2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1(暫定値)、最大震度7の地震が発生しました。気象庁は、この地震を「令和8年熊本地震」と命名しています。
被災された地域では、今後も強い揺れや建物の倒壊、土砂災害などに注意が必要です。まずはご自身と周囲の方の安全を優先してください。倒壊のおそれがある建物、傾いた塀、崖、切れた電線など、危険な場所には近づかないでください。
発災から1か月半ほどが経ち、支援制度も具体化してきました。熊本県は2026年8月10日、熊本県全域に被災者生活再建支援法を適用することを決定し、要件を満たす世帯には最大300万円の被災者生活再建支援金が支給されます。熊本市は被災した家屋等の解体・撤去について、市が所有者に代わって実施する方針を公表しました。
この記事では、2026年9月18日時点で公表されている個人・世帯向けの公的支援と、事業者向けの支援措置を紹介します。制度の適用状況や受付方法は今後変更される可能性があるため、国、熊本県、市町村などの最新情報もあわせて確認してください。
※支援制度に関する情報は随時更新されるため、熊本県、市町村、各支援機関の最新情報をご確認ください。
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この記事の目次
令和8年熊本地震とは?被害概要と災害救助法の適用地域
令和8年熊本地震は、2026年7月28日16時27分ごろに発生したマグニチュード7.1(暫定値)、最大震度7の地震です。熊本市を含む熊本県内の10市10町1村に災害救助法が適用されています。
災害救助法が適用された地域では、住宅の応急修理や災害援護資金など、同法の適用を要件とする制度を利用できる可能性があります。ただし、住家の被害程度、所得、事業の状況など、制度ごとに別の要件があります。
- 発生日時:2026年7月28日16時27分ごろ
- 震源:熊本県熊本地方(深さ16km・暫定値)
- 規模:マグニチュード7.1(暫定値)
- 最大震度:震度7(宇城市・氷川町)
- 命名:気象庁が「令和8年熊本地震」と命名
熊本県と熊本市は7月28日、以下の10市10町1村に災害救助法を適用しました。災害救助法は、発災後の応急期に、避難所の設置、応急仮設住宅の供与、住宅の応急修理、学用品の給与などの応急救助を行うための法律です。
適用地域に住んでいるだけで、この記事で紹介するすべての制度の対象になるわけではありません。被災者生活再建支援金や災害援護資金などは、それぞれ別の法律や制度に基づき、被害の程度や所得などの要件が定められています。
| 令和8年熊本地震 災害救助法の適用地域(10市10町1村) | |
|---|---|
| 市(10市) | 熊本市、八代市、水俣市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、天草市、合志市 |
| 町村(10町1村) | 下益城郡美里町、菊池郡大津町、菊池郡菊陽町、阿蘇郡西原村、上益城郡御船町、上益城郡嘉島町、上益城郡益城町、上益城郡甲佐町、八代郡氷川町、葦北郡芦北町、葦北郡津奈木町 |
なお、被災者生活再建支援金については、災害救助法の適用地域だけでなく熊本県全域が対象となりました。住んでいる市町村がこの表になくても、住宅に一定以上の被害があれば支援金の対象になる可能性があります。
出典:熊本県「令和8年熊本地震に係る災害救助法の適用について」
1.まず身の安全を確保してください。余震、建物の倒壊、落下物、土砂災害などに注意し、自治体の避難情報や気象庁の情報を確認してください。
2.倒壊のおそれがある建物、傾いた塀、崖、切れた電線など、危険な場所には近づかないでください。
3.被害状況の写真は、罹災証明書の申請や保険請求の資料になる場合があります。ただし、避難や応急対応を優先し、安全が確認できた後に、無理のない範囲で撮影してください。
罹災証明書で受けられる支援は?被害区分別の早見表
被災者向けの公的支援の多くは、罹災証明書に記載される「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」といった住家の被害区分によって、使える制度と金額が変わります。まずは自宅がどの区分になるかを確認することが、支援を受ける出発点です。
以下は、令和8年熊本地震で利用できる主な制度を被害区分別に整理した早見表です。金額はいずれも上限額で、実際の支給額は再建方法や世帯人数によって異なります。
| 住家の被害区分 | 被災者生活再建支援金(複数人世帯) | 住宅の応急修理 | 災害援護資金(貸付) | 熊本市の災害見舞金 |
|---|---|---|---|---|
| 全壊(全焼・全流失) | 基礎100万円+加算最大200万円=最大300万円 | 原則対象外(修理して住み続けられる場合は対象になることがあります) | 250万円(滅失・流失は350万円) | 5万円 |
| 大規模半壊 | 基礎50万円+加算最大200万円=最大250万円 ※要件を満たして「解体世帯」となる場合は最大300万円 | 75万7,000円以内 | 170万円 | 3万円 |
| 中規模半壊 | 基礎なし+加算最大100万円 ※要件を満たして「解体世帯」となる場合は最大300万円 | 75万7,000円以内 | 170万円 | 3万円 |
| 半壊 | 通常は対象外 ※要件を満たして「解体世帯」となる場合は最大300万円 | 75万7,000円以内 | 170万円 | 3万円 |
| 準半壊 | 対象外 | 36万7,000円以内 | 対象外 | 3万円 |
| 準半壊に至らない(一部損壊) | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 床上浸水の場合1万円 |
※災害見舞金は熊本市の制度です。金額や対象は市町村ごとに異なります。
※このほか、医療費の窓口負担の減免、税の減免、義援金の配分など、被害区分以外の要件で使える制度もあります。
罹災証明書はどこで申請する?必要書類と交付までの流れ
罹災証明書は、市町村が住家の被害程度を調査し、その結果を証明する書類です。原則として、被災した住家がある市町村へ申請します。火災による被害については、消防署が証明書を発行する場合があります。
政府は2026年8月10日の非常災害対策本部会議で、被災者が迅速に支援を受けられるよう、罹災証明書の速やかな交付に向けて関係省庁が連携して支援を強化する方針を確認しています。
- 申請書
- 本人確認書類
- 代理申請の場合は委任状など
- 被害状況がわかる写真など(必要となる場合や、提出が推奨される場合があります)
交付までの期間は、自治体、被害状況、現地調査の有無などによって異なります。申請先の市町村が公表する受付方法や交付時期を確認してください。被害認定の結果に疑問がある場合は、再調査を申請できることがあります。写真などの記録は、申請後も保管しておきましょう。
