こども家庭庁が、令和8年度予算概算要求を発表しました。総額は過去最大の7兆4,229億円で、前年度から959億円の大幅増額となっています。5つの重点テーマを軸に、若年世代の支援強化や保育の質向上、こども性暴力防止法への対応など、多様な施策が盛り込まれています。
今回は、令和8年度 概算要求こども家庭庁の概要やポイントをまとめました。
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この記事の目次
令和8年度予算概算要求額
こども家庭庁の予算概算要求は、以下のようになりました。
| ■一般会計 4兆3,082億円(前年度比+715億円) ■子ども・子育て支援特別会計 3兆1,147億円(前年度比+244億円) 合計 7兆4,229億円(前年度比+959億円) |

出典:こども家庭庁
なお幼児教育・保育の支援や物価高対策、こども性暴力防止法の施行への対応等については、予算編成過程で検討されます。
こども家庭庁予算「7.4兆円は無駄?」という声
令和8年度概算要求(7兆4,229億円)について、SNS上では「無駄ではないか」「廃止して現金給付に回すべきだ」といった意見が一部で見られます。しかし、こども家庭庁が扱う予算の約8割は、保育所の運営費や児童手当など、すでに全国で提供されている基礎的な公的サービスに使われています。これらは毎年必ず必要となる費用であり、廃止すれば保育所の維持や子育て家庭への給付そのものが成り立たなくなります。
7.4兆円という金額は新規事業だけを積み上げたものではなく、多くが「生活や子育てを支えるために不可欠な支出」で構成されている点を押さえておくことが大切です。
主要施策
こども家庭庁では、特に以下のものを主要施策に位置付けています。| ■自営業・農家・パート・フリーランス等への育児期間の支援の拡充 152億円 |
| 自営業・フリーランス等の国民年金第1号被保険者は、所得制限・休業要件なしで、こどもが1歳になるまで国民年金保険料免除 |
| ■プレコンセプションケアの普及等に向けた取組の強化 21億円の内数 |
| 性と健康の管理の推進や妊娠・出産に関する希望の実現をこども政策の主要テーマと位置づけ、以下の4つの新規・拡充事業を要求 ・プレコンセプションケアの普及 ・思春期における健康相談 ・不妊治療等のアクセス支援 ・卵子凍結モデル事業による環境整備 |
| ■思春期健康相談体制の整備 6億円の内数 |
| 「プレコンセプションケアの普及」のうち、特に思春期健康相談体制の整備として、思春期のこども健康相談できる環境をつくる事業の立ち上げを要求 |
| ■不妊治療等のアクセス支援 4億円 |
| ・住んでいる場所にかかわらず、安心して不妊治療等が受けられるよう、交通費等の補助の創設を要求 |
| ■卵子凍結モデル事業による環境整備 10億円 |
| ・卵子凍結の環境整備を開始 |
| ■こども誰でも通園制度の本格実施 事項要求 |
| ・こどもの育ちを応援し、子育て家庭に対して多様な働き方やライフスタイルに対応した支援を強化するための給付を実施 |
| ■ショートステイ・トワイライトステイ強化モデル事業の創設 1億円 |
| ・ショートステイ・トワイライトステイについて、新たな受皿の確保や多様な児童を受け入れる体制強化等を行うモデルを創出・展開 |
| ■こども性暴力防止法等の円滑な施行 31億円+事項要求 |
| ・こども性暴力防止法を円滑に施行し、こどもを性暴力等から守るという社会全体の機運を醸成 |
| ■ひとり親家庭への支援の強化 母子家庭等対策総合支援事業費補助金 196億円の内数 |
| ・ひとり親家庭が困難から脱出するために必要な、「相談・こども・収入」の大幅強化を要求 |
不妊治療から子どもの居場所確保、一人親の支援まで、幅広い社会的ニーズに対応した施策が盛り込まれています。
中心となる5つのテーマ
令和8年度のこども家庭庁概算要求では、令和5年12月22日に閣議決定された「こども未来戦略」等に基づき、人口動態・社会経済の変化や、こども政策を巡る自治体間の施策実施や財政状況の違い等も見据えた施策が盛り込まれました。具体的には、以下の5つを柱としています。
| ■こどもまんなか社会の基盤構築 14億円 ■若年世代が安心して希望する将来設計を追求できる社会の構築 4兆1,338億円+事項要求 ■未来を担うこどもたちのための保育の質の向上等 1兆9,221億円+事項要求 ■地域ぐるみの包括的なこども・若者支援システムの構築 1兆13億円+事項要求 ■人口動態・社会経済の変化を踏まえた持続的なこども施策の提供体制の構築 511億円+事項要求 |
それぞれの主な事業や、予算額をまとめました。
こどもまんなか社会の基盤構築
- 「こどもまんなか」に向けた民間企業の取組支援と環境整備 6億円(新規)
- こども・若者の意見反映の推進 2億円(拡充)
- こども基本法・児童の権利に関する条約の普及啓発事業 3,000万円
- EBPM推進体制の強化 1,000万円(新規)
こどもや若者世代が暮らしやすい社会の構築に向けた施策が盛り込まれています。
若年世代が安心して希望する将来設計を追求できる社会の構築
- 若年世代に関する総合的な調査 5,000万円(新規)
- 国連人口基金(UNFPA)拠出金(少子化に関する国際調査分担金) 1,000万円(新規)
- 妊婦健診の公費負担額の格差是正のための調整事業 500万円(新規)
若者世代が仕事と子育てを両立し、希望通りのライフプランを達成できるよう、支援されます。
未来を担うこどもたちのための保育の質の向上等
- 乳児等のための支援給付交付金(こども誰でも通園制度) 事項要求(新規)
- こどもの居場所づくり支援体制強化事業 4億円(新規)
- 認可外保育施設改修費等支援事業 555億円の内数
- 保育環境改善等事業 555億円の内数
こどもの安全はもちろん、それを守る保育士の処遇や、保育施設の充実が目指されます。
地域ぐるみの包括的なこども・若者支援システムの構築
- 「1か月児」及び「5歳児」健康診査支援事業 8億円(新規)
- こども家庭センター設置・機能強化促進事業 1億1,000万円(新規)
- ひとり親家庭等のこどもの食事等支援事業 15億円(新規)
- こどもの居場所づくり支援体制強化事業 4億円(新規)
- こどもの自殺対策の推進 2億4,000万円
妊産婦に対するケアや、支援が必要なこどもへの対策が盛り込まれています。また、自殺対策として、ひとり親や医療的ケア児等の親への支援も掲げられました。
人口動態・社会経済の変化を踏まえた持続的なこども施策の提供体制の構築
- 次世代育成支援対策施設整備交付金 67億円
- 子ども・子育て支援システム改修支援事業 555億円の内数(新規)
- 母子保健デジタル化等実証事業 11億円(新規)
そのほか、DXによる利便性向上・現場の負担軽減事業も取り上げられました。
まとめ
令和8年度のこども家庭庁概算要求は、幅広い分野での施策拡充が図られました。こどもや若者世代が安心して暮らせる社会の構築は、すべての人にとって、重要な課題のひとつです。地域や企業が国と連携し、取りこぼしのない取組が求められます。
来年度の予算概要を確認し、来年度の社会の動きやニーズを追っていきましょう。
令和8年度の概算要求で示された施策は、「異次元の少子化対策」として掲げられたこども未来戦略に基づいています。少子化対策の全体像や、支援策の方向性について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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