ」の2つで、必要な上昇率が異なります。
| 目的 | 必要な上昇率 | 対象 |
|---|---|---|
| 審査上の加点 | 2%以上 | 全枠共通 |
| 補助上限の引き上げ(800万円→1,000万円) | 3%以上 | 事業承継促進枠、PMI推進枠 事業統合投資類型 |
専門家活用枠には賃上げによる上限引き上げはなく、2%以上で加点のみです。
加点を受けて採択されたのに事業化状況報告の時点で賃上げが未達だった場合、未達報告から18か月間、中小企業庁が所管する他の補助金で大幅な減点を受けます。事業承継促進枠で上限引き上げ(3%以上)を選んで未達だった場合は、上乗せ分(最大200万円)の返還を求められます。確実に達成できる範囲で計画してください。
100億企業特例で最大2,000万円を受け取る条件は?
100億企業特例は、買い手支援類型の補助上限を2,000万円に引き上げる特例です。補助率は補助額1,000万円以下の部分が1/2、1,000万円超〜2,000万円の部分が1/3の段階制です。
利用するには、公募申請時点で中小機構の「100億企業成長ポータル」で100億宣言を公表していること、最低譲渡価額が5億円以上であること、被承継者の従業員の雇用を3年間維持することなどが必要です。雇用を維持できなければ減少率に応じて返還を求められます。通常の買い手支援類型との併願はできず、特例で不採択になっても通常類型には自動で移りません。
ケース別にいくらもらえるかシミュレーション
代表的なケースに当てはめた補助額の目安は次のとおりです。正確な金額は公募要領と実際の経費構成で決まります。
- 小規模事業者が5年以内の親族内承継を予定し、設備に600万円投資 → 事業承継促進枠(2/3)で最大400万円
- 中小企業が同業他社を買収し、仲介手数料900万円+DD費用300万円 → 買い手支援類型で600万円+DD上乗せ200万円=最大800万円
- 従業員5人の小売店が譲渡し、仲介手数料500万円 → 小規模売り手支援類型(2/3)で最大約333万円
- 売却+一部廃業で、仲介手数料900万円+DD費用300万円+廃業費400万円 → 売り手支援類型600万円+DD200万円+廃業費300万円=最大1,100万円
M&Aの仲介手数料の相場は?補助金を使うと実質負担はいくら?
M&A仲介・FAの報酬は、譲渡額などの「基準となる価額」に料率を掛けるレーマン方式で計算されるのが一般的で、あわせて最低手数料が設定されていることが多くあります。専門家活用枠を使えば、こうした手数料の最大2/3(上限600万円+DD200万円)が補助されます。
レーマン方式とは?料率の目安
レーマン方式は、基準となる価額を階層に分け、階層ごとの料率を掛けた金額を合計して報酬を出す方法です。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第2版)」の概要資料では、料率の例として次の表が示されています。
| 基準となる価額の階層 | 料率の例 |
|---|---|
| 5億円以下の部分 | 5% |
| 5億円超〜10億円以下の部分 | 4% |
| 10億円超〜50億円以下の部分 | 3% |
| 50億円超〜100億円以下の部分 | 2% |
| 100億円超の部分 | 1% |
基準となる価額には、株式の「譲渡額」、譲渡額に負債を加えた「移動総資産額」、資産から負債を引いた「純資産額」などがあります。どれを使うかで報酬額が大きく変わるため、契約前に必ず確認してください。
最低手数料に注意が必要なのはなぜですか?
小規模なM&Aでは、レーマン方式で計算した金額より最低手数料のほうが高くなることがあるためです。中小M&Aガイドライン(第2版)の概要資料では、譲渡額5,000万円の場合にレーマン方式の成功報酬は275万円(税込)でも、最低手数料1,100万円(税込)が適用されて報酬総額が1,100万円になる例が紹介されています。
ガイドラインでは、M&A支援機関は契約前に報酬の算定方法・金額・最低手数料・支払時期などを説明することとされています。複数の支援機関から見積もりを取り、報酬体系を比べてから選ぶのが基本です。
補助金を使うと手数料の負担はどれくらい減りますか?
