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経済産業省の令和8年度概算要求まとめ!省エネ・再エネ・賃上げ補助金の予算は?

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令和8年度の経済産業省概算要求が、8月29日に公表されました。今年度の要求では、GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)といった成長分野への戦略的投資をはじめ、中小企業の賃上げ支援、エネルギー安全保障の強化など、社会・経済の構造転換を見据えた取り組みが示されています。本記事では、経済産業省が掲げる主要な政策の方向性と重点分野を、わかりやすく解説します。

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この記事の目次

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経済産業省 令和8年度概算要求額

令和8年度の概算要求は総額2兆444億円で、令和7年度当初予算よりもおよそ2割多い金額となりました。中でもエネルギー対策特別会計のGX推進対策費は7,671億円にのぼり、前年度比約52%の大幅な拡充が図られています。あわせて、一般会計の要求額は4,285億円で、そのうち中小企業対策費には1,378億円が充てられています。

出典:令和8年度 経済産業省関係 概算要求等概要

なお、以下の項目は、金額を示さない「事項要求」として予算編成過程で検討します。

  • 産業競争力強化・経済成長及び排出削減の効果が高い GX の促進
  • AI・半導体分野における量産投資や研究開発支援等の重点的投資支援
  • 米国関税・物価高騰等による影響を踏まえた、中小企業・小規模事業者等に対する機動的な金融支援や、賃金向上、生産性向上及び成長の強力な下支え
  • 大阪・関西万博の会場整備に関する施策
  • 経済安全保障の確立に向けた経済インテリジェンス機能の強化
  • 福島復興の着実な実施

経済産業省 令和8年度概算要求の2つの柱

経済産業省は令和8年度、以下の2つの柱を中心に政策を展開します。1つは、2040年に向けた持続的成長を目指す戦略的投資と構造改革。もう1つは、災害や国際リスクに備えるための経済社会の安定化です。

2040年GDP1,000兆円を目指す成長戦略・構造改革

1.新たな付加価値を生む成長投資促進のための構造改革
【要求額:9,584億円(令和7年度:7,011億円)】

(1)高付加価値な成長投資の促進
GX、DXをはじめ、量子、宇宙、バイオ、医療、健康、コンテンツなど、次世代の成長産業への投資を重点的に支援します。

(2)持続的なイノベーション創出に向けたエコシステム形成
イノベーションが連続的に生まれる環境を整備するため、ディープテック・スタートアップの支援や、「人への投資」などを通じて、成長の土台づくりを進めます。
2.好循環を生み出す「賃上げ」の定着と中堅・中小企業の成長促進・地方創生による国民所得の拡大【要求額:1,761億円(令和7年度:1,437億円)】

(1)中堅・中小企業の賃上げと成長力強化
生産性向上に資する設備投資や業務改善、適正な取引慣行の推進、事業承継やM&Aの促進、資金繰り支援などを通じて、賃上げを可能とする経営基盤の強化を図ります。

(2)地域経済の持続可能な成長
地域ごとの産業の立地促進や、自治体・企業・住民が連携する「ローカル経済圏」の形成を通じ、地方創生の加速を目指します。
3.不確実なグローバル環境と交易条件の悪化に対応するための強靭な経済基盤の構築
【要求額:1兆4,243億円(令和7年度:1兆275億円)】

(1)エネルギー需給構造の転換
エネルギー価格変動の影響を抑えるため、再生可能エネルギーや原子力、省エネ設備の導入支援などを通じて、強靱なエネルギー供給体制への転換を進めます。

(2)経済安全保障の確立・強化
シナリオ分析やサプライチェーン・技術分析などの経済インテリジェンス機能を強化し、国際的リスクへの対応力を高めます。また、サイバー攻撃への対処支援や、中小企業を含むサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策を推進します。

(3)国際環境の変化に対応した事業環境整備
グローバルサウスや同志国との連携を強め、経済外交や国際ルールづくりを進めます。あわせて、米国の関税動向にも配慮しながら、成長が見込まれる中堅・中小企業の輸出拡大を支援します。

【国際情勢の変化に対応する中小企業支援の強化】
米国の関税措置(いわゆる“トランプ関税”)をはじめとした国際的な貿易環境の変化に対応するため、支援策を拡充しています。日本貿易振興機構(JETRO)の運営費として302億円(前年度比約15%増)を計上し、海外展開や関税影響に悩む企業の支援を強化します。さらに、海外市場への販路拡大やパートナー紹介を行う「海外ビジネス・強化促進事業費」には、前年比約50%増となる42億円を充てています。

経済社会の基盤を支える最重要課題

要求額:990億円(令和7年度:745億円)

福島の復興や能登半島地震からの復旧・復興支援、産業・社会インフラのレジリエンス(回復力)向上など、国家としての基盤整備を進める施策が含まれます。

全体を通じて、経済産業省は「成長の実現」と「基盤の安定」を両立させる方針を打ち出しており、それぞれの取り組みが連動することで、将来に向けた強靱な経済社会の構築を目指しています。