被害状況の写真は安全が確認できてから撮影を
被害状況の写真は、罹災証明書の申請や保険請求、解体費用の償還手続きなどの資料になります。ただし、撮影より安全確保が優先です。危険な建物へ写真を撮りに戻る必要はありません。
- 余震、建物の傾き、落下物、切れた電線などの危険がないことを確認する
- 建物から十分に離れ、安全な場所から外観を撮影する
- 建物全体がわかる写真と、被害箇所がわかる写真を残す
- 室内に入る場合は、安全が確認された範囲を撮影する
- 家具や家電は、製品名や型番がわかる写真も残しておく
- 撮影日時や撮影した場所がわかるように記録する
被災者生活再建支援金|熊本県全域に適用・最大300万円
熊本県は2026年8月10日、令和8年熊本地震について、被災者生活再建支援法施行令第1条第3号に該当するとして、熊本県全域に同法を適用することを決定しました。現在、支援金の受付が始まっており、熊本県内すべての市町村で、住宅が全壊した世帯、やむを得ず解体した世帯、大規模半壊世帯、中規模半壊世帯が対象となります。
被災者生活再建支援金は、住宅の被害程度に応じて支給される「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じて支給される「加算支援金」の2階建てです。使いみちが限定されない現金給付である点が、現物給付の応急修理制度との大きな違いです。
被災者生活再建支援金はいくらもらえる?世帯人数別の支給額
複数人世帯で全壊・解体・長期避難に該当し、住宅を建設または購入する場合、基礎支援金100万円+加算支援金200万円=最大300万円が支給されます。世帯の構成員が1人の単数世帯は、それぞれの金額の3/4です。
| 住宅の被害程度 | 基礎支援金(複数人/単数) | 加算:建設・購入(複数人/単数) | 加算:補修(複数人/単数) | 加算:賃借(複数人/単数) |
|---|---|---|---|---|
| 全壊・解体・長期避難 | 100万円/75万円 | 200万円/150万円 | 100万円/75万円 | 50万円/37.5万円 |
| 大規模半壊 | 50万円/37.5万円 | 200万円/150万円 | 100万円/75万円 | 50万円/37.5万円 |
| 中規模半壊 | なし | 100万円/75万円 | 50万円/37.5万円 | 25万円/18.75万円 |
※賃借(賃貸住宅への移転)は、公営住宅へ入居する場合を除きます。
※基礎支援金と加算支援金の合計が、複数人世帯で最大300万円、単数世帯で最大225万円です。
出典:熊本県「令和8年熊本地震に係る被災者生活再建支援金について」
「解体世帯」「長期避難世帯」とは?半壊でも全壊と同額になる場合
住宅が「半壊」「中規模半壊」「大規模半壊」の罹災証明を受けた場合でも、そのままにしておくと非常に危険である、または修理にあまりにも高い経費がかかるなどの事情により住宅を解体した場合は、「解体世帯」として全壊世帯と同等の支援を受けられます。熊本県は解体世帯を、半壊解体世帯と敷地被害解体世帯の2種類と説明しています。
また、住宅の敷地に被害が生じ、そのままにしておくと非常に危険である、または修理にあまりにも高い経費がかかるために住宅を解体した場合も、敷地被害解体世帯として対象になる場合があります。建物本体だけでなく、擁壁や地盤などの敷地被害も確認しておきましょう。
長期避難世帯は、災害による危険な状況が長期間継続し、住宅に居住することが不可能な状態が長期にわたると市町村が認定した世帯を指します。
被災者生活再建支援金の申請先・必要書類・申請期限
申請先は、被災当時に居住していた市町村です。現在の避難先ではありません。申請書に住民票、罹災証明書などの必要書類を添えて提出します。
申請期限は、基礎支援金が2027年(令和9年)8月27日、加算支援金が2029年(令和11年)8月27日です。加算支援金は住宅の再建方法が決まってから申請するため、期限が2年長く設定されています。
- 申請書や必要書類の様式、制度の詳細は、公益財団法人都道府県センターのホームページで確認できます
- 配偶者やその他親族から危害を加えられるおそれがあるなどの事情で別居している場合、加害者と住民票上は同一世帯であっても、別に生活していることが明らかであれば申請が可能です
- 基礎支援金を先に申請し、住宅の再建方法が決まってから加算支援金を申請する流れが一般的です
被災した家屋の解体・撤去|公費解体と自費解体の費用償還
熊本市は、令和8年熊本地震で被災した家屋等について、所有者の申請に基づき、市が所有者に代わって解体・撤去を行う方針を公表しました。対象は、個人が所有する家屋等、または中小企業者が所有する事業所等で、全壊、大規模半壊、中規模半壊または半壊の被害を受けたものです。
熊本市は、2026年8月25日から公費解体の申請予約を受け付けています。申請書類の受付は9月10日に始まっており、12月10日まで受け付けます。申請を希望する場合は、事前予約が必要です。
必要書類がすべてそろっていない段階でも申請できますが、2027年2月28日までに同意書等の必要書類を不備なく提出する必要があります。9月は土日祝日も受付予定です。
すでに自分で解体した場合も費用償還の対象になる
半壊以上の被災家屋等について、2026年10月10日までに解体業者等と契約し、自ら解体・撤去した費用は、費用償還の対象となります。市の受付開始を待たずに解体を進めた場合でも対象になり得ます。
ただし、支援の対象となった場合でも、解体・撤去に要した費用のうち市の基準を超える部分は自己負担です。市の基準額も、決定次第公表されるとしています。
- 解体工事前、工事中、工事後の状況を記録した写真
- 解体工事にかかる契約書、見積書、領収証
- 解体工事の廃棄物処理にかかる帳票類(計量伝票、マニフェスト伝票など)
出典:熊本市「令和8年熊本地震で被災した家屋等の解体・撤去について」
熊本市以外の市町村でも、公費解体の受付が順次案内される見込みです。被災した家屋がある市町村の最新情報を確認してください。
災害弔慰金・災害見舞金・義援金|見舞金として受け取れるお金
住宅の再建費用とは別に、家族が亡くなられた場合や住宅が被害を受けた場合に受け取れる見舞金の制度があります。災害弔慰金は法律に基づく全国共通の制度、災害見舞金は市町村独自の制度という違いがあります。
災害弔慰金・災害障害見舞金|最大500万円
災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、災害により亡くなられた方のご遺族に対して災害弔慰金が支給されます。生計を維持していた方が亡くなった場合は500万円、その他の方の場合は250万円が支給の上限です。