専門家活用枠の買い手支援類型(補助率2/3)を使う場合の目安は次のとおりです。
| 仲介手数料(税抜) | 計算上の補助額 | 実際の補助額 | 自己負担(税抜) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 200万円 | 200万円 | 100万円 |
| 600万円 | 400万円 | 400万円 | 200万円 |
| 900万円 | 600万円 | 600万円 | 300万円 |
| 1,000万円 | 約666万円 | 600万円(上限) | 400万円 |
DD費用を申請すれば、DD分として補助額ベースで最大200万円が上乗せされます。消費税は補助対象外のため、別途自己負担となります。
M&A支援機関や申請サポートはどう選べばよいですか?
「料金が安い」「ランキング上位」だけで選ぶのではなく、補助金の要件を満たせるかを最優先で確認しましょう。選ぶときのチェックポイントは次のとおりです。
- M&A支援機関登録制度に登録されているか(未登録業者への手数料は補助対象外)
- 報酬の基準となる価額・料率・最低手数料・着手金の有無を契約前に書面で説明してくれるか
- 仲介(売り手・買い手の双方から報酬)か、FA(片方の代理)か、その違いを説明してくれるか
- 交付決定前に契約させようとしないか(事前着手は補助対象外)
- 補助金の申請書類の作成を有償で依頼する場合、依頼先が行政書士(行政書士法人)か
申請書類作成の代行費用は補助対象外です。料金体系は事務所ごとに異なるため、着手金・成功報酬の有無と金額を事前に確認しておきましょう。
事業承継・M&A補助金の対象者は?個人事業主も使える?
事業承継・M&A補助金の対象は、日本国内に拠点や居住地を置き、国内で事業を営む中小企業者・小規模事業者・個人事業主です。みなし大企業や、直近3年の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者は対象外です。
中小企業の規模要件は?
対象は中小企業基本法に準じた中小企業者等で、資本金・従業員数のいずれかを満たせば該当します。
| 業種 | 資本金・出資総額 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
ゴム製品製造業(一部を除く)は資本金3億円以下または従業員900人以下、ソフトウェア業・情報処理サービス業は資本金3億円以下または従業員300人以下、旅館業は資本金5,000万円以下または従業員200人以下という特例があります。
小規模事業者等の定義は、製造業その他が従業員20人以下、商業・サービス業が5人以下、宿泊業・娯楽業が20人以下です。
個人事業主でも申請できますか?
個人事業主も申請できます。専門家活用枠では、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出した日から5年が経過していることが要件です。申請時には直近3期分の確定申告書Bと青色申告決算書、開業届・青色申告承認申請書の写しが必要です。
従業員5人以下の商業・サービス業の個人事業主が事業を譲渡する場合は、補助上限450万円の小規模売り手支援類型も選べます。子どもや従業員への承継を予定しているなら事業承継促進枠が候補です。
対象外になるのはどんな事業者ですか?
規模要件を満たしていても、次に当てはまる場合は対象外です。
- 資本金または出資金5億円以上の法人に、直接・間接に100%の株式を保有される法人
- 確定している直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者
- みなし大企業(発行済株式の1/2以上を同一の大企業が所有している等)
- みなし同一法人(親会社が議決権50%超を持つ子会社等は、いずれか1社のみ申請可)
- 社会福祉法人、医療法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人、農事組合法人、組合、任意団体
すべての枠に共通する要件は?
支援枠を問わず、次の要件を満たす必要があります。
- 日本国内に拠点または居住地を置き、国内で事業を営んでいること
- 地域の雇用の維持・創出など、地域経済に貢献している(または予定である)こと
- 反社会的勢力ではなく、関係も持たないこと
- 法令遵守上の問題を抱えていないこと
- 補助事業完了後の事業化状況報告などを期限までに提出すること
- 経済産業省・中小機構から補助金交付等停止措置や指名停止措置を受けていないこと
16次公募の加点事由は?
専門家活用枠(買い手・売り手)の16次公募要領では、次の10項目のいずれかに該当すると加点されます。該当を証明する書類の提出が必要です。
- 「中小企業の会計に関する基本要領」または「指針」の適用を受けている
- 経営力向上計画の認定、経営革新計画の承認、先端設備等導入計画の認定を受けている
- 地域未来牽引企業である
- 小規模事業者等の定義に該当する
- (連携)事業継続力強化計画の認定を受けている
- えるぼし認定・くるみん認定などワーク・ライフ・バランスを推進している
- 健康経営優良法人である
- サイバーセキュリティお助け隊サービスを利用している
- 従業員1人当たり給与支給総額の上昇率2%以上の賃上げを表明している
- 米国の追加関税措置で大きな影響を受けている
小規模売り手支援類型では「小規模事業者等の定義に該当」が加点項目から外れ、9項目になります。サイバーセキュリティお助け隊サービスは必須要件ではなく加点事由です。
申請できないのはどんなケースですか?
