2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1・最大震度7の「令和8年熊本地震」が発生しました。熊本県内では、熊本市を含む10市10町1村に災害救助法が適用され、各地で住家被害が報告されています。
こうした中、熊本県と熊本市は、被災した介護サービス事業所・施設等を対象とする災害復旧補助制度を案内しています。熊本県(熊本市以外)の設備復旧補助は補助率10/10、上限450万円です。建物復旧の補助率は、熊本県では施設の種類に応じて1/3、2/3または3/4、熊本市では原則3/4で、訪問看護事業所は1/3です。
この記事では、建物復旧と設備復旧の違い、対象施設、補助率、対象経費、申請方法、スケジュールを、熊本市と熊本市以外の違いも含めて解説します。
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この記事の目次
令和8年熊本地震に係る社会福祉施設等災害復旧補助金とは?
令和8年熊本地震に係る社会福祉施設等災害復旧補助金は、今回の地震で被災した介護サービス事業所・社会福祉施設の建物や設備を復旧し、事業を早期に再開するための費用を国と自治体が補助する制度です。厚生労働省所管の国庫補助金を、熊本県と熊本市がそれぞれ窓口となって交付します。
2026年8月4日時点で公表されているのは、熊本県が窓口となる建物復旧補助と設備復旧補助、熊本市が窓口となる建物復旧補助です。熊本市内の設備・備品等に関する補助制度は、別途案内される予定です。
所在地だけでなく、建物の工事費に対する補助なのか、事業再開に必要な備品等の費用に対する補助なのかを確認し、該当する制度の窓口へ相談してください。
・熊本県・建物復旧:補助率1/3、2/3または3/4、2026年8月20日必着
・熊本県・設備復旧:補助率10/10、上限450万円、申請期限は未定
・熊本市・建物復旧:原則3/4、訪問看護事業所は1/3、2026年8月17日17時15分必着
・熊本市・設備復旧:別途案内予定
建物の復旧と設備の復旧の違い
建物復旧補助は、被災した建物の復旧に必要な工事費、工事請負費、工事事務費が対象です。
一方、熊本県が案内する設備復旧補助は、事業再開に必要な備品購入費、賃金、役務費、委託料、使用料・賃借料などが対象です。建物の復旧費は、設備復旧補助の対象には含まれません。
建物と設備の両方に被害がある場合は、それぞれの制度の対象となる可能性があるため、必要な申請や書類を熊本県または熊本市へ確認してください。
| 区分 | 熊本県・建物復旧 | 熊本市・建物復旧 | 熊本県・設備復旧 |
|---|---|---|---|
| 主な対象経費 | 工事費、工事請負費、工事事務費 | 工事費、工事請負費、工事事務費 | 需用費、旅費、賃金、役務費、委託料、使用料・賃借料、備品購入費 |
| 対象金額 | 保険対応分控除後の災害復旧協議額が1件80万円以上 | 保険対応分控除後の対象金額が80万円以上 | 対象経費の実支出額が30万円以上 |
| 補助率 | 1/3、2/3または3/4 | 原則3/4、訪問看護事業所は1/3 | 10/10 |
| 上限額 | 公式案内に一律の上限額の記載なし | 公式案内に一律の上限額の記載なし | 450万円 |
| 期限 | 2026年8月20日必着 | 2026年8月17日17時15分必着 | 2026年8月4日時点で未定 |
※熊本市内の設備・備品等に関する補助制度は、別途案内される予定です。
出典:熊本県「令和8年熊本地震に係る社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金について」
出典:厚生労働省「令和8年度社会福祉施設等設備災害復旧費国庫補助金交付要綱」
出典:熊本市「令和8年熊本地震に係る社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金について」
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の補助率・上限額は?