また、災害による負傷や疾病で政令に定める程度の重い障害が残った場合には、災害障害見舞金として、生計維持者に250万円、その他の方に125万円が支給されます。
支給は市町村が行い、支給範囲や手続きは市町村の条例で定められています。申請先や必要書類は、被災した住家がある市町村へ確認してください。
熊本市の災害見舞金|全壊5万円・半壊3万円
熊本市は、市内在住で住民基本台帳に登録されている被災者に対して、市独自の災害見舞金を支給しています。国の災害弔慰金とは別の制度で、金額も別に定められています。
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 死亡した場合(熊本市の災害弔慰金) | 死亡した方1人につき10万円 |
| 住宅が全焼、全壊または流失した場合 | 1世帯につき5万円 |
| 住宅が半壊または半焼した場合(準半壊・中規模半壊・大規模半壊を含む) | 1世帯につき3万円 |
| 住宅が床上浸水した場合 | 1世帯につき1万円 |
| 療養を要する期間がおおむね1カ月以上の重傷を負った場合 | 1人につき3万円 |
住家の被害区分が2つ以上に該当する場合は、金額の高いほうが支給されます。請求には罹災証明書や医師による診断書などが必要で、申請窓口は各区役所福祉課です。電子申請も利用できます。
出典:熊本市「令和8年熊本地震に係る災害見舞金等の支給について」
義援金|熊本県・熊本市が2026年10月30日ごろまで受付
熊本県は2026年7月29日から10月30日まで、熊本市は7月30日から10月31日まで、令和8年熊本地震の義援金を受け付けています。日本赤十字社や熊本県共同募金会でも受付が行われています。
集まった義援金は、熊本県が設置する義援金配分委員会を通じて被災者へ配分されます。配分の基準や申請方法は、配分委員会の決定後に各市町村から案内されるため、罹災証明書を取得したうえで市町村の案内を待ちましょう。
災害援護資金|最大350万円の貸付
災害援護資金は、災害により世帯主が一定期間以上負傷した世帯や、住居・家財に一定以上の損害を受けた世帯に、生活再建に必要な資金を貸し付ける制度です。給付ではなく貸付である点に注意してください。
| 被害の状況 | 貸付限度額 |
|---|---|
| 世帯主が1カ月以上の負傷(療養)のみ | 150万円 |
| 世帯主に1カ月以上の負傷+家財の1/3以上損害 | 250万円 |
| 世帯主に1カ月以上の負傷+住居の半壊 | 270万円 |
| 世帯主に1カ月以上の負傷+住居の全壊 | 350万円 |
| 家財の1/3以上の損害(負傷なし) | 150万円 |
| 住居の半壊(負傷なし) | 170万円 |
| 住居の全壊(負傷なし) | 250万円 |
| 住居全体の滅失または流失 | 350万円 |
※制度の実施状況、利率、申請期限、必要書類は市町村によって異なります。
- 貸付利率:年3%以内で条例で定める率(据置期間中は無利子)
- 据置期間:3年以内(特別の場合5年)
- 償還期間:10年以内(据置期間を含む)
市区町村民税における前年の総所得金額による所得制限があります。基準額は世帯人数によって異なるため、住まいの市区町村役所へお問い合わせください。
熊本市では、申込期限は2026年10月30日です。連帯保証人を立てる場合は無利子、立てない場合は年1.5%で、据置期間中はいずれも無利子です。
出典:熊本市「令和8年熊本地震に係る災害援護資金の貸付について」
緊急小口資金の災害時特例貸付|最大20万円・無利子
熊本県では2026年8月19日から、令和8年熊本地震で被災した世帯を対象に、生活福祉資金(緊急小口資金)の災害時特例貸付の受付を開始しました。
対象は災害救助法が適用された21市町村の被災世帯で、今回の特例では低所得世帯等に限られません。貸付上限は原則10万円で、世帯員に死亡者や要介護者、重傷者、妊産婦、小学校修了までの子どもがいる場合などは20万円以内です。
据置期間は1年以内、償還期限は2年以内で、無利子・保証人不要です。申込みは、住所地や避難先の市町村社会福祉協議会で受け付けています。
出典:熊本県「令和8年熊本地震による被災者の皆様へ 生活福祉資金特例貸付のご案内」
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住まいの支援|応急修理・応急住宅・ホテル避難
住まいの支援は、「今の家を直して住み続ける」制度と、「別の住まいを確保する」制度に分かれます。どちらを選ぶかで利用できる制度が変わるため、市町村の窓口で相談してから手続きを進めましょう。
住宅被害の拡大を防ぐ緊急修理|ブルーシート設置など最大5万6,400円
熊本県では、地震で屋根、外壁、窓などが損傷し、雨水の侵入などによって住宅被害が広がるおそれがある場合に、ブルーシートの設置などを行う「住宅の被害の拡大を防止するための緊急の修理」を実施しています。
対象となるのは、原則として半壊、半焼または準半壊程度相当の被害を受けた住宅です。全壊の場合でも、修理によって住み続けることができ、引き続き居住する意思がある場合は対象になる可能性があります。
対象となる作業には、屋根へのブルーシート設置、外壁や窓へのブルーシート・ベニヤ板による簡易補修、外壁材の落下防止ネット設置などがあります。限度額は1世帯当たり5万6,400円で、被災者へ現金を支給する制度ではありません。
申込みには被害状況がわかる写真が必要です。利用できる方法や受付状況は市町村によって異なるため、被災した住宅がある市町村へ確認してください。
出典:熊本県「住宅の被害の拡大を防止するための緊急の修理について」
住宅の応急修理|最大75万7,000円で自治体が業者に依頼
住宅の応急修理は、自治体が修理業者を通じて、居室・台所・トイレなど、日常生活に必要な最小限の部分を基準額の範囲内で修理する現物給付の制度です。被災者に現金が支払われるわけではありません。
住宅全体を元どおりに修理する制度ではありません。対象外の工事や基準額を超える費用は、自己負担になる場合があります。また、自治体の手続きを行う前に被災者自身が修理業者へ代金を支払うと、制度の対象にならない可能性があります。
| 被害の程度 | 1世帯あたりの修理限度額(令和8年4月時点) |
|---|---|
| 大規模半壊・中規模半壊・半壊(半焼) | 75万7,000円以内 |
| 準半壊 | 36万7,000円以内 |
※対象となる被害区分、所得要件、工事内容、申込方法は市町村へ確認してください。
熊本県は、今回の地震について住宅の応急修理制度を実施しており、災害救助法が適用された21市町村すべてで申込受付が始まっています。制度を利用する可能性がある場合は、修理を始める前に、被害箇所と修理箇所がわかる写真を残してください。
出典:熊本県「令和8年熊本地震に係る住宅の応急修理について」
賃貸型・建設型の応急住宅|対象地域で受付・整備が進む