次のケースは申請できません。特に「事前着手の禁止」は見落としの多いポイントです。
- 交付決定前に契約・発注に着手している
- グループ内の事業再編、親族間の承継に相当するM&A(専門家活用枠)
- 物品・不動産のみの売買、空き家や賃貸物件のみの売買
- 常時使用する従業員1名以上の引継ぎを伴わない事業譲渡
- 休眠会社や事業実態のない会社のM&A
- 国(独立行政法人等を含む)の他の補助金・助成金と重複する事業
- 過去の経営資源引継ぎ補助金・事業承継・引継ぎ補助金で事業化状況報告を提出しなかった者
事業承継・M&A補助金で補助対象になる経費は?
専門家活用枠の補助対象経費は、謝金・旅費・外注費・委託費・システム利用料・保険料と廃業費です。M&A仲介手数料・FA費用は、M&A支援機関登録制度に登録された業者を利用した場合に限り対象になります。事業承継促進枠とPMI推進枠の事業統合投資類型では、設備費なども対象です。
M&Aの専門家費用はどこまで補助されますか?
専門家活用枠で委託費として認められる主な費用は次のとおりです。
| 費用の種類 | 支払先 |
|---|---|
| 着手金・マーケティング費用・リテーナー費用 | FA・仲介業者 |
| 基本合意時報酬・成功報酬 | FA・仲介業者 |
| 価値算定費用 | FA・仲介業者・各専門家 |
| デュー・ディリジェンス費用 | 各専門家 |
| 契約書の作成・レビュー、クロージング手続き費用 | 弁護士 |
| 不動産売買・定款変更等の登記費用 | 司法書士 |
| 許認可等の申請費用 | 行政書士 |
| 労務関連の手続き費用 | 社会保険労務士 |
| セカンドオピニオン費用 | M&A支援機関 |
DD費用は補助額ベースで200万円以内で申請します。有資格者による財務・税務・法務DDなどを複数行う場合は、DD1種につき補助額ベースで200万円までの費用が認められることがあります。
廃業費として対象になるのは?
- 廃業支援費(解散登記・清算結了登記等の申請資料作成を司法書士に依頼した費用)
- 在庫廃棄費(売却して対価を得る場合の処分費は対象外)
- 解体費・原状回復費
- リースの解約費(ファイナンスリース取引の解約金・違約金は対象外)
- 土壌汚染調査費(土壌汚染対策工事の費用は対象外)
- 移転・移設費用
補助対象外になる経費は?
- 消費税・地方消費税
- 振込手数料、為替差損
- 実績報告書の作成費用、確定検査を受けるための費用
- 本補助金の申請書類作成代行費用(行政書士への委任費用を含む)
- FA・仲介契約締結前のコンサル費用、バリューアップのためのコンサル費用
- クロージング後のPMI費用(専門家活用枠の場合)
- 日当・食卓料、タクシー代・ガソリン代・高速道路料金、グリーン車等の特別料金
支払いは補助事業者名義の口座からの銀行振込、またはクレジットカード1回払いに限られます。現金、手形・小切手、仮想通貨、PayPay・Suica等のキャッシュレス決済は対象外です。
経費の計上で守るべきルールは?
- 相見積もり:1件50万円以上(税抜)は原則2者以上から見積もりを取得。外注費・委託費・システム利用料・保険料は50万円未満でも原則必要
- 最低価格の選定:相見積もりの中で最低価格の者を選ぶ
- 交付決定後の契約・発注:交付決定通知を受けてから契約・発注する
- 期間内の支払い完了:見積・発注・納品・検収・請求・支払いをすべて補助事業期間内に終える
FA・仲介費用は、レーマン表で算出される報酬総額以下であれば相見積もりが不要になる例外があります。その場合も関与専門家選定理由書の整備と、選定先1社からの見積もり取得は必須です。
事業承継・M&A補助金の申請方法と流れは?