次に、成長戦略に関連して、どのような補助事業や支援策が計画されているのかを把握しましょう。主な取り組みと、それぞれに計上された予算額は以下のとおりです。
※()内は令和7年度当初予算額

高付加価値な成長投資の促進(GX分野)

GX(グリーントランスフォーメーション)の推進に向けて、省エネ設備の導入やクリーンエネルギー車の普及、再エネ導入を後押しする各種補助制度が拡充されます。GX分野における市場形成を加速させることが目的です。

施策名 要求額
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(後述) 【1,810億円
(760億円)】
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金 【550億円】
再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業 【472億円
(150億円)】
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金 【1,050億円】

省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金


企業の省エネ設備への更新や、脱炭素に向けたエネルギー構造の転換を支援する補助金制度です。令和8年度の概算要求額は1,810億円で、2050年カーボンニュートラルや2030年度の省エネ目標の実現に向けた中核的な制度とされています。

【支援内容と補助率・上限額】

類型概要補助率上限額
工場・事業場型省エネ性能の高い先進設備の導入、用途に応じたオーダーメイド設備の導入など中小:1/2以内(最大2/3)
大企業:1/3以内(最大1/2)
15億円(非化石転換設備は20億円)
電化・脱炭素燃転型化石燃料から電気・低炭素燃料へ転換するための設備導入1/2以内3億円(電化の場合は5億円)
エネルギー需要最適化型エネルギーマネジメントシステム(EMS)を活用した省エネとエネルギー需要の最適化中小:1/2以内
大企業:1/3以内
1億円

令和6年度補正予算にて実施中の現行制度と上記を比べると、補助率・上限額等に変更はないようです。

【公募期間】
参考までに、2025年(令和7年)度の公募スケジュールは以下のとおりです。

第1次公募:2025年3月31日 ~ 4月28日
第2次公募:2025年6月2日 ~ 7月10日
第3次公募(単年度事業):2025年8月13日 ~ 10月31日
第3次公募(複数年度事業):2025年8月13日 ~ 2026年1月31日

これらのスケジュールはあくまで今年度の事例ですが、令和8年度の実施を見据える際の参考になります。今後の制度継続があった場合も、春・夏・秋にかけて複数回の募集が行われる可能性があるため、動向を注視しておくとよいでしょう。

中堅・中小企業の賃上げと成長力強化

中堅・中小企業に対し、省力化投資や価格転嫁支援を通じて、生産性の向上と持続的な賃上げを支援します。

■中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
【60億円(前年度8.7億円)※R5・R6補正で約6,000億円の関連措置あり】

省力化や自動化への設備投資を支援し、賃上げにつなげる補助金です。

【公募期間】
2025年(令和7年)度の公募スケジュールは以下のとおりです。

3次公募:2025年3月10日 ~ 4月28日
4次公募:2025年7月7日 ~ 8月8日

エネルギー価格変動に強いエネルギー構造への転換

燃料価格の変動に左右されにくいエネルギー構造を目指し、分散型エネルギーや省エネ設備の導入を支援する事業が予定されています。

施策名要求額
省エネルギー投資促進支援事業費補助金【175億円
(90億円)】
中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【40億円
(6.1億円)】
再生可能エネルギー導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業【85億円
(11億円)】

「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は、工場や事業場における省エネ性の高い設備への更新を支援する制度です。ユーティリティ設備や生産設備を対象に、更新費用の1/3以内(上限1億円)を補助します。

【公募期間】
2025年(令和7年)度の公募スケジュールは以下のとおりです。

第1次公募:2025年3月31日 ~ 4月28日
第2次公募:2025年6月2日 ~ 7月10日
第3次公募:2025年8月13日 ~ 9月24日

税制面での支援策も進行中

補助金制度に加え、経済産業省は令和8年度の税制改正に向けて、「大胆な投資促進税制」の創設を要望しています。

大胆な投資促進税制とは

「大胆な投資促進税制」は、企業が国内で行う設備投資を促す新たな税制措置で、5年間を集中投資期間として設定し、法人税負担の軽減を図る仕組みです。

主な内容は以下の通りです。

  • 税額控除の拡充: 投資額の一定割合を法人税から控除。製造機械やソフトウェア、建屋なども対象となる見込み
  • 即時償却の導入: 初年度に全額を経費計上できるため、減価償却期間を待たずに課税所得を圧縮可能

なお、本税制はあくまで要望段階にあり、今後の税制改正大綱や国会での審議を経て正式に創設される見込みです。動向に注目しつつ、制度化された際には補助金とあわせた活用を検討するとよいでしょう。

大胆な投資促進税制とは?2026年度(令和8年度)税制改正で創設

まとめ

令和8年度の経済産業省概算要求では、GXやDX分野への投資拡充に加え、中小企業支援やエネルギー安全保障強化といった社会・経済構造の転換を意識した施策が盛り込まれました。要求額は前年度を上回り、省エネ設備導入や賃上げ促進などの補助制度にも重点が置かれています。今後の補正予算や制度の詳細にも注目が集まります。

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