住宅を失い、自力で住まいを確保することが難しい被災者を対象に、民間賃貸住宅を活用した「賃貸型応急住宅」が提供されています。
熊本県では、熊本市を除く災害救助法適用20市町村を対象区域として制度を実施しています。熊本市については、市が別途、賃貸型応急住宅を提供しています。
入居期間は最長2年で、世帯人数に応じた家賃上限があります。原則として、熊本県、貸主、被災者による三者契約が必要です。
建設型応急住宅の整備も進んでいます。熊本県では八代市、宇土市、宇城市、美里町、甲佐町、氷川町などで順次工事が進められており、2026年9月18日には八代市、氷川町、甲佐町の4団地で新たに建設工事に着手しました。また同日、氷川町では自宅敷地内への建設型応急住宅5戸の設置工事にも着手しています。
熊本市では、市が整備する3団地・計50戸について入居申込を終了しており、2026年9月19日から3か所すべてで入居を開始する予定です。
出典:熊本県「令和8年熊本地震に係る賃貸型応急住宅の供与について」
出典:熊本県「『令和8年熊本地震』による建設型応急住宅の進捗状況について」
自宅敷地内への建設型応急住宅|農業・畜産業などで必要な場合
熊本県は、作物や家畜の管理などの生業やその他の事情により、自宅敷地内で生活を続ける必要がある被災者について、条件を満たせば敷地内に応急住宅を設置できる場合があると案内しています。
対象は、熊本市を除く災害救助法適用20市町村の被災者です。道路の幅員が4m以上、敷地の間口がおおむね6m以上、搬入経路を確保できることなどの基準があります。
応急住宅の設置・撤去費用は公費で負担され、光熱水費などは入居者負担です。入居期間は原則2年以内です。熊本市は救助実施市のため、熊本市の案内を確認してください。
出典:熊本県「【令和8年熊本地震】自宅敷地内への建設型応急住宅について」
県営住宅・国家公務員宿舎の一時入居|家賃・敷金なしで最長1年
熊本県は、令和8年熊本地震で住宅に被害を受け、一時的な住まいを必要とする方に、県営住宅や国家公務員宿舎を提供しています。
2026年9月10日更新の熊本県の案内では、県営住宅26戸、国家公務員宿舎26戸の空きが案内されています(空き戸数は入居状況等によって変動します)。県営住宅の提供可能住宅一覧は9月8日版に更新されています。
入居期間は6カ月以内で、最長1年以内まで更新できます。家賃・駐車場代は無料で、敷金・保証金も不要です。共益費や光熱費、家具・家電などは入居者の負担となります。罹災証明書は後日提出でも申し込めます。
出典:熊本県「令和8年熊本地震により住宅被害を受けた方への住まいの支援制度のご紹介」
ホテル・旅館への避難|熊本市など10市町が対象
熊本県は、熊本市、八代市、宇土市、宇城市、氷川町、美里町、甲佐町、御船町、嘉島町、益城町に住んでいる方、または避難している方で、被災してホテル等への避難を希望する方を対象に、ホテル・旅館等への避難を受け付けています。
宿泊費は原則として公費で負担されます。ただし、食費、入湯税、駐車場代、滞在中の移動費などは自己負担です。ホテル等までの移動手段も、原則として被災者自身で確保します。移動手段の確保が難しい場合は、申込フォームの特記事項欄で相談できます。
熊本県は2026年8月8日から「熊本県ホテル等避難コールセンター」を開設しています。電話番号は0120-325-327、受付時間は9時30分から17時30分まで(土日祝を含む)です。避難先は県外になる場合があり、希望する地域や施設に入れるとは限りません。
医療費・税金の負担軽減|窓口負担免除と申告期限の延長
被災により収入が減ったり、住まいを失ったりした場合、医療費や税金の負担を軽くする制度があります。制度によっては申し出や申請が必要ですが、対象地域では手続き期限が自動的に延長される場合もあります。
医療費の窓口負担|対象者は2026年11月診療分まで支払い不要の場合も
令和8年熊本地震で被災した方のうち、一定の要件を満たす場合は、医療機関や薬局などで支払う医療費の窓口負担について、支払いの猶予や免除を受けられる場合があります。
対象となるのは、国民健康保険、後期高齢者医療制度、全国健康保険協会(協会けんぽ)などの加入者で、住家が全半壊・床上浸水した場合や、主たる生計維持者が死亡・重篤な傷病を負った場合、失職して収入がなくなった場合などです。
対象となる場合は、2026年11月診療分まで、医療機関等の窓口で対象となる被害状況を申し出ることで、窓口負担を支払わずに受診できます。受診時に罹災証明書などを提示する必要はありません。
ただし、入院時の食事代や差額ベッド代などは対象外です。加入している医療保険や被害状況によって取扱いが異なるため、最新情報を確認してください。
出典:熊本県「令和8年熊本地震で被災された被保険者等の一部負担金等の取扱いについて」
国税の申告・納付期限を延長|八代市・宇土市・宇城市・氷川町
国税庁は2026年8月4日、八代市、宇土市、宇城市、八代郡氷川町に納税地がある納税者について、国税の申告、申請、請求、届出、納付などの期限を延長すると発表しました。延長後の期限は、被災後の状況を踏まえて今後決定されます。
対象4市町以外に納税地がある場合でも、今回の地震により期限までに申告や納付ができない場合は、所轄税務署長への申請により期限の延長が認められる可能性があります。
県税・市町村税|減免・期限延長・納税猶予の対象になる場合も
熊本県税では、被害状況に応じて、個人事業税、不動産取得税、自動車税などが減額または免除される場合があります。
また、八代市、宇土市、宇城市、氷川町に住所や主たる事務所・事業所がある対象者については、2026年7月28日以降に期限が到来する対象の県税手続きが、申請不要で一律延長されています。延長後の期限は今後別途告示されます。4市町以外でも、地震の影響で期限までに手続きができない場合は、申請により個別に期限延長を受けられる場合があります。
市町村税についても、各市町村の条例や案内に基づき、期限延長、徴収猶予、減免などが行われる場合があります。
出典:熊本県「令和8年熊本地震により被害を受けられた皆様へ~県税の減免、申告・納付期限の延長等について~」出典:熊本県「市町村税の減免措置等について」
【事業者向け】被災中小企業・小規模事業者が使える支援措置
経済産業省は令和8年7月29日、今回の地震で被害を受けた中小企業・小規模事業者に対する5つの支援措置を発表しました。特別相談窓口の設置、災害復旧貸付、セーフティネット保証4号、既往債務の返済条件緩和、小規模企業共済の災害時貸付が案内されています。
出典:経済産業省「令和8年熊本地震に伴う災害に関して被災中小企業・小規模事業者支援措置を行います」
局地激甚災害の追加指定を閣議決定|5市町で災害関係保証
政府は2026年8月25日、令和8年熊本地震で中小企業に大きな被害が生じた八代市、宇城市、御船町、嘉島町、氷川町の5市町について、「中小企業に関する特別の助成」を追加指定する政令改正を閣議決定しました。改正政令は8月28日に公布・施行されています。