事業承継・M&A補助金の申請はjGrants(Jグランツ)による電子申請のみです。申請から入金までは「公募申請→採択→交付申請→交付決定→事業実施→実績報告→入金」の順に進みます。有償で申請書類の作成を代行できるのは行政書士(行政書士法人)に限られます。
申請から入金までの手順は?
- 公募申請:jGrantsで電子申請(16次は2026年10月2日〜11月6日17:00)
- 採択結果の通知:2026年12月下旬以降 順次(予定)
- 交付申請:採択後に必要書類を提出(2027年1月上旬〜)
- 交付決定:交付決定通知を受領(2027年1月下旬以降 順次予定)
- 事業実施:交付決定日〜2028年3月中旬(予定)
- 実績報告・確定検査:2027年6月上旬〜2028年3月下旬(予定)
- 補助金の交付(入金):2027年10月上旬以降 順次(予定)
補助事業に着手できるのは、交付決定通知を受け取った後です。
申請前に準備しておくことは?
- GビズIDプライムの取得:発行に1〜2週間、混雑時は3週間程度。印鑑証明書(発行から3か月以内)が必要
- M&A支援機関登録制度の確認:利用予定の仲介・FAが登録業者か確認する
- 決算書等の準備:履歴事項全部証明書(3か月以内)、直近3期分の決算書、代表者の住民票など
- 加点書類の準備:経営力向上計画の認定書、健康経営優良法人の認定証、賃上げ計画の誓約書など
jGrantsでの申請手順は?
- GビズIDプライムでjGrantsにログインする
- 「事業承継・M&A補助金」の申請フォームを選ぶ(公募回・支援枠を間違えない)
- 事業者情報・事業計画・経費明細などを入力する
- 必要書類をPDFでアップロードする(パスワードは設定しない)
- 記載漏れ・添付漏れがないかセルフチェックする
- 提出処理を行い、提出完了を確認する
主な必要書類は?
専門家活用枠で申請する場合の主な書類は次のとおりです。枠・類型によって追加書類があります。
- 法人:履歴事項全部証明書(申請日以前3か月以内)、直近3期分の決算書
- 代表者:住民票(申請日以前3か月以内、マイナンバーは墨消し)
- 個人事業主:住民票、直近3期分の確定申告書B・青色申告決算書、開業届・青色申告承認申請書の写し
- 売り手支援類型:常時使用する従業員1名の労働条件通知書
- 加点用:賃金引上げ計画の誓約書、従業員への表明書、各種認定書など
採択される事業計画書の書き方は?
16次公募要領では、買い手支援類型は「買収の目的・必要性」「買収による効果・地域経済への影響」「成長の見込み」「財務内容の健全性」、売り手支援類型は「譲渡の目的・必要性」「譲渡による効果・地域経済への影響」が審査の着眼点です。
- M&A・承継の必要性を自社の経営課題に結びつけて書く
- 域内仕入・域外販売・地域の雇用維持など、地域経済への貢献を具体的に書く
- 売上高・付加価値額・労働生産性の3〜5年の数値目標と根拠を示す
- 買い手支援類型では、シナジーによる生産性向上を定量的に示す
- 該当する加点事由は証明書類とセットで漏れなく提出する
「売上を倍増させます」だけでは不十分です。「年商3億円が、M&A後の取引拡大で1年目4.2億円、3年目6億円になる根拠は〇〇」というレベルまで具体化しましょう。
行政書士(行政書士法人)でない者が有償で申請書類を作成すると、行政書士法違反になる可能性があります。交付決定後に判明した場合は交付決定の取消となることがあります。行政書士に委任する場合は、行政書士証票の写しと委任契約書の写しを提出します。
事業承継・M&A補助金の採択率は?採択されるコツ
最新の15次公募の採択率は約61.3%(申請551件・採択338件)で、11次以降はおおむね60〜61%で推移しています。約4割は不採択になるため、加点事由の活用と事業計画書の質が採否を分けます。
11次〜15次の申請件数・採択件数の推移は次のグラフのとおりです。申請件数は回によって増減していますが、採択率はほぼ一定です。
15次公募の枠別の採択結果は?