補助率は、建物復旧か設備復旧か、熊本市内か熊本市以外かによって異なります。熊本県(熊本市以外)の補助率
熊本県が窓口となる建物復旧補助の補助率は、次のとおりです。
- 訪問看護事業所:1/3
- 老人福祉センター、老人福祉施設付設作業所:2/3
- そのほかの対象施設:3/4
設備復旧補助は補助率10/10、上限450万円です。ただし、対象外経費、上限を超える金額、保険金等を踏まえて控除される金額などは補助されません。
熊本市の補助率
熊本市が窓口となる建物復旧補助の補助率は原則3/4で、訪問看護事業所は1/3です。設備・備品等に関する補助制度は、別途案内される予定です。
内閣府は2026年8月3日、令和8年熊本地震による災害を激甚災害に指定する見込みと発表しました。ただし、2026年8月4日時点では指定手続き中であり、この補助制度の補助率が実際にどのように引き上げられるかは公表されていません。熊本県・熊本市の更新情報を確認してください。
出典:内閣府「令和八年熊本地震による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定見込みについて」
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の対象施設は?
対象となるのは、令和8年熊本地震で被災した介護サービス事業所・社会福祉施設等です。熊本市内と熊本市以外で対象施設の範囲が一部異なるほか、建物復旧と設備復旧でも対象施設の範囲が異なります。
熊本県(熊本市以外)の対象施設
熊本県が窓口となる建物復旧補助では、老人福祉施設・介護施設・地域包括支援センター等が幅広く対象になります。具体的には老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、在宅介護支援センター、認知症高齢者グループホーム、在宅複合型施設、生活支援ハウス、介護老人保健施設、介護医療院、訪問看護事業所、小規模多機能型居宅介護事業所、夜間対応型訪問介護事業所、介護予防拠点、老人福祉施設付設作業所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所です。
設備復旧補助は、建物復旧補助とは対象となる事業所種別が異なります。訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、居宅介護支援、福祉用具貸与などの事業所も対象に含まれます。
対象施設の一覧は制度ごとに異なるため、施設名やサービス名だけで判断せず、熊本県の対象事業所一覧を確認してください。
熊本市の対象施設
熊本市の公式ページでは、介護事業指導課が所管する対象施設として、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、介護老人保健施設、介護医療院、訪問看護事業所、小規模多機能型居宅介護事業所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所が掲載されています。
ただし、この10種別だけが制度全体の対象という意味ではありません。熊本市は、掲載しているのは介護事業指導課所管の施設種別のみであり、そのほかの施設種別は各所管課へ問い合わせるよう案内しています。
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の対象経費は?
対象経費は「建物復旧」か「設備復旧」かで大きく異なります。建物復旧は工事関連費用、設備復旧は事業再開に必要な物品・サービス購入費が対象となります。
建物の復旧(施設)の対象経費
建物復旧補助では、社会福祉施設等の災害復旧に必要な工事費、工事請負費、工事事務費が対象です。
熊本県では、原則として既存建物の買収費、借用土地・借用施設の復旧費、職員宿舎の費用、災害復旧事業以外の工事中に生じた被害の復旧費などが対象外です。ただし、既存建物の買収や借用施設の復旧については、一定の例外があります。
熊本市では、土地の買収・整地費、既存建物の買収費、職員宿舎の費用、門・囲障・構内の雨水排水設備・構内通路等の外構整備費、備品等に係る費用などが対象外です。
備品等の復旧(設備)の対象経費
熊本県の設備復旧補助では、被災した事業所等の事業再開に必要な需用費、旅費、賃金、役務費、委託料、使用料及び賃借料、備品購入費が対象です。
使用料及び賃借料は土地・建物に要する経費を除き、備品購入費には備品の設置に伴う工事請負費が含まれます。建物の復旧費は設備復旧補助の対象外です。
交付額の算定では、基準額、対象経費の実支出額、保険金その他の収入額、自治体の補助額などが考慮されます。建物と設備の両方に被害がある場合は、必要な手続きを窓口へ確認してください。
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の申請方法・スケジュール
申請方法と期限は、所在地だけでなく、建物復旧か設備復旧かによって異なります。