これにより、5市町では、通常の保証やセーフティネット保証4号とはさらに別枠で、事業再建資金を100%保証する「災害関係保証」が適用されます。保証限度額は最大2億8,000万円です。
また、熊本県は、被災した事業用施設・設備の復旧を支援する「くまもと事業者再出発支援補助金」の概要を公表しています。中小企業・小規模事業者等は補助率3/4・上限3億円、中堅企業は補助率1/2・上限3億円です。一定の要件を満たす多重被災事業者は上限15億円で、うち5億円まで定額補助となります。申請受付は2026年10月1日開始予定です。
出典:令和8年熊本地震に係る「くまもと事業者再出発支援補助金」の支援者向け補助制度説明会について
特別相談窓口の設置|まずはここに連絡を
被災した中小企業・小規模事業者向けに、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、熊本県信用保証協会、商工会議所、商工会、よろず支援拠点、九州経済産業局などが相談に対応しています。
- 日本政策金融公庫
- 商工組合中央金庫
- 熊本県信用保証協会
- 商工会議所
- 熊本県商工会連合会および県内商工会
- 中小企業団体中央会
- よろず支援拠点
- 全国商店街振興組合連合会
- 中小企業基盤整備機構 九州本部
- 九州経済産業局
また、政府は、中小企業活性化協議会による債務調整支援も案内しています。
▶経済産業省「令和8年熊本地震に伴う災害に関する特別相談窓口一覧」
災害復旧貸付等の実施|運転資金・設備資金の融資
日本政策金融公庫と商工組合中央金庫は、今回の地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象に、運転資金や設備資金を融資する災害復旧貸付を実施します。被害の状況や融資の対象要件、金利などは、各金融機関へ確認してください。
地震で受けた直接的な被害だけでなく、地域経済への影響で売上が落ち込んでいる場合も、まずは窓口で相談してみましょう。
セーフティネット保証4号|熊本県全域が対象・通常の保証とは別枠で100%保証
2026年9月18日から、令和8年熊本地震に係るセーフティネット保証4号の指定地域が熊本県内の全45市町村に拡大されました。地震の影響により売上高等が減少している中小企業・小規模事業者は、要件を満たせば、信用保証協会による通常の保証限度額とは別枠の100%保証を利用できます。
ただし、100%保証は事業者の返済が免除されるという意味ではありません。融資を受けるには、金融機関と信用保証協会の審査があります。
- 保証割合:融資額の100%
- 保証限度額:一般保証とは別枠で2億8,000万円
- 指定地域:熊本県内の全45市町村
- 指定期間:2026年7月28日から12月17日まで
- 通常の売上要件:最近1か月の売上高等が前年同月比20%以上減少し、その後2か月を含む3か月間も前年同期比20%以上減少する見込みであること
- 創業後1年1か月未満などの事業者には、別の認定要件があります
- 本店等の所在地の市町村で認定を受けた後、金融機関または信用保証協会へ申し込みます
- 市町村の認定を受けても、融資や保証が自動的に決まるわけではありません
出典:中小企業庁「セーフティネット保証制度(4号)」
出典:令和8年熊本地震に係るセーフティネット保証4号の指定地域を拡大します
熊本県の中小企業向け新融資|保証料0%・最大8,000万円
熊本県は2026年8月24日から、令和8年熊本地震の影響を受けた県内中小企業者を対象とする新たな制度融資の取扱いを開始しました。
| 資金名 | 主な対象 | 限度額 | 保証料率 |
|---|---|---|---|
| 金融円滑化特別資金(令和8年熊本地震枠) | 罹災証明書・被災証明書がある事業者、または地震の影響で売上高等が減少した事業者 | 1企業8,000万円 1組合1億円 | 0% (県補助後) |
| 金融円滑化特別資金(セーフティネット保証対応枠・令和8年熊本地震分) | セーフティネット保証4号の認定を受けた事業者 | 別枠8,000万円 | 0% (県補助後) |
| 小規模事業者おうえん資金(令和8年熊本地震分) | 一定の要件を満たす小規模企業者 | 2,000万円 | 0% (県補助後) |
融資期間や金利、売上減少などの要件は資金ごとに異なります。利用を検討する場合は、取扱金融機関や商工会議所・商工会などへ確認してください。
出典:熊本県「令和8年熊本地震に伴う中小企業者向け新資金について」
既往債務の返済条件緩和等の対応|返済猶予・手続き迅速化
政府は、官民の金融機関等に対して、被災した事業者の資金繰りに支障が生じないよう、相談窓口の設置、融資審査で求める書類の必要最小限化、融資の迅速化、既存融資に係る返済猶予等の条件変更などを要請しています。
返済が難しくなる可能性がある場合は、返済期日を迎える前に、借入先の金融機関へ相談してください。返済猶予や条件変更が自動的に認められる制度ではなく、事業者ごとの状況を踏まえて金融機関が判断します。
出典:金融庁「令和8年熊本地震の影響を受けた事業者への資金繰り支援の徹底等について」
小規模企業共済災害時貸付|共済契約者向けの貸付制度
災害救助法適用の10市10町1村で被害を受けた小規模企業共済契約者に対して、中小企業基盤整備機構が原則として即日で低利の融資を行う「災害時貸付」を適用します。小規模企業共済に加入している方は、共済の掛金残高の範囲内で迅速に資金調達できます。
雇用調整助成金の特例|熊本地震で要件を緩和
厚生労働省は、令和8年熊本地震の影響で事業活動を縮小し、休業などにより雇用維持を図る事業主を対象に、雇用調整助成金の特例措置を実施しています。
全国の対象事業所では、次の特例が適用されます。
- 生産指標の確認期間を3カ月から1カ月に短縮
- 最近3カ月の雇用量が前年同期より増加していても対象
- 2026年7月28日時点で事業所設置後1年未満でも対象
- 計画届の事後提出が可能
熊本県内の事業所では、さらに残業相殺のルールと、教育訓練の実施率に応じて助成率を引き下げるルールが撤廃されます。
特例の対象となるのは、2026年7月28日から2027年1月27日までの間に開始した休業等です。
出典:厚生労働省「令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例を実施します」
小規模事業者持続化補助金 災害支援枠(令和8年熊本地震)
令和8年熊本地震で被災した小規模事業者を対象とする「小規模事業者持続化補助金<一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)>」は、事業再建を支援する制度です。