2026年9月11日に公表された15次公募の枠別の結果は以下のとおりです(採択率は申請・採択件数から算出)。
| 支援枠 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 190件 | 115件 | 約60.5% |
| 専門家活用枠 | 312件 | 194件 | 約62.2% |
| PMI推進枠 | 47件 | 28件 | 約59.6% |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 2件 | 1件 | 50.0% |
| 合計 | 551件 | 338件 | 約61.3% |
申請の半数以上を専門家活用枠が占めており、M&Aの仲介手数料・FA費用の補助へのニーズが最も大きいことがわかります。
採択率を上げるにはどうすればよいですか?
採択率を上げるポイントは次の4つです。
- 加点事由を最大限活用する:経営力向上計画・事業継続力強化計画の認定、健康経営優良法人、お助け隊サービスは申請前から準備すれば取得を狙える
- 地域経済への貢献を数値で示す:雇用の維持・創出、域内仕入、域外販売、地域の強みの活用など
- 不採択・減額のパターンを避ける:根拠のない数値計画、事前着手の疑い、相見積もりの不備、現金払いなどの支払方法の不備
- 身近な相談先を使う:事業承継・引継ぎ支援センター、中小機構地域本部、商工会・商工会議所、取引金融機関、中小企業診断士・税理士
賃上げ加点は未達時のペナルティが重いため、確実に達成できる場合だけ選びましょう。事務局は不採択理由の問い合わせには応じませんが、審査の着眼点をもとに計画を練り直して次回公募に再挑戦することはできます。
事業承継税制は見直される?補助金とあわせて知っておきたいこと
事業承継税制(非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予・免除の特例措置)は、2027年12月31日が適用期限の時限措置です。経済産業省は令和9年度税制改正要望で「事業承継税制の抜本見直し」を求めており、期限後の制度のあり方が議論されています。
事業承継・M&A補助金が承継にかかる設備投資や専門家費用を支援するのに対し、事業承継税制は株式を引き継ぐ際の相続税・贈与税の負担を軽くする制度です。目的が異なるため、親族内承継では両方の活用を検討するのが一般的です。
・法人版:特例承継計画の提出期限は2027年9月30日、適用期限は2027年12月31日
・個人版:個人事業承継計画の提出期限は2028年9月30日、適用期限は2028年12月31日
・令和9年度要望:2018年創設の10年間の時限措置の期限が近づくことを受け、「稼ぐ力」の強化に取り組む中小企業を後押しする制度への抜本見直しを要望
提出期限や要件の詳細、改正の最新動向は、事業承継税制の解説記事で確認してください。
自治体の事業承継補助金も使えますか?
国の事業承継・M&A補助金とは別に、都道府県や市区町村が独自の事業承継補助金・助成金を設けている場合があります。東京都では、事業承継にかかる専門家費用や承継後の設備投資、M&Aマッチングを支援する制度が実施されています。
国と自治体の制度で同じ経費を重複して補助することは、多くの場合認められていません。対象経費を分けて使えるかどうかは、それぞれの公募要領・要綱で確認してください。
事業承継・M&A補助金に関するよくある質問
事業承継・M&A補助金の16次公募の締切はいつですか?
16次公募の申請受付期間は2026年10月2日(金)から11月6日(金)17:00までです。締切を過ぎた申請は一切受け付けられません。申請にはGビズIDプライムが必須で、発行には1〜2週間、混雑時は3週間程度かかります。
事業承継・M&A補助金の17次公募はありますか?
2026年10月28日時点で、17次公募の実施や日程は発表されていません。これまでは年に複数回公募されており、公募要領は受付開始の約1か月前に開示されてきました。最新情報は事務局サイトで確認してください。
事業承継・M&A補助金の採択率はどのくらいですか?
最新の15次公募の採択率は約61.3%(申請551件・採択338件)です。11次以降の採択率は約60.7%〜61.3%で推移しており、申請者の約4割は不採択になっています。
事業承継・M&A補助金は最大いくらもらえますか?
最大2,000万円です(専門家活用枠 買い手支援類型の100億企業特例)。通常の上限は枠・類型により150万円〜800万円で、事業承継促進枠とPMI推進枠の事業統合投資類型は賃上げ3%以上で1,000万円、廃業費を併用すると最大300万円が上乗せされます。
M&Aの仲介手数料の相場はいくらですか?
