2024年度国土交通省補正予算案には、11月22日に閣議決定された「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」の内容が反映されました。地方経済の成長や賃上げのほか、物価高の克服を目指す施策も盛り込まれています。
今回は国土交通省補正予算案を、中小企業支援やDX化などの施策を中心にまとめました。
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この記事の目次
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2024年度 国土交通省補正予算案のポイント
今回の予算案では、3つの柱が示されました。各内容と主な施策は、以下のとおりです。(予算額は、公共事業関係費と非公共事業費の合計です)
①日本経済・地方経済の成長 ~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~ 3395億円
■賃上げ環境の整備 ~足元の賃上げに向けて~ 239億円
・持続的、構造的賃上げに向けた価格転嫁等の取引適正化の推進
・人への投資の促進及び多様な人材が安心して働ける環境の整備
■新たな地方創生施策(「地方創生2.0」)の展開 ~全国津々浦々の賃金・所得の増加に向けて~ 2595億円
・地域の生活環境を支える基幹産業等の活性化
・2027年国際園芸博覧会の開催に向けた取組の推進
■「投資立国」及び「資産運用立国」の実現 ~将来の賃金・所得の増加に向けて~ 560億円
・潜在成長率を高める国内投資の拡大
・イノベーションを牽引するスタートアップへの支援
②物価高の克服 ~誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける~ 2250億円
■エネルギーコスト上昇に強い経済社会の実現 2250億円
➂国民の安心・安全の確保 ~成長型経済への移行の礎を築く~ 1兆6833億円
■自然災害からの復旧・復興 3925億円
■防災・減災及び国土強靱化の推進 1兆1963億円
■外交・安全保障環境の変化への対応 902億円
■「誰一人取り残されない社会」の実現 42億円
・こども・子育て支援の推進
・困難に直面する者・世帯への支援等による安心・安全の確保
■賃上げ環境の整備 ~足元の賃上げに向けて~ 239億円
・持続的、構造的賃上げに向けた価格転嫁等の取引適正化の推進
・人への投資の促進及び多様な人材が安心して働ける環境の整備
■新たな地方創生施策(「地方創生2.0」)の展開 ~全国津々浦々の賃金・所得の増加に向けて~ 2595億円
・地域の生活環境を支える基幹産業等の活性化
・2027年国際園芸博覧会の開催に向けた取組の推進
■「投資立国」及び「資産運用立国」の実現 ~将来の賃金・所得の増加に向けて~ 560億円
・潜在成長率を高める国内投資の拡大
・イノベーションを牽引するスタートアップへの支援
②物価高の克服 ~誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける~ 2250億円
■エネルギーコスト上昇に強い経済社会の実現 2250億円
➂国民の安心・安全の確保 ~成長型経済への移行の礎を築く~ 1兆6833億円
■自然災害からの復旧・復興 3925億円
■防災・減災及び国土強靱化の推進 1兆1963億円
■外交・安全保障環境の変化への対応 902億円
■「誰一人取り残されない社会」の実現 42億円
・こども・子育て支援の推進
・困難に直面する者・世帯への支援等による安心・安全の確保
「防災・減災及び国土強靱化の推進」に最も多くの予算が組まれたほか、石破首相が力を入れる地域活性化に関する施策が多く盛り込まれました。
2024年度 国土交通省補正予算で実施される施策とは?
それでは、具体的な施策を見ていきましょう。主な施策の概要と、予算額をまとめました。
建設産業・不動産業の生産性向上のための市場環境整備等 9億2000万円 |
建設業の担い手確保に向けて取引適正化・処遇改善を推進するとともに、ICTの活用等による災害対応力の強化・生産性向上を支援します。また不動産流通市場の活性化を図るため、以下の取組を推進します。 |
・不動産取引契約へのデジタル技術の導入 ・中小ビルのESG改修促進 ・空き家の利活用に係るビジネスモデルの構築 |
地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化 300億円 |
地域の「稼ぐ力」の強化を図るため、以下の取組を計画的・継続的に支援します。 |
・宿泊施設、観光施設等の改修 ・廃屋撤去 ・面的DX化 など |
地方誘客促進によるインバウンド拡大 80億円 |
地域資源を活用した特別な体験などの観光コンテンツの造成や高付加価値なインバウンド観光地づくりを支援するとともに、海外への積極的な情報発信を実施します。地方誘客促進や、訪日外国人旅行者の1人あたりの消費額増加が目的です。 |
「交通空白」の解消等に向けた地域交通のリ・デザインの全面展開 363億円 |
地方創生の基盤である地域交通の「リ・デザイン」を全国的に展開するため、以下の取組等を支援します。 |
・多様な関係者の連携・協働による「地域の足」「観光の足」確保 ・MaaSやキャッシュレス化 ・交通DX・GXによる省力化や人材確保の取組 ・自動運転の社会実装の推進 ・ローカル鉄道再構築 など |
運輸業、海運業等における人材確保・育成等 12億7200万円 |
自動車運送業における人材確保のため外国人材の受入環境の整備等を推進するほか、商用電動車のさらなる普及促進を目指してバッテリー再利用実証事業等を実施します。 また船員の安定的・効果的な確保・育成を推進するため、養成機関における訓練に必要な練習船や学校の機能向上等を実施します。 |
まちづくりのデジタル化を含むスマートシティの推進 2000万円 |
まちづくりに関する情報収集・提供を改善するため、デジタル技術を活用した人流動向分析などの先進的な都市サービスの実装に取り組む実証事業等を支援します。 |
防災やEBPM・産業創出に資する「建築・都市のDX」の加速化 15億5800万円 |
「建築・都市のDX」の推進により、防災の高度化やEBPMに基づくまちづくり、オープンイノベーションによる新サービス・産業創出を図るため、以下の導入・整備を加速します。 |
・地理空間情報 ・建築BIM ・PLATEAU ・不動産ID |
インフラ、交通、物流等の分野におけるGXの推進 214億6800万円 |
脱炭素化や食料安全保障の強化を図るため、以下の施策を実施します。 |
・下水汚泥資源を活用した創エネや肥料利用に必要な施設整備等の支援 ・カーボンニュートラルポートの形成 ・道路施設の省エネ・再エネの活用 など |
省エネ性能の高い住宅に対する支援 2250億円 |
2050 年カーボンニュートラルの実現に向け、以下の支援等を実施します。 |
・エネルギー価格などの物価高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯などに対して、「ZEH水準を大きく上回る省エネ住宅」(新築住宅)の導入支援 ・2030年度までの「新築住宅のZEH基準の水準の省エネルギー性能確保」の義務化に向けた支援 ・既存住宅について、省エネ改修等支援(持家・借家問わず対象) |
まとめ
今回の補正予算案には、防災・減災対策を筆頭に、国民の生活や暮らしの安全・持続可能性に直結した施策が盛り込まれました。特に国土強靱化推進には1兆以上の予算が配分され、安全な国づくりへの強い意志が示されています。
経済面では、全世代の賃金・所得増加を目指した地方創生策や、物価高騰への対応策が展開されます。特に注目されるのは、建設業のデジタル化支援や観光産業の高付加価値化、地域交通の再設計など、地方経済の活性化に向けた具体的な取組です。
また省エネ住宅の支援など、環境に配慮した施策も重視されました。
経済成長と安全確保、そして地方創生は、社会的なニーズも高い課題です。予算案から国の動きや時代の要請を読み取り、事業計画に役立てましょう。