熊本県内に所在し、震災による被害を公的証明で確認できる小規模事業者が対象で、直接被害(事業用資産の損壊等)は上限200万円、間接被害(売上20%以上減少)は上限100万円、補助率は2/3です。機械装置の買い替え、店舗の修繕、被災車両の買い替えなどが対象経費に含まれ、被災日以降に交付決定前に支出した経費も、適正と認められれば遡って対象となる特例があります。
申請受付は9月16日から10月16日までですが、申請には商工会・商工会議所が発行する支援機関確認書が必要で、その発行受付締切は申請締切の1週間前の10月9日です。
▼詳しくはこちら
【令和8年熊本地震】持続化補助金 災害支援枠とは?最大200万円・被災後の支出も対象・締切10月16日
中小企業省力化投資補助金|第8回申請受付中・被災事業者に審査上の配慮
中小企業省力化投資補助金・一般型第8回は、2026年9月18日から申請を受け付けています。申請締切は10月16日17時で、採択発表は2027年2月上旬の予定です。令和8年熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者については、審査上の配慮が案内されています。
医療・福祉施設向けの災害復旧補助金
介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所、医療施設については、建物や設備の復旧費を支援する災害復旧補助金が案内されています。制度や施設区分によって提出期限が異なり、9月から10月にかけて期限が設定されているため、対象となる事業者は早めに確認してください。
介護サービス事業所・施設向け|建物・事業再開費用の補助
熊本市以外の事業所・施設は熊本県、熊本市内の事業所・施設は熊本市が窓口です。
| 対象地域・区分 | 対象条件・内容 | 補助率・上限 | 提出期限・公式ページ |
|---|---|---|---|
| 熊本市以外 建物の復旧 従来の対象施設 |
保険で対応される金額を差し引いた災害復旧協議額が、1件につき80万円以上の場合に対象 | 補助率:5/6 ※一部の事業所を除く |
2026年9月18日 ※間に合わない場合は10月16日の期限でも提出可能と案内 熊本県の公式ページ |
| 熊本市以外 建物の復旧 8月28日追加対象 |
訪問介護、訪問入浴介護、福祉用具貸与、訪問リハビリテーション、居宅介護支援、有料老人ホームなど、8月28日に追加された対象施設 | 補助率:5/6 ※一部の事業所を除く |
2026年10月16日必着 熊本県の公式ページ |
| 熊本市以外 事業再開に必要な費用 |
対象経費の実支出額が30万円以上の場合に、備品購入費、委託料、使用料・賃借料などが対象 | 補助率:10/10 上限額:450万円 |
未定 熊本県の公式ページ |
| 熊本市内 建物の復旧 |
保険で対応される金額を差し引いた対象金額が80万円以上の場合に、建物の復旧工事費などが対象 | 補助率:5/6 | 2026年10月9日 17時15分必着 熊本市の公式ページ |
補助を検討している事業所・施設は、被災箇所や被災した備品等の状況がわかる写真を残してください。見積書については、熊本県の制度では3社以上、熊本市の制度では3社分が必要と案内されています。なお、熊本市内の設備・備品等に関する災害復旧補助金は、別途案内される予定です。
▼介護事業所・施設向けの災害復旧補助金の詳細はこちら
障がい児者福祉施設向け|施設・設備の災害復旧補助金
熊本県は、令和8年熊本地震で被災した障害福祉サービス事業所等を対象に、施設や設備の復旧費を支援しています。対象は熊本市を除く熊本県内の対象施設・事業所です。
施設の災害復旧については、保険などで対応される金額を差し引いた対象経費が80万円以上の場合、補助率5/6(国4/6・県1/6)です。協議書の提出期限は2026年9月17日でした。
設備の災害復旧については、補助率10/10で、開設準備経費・災害復旧設備費の上限額は1か所あたり600万円、大規模生産設備は1,710万円です。交付申請予定の有無に関する調査の回答期限は9月4日で終了しており、所要見込額調査の提出期限は9月25日です。
設備・備品の被災状況がわかる写真や、見積書など実支出額・見込額がわかる資料が必要となるため、対象となる事業所は熊本県の最新案内を確認してください。
出典:熊本県「障がい児者福祉施設等の災害復旧補助金等について」
医療施設向け|災害復旧費補助金の活用意向は9月11日で報告期限終了
熊本県は、令和8年熊本地震などで被災した一定の医療施設等を対象に、医療施設等災害復旧費補助金の活用意向調査を実施しました。対象となるのは、公的医療機関、政策医療を実施している医療機関、医療関係者養成所など一定の要件を満たす施設です。
被災した建物や建物附属設備のほか、CT・MRI・リニアックなど建物と一体として復旧する医療用設備などが対象となります。令和8年熊本地震分の活用意向の報告期限は2026年9月11日で終了しています。なお、9月11日は活用意向の報告期限であり、補助金そのものの交付申請期限ではありません。
出典:熊本県「令和8年度に発生した災害により被災した医療施設等に係る災害復旧費補助金の活用意向の調査について」
国の追加対応|激甚災害指定・交付税616億円・予備費約242億円
政府は2026年8月7日、令和8年熊本地震による災害を激甚災害(本激)に指定する政令を閣議決定し、同日公布・施行しました。これにより、公共土木施設や農地・農業用施設などの災害復旧事業について、国庫補助率の嵩上げなどの措置が適用されます。
その後、2026年9月17日に改正政令が公布・施行され、公立社会教育施設の災害復旧事業への2/3補助、私立学校施設の災害復旧事業への1/2補助、市町村が行う感染症予防事業に関する負担の特例、罹災者公営住宅建設等事業への3/4補助の4項目が追加指定されました。
財政面では、熊本県と県内市町村に対する普通交付税計616億円の繰り上げ交付が決定されたほか、2026年8月4日には、被災地域への緊急支援、災害救助費、道路・有料道路の復旧などに充てるため、令和8年度一般会計予備費242億2,499万9,000円の使用が閣議決定されています。
普通交付税616億円や予備費約242億円は、自治体の財政運営や公共施設・道路などの復旧に充てるための財源です。被災した個人や事業者へ、この金額が直接支給される制度ではありません。個人・事業者が利用できる制度は、自治体や各支援機関が公表する個別の要件を確認してください。
出典:内閣府「令和八年熊本地震による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令の一部を改正する政令」について
出典:財務省「令和8年度一般会計予備費使用」
仕事と子どもの就学に関する支援
安全や当面の生活を確保した後、必要に応じて、雇用や子どもの就学に関する支援も確認してください。制度によって、今回の地震への適用状況は異なります。
雇用保険の基本手当の特例措置|令和8年熊本地震で実施