熊本市・建物復旧の申請方法
熊本市の建物復旧補助は、LoGoフォームから協議書等を提出します。提出期限は2026年8月17日(月)17時15分必着です。
提出書類は次のとおりです。
- 協議書(様式第1号・様式第2号)※様式第1号は黄色のセルのみ入力
- 被災状況が分かる写真(1枚ずつ番号を付す)
- 被災建物の平面図
- 復旧工事等に係る見積書3社分
事業所・サービス種別ごとに書類を作成して提出します。
熊本県・建物復旧の申請方法
熊本県の建物復旧補助は、次の書類を熊本県健康福祉部長寿社会局高齢者支援課施設介護班へ提出します。
- 社会福祉施設等災害復旧費国庫補助協議書
- 見積書3社分
- 建物図面、立面図
- 被害写真
提出方法は郵送、持参またはメールで、提出期限は2026年8月20日(木)必着です。
熊本県・設備復旧の申請方法
熊本県の設備復旧補助は、2026年8月4日時点で申請期限と提出書類が公表されていません。国から通知があり次第、熊本県のページが更新される予定です。
熊本市・設備復旧の申請方法
熊本市内の設備・備品等に関する補助制度は、別途案内される予定です。
緊急に修繕等を行う場合は、作業前に被災状況が分かる写真を残してください。熊本市は、設備を買い替える場合は専門事業者による修理不能証明書、修理する場合は故障証明書が必要になると案内しています。
申請前に押さえるべき3つの重要ポイント
申請の準備段階でつまずかないために、被災時の記録・見積取得・保険金の取り扱いの3点は特に重要です。これらを怠ると、そもそも申請できなかったり、補助対象外と判断されたりするリスクがあります。
被災状況が分かる写真を残す
被災状況が分かる写真は、補助対象となる被害を確認するための重要な資料です。
熊本県は、建物復旧・設備復旧のいずれについても、写真等がなく被害を確認できない場合は補助対象外になると案内しています。建物の遠景と被災箇所の近影、被災した設備・備品ごとの写真などを残してください。
緊急工事や修繕が必要な場合も、可能な限り着工前・修繕前の状況を撮影します。熊本県の制度では、動画から写真を切り出す方法も案内されています。
制度に応じて3社分の見積書を用意する
熊本県と熊本市の建物復旧補助では、復旧工事等に係る見積書3社分が提出書類として案内されています。
熊本県の設備復旧補助については、修繕に当たって3社以上の見積りを取得し、保管するよう案内されています。備品購入を含むすべての経費について3社見積りが必要かは、申請書類の公表後に確認してください。
保険金等は交付額の算定時に考慮される
建物復旧補助は、保険で対応される金額を差し引いた後の対象金額が80万円以上であることが要件です。
熊本県の設備復旧補助では、交付額の算定に当たり、総事業費から保険金その他の収入額を差し引いた金額が考慮されます。社会福祉法人の場合は、寄付金収入額を控除対象から除く取扱いです。
保険金が支払われる場合でも、直ちに補助金を利用できなくなるとは限りません。保険金額と補助対象経費を確認し、熊本県または熊本市へ相談してください。
令和8年熊本地震で活用できるその他の支援制度
社会福祉施設・介護事業所の運営法人は、施設・設備の復旧補助以外にも、令和8年熊本地震で活用できる制度があります。中小企業・小規模事業者向けの融資、生活再建支援、介護報酬の請求特例など、幅広い支援策が整備されています。
介護サービスについては、被災により人員・設備・運営基準などを一時的に満たせなくなった場合の柔軟な取扱いが案内されています。また、2026年7月サービス提供分については、サービス提供記録を失った場合などに概算請求を行える特例が設けられています。
障害福祉サービス等についても、2026年7月サービス提供分の介護給付費等・障害児通所給付費等について、提出期限や概算請求の特例が案内されています。
出典:熊本県「令和8年7月28日の地震に係る被災状況の報告について」
出典:厚生労働省「令和8年熊本地震による災害に係る介護報酬等の請求等の取扱いについて」
出典:厚生労働省・こども家庭庁「令和8年熊本地震による災害に係る介護給付費等及び障害児通所給付費等の請求の取扱いについて」
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金に関するよくある質問
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の補助率はいくらですか?
建物復旧補助の補助率は、熊本県では訪問看護事業所が1/3、老人福祉センター・老人福祉施設付設作業所が2/3、そのほかの対象施設が3/4です。熊本市は原則3/4で、訪問看護事業所は1/3です。熊本県の設備復旧補助は10/10で、上限は450万円です。熊本市の設備・備品等に関する補助制度は別途案内される予定です。
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の補助上限額はいくらですか?