M&A仲介・FAの報酬は、譲渡額などに料率を掛けるレーマン方式が一般的です。中小M&Aガイドライン(第2版)の概要資料では、5億円以下の部分5%、5億円超〜10億円以下4%、10億円超〜50億円以下3%、50億円超〜100億円以下2%、100億円超1%という料率例が示されています。最低手数料が設定されていることも多いため、契約前に必ず確認してください。
個人事業主でも事業承継・M&A補助金は申請できますか?
申請できます。専門家活用枠では、開業届と青色申告承認申請書を提出した日から5年が経過していることが要件です。従業員5人以下の商業・サービス業なら、補助上限450万円の小規模売り手支援類型も選べます。
M&Aの相手が決まっていなくても申請できますか?
専門家活用枠は、補助事業期間内に相手方との基本合意書または最終契約書を締結する見込みがあれば申請できます。PMI推進枠は、公募申請受付終了時点でクロージング日から3年以内の取組が対象のため、成約済みであることが前提です。
親族内の事業承継にも使えますか?
親族内承継や従業員承継を5年以内に予定している事業者は、事業承継促進枠で承継を機にした設備投資等に最大800万円(賃上げ要件を満たすと1,000万円)の補助を受けられます。一方、専門家活用枠では親族間の承継に相当する取引は原則対象外です。
「事業承継・引継ぎ補助金」とは別の制度ですか?
同じ流れをくむ制度です。1次〜10次公募は「事業承継・引継ぎ補助金」として実施され、11次公募から「事業承継・M&A補助金」に名称が変わりました。2026年に申請できるのは事業承継・M&A補助金です。
他の補助金と併用できますか?
同一または類似の事業で、国(独立行政法人等を含む)の他の補助金と重複する事業は対象になりません。対象経費が明確に異なれば、たとえばM&Aの仲介手数料は事業承継・M&A補助金、新事業の設備投資は別の補助金と使い分けることは考えられます。
申請から入金までどれくらいかかりますか?
16次公募では、2026年10月2日に受付が始まり、補助金の交付手続きは2027年10月上旬以降の予定です。申請から入金まで約1年かかり、事業期間中は自己資金での立て替えが必要です。
補助金は課税対象になりますか?
公募要領では、補助金は交付を受けた事業年度の収益として計上し、法人税等の課税対象になるとされています。固定資産の取得に充てた補助金は、圧縮記帳で課税を繰り延べられる場合があります。具体的な処理は税理士に相談してください。
M&A支援機関登録制度に登録されていない業者を使うとどうなりますか?
未登録の仲介業者・FAに支払った手数料は補助対象外です。登録の有無は交付決定時に確認されるため、M&A支援機関登録制度のサイトで事前に確認してください。DD業務のみを行う士業等の専門家は登録制度の対象外です。
複数の枠を同時に申請できますか?
組み合わせによります。買い手支援類型とPMI専門家活用類型は同一公募回で同時申請でき、廃業・再チャレンジ枠は他の3枠と併用できます。小規模売り手支援類型と売り手支援類型、100億企業特例と通常の買い手支援類型、事業統合投資類型と買い手支援類型・PMI専門家活用類型(単独)は同一公募回で申請できません。
まとめ|事業承継・M&A補助金16次公募は11月6日締切
事業承継・M&A補助金の16次公募は、2026年11月6日(金)17:00まで申請を受け付けています。4つの支援枠と100億企業特例を組み合わせれば最大2,000万円の補助を受けられ、M&Aの仲介手数料も最大2/3まで補助されます。
最新の15次公募の採択率は約61.3%です。加点事由の取りこぼし、地域経済への貢献の記述不足、相見積もりや支払方法の不備は、不採択や減額につながります。交付決定前の契約・発注は補助対象外になるため、タイミングにも注意してください。
・16次公募の締切は2026年11月6日(金)17:00、補助上限は最大2,000万円
・4つの支援枠+小規模売り手支援類型(450万円)で、承継・M&A・統合・廃業の各段階に対応
・15次の採択率は約61.3%。17次公募は10月28日時点で未発表のため、GビズIDなどの準備を前倒しで
申請を検討している方は、補助金ポータルの無料相談で、自社に合う支援枠の選び方や事業計画書の作成について相談してみてください。
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