厚生労働省は、令和8年熊本地震で被災した方を対象に、雇用保険の基本手当に関する特例措置を実施しています。
災害救助法の適用地域にある事業所が地震により直接被害を受け、休業したために一時的に離職し、元の事業主へ再雇用される予定の労働者も、要件を満たすと基本手当を受けられる可能性があります。
また、指定された失業認定日にハローワークへ行けない場合の認定日変更や、避難先を管轄するハローワークでの手続きも案内されています。対象要件や必要書類は、最寄りのハローワークへ確認してください。
出典:厚生労働省「令和8年熊本地震に伴う雇用保険の特例措置について」
未払賃金立替払制度|令和8年熊本地震では申請手続きを簡略化
厚生労働省は、令和8年熊本地震による被災地域の方について、未払賃金立替払制度の申請手続きを簡略化しています。
勤務先の企業が地震による被害を受けたことなどにより倒産状態となり、賃金が支払われないまま退職した場合、国が事業主に代わって、未払賃金のうち一定範囲の8割相当額を立て替えます。対象となる未払賃金には、退職手当も含まれます。
原則として、対象となる勤務先は中小企業です。ただし、法律上の倒産手続きを取っている場合は、大企業も対象になります。立替額には退職時の年齢に応じた上限があり、未払賃金の全額が支払われる制度ではありません。
- 対象となる賃金:退職日の6カ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来した定期賃金と退職手当
- 対象外:賞与、未払賃金総額が2万円未満の場合など
- 問い合わせ:労働基準監督署、独立行政法人労働者健康安全機構
1.倒産状態の認定を申請する
勤務先が倒産状態にあることがわかる資料を添えて、最寄りの労働基準監督署へ申請します。勤務していた方が複数いる場合は、いずれか1人が申請すればよいと案内されています。
2.未払賃金額の確認を申請する
労働者一人ひとりが、賃金額がわかる資料を添えて、最寄りの労働基準監督署へ申請します。
3.立替払金を請求する
審査後に交付される書類へ振込先などを記入し、独立行政法人労働者健康安全機構へ提出します。
※今回の地震による被災地域では、申請手続きが簡略化されています。申請に必要な資料がない場合も、最寄りの労働基準監督署へ相談してください。
子どもの就学に関する3つの支援
被災により学用品を失ったり、就学費用の負担が難しくなったりした場合に利用できる制度があります。被災地外へ避難している場合も対象になる可能性があるため、避難先の学校や教育委員会へ相談してください。
- 教科書等の無償給与:災害救助法に基づき、災害で学用品を失った児童・生徒に対して、教科書、教材、文房具、通学用品などが現物支給される場合があります
- 小・中学生の就学援助措置:被災による経済的理由で就学が困難になった児童・生徒の保護者に対して、学用品費・新入学用品費・通学費・校外活動費・学校給食費などを援助します
- 高等学校授業料等の減免措置:被災による経済的理由で授業料などの納付が困難になった生徒を対象に、授業料・受講料・入学料などを減額または免除します。問い合わせ先は在籍している学校または各自治体の教育担当窓口です
高校生向けの家計急変支援|育英資金・奨学給付金
令和8年熊本地震による被災などで家計が急変した高校生等を対象に、熊本県は修学支援制度を案内しています。
- 熊本県育英資金の緊急貸与:随時募集。最終締切は2027年3月5日で、在学する学校を通じて申請します
- 奨学のための給付金(家計急変):国公立学校は随時募集で、最終締切は2027年1月29日です。災害で着用義務のある制服が使用できなくなり、再購入する場合は制服加算の対象になります
私立学校についても、家計急変による奨学のための給付金などが別途案内されています。
出典:熊本県「被災等の家計急変により緊急に修学支援が必要な方(高校生等)へ」
県立高校入試|被災者の入学者選抜手数料を全額免除
熊本県教育委員会は、令和8年熊本地震で被災した生徒が2027年度(令和9年度)の熊本県立高校入試を受検する場合、一定の要件を満たせば入学者選抜手数料を全額免除します。
対象となるのは、保護者等の持ち家が全壊または大規模半壊の被害を受けた場合、または災害により保護者等が死亡した場合です。持ち家の被害を理由に申請する場合は、罹災証明書の写しなどが必要です。
出典:熊本県教育委員会「令和7年8月豪雨及び令和8年熊本地震による被災者に対する令和9年度(2027年度)熊本県立高等学校入学者選抜手数料の免除について」
県立高校の入学金|全壊・大規模半壊は全額免除
熊本県教育委員会は、令和8年熊本地震で被災し、2027年度(令和9年度)に県立高校へ入学する生徒について、一定の要件を満たす場合に入学金を減免します。
保護者等の持ち家が全壊または大規模半壊となった場合は入学金が全額免除、中規模半壊または半壊の場合は半額免除となります。
申請を希望する場合は、中学校へ入学金減免申請書などの必要書類を提出します。
出典:熊本県教育委員会「熊本県立高等学校入学金の減免について」
こころと身体の健康相談・法的トラブルの相談窓口
被災後は、こころの不調だけでなく、避難生活による熱中症やエコノミークラス症候群、生活習慣病の悪化などにも注意が必要です。体調や生活上の困りごとがある場合は、自治体や専門機関の相談窓口を利用できます。
熊本市では2026年8月21日から、南区の城南まちづくりセンター2階に「総合相談窓口」を開設しています。災害見舞金や災害援護資金、住まい、公費解体など、生活再建に関する複数の制度を一か所で相談できます。また、専門相談として、司法書士による相談を9月1日から毎週火曜日、弁護士による相談を9月7日から毎週月曜日に実施しています。
出典:熊本市「被災された皆さまを対象に『総合相談窓口』を開設します」
被災された方が利用できる相談窓口
- 身体・こころの健康相談:熊本県内の保健所・保健センターなどで、被災後の身体的・精神的な不調について相談できます
- 車中泊健康相談ダイヤル:050-3499-7402(8時30分~23時)。熱中症やエコノミークラス症候群など、車中泊中の体調に不安がある場合に相談できます
- こころの健康相談:精神保健福祉センターなどで専門職が相談に対応します
- 法的トラブル解決:日本司法支援センター(法テラス)が、法制度や適切な窓口を無料で案内します
- 被災者見守り・相談支援:応急仮設住宅に入居する期間の孤立防止や日常生活相談を行います
出典:熊本県「被災地における健康相談窓口(保健所・保健センター等)」
なお、政府は震災に便乗した窃盗などを認知していると公表しています。不審な訪問や、修理・解体を持ちかける勧誘には注意し、契約を急がされた場合は市町村や消費生活センターへ相談してください。
令和8年熊本地震の被災者支援に関するよくある質問
被災者生活再建支援金は熊本県のどこに住んでいれば対象になりますか?