熊本県が窓口となる設備復旧補助の上限は450万円です。建物復旧補助について、熊本県・熊本市の案内ページには一律の上限額が示されていません。実際の交付額は、対象経費、保険金等の収入、基準額、補助率などをもとに算定されます。
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の対象施設は何ですか?
特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、認知症高齢者グループホーム、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、訪問看護事業所、小規模多機能型居宅介護事業所、地域包括支援センター等の介護サービス事業所・社会福祉施設が対象です。熊本市と熊本市以外で対象範囲が一部異なります。
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の対象金額の下限はいくらですか?
建物復旧補助は、保険で対応される金額を差し引いた後の災害復旧協議額または対象金額が80万円以上の場合に対象となります。熊本県の設備復旧補助は、対象経費の実支出額が30万円以上であることが要件です。
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の申請期限はいつですか?
熊本市の建物復旧補助は2026年8月17日(月)17時15分必着です。熊本県の建物復旧補助は2026年8月20日(木)必着です。熊本県の設備復旧補助は2026年8月4日時点で期限が未定です。熊本市の設備・備品等に関する補助制度は別途案内される予定です。
熊本市内の事業所はどこに申請すればよいですか?
熊本市の建物復旧補助は、熊本市健康福祉局高齢者支援部介護事業指導課が窓口です。協議書等はLoGoフォームから提出します。公式ページに掲載されている対象事業所は介護事業指導課所管の施設種別であり、そのほかの施設種別は各所管課へ確認してください。
熊本市以外の事業所はどこに申請すればよいですか?
熊本県健康福祉部長寿社会局高齢者支援課 施設介護班(〒862-8570 熊本市中央区水前寺6丁目18番1号、電話096-333-2217)が窓口です。申請書等の様式・提出方法・期限については、熊本県のホームページで随時更新されるため、最新情報を確認してください。
令和8年熊本地震 社会福祉施設等災害復旧補助金の申請に必要な書類は何ですか?
熊本市の建物復旧補助では、協議書、被災状況が分かる写真、被災建物の平面図、復旧工事等に係る見積書3社分が必要です。熊本県の建物復旧補助では、協議書、見積書3社分、建物図面・立面図、被害写真が必要です。熊本県の設備復旧補助は、2026年8月4日時点で提出書類が公表されていません。
建物と備品の両方が被災した場合はどうすればよいですか?
建物の復旧費と事業再開に必要な備品等の経費では、対象となる補助制度が異なります。両方に被害がある場合は、それぞれ利用できる制度と必要な手続きを熊本県または熊本市へ確認してください。
火災保険や地震保険で復旧費用がカバーされる場合、補助金は使えますか?
保険金が支払われる場合でも、直ちに補助金の対象外になるとは限りません。ただし、建物復旧補助では保険対応分を差し引いた金額が対象金額となり、設備復旧補助でも交付額の算定時に保険金その他の収入額が考慮されます。保険会社との調整と並行して補助金申請を進めることが重要です。保険金額が確定していない場合も、申請窓口へ確認してください。
まとめ
令和8年熊本地震に係る社会福祉施設等災害復旧補助金は、被災した介護サービス事業所・社会福祉施設が事業を早期に再開するための支援制度です。
熊本市内の事業所が建物復旧補助を申請する場合は、2026年8月17日(月)17時15分必着と期限が迫っています。被災状況がわかる写真の準備、平面図の作成、見積書3社分の取得を早急に進める必要があります。
熊本市以外の事業所についても、建物復旧補助の提出期限は2026年8月20日(木)必着です。協議書、被害写真、建物図面・立面図、見積書3社分を準備し、期限に間に合うよう早めに手続きを進めましょう。
一方、熊本県の設備復旧補助は、2026年8月4日時点で申請期限や提出書類が公表されていません。被災した設備・備品の写真や修繕に必要な見積りなど、現時点で用意できる資料を準備し、熊本県の最新情報を確認してください。中小企業・小規模事業者向けのほかの支援制度もあわせて確認し、利用できる制度を見落とさないようにしましょう。
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