熊本県は2026年8月10日、令和8年熊本地震について熊本県全域に被災者生活再建支援法を適用することを決定しました。災害救助法が適用された10市10町1村に限らず、熊本県内すべての市町村が対象です。ただし、住宅が全壊した世帯、半壊または敷地の被害によりやむを得ず解体した世帯、大規模半壊世帯、中規模半壊世帯という被害程度の要件があります。申請先は、被災当時に居住していた市町村です。
単身世帯の被災者生活再建支援金はいくらですか?
世帯の構成員が1人の単数世帯は、複数人世帯の3/4の金額です。全壊・解体・長期避難世帯が住宅を建設または購入する場合、基礎支援金75万円と加算支援金150万円を合わせて最大225万円となります。大規模半壊世帯は最大187万5,000円、中規模半壊世帯は最大75万円です。
半壊でも被災者生活再建支援金を受け取れますか?
半壊のままでは対象外ですが、「半壊」「中規模半壊」「大規模半壊」の罹災証明を受けた住宅でも、そのままにしておくと非常に危険である、または修理にあまりにも高い経費がかかるなどの事情により住宅を解体した場合は、「解体世帯」として全壊世帯と同等の支援を受けられます。また、住宅の敷地に被害が生じ、同様の理由で住宅を解体した場合も対象になることがあります。
被災した家屋の解体費用は補助されますか?
熊本市は、全壊、大規模半壊、中規模半壊または半壊の被害を受けた個人所有の家屋等、中小企業者所有の事業所等について、所有者の申請に基づき市が代わって解体・撤去する公費解体を実施します。申請予約は2026年8月25日から、申請書類の受付は9月10日から12月10日までです。すでに自ら解体・撤去した場合も費用償還の対象となるため、工事前・工事中・工事後の写真、契約書、見積書、領収証、廃棄物処理の帳票類を保管してください。
一部損壊や準半壊でも使える支援はありますか?
準半壊であれば、住宅の応急修理を36万7,000円以内で利用できる可能性があります。熊本市の災害見舞金は、準半壊を含む半壊区分で1世帯3万円、床上浸水の場合は1万円です。準半壊に至らない一部損壊は、被災者生活再建支援金や災害援護資金の対象外ですが、税の減免、医療費の窓口負担の取扱い、義援金の配分など、被害区分以外の要件で利用できる制度があります。市町村の窓口で確認してください。
災害弔慰金と災害見舞金は何が違いますか?
災害弔慰金は災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく全国共通の制度で、生計を維持していた方が亡くなった場合は500万円、その他の方は250万円が上限です。重い障害が残った場合の災害障害見舞金は、生計維持者250万円、その他の方125万円です。一方、災害見舞金は市町村が独自の条例や要綱で定める制度で、熊本市の場合は住宅の全壊5万円、半壊3万円などとなっています。どちらも支給は市町村が行うため、住まいの市町村へ確認してください。
罹災証明書はどこで発行してもらえますか?
原則として、被災した住家がある市町村へ申請します。火災による被害については、消防署が証明書を発行する場合があります。必要書類や申請方法は自治体によって異なります。被害状況の写真が必要になる場合や、提出を勧められる場合もありますが、撮影のために危険な建物へ入らないでください。政府は8月10日の非常災害対策本部会議で、罹災証明書の速やかな交付に向けて関係省庁が連携して支援を強化する方針を確認しています。
住家の「全壊」「半壊」などは、どのように決まりますか?
被災した住家がある市町村が被害認定調査を行い、国の基準に基づいて「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」などを判定します。見た目や被災者自身の判断だけで決まるものではありません。判定結果に疑問がある場合は、再調査を申請できることがあります。被害区分によって使える支援制度と金額が変わるため、判定結果は必ず確認してください。
仮設住宅にはいつから入居できますか?
民間賃貸住宅を活用する賃貸型応急住宅は、対象市町村で受付が行われています。建設型応急住宅についても熊本県内で整備が進んでおり、2026年8月29日には氷川町吉本仮設団地が完成しました。熊本市が整備する3団地・計50戸の入居申込は9月4日で受付を終了しています。書類提出期限は9月10日、申込多数の場合の抽選は9月12日、入居は9月中旬以降の予定です。
被災した事業者は、まずどこに相談すればよいですか?
日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、熊本県信用保証協会、商工会議所、商工会、よろず支援拠点、九州経済産業局などに、被災事業者向けの特別相談窓口が設置されています。また、政府は2026年8月25日、八代市、宇城市、御船町、嘉島町、氷川町の5市町について、中小企業に関する特別の助成を追加指定する政令改正を閣議決定しました。これにより、通常保証やセーフティネット保証4号とはさらに別枠の「災害関係保証」が適用されています。熊本県内の被災事業者は、中小企業省力化投資補助金・一般型第8回でも審査上の配慮が行われます。制度の最新情報は熊本県、中小企業庁などの案内を確認してください。
まとめ|まず身の安全を。その後に、罹災証明書と記録を
令和8年熊本地震では、熊本県全域への被災者生活再建支援法の適用により、最大300万円の被災者生活再建支援金が支給されます。事業者向けにも、特別相談窓口や資金繰り支援に加え、八代市、宇城市、御船町、嘉島町、氷川町の5市町について、中小企業に関する特別の助成を追加指定する改正政令が公布・施行されています。
支援制度の多くは、罹災証明書に記載される住家の被害区分が入り口になります。まずは市町村へ罹災証明書を申請し、交付された区分に応じて使える制度を確認していきましょう。
ただし、余震が続いている間は、手続きや写真撮影よりも身の安全が優先です。倒壊のおそれがある建物や危険な場所には立ち入らず、被害状況の記録は安全が確認できた後に、無理のない範囲で行ってください。
1.身の安全:余震、建物の倒壊、落下物、土砂災害などに注意する
2.自治体の情報:避難情報や被災者向けの案内を確認する
3.罹災証明書:被災した住家がある市町村へ申請する
4.被害の記録:安全が確認できた後に、無理のない範囲で写真などを残す
5.制度の申請:被害区分に応じて、支援金・応急修理・解体撤去などを市町村へ相談する
制度の適用状況、受付開始日、必要書類は、市町村や制度によって異なります。熊本県、市町村、経済産業省、各支援機関の最新情報を確認してください。
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